アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -78 //あなたの肌にも/沙羅。いま/にじんでいくよ/白濁の帯びら//07





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   とりかこむ

   雪崩れのように

   留保なき

   群衆。倒壊


   その距離。崩壊

   嘲笑。瓦解

   だれかが叫び

   わめかれた須臾に


   雪崩れこむ

   砂。荒れ、散り

   波。蹴られ、飛び

   汗。男たち


   狂喜。女たち

   嬌声。男たち

   だれもが飛び込み

   沙羅を嬲った

謂く、

   わめき。ななめ

      消えた

    褐色の肌

     綺羅っ。らっ

   右。だれ?叫び

      きみ。汗。匂い

    消えた

     眸。その

   声。須臾。ひびき

      どこ?

    沙羅

     消えた

   すでに


   すでに

     消えたばっ奪われるようにおしっ押しつぶさなぎっなぎ倒さ

    沙羅

      どこ?

   声。須臾。ひびき

     頬。その

    消えた

      白濁。散乱。そのゆれ

   右。だれ?叫び

     あざやかな哄笑

    肌に、色彩

      消えた

   わめき。どこに?

ん?謂く、

   声。ひくい、しかも

   うわづった、だれも

   記憶など

   鮮烈だったその


   煽動の声など

   たかぶった、…だれも

   自覚など

   停滞をやぶるその


   声。契機だった

   すでに拳がぶちのめすから

   すでに足が蹴りあげるから

   すでに指がつかみあげるから


   すでに髪がつかまれたから

   すでに肌が掻きむしられたから

   すでに骨格が噎せていたから

   声。傷みを訴えた


   声。きこえない。その

   沙羅の声など

   うずまいた、…だれも

   男たち。声だけを


   あざやかだった。その

   肌の翳りなど

   混乱の、…だれも

   怒号。ひびきを


   声。肉体がわなないたから

   すでに恐怖を越えていたから

   すでに発光の渦しかないから

   声。可能性などなにもないから

はん?謂く、

   怒号。ひびきだけ

      われを忘れ?

    声が

     明晰だった

   すでに拳がぶちのめすから

      まさか

    わたしたちの

     あきらかだった

   すでに足が蹴りあげるから

      だれもが

    声だけが

     昏迷など

   すでに指がつかみあげるから


   すでに髪がつかまれたから

     冷淡だった

    声が。声が

      燃えひろがった恍惚を?

   すでに肌が掻きむしられたから

     ゆるぎなかった

    わたしたちの

      まさか

   すでに骨格が噎せていたから

     冴え、ただ澄みきっているしかなかった情熱だけがわたしたちを

    声。声が

      だれもが

   怒号。ひびきだけ


   聞こうと、沙羅

   喉。ならした

   たとえば悲鳴を

   詰まる濁音を


   耳は、貪婪な

   肉体。さらした

   狂態のちかくで

   かたわらで、…沙羅

ん?謂く、

   聞いた気がした

      乱交。らんっ

    すぐちかく

     いぶきら

   喉がならした

      もはや乱交じみた

    そのかたわらに

     もはや。狂態。赤裸々な

   たとえば悲鳴を

      肉体

    すぐそばで

     狂態

   詰まる濁音が

まな。まなざしは、死者たちを、それらとめどもなくただ、ゆがみ、ゆがんでゆくしかない翳りを、いつでも、ぼくたちのまな。色彩のない、死者たちを、それらとめどもなくただ、まな。ぼくたちのまな。いつでもまなざしは、まなざし。ぼくたちのまな。まなざしは、死者たちを、それらとめどもなくただ、ゆがみ、ゆがんでゆくしかない翳りを、いつでも、ぼくたちのまな。色彩のない、死者たちを、それらとめどもなくただ、まな。ぼくたちの、謂く、

   聞こえない。沙羅

   騒音以外。散る

   赤裸々なノイズ

   声の炸裂

聞いた。わたしは。謂く、

   聞こえていた

      咆哮。ほ。ほ。

    わななく

     つぶやきさえも

   ノイズ。赤裸々

      び。ひびび割れ

    至近で、…沙羅

     喉にかぎ爪

   声。炸裂。咆哮が

      ささやきさえも

    散った

     咆哮

   あまりの近さで

ばふっ、と。まるでへこむように、死者。死者ら。死者たちがのけぞり、謂く、

   聞いていた。沙羅

   めざましく、耳は

   猶も潮騒を

   とめどないひびきを


   みだれあっていた

   砂浜をなぶった

   騒音のそばで

   嗜虐のよこで、沙羅

聞いた。わたしは、執拗に、耳を、謂く、

   聞いていた。沙羅

      もっと、…ね?

    ぶちのめす

     見せしめ?

   耳は。潮騒を

      苛烈に

    ひきずりまわす

     処罰を。…的、な

   とめどないひびきを

      苛酷に。もっと

    ぶちこわす

     廃棄を。処刑。汚物に

   虐待のそば、沙羅

ぐふっ、と。まるでくぼむように、死者。死者ら。死者たちがのけぞり、謂く、

   叫んでた?

   沙羅。喉は

   かかと。踏みつけた

   足。無数に


   わめいてた?

   沙羅。口蓋は

   髪。掻き毟った

   ゆび。無数に


   引き攣ってた?

   沙羅。舌。歯

   肉を破壊した

   拳。無数に


   もとめてた?

   沙羅。虹彩は

   救い。せめてもの

   逃げ出す道を


   四維。ふさがれ、砂

   波も。沙羅。汚す

   その体液

   あるいは血

澄まされ切った、耳。聞いた。わたしは、執拗に、わたしは、聞いた。耳。澄まされ切って、謂く、

   四維。ふさがれ、砂

      ぐるり。ぐる

    穢い潮で

     至近。だれかの悲鳴のように

   波も。沙羅。汚す

      もう、風景は

    洗え。血管を

     もう、まなざしは

   その体液

      冴えた白濁を

    すりむき破れた

     ぐるり、ぐ

   あるいは血

ゆがみ、ゆがみあう死者たち。それら、とろけ、とろけあう死者たち。それら、ゆらぎ、ゆらぎあう死者たち。それら、ふるえ、ふるえあう死者たち。それら、まじり、まじりあう死者たち。それら、かすれ、かすれあう死者たち。それら、さわぎ、さわぎあう死者たち。それら、つぶれ、つぶれあう死者たち。それら、ひらき、謂く、

   失禁。液体

     至近のだれかの絶叫のように

    すりむき、破れた

      ぐるり。ぐる

   その情熱に

     もう、まなざしは

    洗え。血管を

      もう、風景は

   波も。沙羅。穢れた

     ぐる、ぐる

    穢い潮で

      傷む発光を

   四維。ふさがれ、砂

澄まされ切った、耳。聞いた。わたしは、執拗に、わたしは、聞いた。耳。澄まされ切って、謂く、

   窒息してた?

   沙羅。肉体は

   苦悩を散らした

   激痛の無数に


   しゃくりあげてた?

   沙羅。内臓は

   破綻を撒いた

   苦悶の無数に


   引き攣けた?

   沙羅。その筋肉は

   見えるなにもなく

   もがくすべもなく


   四維。ふさがれ、沙羅

   汚した。体液が

   体液を。その

   血がにごった

まなざしに、網膜に、乾ききった、その、ふいに、…ん?謂く、

   四維。ふさがれ、沙羅

      ぐるり。ぐる

    割れた貝殻で

     至近。だ。だれかかかの発火のように

   汚した。体液が

      もう、風景は

    網膜を灑げ

     もう、まなざしは

   体液を。その

      失語した陥没

    涙腺を刺せ

     ぐるり、ぐ

   血がにごり

侮辱的な孔を、突起。孔。死者たちが、ふくらます。孔。孔を、死者たちが、屈辱的な孔を、突起。孔。死者たちが、ふくらます。孔。孔を、死者たちが、破滅的な孔を、突起。孔。死者たちが、ふくらます。孔。孔を、死者たちが、夢見がちな孔を、突起。孔。死者たちが、ふくらます。孔。孔を、死者たちが、瞑想的な孔を、突起。孔。死者たちが、ふくらます。孔。孔を、死者たちが、ふしだらな孔を、突起。孔。死者たちが、ふくらます。孔。孔を、死者たちが、単にみだらな孔を、謂く、

   漏れ、あふれ返り

     至近のだれかが醒めたまま落ちた失神のよ

    ひん曲がったこゆび

     もう、まなざしは

   無数の情熱に

      ぐるり。ぐる

    直腸をこすれ

      もう、風景は

   大気さえ穢れ

     ぐるり、ぐる

    折れた前歯で

      ひとつ。ただひとつの閃光

   四維。ふさがれて

…ん?ふいに、その、乾ききった、網膜に、まなざしに、謂く、

   波。綺羅ら

   だから

   海。綺羅ら

   綺羅


   雲。綺羅ら

   だから

   みなも。綺羅ら

   綺羅


   砂。綺羅ら

   だから

   空。綺羅ら

   綺羅


   肌。綺羅ら

   だから

   だれもが綺羅ら

   綺羅きらら

乾く。わたしは、渇き、わたしは、乾く。謂く、

   波。綺羅ら

      その臭気

    飛沫

     うつくしい

   だから

      匂いさえ

    飛沫たち

     留保なく、いま

   海。綺羅ら

      澱みさえ

    際限もなく

     でしょ?…ね?

   綺羅


   雲。綺羅ら

      その翳り

    飛沫

     うつくしい

   だから

      光暈が散り

    飛沫たち

     留保なく、いま

   みなも。綺羅ら

      目舞いさえ

    靄なしかけ

     でしょ?…ね?

   綺羅


   砂。綺羅ら

      その傷み

    飛沫

     うつくしい

   だから

      こまか、ささい

    飛沫たち

     留保なく、いま

   空。綺羅ら

      不可解。色彩

    清潔すぎて

     でしょ?…ね?

   綺羅


   肌。綺羅ら

      その臭気

    飛沫

     綺羅めきが

   だから

      汗と熱狂

    飛沫たち

     留保なく、いま

   だれもが綺羅ら

      轟音さえ

    ただ、なまなましかっ

     わたしたちを燃やしていた

   綺羅きらら

ふるえ、しかも、ふるえあうヒだれ?孔。ふしだらな、孔。死者たち。それら、まじり、しかも、まじりあヒだれ?孔。ふしだらな、孔。死者たち。それら、かすれ、しかも、かすれあヒだれ?孔。ふしだらな、孔。死者たち。それら、さわぎ、しかも、さわぎあヒだれ?孔。ふしだらな、孔。死者たち。それら、つぶれ、しかも、つぶれあヒだれ?孔。ふしだらな、孔。死者たち。それら、ひらき、しかも、ひらきあヒだれ?孔。ふしだらな、孔。死者たち。それら、はじけ、謂く、

   きらら綺羅

     わたしたちを燃や

    ただ、なまなましかった

      とどろきさえ

   だれもが綺羅ら

     留保もなく、いま

    飛沫たち

      絶叫。そして痙攣

   だから

     綺羅めきは

    飛沫

      戦慄。その

   肌。綺羅ら


   綺羅

     でしょ?…ね?

    清潔すぎて

      からんで

   空。綺羅ら

     留保なく、いま

    飛沫たち

      爪。しかもゆびのあいだに

   だから

     うつくしい

    飛沫

      その傷み

   砂。綺羅ら


   綺羅

     でしょ?…ね?

    靄なしかけて

      音速?いま

   みなも。綺羅ら

     留保なく、いま

    飛沫たち

      巨大な、ごごごご。しかもさしのべた手のふたつぶん

   だから

     うつくしい

    飛沫

      速度。過激

   雲。綺羅ら


   綺羅

     でしょ?…ね?

    際限もなく

      感じられなかった

   海。綺羅ら

     留保もなく、いま

    飛沫たち

      見えないいきものたちそれらのあまりの厖大は

   だから

     うつくしい

    飛沫

      いぶっ。臭気

   波。綺羅ら

乾く。わたしは、渇き、わたしは、乾く。謂く、

   逃げ去った

   やがて、われにかえって?

   飽きて?

   見捨てて?集団


   逃げ去れなかった

   そこに、残されて

   残骸。それ

   破損物。それ。残存


   その沙羅を

   だいじょうぶ、沙羅

   骨は見えない

   だいじょうぶ。そこの


   肉体

   だいじょうぶ?なぜ

   まだ生きていられるの?

   だいじょうぶ?


   沙羅

   だいじょうぶ

   ももはちぎれない

   だいじょうぶ。その


   残骸

   だいじょうぶ?なぜ

   まだ息ができるの?

   だいじょうぶ?


   沙羅

   だいじょうぶ

   瑠璃色の目はある

   だいじょうぶ。その


   敗残物

   だいじょうぶ?なぜ

   まだ生きてるの?

   だいじょうぶ?


   沙羅

   だいじょうぶ

   口蓋はひらく

   だいじょうぶ


   サイレンが鳴るのだろう

   もうすぐ。肉の

   汚物。回収のため

   汚物。廃棄のため

乾く。渇き、乾く。謂く、

   サイレンが鳴るのだろう

      鼻孔が

    ひらかれたまま

     すりむかれていた

   もうすぐ。肉の

      なぜ?

    口蓋。息を?

     なぜ?

   汚物。回収するため

      痙攣しつづけ

    瞳孔。開孔

     うわ唇。頬

   汚物。廃棄するため

それらとめどもなくただ、まな。ぼくたちのまな。いつでもまなざしは、まなざし。ぼくたちのまな。まなざしは、死者たちを、それらとめどもなくただ、とろけ、とろかしてゆくしかない翳りを、いつでも、ぼくたちのまな。恥辱でしかない、死者たちを、それらとめどもなくただ、まな。ぼくたちのまな。ぼくたちのまな。まな。それらとめどもなくただ、死者たちを、恥辱でしかない、ぼくたちのまな。いつでも、とろかしてゆくしかない翳りを、とろけ、それらとめどもなくただ、死者たちを、まなざしは、ぼくたちのまな。まなざし。いつでもまなざしはぼくたちのまな。まな。それらとめどもなくただ、死者たちを、恥辱でしかない、謂く、

   汚物。廃棄のために

     顎。複雑な

    瞳孔。開孔

      透明な体液を

   汚物。回収のため

     なぜ?

    咥えた。奧歯を

      なぜ?

   肉の汚物に、もうすぐ

     その形態。その

    前歯が。咬みしめ

      鼻孔が

   鳴るのだろう。サイレンが








Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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