ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -227 //なに?夏の/花。なに?花。たとえば/朝顔はかたむいた//06





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





声を。夭子。くちびる。舌が、高明。肩。そのすれすれに顔をよせたまま夭子がささやくのを「ヒデは、」

   近視?

      吐息のように

聞いていた。「だから

   菌糸?

      ため息のよ

英雄くんは、さ。基本、いいやつ」

   吐きそうだ

      なぜ、ぼくたちは

「付き合ってんの?」

「気になんの?」

   さ。なんか、さ

      生まれちゃったの?

         ざわめきを

「べつに」

「お尻、なめるの、うまい」

   無意味に、さ

      どこから、ぼくらは

         ざわめきのない

「聞いてない。それ」

「なめたい?」

   いまにも、もう

      来たの?だれ?

         空間に、ふと

「やめて」

「孔にも入れちゃうよ。べろって」

   吐きそうだ

      どこへ?

         感じていたり、

「きも」

「うそ」と。そして夭子は退屈しきったうわめづかいに、素直に不快な高明を見上げた。謂く、

   ぼくたちは、ね?

      指が、手のひらを

    似、いつくしむに、似

     刺して。ぶっ。色彩を

   どこから?だれ?

      ひん曲がってゆき

    いっしょに、さ。だからいっせいに、さ。だからいきなり、さ

     わたしをひそかに

   どこへ?やがて

      つら抜けばいい

    なじりあおうよ。え?唐突に

     染めつくせ。ぶっ。刺して

   ささやきあいながら


   沈黙をさえも

    放置した。ほら

   きみはくれずに

    あなたは、わたしに

   誘惑さえも

    放置され、だから

   するわけでもない


   ぼくたちは、ね?

      すべての手指が、自分を

    似、たわむれるに、似

     刺して。色彩を

   どこから?だれ?

      裏切りのうちに

    いっしょに、さ。だからいっせいに、さ。だからいきなり、さ

     ぶっ刺し、さ。むごたらしいくらい

   どこへ?やがて

      いいのだ。掻きむしりはじめれ

    殴りあ、あ、俊敏に。やがて

     ぬりたくればいい

   ささやきあいながら

29日。午後8時。沢井綾子。まばたく。まだ、

   なに?

と。思う。生きている。事実、

   傷み、とは

生きているから、生きている。また、慥かに死にたいなどと思ったことは一瞬さえなかった。そう綾子は

   窮まる。いま

      なぜ、わたしはまだ

         傷み、とは

思った。手首の

   唐突に、ふと

      笑い転げていないのだろう

         なに?

傷みはすでに

   全能のいぶき

      なぜ、わたしはまだ

         傷み、とは

肉体に

   窮まる。いま

      鼻孔に指を突っ込まないのだろう?

         な

馴れた。と、狎れた。思った。その須臾、手首に鮮明に傷みがあらわれ、はっと。あざやかだった。え?っと。肉体が、はっと。手首を傷み、異物として手首が、

   鼻血。かな?

      目覚めている

傷んだ。違う、

   耳のうら側に

      明晰に、ただ

と。思った。知ってる?手首はいま肉体ではない、と。矛盾。論理的破綻。しかし事実として、まったき違う、

   感じた湿りは

      わたしは、いまも

と。思った。知ってる?手首はいま肉体ではない、と。思った。まったき、事実。不穏だった。綾子はすでに笑いそうになって、執拗で支配的な恍惚が瞼に、

   はっ

発光。頬の

   はっと

笑みをかたちづくるわずかな自由をさえ

   はっ

発光。赦さなかった。

   はっ

発光。その

   はっと

実感。かつ発熱。的な、感覚。にじみような。ほほ笑みは、繊細をきわめた全身的運動の強烈だった、と、ベッド。知覚の覚醒。綾子。茫然と。まばたく。謂く、

   舐めた。そっと

   だれにも、もう

   気づかれないように

   舐めた。そっと


   なにを?を。お

   なにを?を。お

   手首を。しかも

   流れ出していた。そこ、に

たしかに、目は。視野を拡げた。…見えている、のだ。…舌は?

   舐めた。そっと

      いじめないで。だれも

    かなしみなど、いちども

     強烈に。いま

   だれにも、もう

      わたしを、いじめているわたしを

    感じたことはない。だから

     豪快に。いま

   気づかれないように

      いじめないでいてあげ

    知った。我々はあくまで無垢だったのだ、と

     瞼。それがわたしにまばたく

   舐めた。そっと


   なにを?を。お

      いじめないで。だれも

    ちがうんだ。すこしも

     情熱、と。かろうじて呼べた昂揚。が、いま

   なにを?を。お

      わたしを、いじめているわたしを

    恐怖さえ、ぼくには

     赤裸々に。いま

   手首を。しかも

      いじめないでいてあ、あ

    きざさなかったというこの現実が怖くて

     ただ褪せてゆくのを

   そこに流れ出していた


   チ。ち。血を

    知ってる?背後に

   血を、舐めた

    たぶん、夏の、か

   そっと、だれにも

    蚊たちが、か。遊ぶ

   もう、気づかれ


   チ。ち。血を

      失神したのだ

    知ってる?背後に

     傷みは、わたしの

   血を、舐め、な

      空中の交尾に

    たぶん、夏の

     わたしをも、きみを

   そっ、だれにも

      雄。つながったまま

    蚊たちが、か。失墜を、その

     通りす、迂回。もう

   う。あ。気づかれ

たしかに、目は。視野を拡げた。…見えている、のだ。…鼻孔は?

   舐めた。そっと

   だれにも、もう

   気づかれないように

   舐めた。そっ

29日。午前。その

   翳りに、翳り

      咬め

4時半。

   翳りあい、だから

      赤褐色の

高子。知っている。自分の

   翳りに、翳り

      月を

肉体を裸に剥くもの。生きた肉体。だから肉体。それがまさに生きて活き活きと生きていることを、だれ?知ってる。高明。夙夜。そう呼ぶにはまだ早い。深夜。まだ?いまもなおまだ深夜と?ベッド。の、頭のほう。丸テーブルに置かれた時計。100円ショップの。秋子が購入。みどり。蛍光の

   見て。これ、さ

      ことばたち

         いえ、ろー

光。みどり。

   安っぽいけど

      いま、騒音として

         ややグ。りーん

4時半。高明の

   かわいくない?

      なりひびけ

         いえ、ろー

したいままにまかせた。思った。ひさしぶりだと。昂っていた。高明は。いけない、と。案じた。高子。泣きそうだった。自分を傷めては、と、傷つけては、と。汚しては、と、いけない、と。高子。だれ?あなたをそんなに追いつめたのは。だれ?

   老けた?

      みずみずしいほどの

わたし?

   なんかやや唐突に

      衰弱を、そこ

あるいは、そして

   老けた?

      褪せた黒影

泣きそうだった。高子は捻じ曲げた首の上に、自分の恍惚としかけたほほ笑みがあることなら知っている。他人じみ、久しぶりに、そして高明に腕をからめ、抱いてやる。謂く、

   あなたが両手で

   打ちつけたとして

   海は荒れた

   波を興こしは

しない?しない?しない?温度。…が。なじむようにとけ、沁みるようにとけ、にじみ、その温度。…に、

   あなたが両手で

      孤独。あなたが

    激情!で、あった。それ。きみを

     聞こえた?息を

   打ちつけたとして

      孤独。だから

    きみひとりだけを

     きみのさびしさのために

   海は荒れた

      孤独。わたしは

    飲み込みかけて激情!で、

     故意の、聞こえた?

   波を興こしは


   あなたが両手で

   殴りつけたとして

   空はすさんだ

   罅をさらしは

しない?しない?しない?香り。…が。なじるようにゆれ、漏れるようにゆれ、なじみ、その香り。…に、

   あなたが両手で

      孤独!で、あっ。ええ。わたしが

    死ぬよ。同情をさえ

     感じた?もう

   殴りつけたとして

      孤独。だから

    な、ら。拒否するというのな、

     突然無力なきみの頭髪が

   空はすさんだ

      孤独。あなたは

    わたしはきみの眼の前で死ん

     ん?戯れにこすれ、た

   罅をさらしは









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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