ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -235 //なに?夏の/花。なに?花。たとえば/朝顔はかたむいた//14





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





沢井綾子。午前11時半。父親は

   赤裸々、こんなに

      聞け

不在。あくまでも

   赤裸々に、世界中に

      ひびきを

平日だから。雨。猶も

   赤裸々、こんなに

      鼻孔に、

雨。食卓に早すぎる昼食を、…ね?「なに?」郁実。ほほ笑み。なにも問題がないただの日常がしあわせだったって思えるそんな日がくるよねきっと。思った。綾子は。「あした、」

「え?」

   事実。いまも

      色彩さえない

         豪雨だ、よ

「晴れかな?」

「かな?」

   幸福だった

      傷みであろう

         豪雨だった、よ

「どっか、行か」

「どこ?」

   わたしは

      色彩さえない

         雷鳴さえ、も

「知らない。決めて。ママ」

「わたし?」

   明確に、いま

      歓喜でいよう

         豪雨だ、

「晴れ、なの、」と、「かな?」綾子はそっと頸をかしげた。謂く、

   降ればいい

   どしゃぶり

   雨。その雨

   降れば、

蝶は、あげは。たとえば蝶は。狂気するだろうか?蝶は、あげは。たと

   降ればいい

      好き。雨が

    ちがうちがうってちが。きみを

     根拠などない

   どしゃぶり

      なぜなら、すべて

    辱めてない

     明日が晴れという

   雨。その雨が

      色彩をうばうから

    すこしも、ちっとも

     確信は、その

   降れば、ただ


   降ればいい

   打ち叩き

   雨。その雨

   降れば、

蝶は、もんしろ。たとえば蝶は。失望するだろうか?蝶は、もんしろ。たと

   降ればいい

      好き。雨が好き。

    ちがうちがうってちが。きみを

     しかし、もはや

   打ち叩き

      なぜなら、色彩を

    傷めつけてなんか

     ふたり。我々ふたりには

   雨。その雨が

      より濃く。いや濃くするものだったから

    わずかにも。さえ、も

     確信さ、…かたくなに。れ

   降れば、ただ


   降ればいい

   鳴り響き

   雨。その雨

   降れば、

いぢめてみようか?羽根あるものたち。それら、太陽規模ではごく微生物にすぎな、いぢめてみようか?

   降ればいい

      好き。雨が、好

    ちがうよちがっちがっ。きみを

     やがてまなざしは

   鳴り響き

      なぜなら、すべてなぜなら

    もてあそんでない、よ。ぜんぜん

     旱魃被害の

   雨。その雨が

      ぬりこめるのだから。その白濁に

    すこしも、かすかにも

     深刻を思っ

   降れば、ただ

香月。柴田香月。病室でふと、香月。まばたく。天井が見える。もうすぐ始まる。リハビリが。そう思って眠ってしまった。その記憶がある。いつ?まだ

   わたしは、いちども

始まらない。

   かなしまなかった

リハビリが。どれくらい?何十分、十何分、何分、何秒?どれだけ?わからない。香月は、眠り。どれほどか。見られない。時計は。頸も時計もその位置にない。ふれあわない。かさならない。わからない。焦燥を、

   わたしはいちども

      微笑を

香月。絶望に似せて

   悲嘆しな

      微弱に

焦燥を、香月。咬んだ。謂く、

   夢を見た。夢

   見た。しろい

   鱗。その

   蚯蚓が、そこに


   夢を見た。夢

    恐怖。または

   見た。しろい

    やがて、奇妙な

   鱗。その

    達成感

   蚯蚓が、そこに

   爪。そして

      沈黙など

    教えて。わたしが

     明晰夢にはちがいない

   指の肉。しのび

      周囲。だれも

    見た夢の、その

     しかし、夢を操作する

   試みた。侵入を

      してはいなかった

    明晰な意味を

     その気がないのだ

   蚯蚓が、そこに

清潔だ。わたしは、あくまでも

   夢を見た。夢

   見た。逆に

   笑った。その

   わたしが、そこに


   夢を見た。夢

    怒り。または

   見た。逆に

    やがて、切実な

   笑った。その

    賛美。に、似た、感情。…感覚?

   わたしが、そこに

   爪。そして

      色彩は

    うばって。わたしから

     なぜ?だれもがもはや

   指とゆびさき

      周囲。歎かわしいほどに

    見た夢の、その

     沈黙におなじささ

   見せた。痙攣を

      あざやかだった

    明晰な意味を

     苛酷なささやき、を

   わたしが、そこに

安堵してさえいる。わたしは、あくまでも

   夢を見た。夢

   見た。ひたすらに

   耐えて、叫びを

   だれもが、喉に


   夢を見た。夢

    逃避。し、または

   見た。ひたすらに

    やがて、鮮明な

   耐えて、叫びを

    逆走へ。の、欲求

   だれもが、喉に


   絶えたのに。もう

      求めるものなど

    教えて。わたしが

     なにを?そこで

   叫び声など

      周囲に。だれにも

    見た夢の、その

     どうすれば彼等を

   だれも、可能性さえも

      なにもなかっ、周囲という概念そのものさえ?

    うばわれた意味を

     救え、え、得たのだろう?救え

   絶えたのに。もう

鮮烈だ。わたしは、あくまでも

   夢を見た。夢

   見た。や

雨。その湿気の沁み込んだ体をシャワーで流した。午後6時。17時すぎに樹々と別れた。めずらしく秋子が

   やがて、や

不在だった。めずらしく

   ぼくらは、ぼ

リビングには高子がいて、めずらしく掃除機をかけていた。快活だった。ショート・パンツだけ穿き、シャワー・ルーム。高明は外に出た。リビング。いまだ返り見もしない高子をうしろから、いきなり

   なにもしないよ

      おののきと

抱きしめた。

   安心してよ

      恍惚。ふたつに

抗わなかった。むしろ

   あかるいひかりに

      明確なちがいなど

高子は身を

   見たくない。きみを

      すくなくとも

預けた。あるいは樹々にもとめるべき挙動、と。惑った。高明。高子がそれとなく求めていたから。そう高明は気づいた。だから、おれはいま、と、抱きしめている。この女を、と。高子。その続柄が、思わず高明に鮮明な興奮を与えた。樹々が与えるべくもないものだった。深みにはめられる、と、高明。そこに厭うた。その、腕のなかの肉体の触感を。謂く、

   ゆるむ。だから

    みだらさ。そんなもの

   二の腕。その

    感じさせず、なにも

   脇腹。その

    あなたは、しかも

   肩も。そこ


   ゆるむ。だから

    餓え。そんなもの

   気配。その

    匂いわせも、なにも

   息づき。その

    あなたは、しかも

   なに?そこ


   気づかなかったふりに

      好きなの?

    感じていますか?

     やめて。…加害者の

   わたしは、あえて

      なぜ?いつも

    ゆっくりと目覚めてゆく

     ふりは。唐突な

   見過ごそうとし

      声さえ立てずに

    硬直。そこ。赤裸々。そ

     やめて。被害者の

   あなたは、やがて

好きになってくれてもいいよ。きみを、

   ゆるむ。だから

   ゆるみ、だから

   ゆるむ。だから

   ゆるみ、だから








Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

0コメント

  • 1000 / 1000