アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -130 //なに?それは、なに?/ん?そこに/さっきまでずっと/きざしていたもの//09





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





謂く、むしろあわいあたたかなむらさきいろのやさしい雨にこの花が散りますから。海は雨ですか?いま、

   …に?それ、なに?

     飛沫たち。粒だち

    …水滴。それは

      たぶん…ね?

   ん?…そ

     ひらひらするから

    色もない、綺羅

      え。…っと

   さっき、わたしに

     水滴。それが、…猶も?

    やがて流れ落ち

      …に?それ、なに?

   爪をなめていた

謂く、桔梗はときに猫を喰う。

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、わたしに

   爪をなめていた


   …に?それ、なに?

     涙。しずくは

    …涙。それは

      ささやかないで

   ん?…そ

     きりきりするから

    ひかり、あたたかな

      え。…っと

   さっき、冷え切った

     涙。それが、…だれの?

    だれかの頬に

      …に?それ、なに?

   波紋にふるえた

アネモネの蔦の繁殖をか謂く、咬みちぎれ。咬め。

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、冷え切った

   波紋にふるえた


   …に?それ、なに?

     花たち。花は

    …花。それは

      きっと…ね?

   ん?…そ

     ゆらゆらするから

    しろい、ちいさな

      え。…っと

   さっき、しずかな

     花。それが、…いまも?

    まだ知られない

      …に?それ、なに?

   焰をたてた

謂く、プルメリアが不安のなかにそっと放火したのは昨日の話です。

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、しずかな

   焰をたてた


   …に?それ、なに?

     雨たち。雨は

    …雨。それは

      息を、しないで

   ん?…そ

     くらくらするから

    やさしく降った

      え。…っと

   さっき、微弱な

     雨。それが、…咬みっ

    あの六月。霞み

      …に?それ、なに?

   叫びを吐いた

謂く、どこ?りんどう?

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、微弱な

   叫びを吐いた


   …に?それ、なに?

     傷。傷ついては

    …傷み。それは

      やっぱ…ね?

   ん?…そ

     ひらひらするから

    あなたにきざした

      え。…っと

   さっき、ゆび先は

     傷。それが、…虹を?

    ささやかな

      …に?それ、なに?

   ふれられなかった

謂く、しろい鳥たちさえアマリリスにだけは。

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、ゆび先は

   ふれられなかった


   …に?それ、なに?

     微風。風立ち

    夜明けの変質者。ぐばっ

      うごかないで

   ん?…そ

     びくびくするから

    体液を散らした

      え。…っと

   さっき、だれかが

     風。それは、…もう

    匂う、かすかな

      …に?それ、なに?

   血を吐くのを見た

謂く、ライラックを燃やせ。

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、だれかが

   血を吐くのを見た


   …に?それ、なに?

     香りたち、匂いは

    …香り。それは

      あの、…ね?

   ん?…そ

     ひりひりするから

    ふと返り見た

      え。…っと

   さっき、こごえてた

     匂い。それが、…どこ?

    あのひとの髪に

      …に?それ、なに?

   震動にくずれた

謂く、たぶん。海から帰るはずです。ヒヤシンスならあした、

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、こごえてた

   震動にくずれた


   …に?それ、なに?

     頬にゆがんだ

    …へど。げぇ…くさっ

      もう、そこに

   ん?…そ

     いびつなふるえは

    かなしい、けなげぇ…

      え。…っと

   さっき、かたちをきざした

     笑み。それは、…なに?

    せめてものほほ笑み

      …に?それ、なに?

   手ざわりなどなかった

謂く、ダリアはお好きですか?

   …に?それ、なに?

   ん?…そこに

   さっき、かたちをきざした

   手ざわりなどなかった


   手ざわりもなかった

   さっき、かたちをきざした

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、ガーベラが日射しに失神しそうです。

   手ざわりもなかった

     …に?それ、なに?

    せめてものほほ笑み

      笑み。それは、…なに?

   さっき、かたちをきざした

     え。…っと

    かなしい、けなげな

      いびつなふるえは

   ん?…そ

     もう、そこに

    …頬。それは

      頬にゆがんだ

   …に?それ、なに?


   震動にくずれた

   さっき、こごえてた

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、シクラメンが茎の青虫を舐めていますよ。

   震動にくずれた

     …に?それ、なに?

    あのひとの髪に

      匂い。それが、…どこ?

   さっき、こごえてた

     え。…っと

    ふと返り見た

      ひりひりするから

   ん?…そ

     …香り。それは

    あの、…ね?

      香りたち、匂いは

   …に?それ、なに?


   血を吐くのを見た

   さっき、だれかが

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、やや彼岸花ばしったってやつでしょうか。

   血を吐くのを見た

     …に?それ、なに?

    匂う、かすかな

      風。それは、…もう

   さっき、だれかが

     え。…っと

    驟雨をきざした

      びくびくするから

   ん?…そこに

     うごかないで

    …風。それは

      微風。風立ち

   …に?それ、なに?


   ふれられなかった

   さっき、ゆび先は

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、あの日あのときのやさしげだった福寿草はいつ飛び立つのでしょうね?

   ふれられなかった

     え。…っと

    ささやかな

      傷。それが、…虹?

   さっき、ゆび先は

     …に?それ、なに?

    あなたにきざした

      ひらひらするから

   ん?…そ

     やっぱ…ね?

    …傷み。それは

      傷。傷ついては

   …に?それ、なに?


   叫びを吐いた

   さっき、微弱な

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、そして棘だらけのひなげしのキメラ。ひまわり。

   叫びを吐いた

     え。…っと

    あの六月。霞み

      雨。それが、…咬みっ

   さっき、微弱な

     息を、しないで

    やさしく降った

      くらくらするから

   ん?…そ

     …に?それ、なに?

    …雨。それは

      雨たち。雨は

   …に?それ、なに?


   焰をたてた

   さっき、しずかな

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

強靭なベゴニアたちの夢はそっとしかもいま謂く、

   焰をたてた

     …に?それ、なに?

    まだ知られない

      花。それが、…いまも?

   さっき、しずかな

     え。…っと

    しろい、ちいさな

      ゆらゆらするから

   ん?…そ

     きっと…ね?

    …花。それは

      花たち。花は

   …に?それ、なに?


   波紋にふるえた

   さっき、冷え切った

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、…とか?屠殺されたれんげ。

   波紋にふるえた

     …に?それ、なに?

    だれかの頬に

      涙。それが、…だれの?

   さっき、冷え切った

     え。…っと

    ひかり、あたたかな

      きりきりするから

   ん?…そ

     ささやかないで

    …涙。それは

      涙。しずくは

   …に?それ、なに?


   爪をなめていた

   さっき、その舌に

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、こんどは薔薇です。焦げた花はお好きでしょうか?

   爪をなめていた

     …に?それ、なに?

    やがて流れ落ち

      水滴。それが、…猶も?

   さっき、その舌に

     え。…っと

    色もない、綺羅

      ひらひらするから

   ん?…そ

     たぶん…ね?

    …水滴。それは

      飛沫たち。粒だち

   …に?それ、なに?

謂く、だからそのいじましい可憐に。そのしろに青。

月。

せつないほどの海。思わず笑んだ。…なんて!海さえ染めているだろうと、…なんと!やがて海面の綺羅に照らされた月の…まさか!あのたえまない雨のおかげで奇蹟なすダイヤモンドの稀有な青い色彩に、いまや海は、思った。鳴りひびいていたもの。だからさっき、かぎりなくやさしい微弱なささやきを擬態して、むしろ海をいまさら波だたたせないように、その断末魔のさけびを聞いた。わたしはそこに脱ぎすてられた殻。すする。ちぎる。咬む。あくまでも匂いのない血に、磐にくだける波の飛沫にも似て飛び散るしろい、こうして、すする。ちぎる。咬む。もはややつれきっているしかなかったはずのその肉体を、だからわたしを。肛門と口蓋の両方からながい頸をさらしたけものが貪るにまかせた。あるいはこんな夢を見た。

   抉りだぶめっ

   さっき唐突に

   ん?…そこに

   ぶちこんでください

焦げた花はお好きで謂く、

   燃える、まがった鐵棒を

   わなないた孔。無数のそれらに

   わたしの眼に

   …に?それ、なに?


   滅びかけていたもの

   足もとにすでに

   ん?…そこ

   …に?それ、なに?


   くすぶりつづけていたもの

   さっきからずっと

   ん?…そこ

   …に?それ、なに?


   くすぶっていたもの

   さっきまでずっと

   ん?…そこ

   …に?それ、なに?

謂く、花が散りますから。みみもとで咀嚼のしめやかな轟音をたてないでください。

   手ざわりさえもな

     ささやきつづけ

    せめてものほほ笑み

      やがて

   さっき、かたちをき

     ずっと

    かなしい、けなげな

      わたしたちは

   ん?…そ

     ささやくだろう

    …頬。それは

      やがて

   なに?それは、な

謂く、燃えるようなあの睡蓮を後ろ手に縛ってつるせ。

   あなた唯の莫迦ですよね?

   せめてもの

   かなしい、けなげな

   …頬。それ

燃えるようなあの睡蓮は髪にたばねてやおら謂く、

   ふるえにくずっ

     なぜ?

    あの髪に

      からみつ

   さっき、微細な

     ゆれた

    ふと返り見た

      鮮烈

   ん?…そこに

     なに?

    …香り。それは

      咬みつくような

   …に?な。れ、に?な

謂く、燃えるようなあの睡蓮が血を咬みました。

   わたしはクズじゃありません

   あの髪に

   ふと返り見

   …香り。それ

謂く、燃えるようなあの睡蓮は月すら生殖不能です。

   血を吐くのを見

     崩壊を

    きざし、匂う

      かすかな

   さっき、だれかが

     見ていた

    驟雨をき

      ごめんね

   ん?…そ

     厖大な

    …風。それは

      かすかすぎて

   に?そ、…に?

謂く、燃えるようなあの睡蓮しか夢が見た。

   食べられましたか?

   きざし、匂う

   驟雨をき

   …風。それ

謂く、燃えるようなあの睡蓮でさえも肉じゃない。

   ふれられな

     忿怒?

    ささやかな

      わらわないでください

   さっき、ゆびさき

     いきなりの

    あなたにきざした

      やめて。わら

   ん?…そこ

     激怒?

    …傷み。それは

      まさに

   なに?な、な

燃えるようなあの睡蓮は五千の眠りをむさぼ謂く、

   それはいいですね

   ささ、さささかな

   あなたにきざした

   …傷み。それ

謂く、燃えるようなあの睡蓮はつばさを捨てたようだよ。

   叫び

     ひびきあいながら

    あの六月。霞み

      突然な

   さっき、微弱な

     ひびき

    やさしく降った

      突然に

   ん?…そこ

     炎上?

    …雨。それは

      やがて

   ぃい、…ば。ぃひ

謂く、ほら、燃えるようなあの睡蓮と無謀な跳躍を見せています。

   攪拌されたでしょうか?

   あの六月。霞み

   やさしく降った

   …雨。それ

謂く、燃えるようなあの睡蓮はきのう死んだようだよ。

   焰をた

     すみやかに

    ちいさな

      まだ

   さっき、しずっ

     教えて

    しろい、ちい

      だれも、ま

   ん?…そ

     名前は?

    …花。それ

      まだ

   な、な、な、

謂く、燃えるようなあの睡蓮にもごまかされませんから。

   自然分娩しますか?

   ちいさな

   しろい、ちい

   …花。それ

謂く、燃えるようなあの睡蓮を眠ったようだったよ。

   波紋にふるえ

     雪崩れるような

    あたたかな

      だれかの

   さっき、さ、…きっ

     くずれ

    ひかり、あた

      頬に

   ん?…すっ

     倒壊?

    …涙。それ

      だれ?

   なに?それは、な

謂く、燃えるようなあの睡蓮は服用しません。

   分散しますか?

   あたたかな

   ひかり、あた

   …涙。それ

謂く、燃えるようなあの睡蓮が食指を吐いたよ。

   爪をな

     すべるような

    綺羅

      唐突な

   さっ、…さっ、舌

     すべり

    色もない

      唐突に

   ん?…そっ

     失墜?

    …水滴。それ

      やがて

   なに?そ、…な

謂く、燃えるようなあの睡蓮には牙があるようだよ。

   ひろがりますか?

   綺羅

   色もない

   …水滴。それ

謂く、雨にうたれてわたしは燃えた。…なぜ?色彩などもはやなにも持ち得なかった焰そのものにすぎなくて、発熱のはて、もはや発光の白色さえもない。くそやばっ焰。未曽有のきれーくね?やばくね?猶もきれー。いまもくそまじ?しかもいまだダイヤモンドの雨は猶もまじ?または孔としてのひらく顎のふちにさえも。だからもはや空隙にすぎない眼窩にも。歯頚にも歯にも。舌にも。喉にも。なんら渇きなどなかった。厖大それらそのすさまじい新鮮さを。雨ら。ふりしきる雨。ひらかれていた口蓋は貪るのだった。うずくまり、うずまり、消えた。綺羅、…いつ?うしないながら地中に綺羅。…なぜ?もうその体臭さえ…だれ?わたしが、わたし。…だれに?さかさづりにされた、あるいはこんな夢を見た。

   笑いだしたもの

   さっき唐突に

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   叫びさえ消して

   突然の涙が。その

   わたしの眼に

   …に?それ、なに?


   おおっていたもの

   さっきからずっと

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   おおっていたもの

   さっきまでずっと

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、花が散りますから。みみもとで邪気もない笑い声とともにすすりあげないでください。

   手ざわりもなかった

   さっき、きざしたかたちは

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   ふるえにくずれていったもの

   さっき、微細な

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   そっと見ていたもの

   さっき血をだれかが吐いた痕跡を

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   波紋に…を?ふるっ、ふ、ふ、ふ、

   さっき、冷え切った

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   唾をなすりつけたもの

   さっき、その目に

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   爪をなめていたもの

   さっき、その舌に

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   ふれられなかった

   さっき、ゆびさきは

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   叫びを吐いたもの

   さっき、微弱な

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   焰をたてたもの

   さっき、しずかな

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、見ようとしていた。…なぜ?うつむくしかなかったわたしはせめてじぶんがさらした手のひらを、まぶしすぎてそれら、それ。綺羅。…なに?風景として見出し得る如何なる風景もないそこに、はん?それ。綺羅。…なに?灼熱の発光を四維をもみたすどこにもに吹きあげているしかない、やばっ火焰を、焰をきれーくね?やばっ風景。それ。綺羅きれー。…なに?ただもうまばたくしかなく青い霞みの綺羅らのゆらぎに濁っていたその、そこ、わたしは、そこ。まばたく。まば。…たく。なににまばっ

      ただ砕けます

   さようなら

いつの、だれの、なんの

      あとかたもなく

   そしておげんき?

もしくは

      さようなら

   こんにちは

いつ?あるいは、

      飛び散って

   淡いお花が

だれ?

      雨つぶは散って

   むらさき色した

なにに?

      さようなら

   雨のふる日は

…どこで?たしかにこの匂いを、わたしは、いやしかも知っていたのだ。いやし?まもった頭上の花々のしろい翳りに、…だれ?灼熱の雨から奇蹟的にわたしを炎上のなかに例外的な大樹。せめても嗅いでいた。撒き散らされた芳香を、それ。…はん?やや甘やかにすぎていて、むしろかぐわしく。しかも、匂う。かぞうべくもない過剰なる充満。

   ぼくたちは

すでに、そこらじゅうに

   このうつくしさとともに

もはや、

   いま

そこここに、ここに、そこに、

   死のうか?

だからうつくしいのだった。みもふたもなくぃ?それら、もって、肌を射すに似た鮮烈をい?綺羅めき。い?——くらいに。…海王星のようにぃ?もう莫迦莫迦し

無防備に。

無慈悲なまでに。

絶望的なまでに。ただ。うつくしい。しかも雨。それは青。雨。もしくはいまだふれもしない接近のさなかのとおまきにさえも青い。しかもあやうくすれちがった、ちかづいたあらゆるもの、あらゆるものを。溶かした。やばくね?…なに?とかっ…とろとろに?燃やしないし溶かっゆらがせて燒き、ふれてふれたものことごとくに焰をこそいぶかせ、ふり、ふれ、ふり、ふれ、はなたれつづける容赦ない灼熱にふり、熱気。もはやそこらじゅうにまでかぞうべくもない氷りついた色彩のむれ。そこここに、ここに、そこに、ふり、ふりつづけ、ふり、そそぎ、そそぐ。なにこれ?

      きみは、咬みついて

   無謀な空の

…な、見境いなっ

      なぜ?

   こんな、なぜ

なににも、だれにも

      くちびるで

   沈黙するの?

…なぜ?くそやばっ見境いなっ、ただやばっ。厖大に、…じゃね?見晴るかす空にきれー。ながれおちるしずく。なめらかにとろけたダイヤモンドはだから、

      ぼくの。くちびる

   もう、だれも

ついに。瓦解

      その、熱のある

   ささやかないで

故に。ふいうちの究極にふれ、崩壊

      ふさいであげる

   もう、だれも

…だれ?他人の他人の所業。だれにとっても他人の事象。わたしたちには。しょせん他人ごと。

      きみの。くちびる

   もう、なにも

だから、その須臾、極限に、

      その、熱のある

   ささやかないで

なにものも責任を取れない固有の

      ふさいであげる

   もう、なにも

だれも、限界点に。…なに?その固有のふれたのだった。やばくね?結晶化したものたちはふれ、ふれ、きれーじゃね?

きれー。唐突に液化したダイヤモンドはだからただただ無造作な崩壊を、赤い月のわずか下方で、それは個体化に失敗した稀有なダイヤモンドの苛烈なしずく。青い雨。だからもはやその雨の中にとろけているしかなかった。こんな夢を見た。

   …に?…れ、ぬっ

   ん?…そ

   しかも猶も

   見られていたもの

謂く、灰褐色っぽい百合ですか?は。はら。は。

   …に?それ、なに?

      ふ

    やめて

     ためらい?

   ん?…そこに

      唐突な、な、

    その、かすかな

     なぜ?いま

   しかも猶も

      停滞。ふいに

    まばたきさえ

     ためらい?

   見られていたもの

謂く、花。百合。花。

   …に?それ、な

   わたしの眼に

   突き刺してください。その

   せめて、針を

謂く、色彩を拒絶した百合ですか?は。はら。は。

   …に?それ、なに?

      睫毛が。ふいに

    やめて

     逡巡?

   わたしの眼に

      ふいの、なに?

    その、かすかな

     なぜ?いま

   突き刺してください。その

      睫毛が。ふいに

    かたむきさえ

     逡巡?

   せめて、針を

謂く、花。百合。花。

   …に?それ、な

   ん?…そこに

   さっきその須臾に

   燃えひろがったもの

謂く、みどりの百合ですか?は。はら。は。

   …に?それ、なに?

      やめて。ふいに

    いっ

     傷みが

   ん?…そこに

      ふいの、なに?

    なんども

     咬んだ。わたしを

   さっきその須臾に

      やめて。ふいに

    あなたはしかも

     傷みが

   燃えひろがったもの


   燃えさかったもの

     傷みが

    あなたはそっと

      やめて。ふいに

   さっき唐突に

     咬んだ。わたしを

    だから

      ふいの、なに?

   ん?…そこに

     傷みが

    いっ

      やめて。ふいに

   …に?それ、なに?

謂く、ややこげ茶がかった百合ですか?は。はら。は。

   燃えさかったもの

   さっき唐突に

   ん?…そこに

   なに?それは、なに?

謂く、花。百合。花。

   せめて、針を

     逡巡?

    かたむきさえ

      睫毛が。ふいに

   突き刺してください。その

     なぜ?いま

    その、かすかな

      ふいの、なに?

   わたしの眼に

     逡巡?

    やめて

      睫毛が。ふいに

   …に?それ、なに?

謂く、うす紫の百合ですか?は。はら。は。

   せめて、針を

   突き刺してください。その

   わたしの眼に

   なに?それは、なに?

謂く、花。百合。花。

   見つめていたもの

     ためらい?

    まばたきさえ

      停滞。ふいに

   しかもずっと

     なぜ?いま

    その、かすかな

      唐突な、なに?

   ん?…そこに

     ためらい?

    やめて

      ふいに

   …に?それ、なに?

謂く、青い百合ですか?は。はら。は。

   見つめていたもの

   しかもずっと

   ん?…そこに

   なに?それは、なに?

謂く、花。百合。花。

   燃え上がったもの

   さっき唐突に

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   せめて、針を

   突き刺してください。その

   わたしの眼に

   …に?それ、なに?


   きざしていたもの

   さっきからずっと

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?


   きざしていたもの

   さっきまでずっと

   ん?…そこに

   …に?それ、なに?

謂く、花が散りますから。みみもとで舐めまわす歯に唐突な溶解の音をたてないでください。

   燃えあがったもの

   さっき突然

   そこに、ん?

   なに?それは、なに?


   いま、その針を

   突き刺してください

   眼。この眼に

   なに?それは、なに?


   きざしていたもの

   さっきからずっと

   そこに、ん?

   なに?それは、なに?


   きざしていたもの

   さっきまでずっと

   そこに、ん?

   なに?それは、なに?









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

0コメント

  • 1000 / 1000