アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson；流波 rūpa -79 //あなたの肌にも/沙羅。いま/にじんでいくよ/白濁の帯びら//08

以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。

　　　汚した。髪が

　　　波打ち際

　　　押し引く波は

　　　髪によごされた

　　　砂まみれ

　　　汗まみれ

　　　体液、…だれの？まみれ

　　　色彩。汚濁

だれ？乾ききった、その。謂く、

　　　砂まみれ

　　　　　　目立たない

　　　　静止

　　　　　かくされてしまったから

　　　汗まみれ

　　　　　　傷みは

　　　　ただ、波

　　　　　おびたただしい

　　　体液、…だれ？まみれ

　　　　　　顔面には

　　　　波うちのひびき

　　　　　砂。血。穢れ

　　　黝ずみ。汚濁ら

それら、ゆがみ、ゆがみあう死者たち。それら、とろけ、とろけあう死者たち。それら、ゆらぎ、ゆらぎあう死者たち。それら、ふるえ、ふるえあう死者たち。それら、まじり、まじりあう死者たち。それら、かすれ、かすれあう死者たち。それら、さわぎ、さわぎあう死者たち。それら、つぶれ、つぶれあう死者たち。謂く、

　　　汚濁のくろずみ

　　　　　　ひん剝かれ

　　　　波うち。ざわめき

　　　　　ひらかれきった

　　　体液、…だれ？まみれ

　　　　　　右瞼。目

　　　　ただ、波

　　　　　口。なぜ？喉

　　　汗まみれ

　　　　　　ひらかれきった

　　　　静止

　　　　　腫れるように内側がふくらんで、…なぜ

　　　砂まみれ

その乾ききった、だれ？謂く、

　　　しろく残った

　　　砂浜の砂さえ

　　　ふみ乱され、いま

　　　肌によごされ

　　　砂まみれ

　　　汗まみれ

　　　体液、…だれ？まみれ

　　　ぬれた汚濁ら

だれもが、砂に、砂のうえ、砂に、乾き、渇き、乾き、謂く、

　　　砂まみれ

　　　　　　口蓋

　　　　静止

　　　　　のけぞったままに

　　　汗まみれ

　　　　　　あおむけていた

　　　　肉体。猶も

　　　　　背すじが。なぜ？

　　　体液、…だれ？まみれ

　　　　　　砂の塊り。それを、くちびるが舐めて

　　　　微動しながらも

　　　　　引き攣けつづけた

　　　しめる。汚濁ら

だから、爪を、そっと咬む。咬み、歯が燃えた。燃えうつっていた。だから、爪に、そっと、押す。押し、ゆがみ、ゆがみあう死者たち。それら、とろけ、とろけあう死者たち。それら、ゆらぎ、ゆらぎあう死者たち。それら、ふるえ、押し、押す。そっと、爪に、だから、燃えうつっていた。歯が燃えた。咬み、そっと咬む。爪を、だから、謂く、

　　　汚濁の臭気

　　　　　昏い赤い孔

　　　　微動。群れた

　　　　　　孔。ほら

　　　体液、…だれ？まみれ

　　　　　歯。欠損。なにを？

　　　　肉体。猶も

　　　　　　なにを？

　　　汗まみれ

　　　　　微動。飲みこもうと？いま

　　　　静止

　　　　　　口蓋

　　　砂まみれ

乾き、渇き、乾き、砂に、砂のうえ、砂に、だれもが、謂く、

　　　頸を、いま

　　　波がふれ

　　　去り、汚された

　　　波は

　　　消えた

　　　砂に、しめった

　　　色彩をのこし

　　　いま、褐色を

まばたく。そこに、彼も。謂く、

　　　頸を、いま

　　　　　　陥没

　　　　静止

　　　　　ゆびは

　　　波がふれ

　　　　　　変形。鼻梁に

　　　　ただ、波

　　　　　なににもふれない

　　　去り、汚された

　　　　　　なぜ？

　　　　容赦なくひびき

　　　　　すれすれに、ふと

　　　波は

とろかしてゆくしかない翳りを、いつでも、ぼくたちのまな。恥辱でしかない、死者たちを、それらとめどもなくただ、まな。ぼくたちのまな。ぼふっ、と。まるでくぼむようにのけぞりばふっ、と。まるでへこむようにのけぞりどふっ、と。まるでしずむように、ぼくたちのまな。まな。それらとめどもなくただ、死者たちを、恥辱でしかない、ぼくたちのまな。いつでも、とろかしてゆくしかない翳りを、謂く、

　　　消えた

　　　　　なにを？

　　　　残酷に想えたほど、波が

　　　　　　叫ぼうと？

　　　砂に、しめった

　　　　　口蓋。その孔は

　　　　ただ、波

　　　　　　威嚇しようと？

　　　色彩をのこし

　　　　　なにを？

　　　　静止

　　　　　　舐めあげようと？

　　　いま、褐色を

彼も、そこに。まばたく。謂く、

　　　その虹彩

　　　静止。見あげていた

　　　瞳孔に、空

　　　光りの塊り

ひらきかけた。くちびるを。彼が。謂く、

　　　その虹彩

　　　　　　語りかけなかったのだった。なにも

　　　　光りの塊り

　　　　　綺羅めきに

　　　静止。見あげた

　　　　　　わたしは

　　　　瞳孔に、空

　　　　　ささやかなかった

　　　瞳孔に、空

　　　　　　眸に

　　　　その虹彩

　　　　　なにも

　　　光りの塊り

爪を、そっと咬む。咬み、歯が燃えた。燃えうつっていた。だから、爪に、そっと、押す。押し、はじけ、はじけあう死者たち。それら、ひずみ、ひずみあう死者たち。それら、だまれ、そこにだまれ、それら、死者たち。ひずみあう、ひずみ。それら、死者たち。はじけあう、はじけ。押し、押す。そっと、爪に、だから、燃えうつっていた。歯が燃えた。咬み、そっと咬む。爪を、だから、謂く、

　　　直視していた

　　　直視しつづけた

　　　見つめつづけた

　　　ゆるぎなかった

爪を、そっと咬む。咬み、歯が燃えた。燃えうつっていた。だから、爪に、そっと、押す。押し、はじけ、はじけあう死者たち。それら、ひずみ、ひずみあう死者たち。それら、だまれ、そこにだまれ、それら、死者たち。ひずみあう、ひずみ。それら、死者たち。はじけあう、はじけ。押し、押す。そっと、爪に、だから、燃えうつっていた。歯が燃えた。咬み、そっと咬む。爪を、

だから、謂く、

　　　光りの塊り

　　　　　なにも

　　　　光りの塊り

　　　　　　眸に

　　　瞳孔に、空

　　　　　ささやかれなかった

　　　　瞳孔に、空

　　　　　　わたしは

　　　静止。見あげた

　　　　　綺羅めきに

　　　　その虹彩

　　　　　　語られなかった

　　　その虹彩

彼が。くちびるを。ひらきかけた。謂く、

15）

　　　燃えた

　　　ん？わたし

　　　なぜ？その肌。すでに

　　　燃えあがり

　　　燃えた

　　　ん？わたし

　　　なぜ？その肉。すでに

　　　燃えあがり

　　　燃えた

　　　ん？わたし

　　　なぜ？その骨。すでに

　　　燃えあがり

　　　燃え崩れてゆく

　　　ん？なに？

　　　なぜ？いま

　　　焼け落ちてゆく

謂く、

　　　燃えた

　　　　　　かたむきかけたもの

　　　　なに？それは

　　　　　あしたの、さ

　　　わたしが

　　　　　　ゆれかけたもの

　　　　なに？さっきまで

　　　　　天気、さ

　　　なぜ？肌。すでに

　　　　　　ためらっていたもの

　　　　そこで、ん？

　　　　　おしえてくんね？

　　　燃えあがり

　　　肉。なぜ？

　　　　　　嘔吐しかけたもの

　　　　なに？それは

　　　　　ね、ね、ね、おれの、さ

　　　骨。なぜ？

　　　　　　笑いかけたもの

　　　　なに？さっきから

　　　　　ひきちぎった睾丸で、さ

　　　燃え崩れ

　　　　　　振り返り見かけていたもの

　　　　そこで、ん？

　　　　　あんたの網膜おしつぶしちゃってもいいかな？

　　　焼け落ちてゆき

　　　燃え落ちてゆき

　　　　　いいかな？おしつぶしちゃっても。あん

　　　　ん？そこで、

　　　　　　振り返り見かけていたもの

　　　焼け崩れ

　　　　　ひきちぎった睾丸で、さ

　　　　なに？さっきから

　　　　　　笑いかけたもの

　　　骨。なぜ？

　　　　　ね、ね、ね、おれの、さ

　　　　なに？それは

　　　　　　嘔吐しかけたもの

　　　肉。なぜ？

　　　燃えあがり

　　　　　おしえてくんね？

　　　　そこで、ん？

　　　　　　ためらっていたもの

　　　なぜ？肌。すでに

　　　　　天気、さ

　　　　なに？さっきまで

　　　　　　ゆれかけたもの

　　　わたしが

　　　　　あしたの、さ

　　　　なに？それは

　　　　　　かたむきかけたもの

　　　燃えた

謂く、

　　　焼け落ちてゆく

　　　なぜ？いま

　　　ん？なに？

　　　燃え崩れてゆく

　　　燃えあがり

　　　なぜ？その骨。すでに

　　　ん？わたし

　　　燃えた

　　　燃えあがり

　　　なぜ？その肉。すでに

　　　ん？わたし

　　　燃えた

　　　燃えあがり

　　　なぜ？その肌。すでに

　　　ん？わたし

　　　燃えた

謂く、ひらきかけたくちびるを。彼が、

　　　その虹彩

　　　　　　語られなかった

　　　　その虹彩

　　　　　綺羅めきに

　　　静止。見あげた

　　　　　　わたしは

　　　　瞳孔に、空

　　　　　ささやかれなかった

　　　瞳孔に、空

　　　　　　眸に

　　　　光りの塊り

　　　　　なにも

　　　光りの塊り

謂く、だから、爪を、そっと咬む。咬み、歯が燃えた。燃えうつっていた。だから、爪に、そっと、押す。押し、はじけ、はじけあう死者たち。それら、ひずみ、ひずみあう死者たち。それら、だまれ、そこにだまれ、それら、死者たち。ひずみあう、ひずみ。それら、死者たち。はじけあう、はじけ。押し、押す。そっと、爪に、だから、燃えうつっていた。歯が燃えた。咬み、そっと咬む。爪を、

　　　ゆるぎなかった

　　　見つめつづけた

　　　直視しつづけた

　　　直視していた

謂く、だから、爪を、そっと咬む。咬み、歯が燃えた。燃えうつっていた。だから、爪に、そっと、押す。押し、はじけ、はじけあう死者たち。それら、ひずみ、ひずみあう死者たち。それら、だまれ、そこにだまれ、それら、死者たち。ひずみあう、ひずみ。それら、死者たち。はじけあう、はじけ。押し、押す。そっと、爪に、だから、燃えうつっていた。歯が燃えた。咬み、そっと咬む。爪を、

　　　光りの塊り

　　　　　なにも

　　　　その虹彩

　　　　　　眸に

　　　瞳孔に、空

　　　　　ささやかなかった

　　　　瞳孔に、空

　　　　　　わたしは

　　　静止。見あげた

　　　　　綺羅めきに

　　　　光りの塊り

　　　　　　語りかけなかったのだった。なにも

　　　その虹彩

謂く、彼が、くちびるを。ひらきかけた。

　　　光りの塊り

　　　瞳孔に、空

　　　静止。見あげていた

　　　その虹彩

謂く、まばたく。そこに、彼も

　　　いま、褐色を

　　　　　　舐めあげようと？

　　　　静止

　　　　　なにを？

　　　色彩をのこし

　　　　　　威嚇しようと？

　　　　ただ、波

　　　　　口蓋。その孔は

　　　砂に、しめった

　　　　　　叫ぼうと？

　　　　残酷に想えたほど、波が

　　　　　なにを？

　　　消えた

謂く、翳りを、とろかしてゆくしかない。いつでも、まな。ぼくたちの恥辱でしかない死者たちを、ただ、とめどもなくそれら、まな。まな。ぼくたちの、まるでしずむように、と。どふっ、のけぞりまるでへこむように、と。ばふっ、のけぞりくぼむようにまるで、と。ぼふっ、まな。ぼくたちのまな。ただ、とめどもなくそれら、死者たちを、恥辱でしかないまな。ぼくたちの。いつでも翳りを、とろかしてゆくしかない

　　　波は

　　　　　すれすれに、ふと

　　　　容赦なくひびき

　　　　　　なぜ？

　　　去り、汚された

　　　　　なににもふれない

　　　　ただ、波

　　　　　　変形。鼻梁に

　　　波がふれ

　　　　　ゆびは

　　　　静止

　　　　　　陥没

　　　頸を、いま

謂く、彼も。そこに、まばたく。

　　　いま、褐色を

　　　色彩をのこし

　　　砂に、しめった

　　　消えた

　　　波は

　　　去り、汚された

　　　波がふれ

　　　頸を、いま

謂く、だれもが、砂に、砂のうえ、砂に、乾き、渇き、乾き、

　　　砂まみれ

　　　　　　口蓋

　　　　静止

　　　　　微動。飲みこもうと？いま

　　　汗まみれ

　　　　　　なにを？

　　　　肉体。猶も

　　　　　歯。欠損。なにを？

　　　体液、…だれ？まみれ

　　　　　　孔。ほら

　　　　微動。群れた

　　　　　昏い赤い孔

　　　汚濁の臭気

謂く、だから、爪を、そっと咬む。咬み、歯が燃えた。燃えうつっていた。だから、爪に、そっと、押す。押し、ふるえ、それら、死者たち。ゆらぎあうゆらぎ。それら、死者たち。とろけあうとろけ。それら、死者たち。ゆがみあうゆがみ。押し、押す。そっと、爪に、だから、燃えうつっていた。歯が燃えた。咬み、そっと咬む。爪を、だから、

　　　しめる。汚濁ら

　　　　　引き攣けつづけた

　　　　微動しながらも

　　　　　　砂の塊り。それをくちびるが、舐めて

　　　体液、…だれ？まみれ

　　　　　背すじが。なぜ？

　　　　肉体。猶も

　　　　　　あおむけていた

　　　汗まみれ

　　　　　のけぞったままに

　　　　静止

　　　　　　口蓋

　　　砂まみれ

謂く、乾き、渇き、乾き、砂に、砂のうえ、砂に、だれもが、

　　　ぬれた汚濁ら

　　　体液、…だれ？まみれ

　　　汗まみれ

　　　砂まみれ

　　　肌によごされ

　　　ふみ乱され、いま

　　　砂浜の砂さえ

　　　しろく残った

謂く、だれ？乾ききった、その

　　　砂まみれ

　　　　　腫れるように内側がふくらんで、…なぜ

　　　　静止

　　　　　　ひらかれきった

　　　汗まみれ

　　　　　口。なぜ？喉

　　　　ただ、波

　　　　　　右瞼。目

　　　体液、…だれ？まみれ

　　　　　ひらかれきった

　　　　波うち。ざわめき

　　　　　　ひん剝かれ

　　　汚濁のくろずみ

謂く、死者たち。つぶれあうつぶれ。それら死者たち。さわぎあうさわぎ。それら死者たち。かすれあうかすれ。それら死者たち。まじりあうまじりそれら死者たち。ふるえあうふるえ。それら死者たち。ゆらぎあうゆらぎ。それら死者たち。とろけあうとろけ。それら死者たち。ゆがみあうゆがみ。それら、

　　　黝ずみ。汚濁ら

　　　　　砂。血。穢れ

　　　　波うちのひびき

　　　　　　顔面には

　　　体液、…だれ？まみれ

　　　　　おびたただしい

　　　　ただ、波

　　　　　　傷みは

　　　汗まみれ

　　　　　かくされてしまったから

　　　　静止

　　　　　　目立たない

　　　砂まみれ

謂く、その乾ききった、だれ？

　　　色彩。汚濁

　　　体液、…だれの？まみれ

　　　汗まみれ

　　　砂まみれ

　　　髪によごされた

　　　押し引く波は

　　　波打ち際

　　　汚した。髪が