アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -115 //空。あの色を/沙羅。だからその/あなたも、まだ/まだ知らない//03
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
謂く、
全裸の女
海辺には
異形でしょうか?
壊れそうです
剝きだしの女
海辺には
異端でしょうか?
つぶれそうです
謂く、
異形でしょうか?
波はあなたを
見た。たしかに
こすった?
壊れそうです
ぬらします
夢で。その
こすります
異端でしょうか?
ぬれた?
沙羅。明け方の
砂はあなたを
つぶれそうです。しろ。しろ?…しろ。かろうじてしろ。あるいはしろ。しかもしろ。ついにしろ。にもかかわらずにしろ。砂。しろ。だからしら砂たち。そのごくささやかな沙漠の
砂を
かむ。かめ
赤裸々な。
ふむ。ふめ
蝶を
しかも
砂を
かむ。かめ
夾雑をさまざまに咬んださまざまな意味でようやくしろかった砂浜に、砂の厖大な集積は厖大な綺羅をはなつ。なんらの光沢もなく。そして波がよごした。綺羅を。うち寄せられ、波。うち寄せ、波。帯び。ときに昏い砂の黝ずんだふちどりの彎曲をのこし、きえさる波。またはぬれた色彩をだけ砂に残存させ、波。とお浅さの浜辺だった。知っていた。だから夜には月に曳かれるままほとんどすべてを水没させ、だから深さのない海底。砂の知ったことではない夜の綺羅は、みなもにだけ。生滅。いま、砂浜に「どうしろと?」
ななめに
口蓋に
「なに?」
ひとびとは群れ、あるいはひとだかりに「どうしてほしいの?…おれに」
かたむいた
ひらきはじめた
「あなたの」
ちかりよりはしないそこらに「お前は」
頸すじに
口蓋に
「殺人幇助罪について?」
ねじられた頸。そして「手助けはしてない」
体毛。しだいに
歯
「かくまったけど?」
つきだされた顎。または「それに関して、おれは」
黒みをまして
はっ。はっ
「のみならず」
ひねられた腰。だから「自己正当化?」
体毛。やわらかに
口蓋に
「かこったけど?」
のけぞるようにも、その「してない。なにも」
ひんまがりかけて
ひらきはじめた
「そだてたけど?その」
口蓋に
異形の女の「いまも、いつも」
ね?いま
唾
「ぶっ殺して」
全裸をひびき。「でも」
ちぎろうか?
ばっ。ばっ
「ひきずりだして」
ひびく。波は、ひびきつづけもはや集中力もない音響の鮮烈なだけの塊り。しかも足元にだけひびき散らして沙羅は「ただ、おまえにだけは、ね」
汚物に顔を
口蓋に
「略奪したくそ餓鬼」
見えない。もはや「わかっててほしいのは」
なすりつけたい
ひらきはじめた
「後悔しないもん?」
視野に、明確には、もう「なに?」
むせかえりたい
口蓋に
「自分に。そもそも」
沙羅は、まなざしには「後悔…というより」
鮮烈な汚物で
舌。
「あなたが野放しにしたんだよね?あの」
なぜ?「悔恨。わかるかな?」
窒息したい
たっ。たっ
「葉子。ひとごろしの…」
腕たち。それら「お前に、ふかい」
喉をつまらせ
口蓋に
「に、なる。やがてなる」
群がる人々の「悔恨。…ある」
嘔吐していたい
ひらきはじめた
「やばい女。あなたの」
足たち。それら「あるよ。おれにも」
顔に汚物と
口蓋に
「憐憫と、ひとりよがりの」
無数の、腰たち。そして「でも、お前に対しては」
吐瀉物を
肛門
「偽善、…および」
背すじ、後頭部、雑多なだけの「なにも後悔なんて」
なすりつ
噴射
「同情で、…だから」
肉体が。しかも散りぢりに視野に沙羅をかくし、歩く。沙羅は。どこに?だから、南のほうに。なんの目的もあるはずなどなかった。またはなんらの帰結をもとめるでもなかった。その沙羅はただ歩いた。そのたびにひとびとのまなざしを拾った。だれにももう、あきらかに見えはしなかった。ひとびと密集の稀薄な密集。ようやく漏れ見るさらされた肌。そこに巻き起こしていた事象の
赤裸々。不可解さの明白にのみ、まなざしを惹かれた。曳きずりまわされた。牽きいられた家禽のように「死んだら?」と、最後にそう云って、そのわたしに「っていうか、」雅文は「死んで」口を
いいよ
見て。雲さえ空で
とじる。われに
もう、い
いたわりあってた
返った。だれ?わたしが。だからわたしは思わずこころここにもあらず醒めたまま見た夢。その夢。そこに夢に陶酔していた。なにか言いかけた。だれ?雅文が。知った。ふいに正気を戻した虹彩。思わずなにか言いかけたのだった。雅文が。拒否した。聞きたくなかった。なぜ?うざったいから?あるいはもう終わったから?かれとわたしとの対話すべき必然などもう、と。そもそもそんなものなど、最初から。哄笑。だから聞いた。わたしは。声を立てて笑っていた自分の、耳。じぶんの耳にも「もう、いいじゃん」…なに?と。沈黙。雅文。なにもささやきもせず見つめ、わたしを案じ、不安げに見つめ、しかしたしかにその、なに?みじかい問いかけ。…の、いぶき「…安心して。ね?おれたちね、また、会うよ」…なに?と。こんどこそささやきかけた喉。くちびる。微動さえきざさないきざしのきざしがきざしかけるさきに拒否。わたしは「もういちど、会う。おれたち。ブーゲンビリアのしろい花のした。汗だくの夏に」
ざわめき立った
きみを
笑った。
あの
きみは
わたしは。発言権を
色彩のしたで
見つめてた
いま、あたえてられていない事実をすでに知った雅文はもはや、凝視のみ置いた。それいじょう、なにをももとめない。謂く、
あかい、あか
ブーゲンビリア
そこにあか
燃え、え?
謂く、
燃え、え?
目隠しされて
ひらいた
黙れ。いま
そこにあか
いたぶられた
口に、火をともし
燃えそう
ブーゲンビリア
だいじょうぶ?
その少年は
大気さえ
あかい、あか
むらさき、む
ブーゲンビリア
そこにむらっ
燃え、え?
謂く、
燃え、え?
うしろ手に
口蓋を
黙れ。なんかこう
そこにむらっ
沈められた
口に、火をともし
発火寸前的な?
ブーゲンビリア
だいじょうぶ?
その少年は
笑う
むらさき、む
黄色、黒
ブーゲンビリア
そこにぶらっ
燃え、え?
謂く、
燃え、え?
口蓋に、ほら
ゆらいだ
黙れ。じゃね?
そこにぶらっ
錆びた針
口に、だから火と
顎、地面につけて
ブーゲンビリア
だいじょうぶ?
その少年は
…じゃね?
黄色、黒
だいだい、群青
ブーゲンビリア
そこにずはっ
燃え、え?
謂く、
燃え、え?
縛られて、バイク
唾液さえ
黙れ。うつくしい
そこにずはっ
引きずられた
火。火をともし
鳥たちはさわぎ
ブーゲンビリア
だいじょうぶ?
その少年は
あくまで、背後に
だいだい、群青
青、スカイ・グリーン
ブーゲンビリア
そこにるぃっ
燃え、え?
謂く、
燃え、え?
殺す度胸ないから
わななきは
黙れ。ケツにぶち込んだ
そこにるぃっ
いじめられた的な?
なぜ?その火だけが
ぶっとい筆で
ブーゲンビリア
だいじょうぶ?
わななき
ひと筆がきらしいよ
青、スカイ・グリーン
かさなりあえば
とろけてしまえば
しろ。しろい
ブーゲンビリア
謂く、
ブーゲンビリア
目隠しされて
ひらいた
だいじょうぶ?
しろ。しろい
ぶち込まれた。ケツ
眼窩に、火をともし
涎れ、いま
とろけてしまえば
だいじょうぶ?
その少年は
熱かったけ黙れ
かさなりあえば
燃え、え?
殺そうか?
え?燃え
ぶっ殺そうか
屠殺していた
わたしたちは
まじ?なに?
うまれたばかり
そのブーゲビリア
引き裂いた
まじ?なに?
殺したばかり
そのブーゲビリア
生で。内臓は
咬みちぎられた
頸に花。花
謂く、
さわらないで
なぜ?
生で。内臓は
畸形の髪の
その、ブーゲンビリア
そのかたむくかたちは
咬みちぎられた
うつくしい少年
爆発しますよ
わたしの名前を?
頸に花。花
破綻した毛さき
きのう、半殺しにしましたから
ブーゲンビリア
剝げ。皮膚は
すすれ。血は
唾液が散った
ブーゲンビリア
口が燃えた
口々は燃えた
口々に燃えた
ブーゲンビリア
飢えた。渇いた
丸焼き。刺した
いきなり口から
謂く、
だからさわんなってんじゃんタコ
なぜ?
口々は燃えた
いびつな鼻毛の
その、ブーゲンビリア
そのうすすぎるかたちは
飢えた。渇いた
うつくしい少年
ぶち殺すぞカス
わたしの名前を?
口々に燃えた
譲歩した爪さき
きのう、半殺しにしましたから
肛門。刺した
貫いた。遅い
もう、すべて遅い
ブーゲンビリアに
悲鳴さえない
口なら喰った
喉さえ喰った
なにもない
謂く、
悲鳴さ
涙。な、なみ
見える?ほら
咬みつくような
口なら喰った
み、波、なに?
泣いてる。その
傷みにわたしは
喉さえ喰った
鼻血。ぶふっ
クソ餓鬼。なんで?
噎せていた。しかし
なにもな
は?
燃えてんじゃんカス
ウジ虫。なんで?
貧血。ぶふっ
喉さえ喰った
傷みにわたしは
這ってる。その
み、あつ、なに?
口なら喰った
咬みつくような
見える?ほら
つ。あ、あっつ
悲鳴さ
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