ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -231 //なに?夏の/花。なに?花。たとえば/朝顔はかたむいた//10
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
山田椿。9時。「マーシー」と、雅秀。ささやき。かれが呼び声に返り見た一瞬の赤裸々な怯えに、「退屈してんだけど。せ、おれ。せきっ。あんた、せ。ってか、責任取れね?せきっ。ね?おっさん」ふと、椿。ひとり無防備に笑ってしまう。椿。水葉はベッドで腰を振る。雅秀のために。過剰に、その、
あ、あ、あ、
感じたくない?
そこ。声と
いー、いー、いー、
せめても、さ
表情と
あ、あ、あ、
いっちゃいたくない?
感情を過剰に。窓の外。白濁の海は、謂く、
海は。いま
白濁を、ほら
綺羅。散乱
いま、海は
さけぶなよ。わめくなよ。どなりちらしてんなよ、
海は。いま
罵倒するかにも
いま。そらしておくよ
蠅?いいえ
白濁を、ほら
綺羅を散らしまくり
ほら。眼を。眼には
むしろ、背後に
綺羅。散乱
罵声だったかに
ら。ら。見ないでおくよ
雄。死にかけの餓えた蚊。の、
いま、海は
樹々。そして
罵倒するかに
沈黙していて
高明。その
罵声だったかに
とめどない波たち
海辺。ふいに樹々は、「…デート。じゃね?」と、そのみなとみらい。海辺。最初の橋のうえ。雨。「って、」そして高明は、「なに?」笑んだ。うつむいた樹々。その
肌が毛孔をひらき
かゆくない?
きみ。見て
眼。眼?
見るのだ。あなたを
潮風。ややかゆ
これが、きみ
眼に、樹々のためだけの笑みがふれる須臾など有り得ないままに。樹々は高明のこころなどすでに放置していた。「ふたりの、さ」
なじってくれ
純情なおれと
「おれら?」
ぶん殴ってくれ
おれの純情を
「っぽくね?最初。の。の?の。っぽくね。デートっぽ、く。的な」抱こうか?と。ふと、思う。思わず右手に下げた傘を放りすてて。左手をポケットから
すぱぁーん、と。…ね?
引きずり出して。やや土砂降り始めた雨のなかに、お前を羽交い絞めにいま抱きしめたなら、お前、「好き?」ふと、
え?まじ?
厖大な海は
高明。それは。
え?やばっ
ぼくにだけ、もはや
声。高明はその、
え?まじ?
色褪せていた
じぶんの言葉にかるい驚きを聞いていた。…って、樹々。「な、って。…好きって、だれ?」
「おれが、好き?お前…」
「なにそれ。すっげぇ自信過剰な奴」…だね、と。高明は、
叫びたい
ちぢんでいった
だね。おれから
好きだ!
蝸牛の舌が
謂わないと、駄目な
お前が、死ぬほど
と、そんな
子なん、だね。いちいち
好きさけっ
朝の夢に
クッソめんどくせぇの好きな
叫びたい
と、そんな
子なん、だね。若干、
愛を!
蚯蚓の色が
思考回路澱んでんじゃね系の子なん、だ
留保なく恥知らずなまでの
うすれていった
ね、と、…だね。「お前のこと、」高明ははっきりと「おれ、」云った。そこに「好きだよ」樹々。やばっ。やっ、「…まじだ」やばっ。やっ、と、「お前も、おれなんだろ?やっぱ、」さ、「結局、」さ、「お前が」さ、「好きに」さ、「なれるの」そして自分を見下ろした高明をふいに見上げると、樹々。微笑みながら樹々は耳に、樹々。自分が曖昧に立てた舌打ちをかわいらしく聞いていた。その瞬間、自分をさえをも愛してさえいた。謂く、
全身全霊で
好きだよね。わたし
羞恥、とか?
泣いていい?いま
きみを。だから
きみが。きみのこと
うざいんだけど、でも
理由もなく、ね?
気がすまで、ほら
ややクソださくて、も。さ
かなり大事な気持ちって気が、さ
泣いちゃいたい的
見つめてあげれたら
全身全霊で
きみを
全身全霊で
きみを
全身全霊で
消えて。そのまま
ツンデレ、とか?
過呼吸じゃねぇよ
きみを。だから
わたしをしあわせにしつくして、で、
めんどいんだけど、も、さ
病んでもいねぇよ
気がすむまで、ほら
取り残したまま
かなり誠実な気持ちって気が、さ
リスカしねぇよ
癒してもらえたら
7時半。待ちきれなかった。餓えていた。一ヶ月ぶりだった。事実、たしかに水葉にささげたのまぎれもなく、いまさらクソのクソ餓鬼もクソもクソはずかしいほどの純情だった。水葉のためなら死ねた。雅秀。朝イチで電車で鎌倉に来た。車は前日に椿が派手に廃車にしていた。車ごと芝埠頭に突っ込んだのだった。助手席には看護師がいた。猿轡と目隠しと後ろ手に縛られたせいで不用意な女ずわりと失禁とで、男は汗を散らしていた。単にハルシオンの横流しを拒否するという申し出への見せしめにすぎない。そもそも椿が出て行くべくもない。末端の兵隊にやらせばよかったのだ。椿はあくまでも、現場を愛した。拳を傷めようが足の指を傷めようが、椿の
勝負だぜ
知ったことでは
ややかたむきのある
なかった。もう
菖蒲だぜ
充分死にかけたときに、椿は割れた男側の窓から這いずり出た。男を引きずり出した。どちらかが負傷したに違いない。血煙が巻き上がったのが見えた。男は失神していた。水を飲んだに違いない。浮かせたまま放置し、椿は埠頭にやや迂回して帰った。もう、懐中電灯が数個見えていたから。男の生死を椿は知らない。なぜか踵にすこしの損傷があった。血煙の正体がそれだけだったとは、椿にはとても思えない。謂く、
飢餓を
気がふれ
狂いそうなほど
飢餓を
感じられる?おれ。この、グ。るーブっ。…感
なにを云えと?
錯覚。耳のうら
泡だち。周囲
ささげておく。きみが
それ以外。もう
声を執拗にひそめられ、た、まま
無造作に。それら
祈りを。いまも
それ以上。もう
笑われた、と。そんな
泡立ち。ぐるり
しあわせでありますように
なにも。なにを?
感じられる?おれ。この、グ。
飢餓を
気がふれ
狂いそうなほど
飢餓を
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