アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -121 //雨つぶに/降り落ちる/ひとつひとつに/もしも声が//03
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
陰唇は、花の比喩ですか?謂く、
胸に、傷み
なぜ?傷み
醒めたのち
記憶さえ
ない。ないね
ない。たぶんね
ないね。晴れ
そとは、だれ?
謂く、
ない。ないね
雨つぶに
豪雨のなかに
飛沫。散り
ない。たぶんね
降り落ちる
花、燃えた
もう乾いたね?
ないね。晴れ
ひとつひとつに
鼻、そいだ
しら砂。降り
そとは、だれ?
夢に見た。突き刺して、ひっくりかえして、ぐちゃくぐちゃにしよう。花ざかりの肛門がふとささやいたせいで、排尿はもうとめどもなかった。だれのせい?謂く、
まどろみに
嗅いだ匂い
名残りのみ
ほのかにだけ
ない。ないね
ない。たぶんね
ないね。晴れ
そとは、だれ?
謂く、
ない。ないね
雨つぶに
豪雨のなかに
飛沫。落ち
ない。たぶんね
したたり落ちる
葉ゞ、焼けた
干からびちゃったね?
ないね。晴れ
ひとつひとつに
母殺し
しら砂。すべり
そとは、だれ?
夢に見た。しかたがないから埋めちゃおうか。燃やしちゃおうか。喰っちゃうか。孔のような孔すぎて見えない畸形が足元の塊りを爪でいじった。脇のしたの顔で少女が云った。すみません、と。すると孔のような孔すぎて見えない畸形が歯をならした。聞き慣れないことばだったから聞き慣れなかったふりをしておいた。どうして糸を搦めて玉にしちゃったあとで燃やしてしまいましたか?目のまえの孔が云うからわたしはやや垂直ですから。そう答えてそっと孔のそこに笑む。謂く、
雨ふりますか?
まだふりますか?
いまふりますか?
雨焼けますか?
胸。焼いた
だれ?焦げた
胸。だれ?
裂けた。胸
謂く、
ない。ないね
声が。それらの
だれもいないね?
からからね。もう
ない。たぶんね
それぞれ、雨に
もういいかもね?
傷いくらいね
ないね。晴れ
ひとつひとつに
滅びたかもね?
からからね。もう
そとは、だれ?
胸。焼いた
雨つぶに
滅びたんだね?
飛沫。消え
だれ?焦げた
散り落ちる
もういいんだね?
もう乾いたね?
胸。だれ?
ひとつひとつに
だれもいないね?
しら砂。失せ
裂けた。胸
夢に見た。つぎ、おれだよねと孔が云った。ふさげないほどに巨大な孔を、どうしてわたしの孔がふさいでしまえるでしょう?ほほ笑む少女にわたしは云った。さかさまにしてぶち込めばいいんですよ。赤の他人の彼が毎晩ときには明け方にさえもそうしたように。…それは、いい思いつきですね。わたしは少女に感謝した。孔は孔に突き落とされるしか選択肢がない。孔は猶も絶望さえ知らない。謂く、
ない。ないね
ない。たぶんね
ないね。晴れ
そとは、だれ?
まどろみ。咬んだ
だれ?ちぎった
まどろみ。だれ?
冴えた。まどろまれ
謂く、
ない。ないね
叫びが。それらの
なにもないよね?
すかすかね。もう
ない。たぶんね
それぞれ、飛沫に
もういいかもね?
怖いくらいね
ないね。晴れ
ひとつひとつに
終わったかもね?
すかすかね。もう
そとは、だれ?
まどろみ。咬んだ
雨つぶに
終わったんだね?
飛沫。消え
だれ?ちぎった
ゆれ落ちる
もういいんだね?
干からびちゃったね?
まどろみ。だれ?
ひとつひとつに
なにもないよね?
しら砂。滅び
冴えた。まどろまれ
夢に見た。おもわず絶句して見上げた空のみなものうつした綺麗な太陽を、わたしがすでに咬んでいたから。咀嚼したほうがいいですか?細分化のうえ排便すれば、あなたはほほ笑んでくれたのでしょうか?謂く、
わたしの夢
だれ?ふみ
ふみつぶし
なすり、だれ?
謂く、
わたしの夢
滅びの夢
ざわめくね。ざわっ
乾く夢
だれ?ふみ
夢さえ滅び
ざわついてるね
夢さえ乾き
ふみつぶし
夢にも渇き
ざわめくね。ざわっ
夢の滅び
なすり、だれ?
陰嚢は、花の比喩ですか?謂く、
醒め、目覚め
目をあけないまま
口をひらいた
女はさがした
わたしの顔を
朱の顔
黄の顔
紫斑顔
顔?お尻に
顔を。顔に
はりつき
顔?その顔を
謂く、
顔?お尻に
泣かないで。もう
愛がふれた
あなたのために
顔を。顔に
ひとりじゃないから
むきだし
なんどでも
はりつけ
ここにいるから
ただ赤裸々に
わたしは死のう
顔?その顔を
夜明けの爪に息をふいた。ふきかけた。もう、朝だったから。みんなもうすぐ目覚める頃だから。あるいはすでに目覚めていたから。だからわたしはひとりではなかった。監視しないでください。体毛がおびえつづけています。発火しますよ。謂く、
わたしの顔を
青顔
白顔
腐れ顔
顔?お尻に
顔を。顔に
はりつき
顔?その顔を
謂く、
顔?お尻に
叫ばないで。もう
愛がふれた
あなたのために
顔を。顔に
かなしくないから
むきだし
いくどでも
はりつけ
ひとりじゃないから
傷いくらいに
黄泉返ろう
顔?その顔を
夜明けの口蓋に歯をなめた。なめあげた。もう、朝だったから。みんなもうすぐ言葉をうしなってしまう頃だから。あるいはすでに失語していたから。だからわたしは無数に散った。監禁しないでください。網膜に繊毛がふるえつづけています。発火します。ほら。謂く、
女はさがした
口を燃やした
目をつぶしたまま
醒め、目覚め
海。ひかり
ひかり射し
海。ひかり
知り、波
朝にひかりは
ひかり射し
射し殺し
刺殺の海は
謂く、
醒め、目覚め
火を放つ
凄惨な雨が
せめてあなたは
目をあけないまま
放つ。火を
ふりしきるから
しあわせに、久遠
口をひらいた
放ち、火を
空を裂いた
永遠にまでも
女はさがした
わたしの顔を
やめてね。やめて
凄惨なひかりが
せめてあなたは
朱の顔
やめておいてね
ふり落ちるから
悩みなく
黄の顔
お願いですから
日をにぎった
永遠にまでも
紫斑顔
顔?お尻に
あなたのために
愛がふれた
せめてあなたは
顔を。顔に
なんどでも
むきだしに
傷みなく
はりつき
わたしは死のう
ただ赤裸々に
永遠にまでも
顔?その顔を
女はさがした
咬みつぶし
渇く。わたしは
せめてあなたは
口を燃やした
壊れただろう
しあわせを、さちを
かなしまず
目をつぶしたまま
あしたはもう
あなたのそれを
永遠にまでも
醒め、目覚め
海。ひかり
すすりあげ
飢える。わたしは
あなたの傷みは
ひかり射し
潰れただろう
しあわせを、さちを
むしろわたしに
海。ひかり
きのうはもう
あなたのそれを
永遠にまでも
知り、波
朝にひかりは
舐めまわし
やめてね。やめて
あなたの苦悩は
ひかり射し
死んだだろう
やめておいてね
むしろわたしに
射し殺し
いまはもう
お願いですから
永遠にまでも
刺殺の海は
弑殺の海は
永遠にまでも
苦しみますから
いまはもう
射し殺し
むしろわたしに
やめておいてね
死んだだろう
ひかり射し
あなたの苦悩は
やめてね。やめて
舐めまわし
朝にひかりは
知り、波
永遠にまでも
あなたのそれを
きのうはもう
海。ひかり
むしろわたしに
しあわせを、さちを
潰れただろう
ひかり射し
あなたの傷みは
飢えた。わたしは
すすりあげ
海。ひかり
醒め、目覚め
永遠にまでも
あなたのそれを
あしたはもう
目をつぶしたまま
かなしまず
しあわせを、さちを
壊れただろう
口を燃やした
せめてあなたは
渇く。わたしは
咬みつぶし
女はさがした
顔?その顔を
黄泉返ろう
傷いくらいに
ひとりじゃないから
はりつき
いくどでも
むきだしに
かなしくないから
顔を。顔に
あなたのために
愛がふれた
叫ばないで。もう
顔?お尻に
紫斑顔
永遠にまでも
日をにぎった
苦しみますから
黄の顔
悩みなく
ふり落ちるから
やめておいてね
朱の顔
せめてあなたは
凄惨なひかりが
やめてね。やめて
わたしの顔を
女はさがした
永遠にまでも
空を裂いた
放ち、火を
口をひらいた
しあわせに、久遠
ふりしきるから
放つ。火を
目をあけないまま
せめてあなたは
凄惨な雨が
火を放つ
醒め、目覚め
月はしずまず
飛沫。散り
降ってたの、あの?
知らん顔
すずしげに歎き
もう乾いたね?
あの海の?
顔どれ?
歎きすぎれば
しら砂。降り
そそいだの、海の?
顔知らん?
月は褪せていた
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