アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -127 //なに?それは、なに?/ん?そこに/さっきまでずっと/きざしていたもの//06
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
なに?それは、なに?
ん?そこに
さっきまでずっと
きざしていたもの
なに?それは、なに?
ん?そこに
さっきからずっと
きざしていたもの
なに?それは、なに?
眼。この眼に
突き刺してください
いま、その針を
なに?それは、なに?
ん?そこに
さっき突然
燃えあがったもの
みみもとで舐めまわす歯に唐突な溶解の音をたてないでください。花が散りますから。謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっきまでずっと
きざしていたもの
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっきからずっと
きざしていたもの
…に?それ、なに?
わたしの眼に
突き刺してください。その
せめて、針を
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき唐突に
燃え上がったもの
花。百合。花。謂く、
なに?それは、なに?
ん?…そこに
しかもずっと
見つめていたもの
は。はら。は。青い百合ですか?謂く、
…に?それ、なに?
ふいに
やめて
ためらい?
ん?…そこに
唐突な、なに?
その、かすかな
なぜ?いま
しかもずっと
停滞。ふいに
まばたきさえ
ためらい?
見つめていたもの
花。百合。花。謂く、
なに?それは、なに?
わたしの眼に
突き刺してください。その
せめて、針を
は。はら。は。うす紫の百合ですか?謂く、
…に?それ、なに?
睫毛が。ふいに
やめて
逡巡?
わたしの眼に
ふいの、なに?
その、かすかな
なぜ?いま
突き刺してください。その
睫毛が。ふいに
かたむきさえ
逡巡?
せめて、針を
花。百合。花。謂く、
なに?それは、なに?
ん?…そこに
さっき唐突に
燃えさかったもの
は。はら。は。ややこげ茶がかった百合ですか?謂く、
…に?それ、なに?
やめて。ふいに
いっ
傷みが
ん?…そこに
ふいの、なに?
だから
咬んだ。わたしを
さっき唐突に
やめて。ふいに
あなたはそっと
傷みが
燃えさかったもの
燃えひろがったもの
傷みが
あなたはしかも
やめて。ふいに
さっきその須臾に
咬んだ。わたしを
なんども
ふいの、なに?
ん?…そこに
傷みが
いっ
やめて。ふいに
…に?それ、なに?
は。はら。は。みどりの百合ですか?謂く、
燃えひろがったもの
さっきその須臾に
ん?…そこに
…に?それ、な
花。百合。花。謂く、
せめて、針を
逡巡?
かたむきさえ
睫毛が。ふいに
突き刺してください。その
なぜ?いま
その、かすかな
ふいの、なに?
わたしの眼に
逡巡?
やめて
睫毛が。ふいに
…に?それ、なに?
は。はら。は。色彩を拒絶した百合ですか?謂く、
せめて、針を
突き刺してください。その
わたしの眼に
…に?それ、な
花。百合。花。謂く、
見られていたもの
ためらい?
まばたきさえ
停滞。ふいに
しかも猶も
なぜ?いま
その、かすかな
唐突な、な、
ん?…そこに
ためらい?
やめて
ふ
…に?それ、なに?
は。はら。は。灰褐色っぽい百合ですか?謂く、
見られていたもの
しかも猶も
ん?…そ
…に?…れ、ぬっ
こんな夢を見た。だからもはやその雨の中にとろけているしかなかった。青い雨。それは個体化に失敗した稀有なダイヤモンドの苛烈なしずく。赤い月のわずか下方で、唐突に液化したダイヤモンドはだからただただ無造作な崩壊を、きれー。
きれーじゃね?ふれ、結晶化したものたちはふれ、やばくね?ふれたのだった。その固有の…なに?限界点に。だれも、
なにも、もう
ふさいであげる
なにものも責任を取れない固有の
ささやかないで
熱のある、その
極限に、その須臾、だから
なにも、もう
くちびる。きみの
しょせん他人ごと。わたしたちには。だれにとっても他人の事象。他人の所業。他人の…だれ?
だれも、もう
ふさいであげる
崩壊。ふいうちの究極にふれ、故に
ささやかないで
熱のある、その
瓦解。ついに
だれも、もう
くちびる。ぼくの
なめらかにとろけたダイヤモンドはだから、ながれおちるしずく。見晴るかす空にきれー。…じゃね?厖大に、ただやばっ。くそやばっ見境いなっ、…なぜ?
沈黙するの?
くちびるで
だれにも、なににも
なぜ、こんな
なぜ?
見境いなっ、…な
無謀な空の
咬みついて、きみは
なにこれ?そそぐ。そそぎ、ふり、ふりつづけ、ふり、そこに、ここに、そこここに、もはやそこらじゅうにまでかぞうべくもない氷りついた色彩のむれ。熱気。はなたれつづける容赦ない灼熱にふり、ふれ、ふり、ふれ、ふり、ふれてふれたものことごとくに焰をこそいぶかせ、ゆらがせて燒き、燃やしないし溶かっ…とろとろに?とかっ…なに?やばくね?溶かした。あらゆるものを。ちかづいたあらゆるもの、しかもあやうくすれちがった、もしくはいまだふれもしない接近のさなかのとおまきにさえも青い。雨。それは青。しかも雨。うつくしい。ただ。絶望的なまでに。
無慈悲なまでに。
無防備に。
もう莫迦莫迦し…海王星のようにぃ?——くらいに。い?綺羅めき。肌を射すに似た鮮烈をい?もって、それら、みもふたもなくぃ?うつくしいのだった。だから
死のうか?
そこに、ここに、そこここに、
いま
もはや、
このうつくしさとともに
そこらじゅうに、すでに
ぼくたちは
かぞうべくもない過剰なる充満。匂う。しかも、むしろかぐわしく。やや甘やかにすぎていて、…はん?それ。撒き散らされた芳香を、せめても嗅いでいた。炎上のなかに例外的な大樹。灼熱の雨から奇蹟的にわたしを…だれ?まもった頭上の花々のしろい翳りに、いやし?いやしかも知っていたのだ。わたしは、たしかにこの匂いを、…どこで?
雨のふる日は
さようなら
なにに?
むらさき色した
雨つぶは散って
だれ?
淡いお花が
飛び散って
あるいは、いつ?
こんにちは
さようなら
もしくは
おげんき?そして
あとかたもなく
なんの、だれの、いつの
さようなら
ただ砕けます
なににまばっ…たく。まば。まばたく。そこ。わたしは、そこ、ただもうまばたくしかなく青い霞みの綺羅らのゆらぎに濁っていたその、…なに?綺羅きれー。それ。やばっ風景。焰をきれーくね?やばっ火焰を、灼熱の発光を四維をもみたすどこにもに吹きあげているしかない、…なに?綺羅。それ。はん?風景として見出し得る如何なる風景もないそこに、…なに?綺羅。それ。まぶしすぎてそれら、うつむくしかなかったわたしはせめてじぶんがさらした手のひらを、…なぜ?見ようとしていた。謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこ
さっき、しずかな
焰をたてたもの
…に?それ、なに?
ん?…そこ
さっき、微弱な
叫びを吐いたもの
…に?それ、なに?
ん?…そこ
さっき、ゆびさきは
ふれられなかった
…に?それ、なに?
ん?…そこ
さっき、その舌に
爪をなめていたもの
…に?それ、なに?
ん?…そこ
さっき、その目に
唾をなすりつけたもの
…に?それ、なに?
ん?…そこ
さっき、冷え切った
波紋に…を?ふるっ、ふ、ふ、ふ、
…に?それ、なに?
ん?…そこ
さっき血をだれかが吐いた痕跡を
そっと見ていたもの
…に?それ、なに?
ん?…そこ
さっき、微細な
ふるえにくずれていったもの
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき、きざしたかたちは
手ざわりもなかった
みみもとで邪気もない笑い声とともにすすりあげないでください。花が散りますから。謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっきまでずっと
おおっていたもの
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっきからずっと
おおっていたもの
…に?それ、なに?
わたしの眼に
突然の涙が。その
叫びさえ消して
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき唐突に
笑いだしたもの
あるいはこんな夢を見た。さかさづりにされた、…だれに?わたし。わたしが、…だれ?もうその体臭さえ…なぜ?綺羅。うしないながら地中に…いつ?綺羅、消えた。うずまり、うずくまり、ひらかれていた口蓋は貪るのだった。ふりしきる雨。雨ら。厖大それらそのすさまじい新鮮さを。なんら渇きなどなかった。喉にも。舌にも。歯頚にも歯にも。だからもはや空隙にすぎない眼窩にも。または孔としてのひらく顎のふちにさえも。しかもいまだダイヤモンドの雨は猶もまじ?いまもくそまじ?猶もきれー。やばくね?未曽有のきれーくね?くそやばっ焰。もはや発光の白色さえもない。発熱のはて、色彩などもはやなにも持ち得なかった焰そのものにすぎなくて、…なぜ?雨にうたれてわたしは燃えた。謂く、
…水滴。それ
色もない
綺羅
ひろがりますか?
燃えるようなあの睡蓮には牙があるようだよ。謂く、
なに?そ、…な
やがて
…水滴。それ
失墜?
ん?…そっ
唐突に
色もない
すべり
さっ、…さっ、舌
唐突な
綺羅
すべるような
爪をな
燃えるようなあの睡蓮が食指を吐いたよ。謂く、
…涙。それ
ひかり、あた
あたたかな
分散しますか?
燃えるようなあの睡蓮は服用しません。謂く、
なに?それは、な
だれ?
…涙。それ
倒壊?
ん?…すっ
頬に
ひかり、あた
くずれ
さっき、さ、…きっ
だれかの
あたたかな
雪崩れるような
波紋にふるえ
燃えるようなあの睡蓮は眠ったようだったよ。謂く、
…花。それ
しろい、ちい
ちいさな
自然分娩しますか?
燃えるようなあの睡蓮にもごまかされませんから。謂く、
な、な、な、
まだ
…花。それ
名前は?
ん?…そ
だれも、ま
しろい、ちい
教えて
き、き、…しずっ
まだ
ちいさな
すみやかに
焰をた
燃えるようなあの睡蓮はきのう死んだようだよ。謂く、
…雨。それ
やさしく降った
あの六月。霞み
攪拌されたでしょうか?
燃えるようなあの睡蓮と無謀な跳躍を見せています。ほら、謂く、
なに?そ、…んっ
やがて
…雨。それ
炎上?
ん?…そ、
突然に
やさしく降った
ひびき
さっき、微弱な
突然な
あの六月。霞み
ひびきあいながら
叫び
燃えるようなあの睡蓮はつばさを捨てたようだよ。謂く、
…傷み。それ
あなたにきざした
ささ、さささかな
それはいいですね
燃えるようなあの睡蓮は五千の眠りをむさぼ。謂く、
なに?そ、そ、そ、
まさに
…傷み。それ
激怒?
ん?…そ、
やめて。わら
あなたにきざした
いきなりの
さっき、ゆびさき
わらわないでください
ささ、ささやかな
忿怒?
ふれられな
燃えるようなあの睡蓮でさえも肉じゃない。謂く、
…風。それ
驟雨をきざ
きざし、匂う
食べられましたか?
燃えるようなあの睡蓮しか夢が見た。謂く、
に?そ、…に?
かすかすぎて
…風。それ
厖大な
ん?…あ。
ごめんね
驟雨をきざ
見ていた
さっき、だれかが
かすかな
きざし、匂う
崩壊を
血を吐くのを見
燃えるようなあの睡蓮は月すら生殖不能です。謂く、
…香り。それ
ふと返り見
あの髪に
わたしはクズじゃありません
燃えるようなあの睡蓮が血を咬みました。謂く、
なに?それは、な
咬みつくような
…香り。それ
なに?
ん?…な、
鮮烈
ふと返り見
ゆれた
さっき、微細な
からみつ
あの髪に
なぜ?
ふるえにくずっ
燃えるようなあの睡蓮は髪にたばねてやおら。謂く、
…頬。それ
かなしい、けなげな
せめてもの
あなた唯の莫迦ですよね?
燃えるようなあの睡蓮を後ろ手に縛ってつるせ。謂く、
なに?ん、な、
やがて
…頬。それ
ささやくだろう
ん?…そ
わたしたちは
かなしい、けなげな
ずっと
さっき、かたちをき
やがて
せめてもの笑み
ささやきつづけ
てっ
みみもとで咀嚼のしめやかな轟音をたてないでください。花が散りますから。謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこ
さっきまでずっと
くすぶっていたもの
…に?それ、なに?
ん?…そこ
さっきからずっと
くすぶりつづけていたもの
…に?それ、なに?
ん?…そこ
足もとにすでに
滅びかけていたもの
…に?それ、なに?
わたしの眼に
わなないた孔。無数のそれらに
燃える、まがった鐵棒を
焦げた花はお好きで。謂く、
ぶちこんでください
ん?…そこに
さっき唐突に
抉りだぶめっ
あるいはこんな夢を見た。肛門と口蓋の両方からながい頸をさらしたけものが貪るにまかせた。だからわたしを。もはややつれきっているしかなかったはずのその肉体を、咬む。ちぎる。すする。こうして、磐にくだける波の飛沫にも似て飛び散るしろい、あくまでも匂いのない血に、咬む。ちぎる。すする。わたしはそこに脱ぎすてられた殻。その断末魔のさけびを聞いた。むしろ海をいまさら波だたたせないように、かぎりなくやさしい微弱なささやきを擬態して、だからさっき、鳴りひびいていたもの。思った。いまや海は、あのたえまない雨のおかげで奇蹟なすダイヤモンドの稀有な青い色彩に、…まさか!やがて海面の綺羅に照らされた月の…なんと!海さえ染めているだろうと、…なんて!思わず笑んだ。せつないほどの海。
月。
そのしろに青。だからそのいじましい可憐に。謂く、
…に?それ、なに?
飛沫たち。粒だち
…水滴。それは
たぶん…ね?
ん?…そ
ひらひらするから
色もない、綺羅
え。…っと
さっき、その舌に
水滴。猶も?
やがて流れ落ち
…に?それ、なに?
爪をなめていた
焦げた花はお好きでしょうか?こんどは薔薇です。謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき、その舌に
爪をなめていた
…に?それ、なに?
涙。しずくは
…涙。それは
ささやかないで
ん?…そ
きりきりするから
ひかり、あたたかな
え。…っと
さっき、冷え切った
涙。それ、だ
だれかの頬に
…に?それ、なに?
波紋にふるえた
屠殺されたれんげ。…とか?謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき、冷え切った
波紋にふるえた
…に?それ、なに?
花たち。花は
…花。それは
きっと…ね?
ん?…そ
ゆらゆらするから
しろい、ちいさな
え。…っと
さっき、しずかな
花。いまも?
まだ知られない
…に?それ、なに?
焰をたてた
強靭なベゴニアたちの夢はそっとしかもいま謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき、しずかな
焰をたてた
…に?それ、なに?
雨たち。雨は
…雨。それは
息を、しないで
ん?…そ
くらくらするから
やさしく降った
え。…っと
さっき、微弱な
雨。咬みっ
あの六月。霞み
…に?それ、なに?
叫びを吐いた
ひまわり。そして棘だらけのひなげしのキメラ。謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき、微弱な
叫びを吐いた
…に?それ、なに?
傷。傷ついては
…傷み。それは
やっぱ…ね?
ん?…そ
ひらひらするから
あなたにきざした
え。…っと
さっき、ゆび先は
傷。虹?
ささやかな
…に?それ、なに?
ふれられなかった
あの日あのときのやさしげだった福寿草はいつ飛び立つのでしょうね?謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき、ゆび先は
ふれられなかった
…に?それ、なに?
微風。風立ち
…風。それは
うごかないで
ん?…そ
びくびくするから
驟雨をきざした
え。…っと
さっき、だれかが
風。もう
匂う、かすかな
…に?それ、なに?
血を吐くのを見た
やや彼岸花ばしったってやつでしょうか。謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき、だれかが
血を吐くのを見た
…に?それ、なに?
香りたち、匂いは
…香り。それは
あの、…ね?
ん?…そ
ひりひりするから
ふと返り見た
え。…っと
さっき、こごえてた
匂い。そ、どこ?
あのひとの髪に
…に?それ、なに?
震動にくずれた
シクラメンが茎の青虫を舐めていますよ。謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき、こごえてた
震動にくずれた
…に?それ、なに?
頬にゆがんだ
…頬。それは
もう、そこに
ん?…そ
いびつなふるえは
かなしい、けなげな
え。…っと
さっき、かたちをきざした
笑み。それは、な
せめてものほほ笑み
…に?それ、なに?
手ざわりもなかった
ガーベラが日射しに失神しそうです。謂く、
…に?それ、なに?
ん?…そこに
さっき、かたちをきざした
手ざわりもなかった
手ざわりなどなかった
さっき、かたちをきざした
ん?…そこに
…に?それ、なに?
ダリアはお好きですか?謂く、
手ざわりなどなかった
…に?それ、なに?
せめてものほほ笑み
笑み。なに?
さっき、かたちをきざした
え。…っと
かなしい、けなげぇ…
いびつなふるえは
ん?…そ
もう、そこに
…へど。げぇ…くさっ
頬にゆがんだ
…に?それ、なに?
震動にくずれた
さっき、こごえてた
ん?…そこに
…に?それ、なに?
ヒヤシンスならあした、海から帰るはずです。たぶん。謂く、
震動にくずれた
…に?それ、なに?
あのひとの髪に
匂い。それどこ?
さっき、こごえてた
え。…っと
ふと返り見た
ひりひりするから
ん?…そ
あの、…ね?
…香り。それは
香りたち、匂いは
…に?それ、なに?
血を吐くのを見た
さっき、だれかが
ん?…そこに
…に?それ、なに?
ライラックを燃やせ。謂く、
血を吐くのを見た
…に?それ、なに?
匂う、かすかな
風。もう
さっき、だれかが
え。…っと
体液を散らした
びくびくするから
ん?…そ
うごかないで
夜明けの変質者。ぐばっ
微風。風立ち
…に?それ、なに?
ふれられなかった
さっき、ゆび先は
ん?…そこに
…に?それ、なに?
しろい鳥たちさえアマリリスにだけは。謂く、
ふれられなかった
…に?それ、なに?
ささやかな
傷。それ、虹を?
さっき、ゆび先は
え。…っと
あなたにきざした
ひらひらするから
ん?…そ
やっぱ…ね?
…傷み。それは
傷。傷ついては
…に?それ、なに?
叫びを吐いた
さっき、微弱な
ん?…そこに
…に?それ、なに?
りんどう?どこ?謂く、
叫びを吐いた
…に?それ、なに?
あの六月。霞み
雨。咬みっかっ
さっき、微弱な
え。…っと
やさしく降った
くらくらするから
ん?…そ
息を、しないで
…雨。それは
雨たち。雨は
…に?それ、なに?
焰をたてた
さっき、しずかな
ん?…そこに
…に?それ、なに?
プルメリアが不安のなかにそっと放火したのは昨日の話です。謂く、
焰をたてた
…に?それ、なに?
まだ知られない
花。ま、ま、ま、
さっき、しずかな
え。…っと
しろい、ちいさな
ゆらゆらするから
ん?…そ
きっと…ね?
…花。それは
花たち。花は
…に?それ、なに?
波紋にふるえた
さっき、冷え切った
ん?…そこに
…に?それ、なに?
咬め。咬みちぎれ。アネモネの蔦の繁殖をか謂く、
波紋にふるえた
…に?それ、なに?
だれかの頬に
涙。だれの?
さっき、冷え切った
え。…っと
ひかり、あたたかな
きりきりするから
ん?…そ
ささやかないで
…涙。それは
涙。しずくは
…に?それ、なに?
爪をなめていた
さっき、わたしに
ん?…そこに
…に?それ、なに?
桔梗はときに猫を喰う。謂く、
爪をなめていた
…に?それ、なに?
やがて流れ落ち
水滴。猶も?
さっき、わたしに
え。…っと
色もない、綺羅
ひらひらするから
ん?…そ
たぶん…ね?
…水滴。それは
飛沫たち。粒だち
…に?それ、なに?
いま、海は雨ですか?むしろあわいあたたかなむらさきいろのやさしい雨にこの花が散りますから。謂く、
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