ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -200 //ふ。ふっ。ふみ/ふむ。む。踏ま、ふみ/踏み、かけてふと。…傷み?//04





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





忿怒?行った。学校に、激怒?廊下。香月のまなざしと忿怒?すれ違う。激情?と。そうと謂うしかない苛烈が、香月。眼。高明を見止めた瞬間には、眉。容赦なく鼻孔。きざした。高明は

   すぐさまに

      やめない?

すでにいつもの

   消えた。だから

      大声で

その、香月の

   すぐさまに

      ささやきあうのは

まざしの意味を知っていた。すくなくとも高明にそれは明快すぎた。見慣れた。もう。自虐。自分に資格がないことを自覚する、自虐。年増の女たち。それらのまなざしが自虐。大抵一般的にだれかれとなく落ち入るそれ。高子の素直ないたましさがむしろ好ましく想えた。比べれば、まだしも高子は

   ななめに、朝日

      たわむ

         散れ。足もとに

無害だった。香月。そして

   綺羅きらと、朝に

      たわむ

         砕け散れ、足に

他にも多くの、とくに年増たち。高明に焦がれた眼。それらは感じさせた。大半は身の危険を、なぜ?ただあやうすぎた。なぜ?おもわず香月をなぜ?迂回しかけ、「…今年?」香月。

   どうして、ぼくは

      すべてが

めずらしい、

   きみにやさしく

      ただ、我々に

声。だから

   やさしく、きみに

      怒号のように

いびつ。空間の

   ほほ笑まなかったの?

      すべてが

異物。感情的で、しかも無理やり冷静な、

   どうして、きみは

      重力が

         いま、わたしたちは

声。なんら満ち足りない過剰。立ち止まる。高明は。見た。香月を。自嘲?怒り狂った被虐者のそれ、とでも?眼。ふたつ。眼。色彩。その

   え?きみは

      破綻

         わたしたちは一瞬で

複雑。高明に、

   生きてられるの?まだ

      重力が

         一瞬で、その、わた

手遅れを感じさせ、…なにが?そう「卒業、」言いかけた「今年?」寸前に香月が「だよ、ね?壬生くんたち、…が」言った。ささやき。たしかに、ガ、と。その、

   無謀なほどに

      まだ?せつないだけの

香月は

   朝日がまぶたを

      なぜ?微笑のなか

ささやき。云った。つづくべき言葉を

   くすぐったから

      まだ?せつなさが

ささやき。その須臾、香月はささやき。忘却しているかに見えた。失語?あるいは発作的な。香月。ひとり、眉だけをしかめてい、そのほほ笑みに、…頑張って。香月。ささやき。云った。高明を嘲弄したかに、香月は踵をささやき。返した。ふと、鼻に

   須臾にさえ

      だれも、もう

笑った。高明は。

   たぶん

      ふれないで

まなざし。

   一瞬にさえ

      だれも、もう

香月の。返した踵にひるがえる色彩。にぶく、冴えないまま、それらの流線のゆがみの圧力に…視野。思わず香月は…視界。あえいだ。…色彩。謂く、

   残骸。愛さなかった

   一度も。きみを

   わたしは、だれをも

   一瞬にさえも

あ、と。だから、ふいに、なぜ?あ、と。…茫然と

   愛さ。な、なかっ

      と、と。と?

    ありがと。きみは

     掻きむしるんだ

   なかった。一度も

      ほしいのです。ただ

    くれたね?すっごく

     甘い、味覚

   わた。た、わたっ

      実感が。しあわせの、

    せつない、傷み

     味?あまにがい、かす…執拗な

   一瞬にさえも


   静まり返っていたのだった

   なに?なにが?

   こころ。わたしに、わたしの

   こころさえもが

あ、と。あ。だから、ら。ふいに、に。な。なぜ?…と。あ、と。茫然と

   静まり返っていたのだった

    言わないよ。なにも

   なに?なにが?

    秘密だよ。ぜんぶ

   こころ。わたしに、わたしの

    なにもかも。すべて、

   こころさえもが


   愛さなかった

   一度も。きみを

   わたしは、だれをも

   まばたきのうちにも

あ、と。あ。ざやか、な。あだから、ら。ふいに、かな、あ。ざやに。な。なぜ?…と。やかな、あ。茫然と。あ、と。

   愛さ。な、なかっ

      と、と。と?

    感謝だよ。きみは

     壊さないで。傷め

   なかった。一度も

      求めたのです。ただ

    ほんと。やばいほど

     ほのかに、さ。そっと

   わた。た、わたっ

      実在を。しあわせの、

    傷みを。どうしようもなく、

     傷めないで、もう。壊さ

   まばたきにさえも


   冴えわたっていたのだった

   なに?なにが?

   骨髄も。わたしに、わたしの

   粘膜さえもが

恍惚。…と。そういうんでは、なく、て。さ。陶酔。…と。そういうんでも、なく、て

   冴えわたっ

    言わな、な、り。ひびいている

   なに?なにが?

    とめどもないほどに

   骨髄も。わたしに、わたしの

    胸も。はかなく過ぎさった一瞬にさえも

   粘膜さ、さ、


   愛さなかった

   一度も。きみを

   わたしは、だれをも

   失神しそうにも

恍惚。そういうでも、なく、てのでは、なく、恍惚。そういうのて。陶酔。では、なく、て。そういうので陶酔。そういうのも、なく、て

   愛さ。な、なかっ

      と、と。と?

    ありがと。きみだけが

     掻きなぐるんだ

   なかった。一度も

      くやしいほどに、歎かわしいほどに、

    教えく、…すっごく

     味覚。にがい、

   わた。た、わたっ

      しあわせを、いま

    たいせつなそしていつまでも大切にしつづけていたい傷み

     味?甘味。蜜、の、ような

   この。失神しかけていたわたしだけを、この


   殺していただけませんか?

   なぜ?だれが?

   このうつくしさとともに

   残骸。消滅したいから

やまなかった。雨が。叩いた。神林祐也。その尻を。高明。昼休み。体育館。用具室のなか。「お尻が、」と、「さびしいらしいん、で、」耳打ちを。返り見、祐也。高明が。叩かれて驚き、祐也。被害者じみた顔を無理やり隠そうとした、祐也。その

   見せてよ。きみは

      ほら、ね?

苦悩。耳に、

   懊悩を。ぼくは

      聞こえるね?

すでに「つっこんじゃいましょう」笑っていた。高明が。知らない。なぜそこに

   雨たちが

      聞こえているね?

         さなぎのなかで

あるのなど、チョーク。その

   猶も。それでも

      雨音。…ひびき

         怯えてる?

箱。そこから

   ひびきあい、

      聞こえていたね?

         そっと、葉裏で

あたらしいまっすぐなチョークを祐也に掴ませた。吉田悠貴愛。見下ろされ、下半身を裸に剥かれた彼女。ユキア。うわ目遣い。虐待に狎れた家畜。次の仕打ちを伺い、悠貴愛。笑む。家禽。特別クラスで日の半分を過ごした。片言の日本語を話す。純粋な

   ねむい毛虫は

      ひびきあう

日本人。他に、

   怯えてる?

      ひびきをかさね

そこに四人。

   うす汚れている

      ひびきがかさなり

女子三人。男子

   窓のむこうで

      ひびきあう

ひとり。云いだしたのは勝村浩美。悠貴愛のつくえが「ユッキーの、…が」臭い「すっごい」と。「なんか、腐ってるっぽいん、で、」尋問を、祐也が。いたぶり。哄笑。椛田郁夫が、舌打ち。失笑。用具室を、郁夫は嘲笑。指定した。数週間前。第二次性徴にまつわる性教育は男女べつべつに受けさせられていた。だから種村樹里奈が下半身を脱がすことを「…ね?」促した。「チェックしたほうが、さ」性徴も「よくない?」遅れているから。ぜったい。嫌がった。郁夫は。さわったら

   これは何ですか?

      沸騰を

         笑ってるよ

汚れるから、

   苦痛です

      頭部。血

         わらい顔した

と。はしゃいだ。女子

   これは何ですか?

      沸騰を

         好きだから。わたしが

三人は、悠貴愛から

   葛藤です

      喉。血

         笑ってるよ

逃げ回り、だから高明は祐也にやらせた。校庭を走った。悠貴愛は。だれも遊んでいない。校舎のなか、どこかしらにいた。まなざしのむれは当初、気づくのに遅れた。気づけば伝番は驚愕。迅速だった。ついに耐えられず

   怒号だよ

哄笑。悠貴愛は

   怒号だよ

失笑。校庭の中央にまで嘲笑。至らないそこ、全裸にくずれかけの排便の格好をしていた。まぶた。真摯な痙攣。右手が、前のめりの土を掴んで体をかろうじて支えた。排便はなかなか

   痛みを、だから

      ちがう。ち

実現しなかった。やさしい

   知ったのだ

      きみは、ち

雨が、それでももはや

   痛みを、だから

      泣いてなんか、ち

悠貴愛をだけ

   その雨に、さえ、も

      ちが

ずぶぬれにした。のけぞって、悠貴愛はあげ、顔を。あげ、言いかけ、なにか、…や。「やっちゃった」つぶやいた。浩美が。三階の教室に戻っていた。もう、みんな、それぞれのクラスに散っていて、離散。かならずしも仲がとりたてて良かったわけでもない。「なに?あれ。ユウキチ、」美彩季「どしちゃった?」窓に、身を預けた菊間美彩季のうしろから、「下痢じゃん?」ふと「あいつ、」浩美「きったないの」独り語散るような声。その声を。浩美。そして周囲に「ね?」笑みを。「…ね、あれ、さ」いきなり「あれって、」美彩季。振り向き

   ない。な、ちがうよ。

      凄惨?それとも

         雨に、やさしい

見た。美彩季。

   わたし。まだ

      たわむれ?邪気もない、

         ひびきあえ

声。浩美。それが

   泣いてなんか、な

      虐待?あるいは

         声たち。やさしい

自分に向けられたものとは数秒間気づかなかった。「壬生くん?…」笑う。「じゃない?」美彩季が。あわてて浩美はまばたいた。そして美彩季を見返した。声を立て、浩美はその耳のそばに笑う。謂く、

   残酷に。雨が

   め。雨が

   ただ、残酷に

   知った。わたしは


   なにを?いた

   傷み、を。わた

   なにを?わたしは

   知った。いた

ふさげ。耳を。ふさげ。目を。ふさげ。鼻を。ふさげ。毛孔を。ふさげ。肛門を。ふさげ

   なにを?い

      も。踏み、笑っていながら

    もっと。もっと。も

     傷かったんだ

   傷み、を。わ

      泣いてたんだ。ふと

    いいな。れ、…ば。やさしい雨が

     わたしこそが、ね?

   なに、を?わ

      自分。その翳りをも踏む

    っと。もっと。もっ

     犠牲者だったから

   知っ…。いた


   ちがう。だから

   傷つけようなどと。きみを

   排斥して仕舞おうなどと。きみ

   み。みき。ちがう

雨のなかで、いったいなにが色彩を褪せさせてしまえるのだろうか?と、思わず

   ちが。あな。ら、た

      残酷じゃな、ただ

    くせぇから。く

     溶かすように、い。傷みを

   排斥を、きみに

      繊細すぎた、ね?

    死ね。お前、し

     傷みをさえも、溶かす

   きみに、絶望を

      悲しみなのだっ

    ったねぇから。きた

     かすように、い。傷みを

   あな。ら。ちがう

思わず、と。だろうか?褪せさせてしまえるの。色彩を。なにがいったい、で、なか。雨の

   ちが。あなだ。ら

   あなたを絶望させて仕舞おうなどと

   あなたを傷めつけようなどと

   ちがう。だから


   知った。いた

      撥ねあう、水滴

    っと。もっと。もっ

     ひらかれたその、すでに

   なにを?わたしは

      です。泣いてたん、…そっと

    雨は。きみに耳孔の浅い内部だけに降れ

     ね?口蓋には、

   傷み、を。わ

      笑ってなど。いちども

    もっと。もっと。も

     たまりきった水滴のむれがあふ

   なに、を?い

ふさげ。肛門を。ふさげ。毛孔を。ふさげ。鼻を。ふさげ。目を。ふさげ。耳を。ふさげ

   知った。いた

   なにを?わたしは

   傷み、を。わた

   なに、を?い


   知った。わたしは

   ただ、残酷に

   め。雨が

   残酷に。雨が


   雨。わたし。雨が、

   は。雨。残酷。雨が、

   に。め。雨が

   雨。え。雨が









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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