ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -222 //なに?夏の/花。なに?花。たとえば/朝顔はかたむいた//01
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
色彩よ。ほら
色彩よ。ほら
あざやかに、いま
ほのめかすかに
曲線よ。ほら
曲線よ。ほら
あきらかに、いま
ほくそ笑むかに
視野に、視野たちに、死者に、死者たちの、視野に、視野たちに、死者の、死者たちは、視野に、
色彩よ。ほら
破壊的で、あろうか?
おれとは明確な
と。つぶれる。…と
曲線よ。ほら
ささやきのある色彩が、その
破滅。破綻かつ
そんな曲線。つぶやきが、その
あざやかに、
そそのかすかに、その
悲劇である。…かも。
自重に耐えられなかった、に
あきらかに、
2002年、7月。夭子に依るタトゥーはまだ完成していなかった。学校で水泳の授業が始まる。その事実に、と、高明はタトゥーに問題があることに気づいた。若干の焦慮。その
やや、や
初日。月の
やべっ
最初の水曜日、午前、更衣室。着替えの最中から高明の周囲にさまざまなまなざしが飛び交った。唐突な自尊心。上半身裸。着替え終わり、さすがにもうそのタトゥーを如何にしても隠すことは
やや、や
鬱?日射し、が
不可能だった。
やべっ
かたむき。あわく
まなざし。少年たち。騒ぎ、煽り、または陰湿なまなざしにそこかしこに沈黙を曝し、曇り空、プールに出て、不穏な水着姿を女子学生が更に囃し立てた。または陰湿なまなざしに、沈黙。だれもがその日の
やや、や
火を放つがいい
鬱?日射し、が
授業がまともにはじまらないことを、
やべっ
焼き捨てるがいい
かたむき。あわく
承知していた。すでに。殊更に咎める声を立てた数人の女たちの声も、ななめと背後に高明は聞いた。だれかがすでにチクったにちがいないと高明は解釈した。楠と琉偉はクラスが違った。ふたりは同じクラスだった。高明がいなければ、教室ではあくまで稀薄な他人にすぎない。体育教師はあえて、高明の肩の紋様に気づかないふりをした。やりすごした。放課後、担任に呼び出された。教室で、と、「ちょっと待ってろ」極端に
救済を
まっすぐな
魂に
まなざし。その40代の男性教師は云った。木下久雄。土地の人間ではない。いま、と。ご両親にも来てもらってるから。そう云って、自分の失言に久雄は気づかない。高明の前に座った。しかも高明のすれすれに、眼をかたくなにあわせない久雄に、高明は彼の焦燥と憤慨を
いっ
傷つけないで
見た。
いいっ
ぼくを
鮮明に。笑いそうになっていた。悔恨があった。高子に。高子が取り乱すことは知れて思えた。息をあららげ、
むしろ、こころは
見て。いますべてが
傷つけない
取り乱して来たのは、
駆けた。背後に
いとおし、い。見て
ぼくは
秋子だけだった。入口。ふと立ち止まり、接近。歩みより。近づくなり高明をひっぱたいた秋子にいきなり、久雄は学生に対する情愛を思い出した。また、それに染まった。質疑は自然、秋子を気づかう大人の大人らしい気づかいの主戦場になった。快活をつくって発される言葉。それらひとつひとつが慈愛といたわりを撒き散らした。その冷淡なまでに上質なやさしさにひとり、飽くなく荷担しながら秋子は
視界は、ふいに
復活だ
倦んだ。
昏くなる
見よ
かたわら。その
世界は、ふいに
新生だ
高明の存在そのものが秋子の視野を絶望に塗りつぶした。しかも存在は、明確なかたちをは結ばない。空虚で、充溢しきった存在の固有。学校側の処罰は敢えてしないという決定になった。そう久雄はささやきかけた。秋子に。「感じやすい年齢だから、」まばたき、「だから、」性急な、そのまば「突発的に、」でもな、と。久雄。高明に、…入れたら、「消せんぞ。もう」入れ墨「わかるか?」消せんぞ。お前「わかってやってるか?」一生。その発言だけは唐突に、
消え去らない、痕跡を
いい、いい、いっ
無力。はなやかな
不用意だった。秋子。そこに
ぼくら。残せは。…決して
いひ、ひい、いっ
不可能。けばけばしいほど
すすり泣きはじめてしまったから。「わかるんだ。おれも。むかし、意外にわるかったから。おれは。だから、」…泣く。声をあげて秋子は、そして「でも、みんなに心配、かけるから、」のけぞって「な?」ふと「そこは、わかれ。な?」つきだした顎に、やがて
反抗期の消滅
ほざけ。おやじども
秋子は涙を
反抗期の喪失
ほざ
拭った。それがまるで、試合にやぶれた男性学生かなにかのそぶりかに思わせた。高明に。通達。学校の決定として水泳は免除。ようするに排除。自習として、処遇は体育教師のその時の指示にまかせる、と。高明。彼にそれを拒否する必然はなかった。帰り際、秋子はひとことも話しかけなかった。それどころではなかった。秋子は
巣を。沈黙が
ささやいて
やさしい、ん。…だっ
その心内、すまじい
わたしの肺に
むしろ
やさしい、ん。…だっ
饒舌を
つくったから。巣を
きみこそが
やさしい、ん。
さらしていた。高明はその、秋子の放置を放置しておくしかなかった。…いないの。帰って、施錠を秋子が外す時には、そこに「どうしちゃったの?もう、」高子が…いないの。不在だったことを「ママ。高子ママ」高明に…今日も。殊更にあばかきたてていたものの、
なじるかのように
あれ?影が
その「電話も出ないし、」
ただ、あなたは
ふとあやういばかりの
だれもいない
自分を歎いた
傾斜を見せ、あ
リビング。ふたりで「なんなの?もう」ソファに「いい気なもん。じゃない?ひとりだけ、だからわたしに全部高明くんの子育て、教育、押し付けて、ぜんぶ。それで、…じゃない?自分は、…ね?秋子ママ、ごめん。ほんとのママじゃないんだよ?どう?どう思う?ごめん。自分の子、…なに?なのに、なに?あれ、ごめん」疲れきっていた。「ほんと、」秋子は。「ごめんね、高明」身を投げたソファ。高明のかたわら。秋子は
ふまないで、ふま
ひとり腕を
影を。あなたの
ひたいにおしつけ、眼を閉じていた。「どうしたら、わたし」もはや「どうしたらいい?」泣かない。その憔悴は「わたし、いま、きみに」高明に「なにを、」ふと他人事として真摯な共感さえ喚起した。事実、高明は秋子がひたすらいたましかった。謂く、
傷つけない。ぼくは
傷ついたあなたを
たとえ、空が
ふたたび昏くなった朝にも
不可能だ。影をふむことは。なぜなら、
傷つけない。ぼくは
涙が。きみの
傷ついたあなたを
唐突に、ふと
たとえ、空が
騒がせ、わたしを
ふたたびゆがんでしまった昼にも
かかとの下には影も光も存在しないから不可能だ。影をふむことは。なぜなら、
傷つけない。ぼくは
だいじょうぶ。なにも
きみの涙が
健全で。しかも
傷ついたあなたを
怖くはないんだ。だから
ふと、赤裸々に
堅牢で。しかも
たとえ、空が
壊れてないんだ。だから
わたしを嬲った
だいじょうぶ。なにも
ふたたび消え失せてしまった夜にも
帰って来て、その8時すぎ、
微笑は、まるで
自生、して
高子。すこし驚きを顔に、
はりつき、そこに
いた。自生
高子。すなおに散らし、
仮面であるかに
自生、して
高子。まばたき。それでもなににあわてるでもなかった。見せて、
ええ。好きなだけ
と。故意とも
狂い咲くがいいさ
思えない「見せて、」
紫陽花の翳りに
笑みを「ね?」自然に、「いい?」
「なに?」
「入れ墨。…って、タトゥー。かな?それ。見せてもらっても、」ぬいだTシャツ。ぶらさげた左手。眼の前に素肌。褐色。健康が、匂うかの色彩。さらされたタトゥーを、しかし秋子は
濁流に
まばたきあうのさ
見なかった。そこに
飛沫
ささやきあうのさ
いなかったから。高子の帰宅に思い出し、ようやく夕食を作り出していたから。だからリビング、高子はふと
薔薇?ばらばらに
拗ねた?
褐色が。まるで
曖昧で
色彩の未完成
なぜ?ふい。やや
そこでだけいきなり
茫然とした眼に数秒
蛇?のたうって
拗ねた?
目覚めたかにも
凝視し、…好きなんだ。「こういうのが、高くんは」そして、やがてくずれるような息にだけ、笑った。謂く、
より濃い褐色
と、笑もう
わたしはほほ笑む
笑もう。猶も
描線。その黒は
褐色のあざやかな
唐突。覚醒だった、と
錯覚を、そんな
笑う。ふかく
わかっている、よ。きみは
その描線。たぶん
男たち。狂暴な。あの
と、笑もう
縛られず、なにものにも
わたし。この愚かしさにだけ
残響を、ここに。残響を、
ほほ笑む。わたしは
いい。飛び立つが、い
捧げられていた、の?
この肌をしかも愛せ、と?
笑もう。猶も
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