アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -69 //ひらかれた。いま/扉は、沙羅。いま/目のまえ。ふいに/沙羅。返り見た//07





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





謂く、

   きみが、夢

   夢ならだれも

   悲しくなくて

   夢。夢だったら


   ただ夢だったら

   傷つかなくて

   しあわせで、だれも

   きみは、夢

謂く、

   夢ならだれも

      きみが

    そうするがいいさ

     耳を

   悲しくなくて

      壊れそう。ぼくは

    苛酷であれば?

     叫びそう。ぼくは

   傷つかなくて

      目は

    そうするがいいさ

     きみが

   しあわせでこんな夢を見た。花汁がしぶいた。眼の前。至近。匂い散らすそれら飛沫を見た。目がはしる、と。思った須臾になんらの傷みもはしらせはしない両眼に、だから、夢?

気づく。それは

   これは

      れは、なに?

夢に見た、だから

   夢。夢

      っきまで、そ

明晰な夢の

   これら、夢

      きかけたも

明晰夢のなかの

   ここにひらく

      れは、なに?

残酷な風景。かつていちども、

   夢。ここに

      っきから、そ

願いさえしなかったそれ。ちぎる。咬みちぎる。歯は。だから花を。そのあまりにちいさな口蓋。孔。全身に無数に空いた孔。むりをさせて必死に咬みつき、脂汗さえほとぼしらせた熱気のうちに、…だれ?わたしは。その、だからそれらもはや無際限に舞い散る眼前、ひたすらなおびただしさは

   叫びそうだ

      声。こ、こ、

花。

   叫ぶそうだ

      凍っています。そこで

花。

   叫ぶようだ

      声。え、え、

花。しろい、…なに?名前は、たぶんありふれた、良く知られたはずの、名前。ふと、そこに、忘れていた。陥没。わたしを落としこんだ健忘症の陥没の須臾の、むれなす須臾それらの執拗な集合。…の、なか、なに?名前。忘れ、実際、見定められなかったという事実もあったのだ。それらは花のかたちをさらしきりはしなかったか…なに?ら。名前など、かけら。いわば破片。花と名づくべきそれそのもののちぎれた花弁の無数のかけら。…なに?かけっ名前は?かけっ花。それら、かけっ孔なす口蓋にかけっふれるままにかけっ牙。牙ある無数の孔のむれに咬みつぶされてゆくしかない花たちに傷み?

   たすけて。そして

      巣食う。爪に

いつ?…

   ぼくをすくって

      色彩をなくした寄生虫た

しか、たしか、「…実は、」かけっ。十四歳のころ?「嫌い。だって」…なぜ?その夢を、「残酷じゃない?…要するに」なぜ?…わたしは、ん?「…しょ?」見、しかも、ん?「屠殺でしょ?」記憶していたのだろうかと、ふと「…あれ。そこでやってること」まどう。その「素直に言えば」清雪の声に。「…じゃない?」

「生け花?」

「違う?しかも生きる、活かすって言うでしょ。…なんか偽善の、」

「花のうつくしさをって、」

「そう謂うと、それ、もはや」

「そう言うことなんじゃないの?」

「狂気。すさまじい狂気だよね?」わたしは「…もはや」笑った。その清雪の物云いにではなくて、ふいにあまりに真摯だったまなざしの直視そのものを。たぶん

「そう?」

   滅びかかった

      裂いて

「…だよ。たしかに、」

若干の恥じらいも含んで?

「なにが?」

   空。空が

      わたしの、こころ。ただ

「狂気?」

なぜなら、それは

「なんで?」

   とおくに叫んだ

      傷ぐちのよ

「…ちがう?」

はじめてたっだ、と。それほどまでまっすぐわたしをみたことは。…と。そう想えたから。

「わからない?」すでに眼を逸らし、わたしの頸の横の向こう、だから背後に須臾気をとられながらも、…なにを?その

「あくまでも、さ」

その目は

   いのちを、ね?

      翳る。綺羅

「自分勝手な、さ」

なにを?その

   と。…あげるために

      綺羅らに

「哲学?…なに?」

須臾に

   花に。花。いのちの

      綺羅めく翳り。その

「ぶった切って」

そこに

   花に、あげ

      色彩のなかに

「断ち斬って」

…どこに?

   ない、花に、いのちの、な

      ほら

「そこのことによって」

なにを?

   いのちを、ね?

      おびえていました。その

「…だから、仮死?」

あなたの

   と。…あげるた

      色彩が

「うつくしさそのものを」

その虹彩は

   いのちのない、は

      鋏の鉄の

「生かす?」

いま、その

   花に。花

      鉄のあじに

「莫迦じゃない?…どこまでも」

霑う

   あげ、花に、あ

      翳る、綺羅

「その人たちだけに共有された」

あやうい表面に

   いのちを、ね?

      綺羅らに

「マニアックに閉ざされた、」

猶も、しかも

   と。…葉子が、そっと

      綺羅めく翳り。その

「感性の犠牲に、勝手に、いまも」

無造作に

   ささや

      色彩のなかに

「花たちは、今日も」

綺羅を飛び散らせながら「…ね?」清雪。その「ただ無言で、さ」清雪がほほ笑むのを、「犠牲になりつづけて、それって」わたしは、「さ。…」…見ていた。そこに「うつくしいの?…なら」笑み、その「いのちあるものの一部のごく少数の一部だけが勝手に見出した、その」不遜なばかりの「うつくしさっ」昏い「…って、」沙羅。その狂暴な「命そのものさえ」笑みを。沙羅はただ、そっとほのめかす程度のかすかな笑みをうかべていただけだったから。ひざまづいたわたしをそこに見下ろして。すでにわたしは、うわ目にななめにとらえた沙羅の色彩。そして、あるいは形姿。見つめながら、…から?ないから?他に、見るべきものが。ないから?ふれていた。その、匂いのあるそこに。なぜ?舌をだすことにはおびえながら、だからたとえば、差し出してしまえば舌が感じてしまうのかもしれない味。血の。その匂い?存在。血…その痕跡をも?謂く、

   ひらかれた。いま

   扉は、沙羅。いま

   目のまえ。ふいに

   沙羅。返り見た


   わたしを?昏い

   だれを?翳りに

   なぜ?その身を

   沙羅。翳りに


   さらし、いま

   通路。そこは

   赤。綠り。灯り

   照らされた。沙羅


   肌を?さらし

   わたしが?笑み

   なぜ?その背中を

   哄笑にゆらし

めざましいほど、わたしは。謂く、

   肌を?さらし

      狂暴だった、その、須臾

    翳り。昏い翳りに

     赤裸々。昏い

   わたしが?笑み

      目には。眼。その目には

    身をさらし

     昏いまなざし

   なぜ?その背中を

      狂暴。水平に

    翳り。昏い翳りに

     まなざし。救いのな

   沙羅。哄笑にゆらし


   ひらかれた。いま

   扉。沙羅。素肌は

   翳りのなかに

   返り見た。沙羅


   わたし?あかるみに

   だれを?昏い

   なぜ?その身を

   沙羅。あかるみに


   見ていた?いま

   ベッド。肉体が

   逆光。赤裸々。色彩

   その他人。沙羅


   肌を?さらし

   笑む。わたし

   なぜ?まなざしを

   哄笑にゆらし

すさまじいほど、わたしは。謂く、

   肌を?さらし

      その須臾。もはや破綻でしかなかったその須臾に

    昏い孔ぐら。昏く

     翳る。赤裸々に

   笑む。わたしが

      目には。眼。その目には

    身をかくしたかに

     見つめ、あくまでも

   なぜ?そのまなざしを

      っげぇきわだってて、さ。…だから

    翳り

     昏く、知性のない

   沙羅。哄笑にゆらし


   邪気もない

   沙羅。すなおに

   笑い、昏い

   目に、それは


   知性のない

   沙羅。痴呆の笑い

   ねじった頸に

   かた目に、沙羅は


   だれかを呼んだ

   まなざしだけに

   わたしを呼んだ

   そのほのめかしに

窒息しかけただろう。わたしは。その、容赦ない、謂く、

   だれかを呼んだ

      いないよ。もう

    ひとり。わたしひとり

     なに?

   まなざしだけに

      だれも、いな

    存在したもの

     なんですか?

   わたしを呼んだ

      殺した。ぼくが

    しかもひとり

     なぜ見ますか?

   そのほのめかしに


   だれかを呼んだ

   陽炎のななめに

   わたしを呼んだ

   その流し目に

しろ目。目。わたしは。目。しろ目。ん?その、容赦ない、謂く、

   だれかを呼んだ

      いないよ。いな

    ひとり。わたしひとり

     なんですか?なに?

   陽炎のななめに

      部屋には、もう

    息をしたもの

     な。なにが。な

   わたしを呼んだ

      屠ってしまった。ぼ

    しかもひとり

     なにを、見ますか?

   その流し目に


   すでに誰もが

   外光。綺羅ら

   たぶん滅びて

   死滅したから

嘔吐寸前。だから。謂く、

   わたしひとり

      呼んだ。だれ?

    ほら、外は

     痴呆の笑いが

   そこ。部屋に

      だれかを

    壊滅。完璧な

     ゆらしていたのだ。しかもやわらかに

   わたしひとり

      まなざしにだけ

    だれもが

     そのやさしげな腹を

   陽炎のななめに


   すでに誰もが

      呼ん…なんで?

    ほら、外は

     ち。ち。ちぃ。痴呆の笑いが

   外光。綺羅ら

      わたし。わたしだけを

    全滅。完璧な

     ゆらし、こきざみに

   たぶん滅びて

      まなざしだけに

    枯れた。閃光に

     あやうげなあばらを

   死滅したから


   声をたてて

   笑ったのは沙羅

   わたし?沙羅

   だれ?笑み


   くずれ、唐突に

   沙羅。腕。ひろがり

   顔。気のふれた

   ふれる。壁に


   なぜるに似

   かたむいてゆき

   ゆび。ふるえかけていた

   ふれる。漆喰


   こするように

   なするように

   なにを?いじり

   壁。しろ。ひそかに


   ゆび。立った。声が

   笑ったのは沙羅

   わたし?だれ?沙羅

   ひびく。笑いが

痙攣寸前。だから。謂く、

   陽炎のした

      ひかり。その綺羅めきの無造作に

    どこへ?どこ?

     肉体のみが

   不在。沙羅

      見た。あなたが

    そとには

     ぼくの。ぼくだけの

   翳りのなか

      裸体。さらした

    嘲笑。その声が

     肉体。疲弊しきっていたのだ。もう

   不健康ないろ


   陽炎のした

      灯りに染まり

    どこへ?どこ?

     肉体が

   孤立。沙羅。いま

      見なかったのだった。きみが

    そとでは

     に。その肉

   わたしひとり

      裸体。さらけだした

    きみの無力が

     頽廃。あなたは

   すさまじい、ん?


   すさまじい、ん?

     破廉恥でしかなかったんだ。云ってしまえば、もう

    無能。きみだけの無能が

      裸体。剝きだしの

   わたしひとり

     存在。きみ自身の、…ね?

    赤裸々。そとでは

      見はしなかった。あなたが

   孤立。沙羅。いま

     肉体。不穏に

    どこへ?どこ?

      灯りに染まり

   陽炎のした


   不健康ないろ

     疲弊してゆくのだ。ただ

    きみの、ぶざまこそが

      裸体。目舞う。もう

   翳りのなか

     わたしの、わたしだけが

    そとには、容赦なく

      見ちゃいました?あなたは

   不在。沙羅。いま

     不穏に、肉体

    どこへ?どこ?

      ひかりたちが描き出していた綺羅に

   陽炎。そのしたに

だから、痙攣寸前。謂く、

   見ていた。まなざし

   光りのなかに

   汚点のように

   横たわり、肉体


   その、わたし

   翳りのなかに

   褐色をなくし

   まばたき、肉体


   どこへ?沙羅

   素肌をさらし

   その色をかくし

   沙羅に、肉体

微動。寸前。その、謂く、

   どこへ?沙羅

      影をふむ

    急激に、しかも

     あなたに、すでに

   素肌をさらし

      日射しのなかに

    すみやかに、そこに

     複雑な、複数の

   その色をかくし

      わたしが

    衰微。ぼくらは

     影がふる

   沙羅に、肉体


   剝き出し。跳ね

   とびだすように

   ころがるように

   階段を。跳ね


   どこへ?沙羅

   みだしていた。髪

   散らす。匂い

   沙羅に、肉体

微動。寸前。その、あやうい、微動。謂く、

   どこへ?沙羅

      肌。突然、肌が

    容赦ない、しかも

     悲しんだ。そこ

   みだしていた。髪

      知った。乾きを

    強引に、そこに

     骨髄が、にがく

   散らす。匂い

      訴えた。ふと

    衰弱。ぼくらは

     悲しみを咬み

   沙羅に、肉体


   哄笑。声。跳ね

   たわむれるように

   からかうように

   階段を。跳ね


   けたたましいだけ

   いないから。だれも

   見ないから。だれも

   笑っていられた

微動。寸前。その、あやうい、微動。寸前。その、あや。謂く、

   けたたましいだけ

      けもの。ふいに

    笑っていた

     知ってる?躍動

   だれもいないから

      唐突に、けだもの

    きみの逃走を

     横滑り。あなたは

   だれも見ないから

      あばれはじめた肉体はそのみずみずしささえ、そこに

    疾走を。不用意に

     異物。すでに

   笑っていられた


   わたしも、沙羅も

   いないから。だれも

   知りもしないから

   せせら笑えた

波紋。大気が、円錐形に。謂く、

   わたしも、沙羅も

      けもの。ふいに

    笑っていた

     知っていますか?

   だれもいないから

      いきなり、けだもの

    きみの衝動を

     いま、あなたは

   知りもしないから

      肉体が熱を、熱を、熱をまさに

    躍動を。あまりに無謀に

     異端。容赦なき

   せせら笑えた


   だれかを呼んだ

   ふしだらな叫びに

   わたしを呼ぶその

   くちびるにひびき


   わたしひとり

   そこ。部屋に

   猶も、存在し

   けだもの。ひとり


   わたしひとり

   陽炎。ななめに

   しかも、目をそらし

   けだもの。ひとり

波紋。そこに、円柱形に。どこ?謂く、

   わたしひとり

      すでに誰もが

    けだもの。ひとり

     たぶん滅びて

   そこ。部屋に

      外気の綺羅ら。その

    鬱。憂鬱。鬱

     まったき殲滅

   陽炎。ななめに

      かがやきのなかに

    けだもの。ひとり

     死滅したから

   しかも、目をそらし


   声をたてて

   笑ったのは沙羅

   わたし?沙羅

   だれ?笑みに


   わななき、走り

   沙羅。ねじられた頸。瞼に

   汗の、だから

   手摺り。ふれた


   たたくように、はじくように

   沙羅。鉄。ひびき、爪

   息づき、つかみ、だから

   彎曲。ふれた


   おどけたように

   あざけるように

   なにを?いたぶり

   手摺りにゆび

ふれる。楕円状に。そっと。謂く、

   わたしひとり

      呼んだ。だれかを

    外は

     声のひびき

   そこに、部屋に

      叫び。ふしだらな

    ひびく。声が

     叫ぶ。不穏に

   猶も、存在したもの

      その声。ひびき

    ひびきわたり

     呼ばれた。だれかに

   ひとり


   わたしひとり

      呼んだ。わたしを

    外は

     声。ひびき

   そこに、陽炎のななめに

      叫び。猶予ない

    他人たち

     叫んでいた。邪気もなく

   しかも、目を伏せたもの

      その声。ひびき

    騒音が

     呼ばれた。声に

   ひとり


   孤立さえなく

     呼ばれた。声に

    喉にゆび突っ込んでやろっか?

      その声。ひびき

   しかも、目を伏せたもの

     叫ぶ。邪気もなく

    他人たち

      叫び。猶予ない

   そこに、陽炎のななめに

     声。ひびき

    外には

      きみの肌が燃えるていただろう

   わたしひとり


   ひとり

     呼ばれた。だれかに

    ひびきわたり

      その声。ひびき

   猶も、存在したもの

     叫ぶ。不穏に

    ひびく。声が

      叫び。ふしだらに

   そこに、その部屋に

     声。そのひびき

    外には

      きみのうぶ毛がさかむけるだけだろう

   わたしひとり

そっと。楕円状に、ふれる。謂く、

   声をたてて

   笑ったのは沙羅

   わたし?沙羅

   だれ?笑みに


   追い掛け回す

   気のふれた沙羅を

   追い立てまわす

   わたしも狂気を


   すでに、おなじく

   同じ狂気を

   まなざしに、咬む?

   おなじ情熱を

めざましいまでに、わたしは。謂く、

   すでに、おなじく

      すでに誰もが

    けだもの。ひとり

     たぶん滅びて

   同じ狂気を

      外気の綺羅ら。その

    鬱。憂鬱。鬱

     まったき殲滅

   まなざしに、咬む?

      かがやきのなかに

    けだもの。ひとり

     死滅したから

   おなじ情熱を


   どこへ?沙羅

   自虐の匂い

   その笑う声に

   沙羅に、肉体

微動。寸前。その、あやうい、微動。寸前。その、あやうい、微動。寸前。謂く、

   どこへ?沙羅

      だれもいないから

    昏がりに、きみが

     きっと、きのう

   自虐の匂い

      信じて。みんな

    翳る。やさしい

     あした…ね?

   笑い声に

      滅びたんだよ

    きみが、翳りに

     あるいはいつか

   沙羅に、肉体


   破廉恥。跳ね

   逃げ出すように

   身をかくすように

   ロビーに、跳ね


   どこへ?沙羅

   息をきらし

   汗をもふたたび

   沙羅、その肉体

かさなる。迂回しかけて、その須臾に、謂く、

   どこへ?沙羅

      滅びたから。だれもが

    昏がりに、きみが

     きっと、きのう

   息をきらし

      信じて。もう

    冴える。やさしい

     あした…ね?

   汗をもふたたび

      わしたちだけだよ

    きみは、翳りに

     あるいはいつか

   沙羅、その肉体


   けたたましいだけ

   消えたから。みんな

   消え失せたから

   笑いころげていられた


   わたしも、沙羅も

   廃墟だったから

   終わりのさらなるそのさきだから

   せせら笑ってさえいられたのだった

なに?迂回しかけて、その須臾に、謂く、

   笑う。わたしは

      きみのため。きみに

    剝く。しろ目を

     わたしたちを

   けだものじみて

      滅ぼした

    逃げる沙羅は

     傷める世界

   声をあげ

      わたしが

    息をあららげ

     かれらの世界

   吐く。みだれた息を


   追いかけるわたしは

      きみのため。きみに

    投げる。ソファ。しろ

     ふれた。あなたに

   無謀なだけで

      いない。もう

    笑う沙羅は

     苛烈な世界

   壁にぶつけて

      わたし以外には

    肌をさらして

     かれらの世界

   傷む。その肩を


   歓声のなかに

      音響が

    外には

     ひびき

   嬌声のなかに

      ひび

    ひかりが

     無造作な

   けものの声に

      ひびきあっていて

    ひかりの豪雨を

     散った。散り

   ひび割れるままに


   鳴り響くままに

     埋まった。埋ずまり

    ひかりの豪雨を

      ひびきあい

   轟音のように

     ぶざまな

    ひかりが

      ひび

   喚き、唾散り

     ひびき

    外には

      音響が

   情熱のなかに


   倒す。ガラスの花瓶を

     あなたをいたぶる

    鼻孔。わななかせ

      すでに

   花を踏んで

     苛酷な世界

    追いかけるわたしは

      消滅した

   足をぬらして

     かれらの世界

    引っ掻く。油絵を

      きみのため。きみに

   笑う沙羅は


   叫ぶ。罵声を

     かれらのせ。せ。せ

    背後。騒音。ガラスに

      わたしさえ

   腕にふく汗

     糾弾するせ。せ

    笑った。わたしは

      死滅した

   飛沫。散って

     わたしたちを

    投げた。パソコンを

      きみのため。きみに

   逃げる沙羅は

その須臾に、かけて、迂回し、かさなる。なに?謂く、










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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