ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -236 //なに?夏の/花。なに?花。たとえば/朝顔はかたむいた//15
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
ジュージュ、と。男、と、できたらしいじゃん。そのメール。美々。同級生。樋川美々。返そうとして、樹々。惑う。ふと、
なぜ?
いいかな
山田樹々。…だれ?
なぜ?
わたしが
どんなやつ?
秘密にしようと
しあわせになっても
メール。性急な、
あえて、わたしは
いいかな
次の。秘密、
なぜ?
やがて
と。樹々。まだ、
なぜ?
しあわせに倦んでも
わたしは、と、まだ、
微動。の、
だれにも秘密にしておこうといま、
の、ような、その
まだ、と、
微震。の、
わたしはだれにも秘密にしてまだ、
の、ような、その
と、だれにも、
微弱。な
と、わたしは、
な、そんな、その
と、まだ、
微動。の、
と、そう思って、
の、ような、その
と。樹々。そして樹々は顔をあげた。電車。そのなかで。目の前に立った中年のベルト。謂く、
震動。微動
むきだしの
震動。微動
やや、しかも
震動。微動
無意味。な、のだろう
髪が、耳に
ささやきたいんだ
震動。微動
あるいは、もう
くすぐる。耳を
胸を張り、たぶん
震動。微動
だれも。が、知っているのだろう
耳に、髪が
しあわせになれるよ、と
震動。微動
が、ある、のだ。まなざしには、あやうい傾斜。が、あ
かすかな。しかも
予感がある。たぶん
やさしい。しかも
すぐに、わたしたちは
辛辣な。しかも
終わっちゃうんだよ
急激でさえある
のだ。まなざしには、あやうい傾斜。が、ある、のだ。ま
震動。微動
きっ。と、き。あしたには
キーが、指に
顔をあげかけ
震動。微動
告白してあげる
撥ねるかのような。指を
携帯。手のひらに
震動。微動
その耳たぶ。息。を、吹きかけ
耳に、キーが
小刻みなヴァイブ
震動。微動
震動。微動
むきだしの
震動。微動
やや、しかも
香月。病室。午前八時。柴田勝馬。父。彼が手づから濡らしたタオルでひたいの汗をふいてくれているのに、
ほら。あなたの
あ。なま、あ
閉じる。
むすめだ。わたしは
あ。あたたか、あ
眼を。香月。睫毛。それがタオルにふれる。いたずらじみて。謂く、
知っている。もはや
わたしより、より
おおきな悲嘆が
はじけた?あなたに
ささやき声が。むすうに、む。すうに、む。ささやき声が。
やめて。あなたは
至近で、きみの
わたしより、より
無駄でかつ真摯な努力
あなたは、やめ
傷みをあえて隠そうとしないで
はじけた?あな
知っている。もはや
わたしより、より
あきらかな絶望が
散った?あなたに
声が。むすうに、む。すうに、む。ささやき声が。むすうに、
やめて。あなたは
至近で、きみの
わたしより、より
残酷かつ誠実な必死、を。
あなたは、やめ
あえてあえ、悲しみをあえてあ、消そうとしなえてあえ、いで
散った?あな
きみはきみができることをせよ、と。
やめて。あなたは
ならないで。分かった気になら
思うほど、思っ…違う?
泣きたいなら
失せて。ありがと
じゃん?他人。じゃん?
それほど不幸でなかったとしたら?わたしが
泣け。死ね
やめて。あなたは
所詮。ただ血がおなじだけの所詮。ただ
違う?きみが思っ。思う、思っ
死にたいなら
失せて。ありがと
31。明け方。五時。山田樹々はその唐突なメールにマンションを出た。足を
そっと
わかってほしい
色彩が
しのばせて。やさしいけれど
恋人たちは
わたしは、いまこそ
沈黙していた
頭がわるく
そっと
完璧なのだと
色彩が
気が利かないママちゃん。基本間抜けで臭いが赦せるトト。そして弟。カス。うざいだけのカス。諦めのなかに、カス。可愛がる。どうやっていまの時間に由比が浜から、…彼。こんなところまで彼。来てしまったのか、彼。樹々はその彼。あるべき疑問にさえ彼。気づかなかった。場所は?と。メール。どこに、いるの?
ここに
ほら。いま
答え。踏切を
きみのこころに
これみよがしな
渡ったところの、セブンの
やわらかなそこに
深呼吸を
前、と。わからなかった。とっさに樹々はそれがどこか。だから駅にまで来いと送った。しぶった。道、あったっけ?土地勘がないのが樹々にはあきらかだった。線路、
時は、いま
歩いてきちゃえば?
時は、いま
すこしして、吉野屋の前だとメールがあった。それでも樹々は把握しかねた。正面口のさきの本屋のあたり、樹々。だらだらと徐行するバイクを見つけたとき、樹々。思わず笑った。手を
ここに
行かないで
振った。バイクは
きみのこころに
ひとりにしないで
気づかなかった。通り過ぎ、
やわら
叫びそうだよ
バイク。タクシー乗り場をそのまま迂回しかけた。走りかけた。樹々は大声をあげるのが苦手だった。だから、喉にたてた声はひびかなかった。躊躇。唐突に、樹々は手を打った。四度、
ぱっ、ぱ、
五度、もう、
ぱぱ。ぱっ、
意味不明な拍手に似たそれさえ気づかれなかったと諦めた須臾、バイクはいきなり旋回をはじめた。気づいていたのだ。すでに。乗り馴れない車体に旋回を苦労していただけだったに違いない。楠は。昂揚。樹々に。だから破顔。笑う。声は、あくまでも喉に立たない。謂く、
やさしかった。きみは
そうじゃない。これは
乗り越えられるよ。きっと
やばい。夜って
いちばん、だれよりも
勘違いじゃ、じゃ、
じゃっかん、うざい
音が。こんなに?
きみだけが?
じゃ、じゃ、気の迷いでも
こんな子だけどいいですか?
だっ。ひびいちゃうん
やさしかった。きみは
オーバーカム、意味は克服death
嫌ではなかった
あなたは、ひとり
知ることは。きみを
教えた。わたしに
思えていた、と
愛するよろこび
たしかに、わたしは
ラブフォーエバー、意味はめっちゃ好きdeath
やさしかった。きみは
あきらかな、事実
変わるよ変わるよ変わ、思い出に
見つかったかな?
いちばん、だれよりも
現実。それだけが
じゃっかん、ずるい
どこかで、さ。すくなくともど
きみだけが?
飲み込むのだ。わたしをも
こんな子だけどいいですか?
野良猫がうかがう。猫が
やさしかった。きみは
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