アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -62 //ふるえていた/なぜ?沙羅/それら、すこしした/冷酷。睫毛の//10
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
わらう。肉
おどける
沙羅。これが
戦闘。たわむれの
たわむれに
沙羅。その心が
部屋に籠った
逃げまどいに
わななく。肉
たぶらかす
沙羅。これが
破壊。たわむれの
たわむれに
沙羅。その意識が
部屋に匂った
つまづきに
ゆれる。肉
怒る
沙羅。これが
殺し合い。たわむれの
たわむれに
沙羅。その精神が
部屋を穢した
壁にぶつかり
跳ねる。肉
激昂する
沙羅。これが
殺戮。たわむれの
たわむれに
沙羅。そのすべてが
部屋にあふれた
その馬のりに
須臾の白目を
押し倒されて
床の上。陽炎を
いま、見い出して
口蓋が、歯頚に噎せ返っていたのだった。謂く、
須臾の白目を
沙羅。これが
手遅れだから
死。なに?
押し倒されて
死。あなたの
もう
顎。頸を
床の上。陽炎を
なに?死
だいなしだから
殺す。わたしが
いま、見い出して
その絶望を
さらけだして
眸。無慈悲だけを
いま、見い出して
わななく。口蓋が、そこに。謂く、
その絶望を
沙羅。これが
手遅れだから
なに?壊滅
さらけだして
屠殺。あなたの
もう
汗。肉を
眸。無慈悲だけを
なに?最期
だいなしだから
つぶす。わたしが
いま、見い出して
その精神を
くだく。ねじる。なぶる
裂く。やぶる。ちぎる
その情熱ごと
その風景を
叫喚に見て
綺羅。虹彩を
いま、目舞わせ
沙羅。これが
悲惨。あなたの
惨劇。わたしが
沙羅を
殺した。凌辱
穢した。恥辱
手おくれの
世界。台無しの
無謀な世界
沙羅が死に
わたしは笑う
無慚な世界
ひらく。すでに立ちあがったわたしが、窓。ひとり。なに?謂く、
沙羅。これが
あなたの
ほら
わたしが殺した
悲惨。あなたの
これが
血まみれの世界
沙羅。ひとり
惨劇。わたしは笑う
最後の絶望
沙羅。これが
痙攣。わたしが
無慚な世界
傷みをあげよう
焰のような
引き裂いた腹に
その内臓に
傷みをあげよう
炸裂に似た
ちぎられた足に
しゃぶられる骨に
凌辱を咬む沙羅
穢された恥辱。いま
手おくれの
世界。台無しの
世界。無謀な、無様な
沙羅。その死
そこ。風景に
叫喚を見た
綺羅。最後に
沙羅。虹彩は
目舞わせたまま
無慈悲を知り
不可能を知り
狂乱したまま
沙羅。虹彩は
綺羅。最後に
叫喚を見た
そこ。風景に
沙羅。その死
世界。無謀な、無様な
世界。未曽有の
手おくれの
穢された恥辱。いま
凌辱を咬んだ
しゃぶられる骨に
ちぎられた足に
炸裂に似た
沙羅。苦悩をあげよう
引き出す臓腑に
引き裂いた腹に
焰のような
沙羅。傷みをあげよう
痙攣。いま沙羅
ひとり、わたしが
沙羅。わらう
わたしが殺し
ひらく。窓を、すでに立ちあがっていたわたしは、ひとり。ん?謂く、
痙攣。いま沙羅
最後の絶望。これが
ほほ笑んでも
沙羅
ひとり、わたしが
あなたの
いいよ。ひとり
これが、ほら
沙羅。わらう
これが、最後に
官能を咬んでも
血まみれの世界
わたしが殺した
屍。死屍
沙羅はいま
いまわたしだけが
屠殺者。ほふられ
あびる。あぶるように、あびる。謂く、
屍。死屍
最終的に
たとえばきみが死んだら
いきたえてしまい
沙羅はいま
それらがほろび
その細胞たちの
最終的に
いま、わたしだけが
ほろびてしまい
死の時はいつ?
それらがいきたえ
屠殺者。ほふられて
なにを?沙羅
そこに、そのまざしに
なにを?沙羅
見たの?屍。その目に
笑うわたしは
無慚な世界
凄惨な死
沙羅の屍の
擬態。たわむれ
沙羅は見せた
その死。滅びた
肉体に、見た
笑みにひらかれた
まなざしに
事象。その死
じぶんの死にいま
なにを?沙羅
そこに、そのまざしに
なにを?沙羅
見たの?屍。その目に
恍惚の沙羅は
滅びた世界
消滅。死
沙羅の屍は
あびる。あぶるように、あびる。なにを?謂く、
恍惚の沙羅は
沙羅は見せた
妄想
おやすみ。もう
滅びた世界
その死。滅びた
いつわり
目覚めないで
消滅。死
魂を、いま
虚偽
二度と
沙羅の屍は
なにを?沙羅
そこに、そのまざしに
なにを?沙羅
見たの?不在。その目に
あざけるわたしは
声。ひびき、すでに
聞こえない声に
沙羅の屍は
まばたく。いちどだけ
沙羅は見せた
その死。滅びた
肉体に、見た
笑みにゆるんだ
くちびるに
味わう。その死
じぶんの死にいま
なにを?沙羅
そこに、その舌に
なにを?沙羅
見たの?屍の舌に
恍惚の沙羅は
消えた世界に
いないじぶんに
沙羅の屍は
あびる。ひかりを。あぶるように、ひかりを。あびる。謂く、
恍惚の沙羅は
沙羅は見せた
脱力
おやすみ。もう
消えた世界に
無気力。死んだ
喉さえ
目覚めないで
いないじぶんに
肉体を、いま
虚構
二度と
沙羅の屍は
なにを?沙羅
そこに、そのまざしに
なにを?沙羅
見たの?屍の目に
笑うわたしは
救われるべき
救いのない死
沙羅の屍は
頸をかたむけ
沙羅は見せた
その死。冷え切った
血をさえ、感じた
笑みにゆがんだ
まなざしに
事象。その死
じぶんの死にいま
なにを?沙羅
そこに、そのまざしに
なにを?沙羅
見たの?屍の目に
わたしがふいに
笑いにのけぞり
わななくのが
見え、そこに
沙羅、わらう
声を立て、しかも
狂暴にわらう
沙羅をわらう
わたしは、そして嘔吐しかけるのだった。思わず。謂く、
擬態された
知ってる?
恍惚の沙羅は
後悔など知らない
屍。沙羅
贖罪とは欺瞞
滅びた世界
けものたちが
そこに、浸った
知ってた
消滅。死
原野を走り
自分の死に、いま
いきづく喉は
知ってる?
恍惚の沙羅は
走られた原野に
死んだふり
断罪とは偽善
消えた世界に
いぶきさえ
沙羅。ひとり
知ってた
もういないじぶんに
残さなかった
殺されたふりをし
感じようとし
ほほ笑みながら
笑うわたしは
朝日さえも
意識を澄まし
破壊しようか
救われるべき
ひたすらに
見出そうとし
ほら
救いのない死
うつくしいから
だからそれ
感じられるすべもないもの
感じた須臾にはさらすもの
それが偽りということを
あり得はしないという事実を
辿り着き得ないという事実を
だから限界のさらにそのさきの
ついに不在の事象であるもの
感じられるべくもないもの
だからそれ
うつくしいから
救いのない死
ほら
見出そうとし
ひたすらに
救われるべき
自壊しようか
意識を澄まし
朝日さえも
笑うわたしは
ほほ笑みながら
感じようとし
殺されたふりをし
残さなかった
もういないじぶんに
そう。知ってた
沙羅。ひとり
いぶきさえ
消えた世界に
糾弾とは過失
死んだふり
走られた原野に
恍惚の沙羅は
知ってる?
いきづく喉は
自分の死に、いま
原野を走り
消滅。死
そう。知ってた
そこに、浸った
けものたちが
滅びた世界
贖罪とは偽造
屍。沙羅
後悔など知らない
恍惚の沙羅は
知ってる?
擬態された
思わず。嘔吐しかけるのだった。そして、わたしは謂く、
屍はわらった
声をたて
床のうえ
沙羅がわらった
生。死。それらは
事象。まなざしが
見出したすがた
だから、わたしは
そこに死んでいた
沙羅。その足元に
ふみつけそうな
翳り。ななめに
沙羅は、わたしは
事象。そのゆびが
ふれていた手ざわり
だから、わたしは
そこに死んでいた
陽炎のしたに
黒みのない
翳り。ながめに
這う。壁にも
翳り。なにかの
翳り。朝の
光りに、沙羅
見て。わたしの
肌に綺羅。そして
翳りら。雪崩れ
にじみあっていま
にじみきれずも
とけあいかけて
まざりあいかけ
見て。その色ら
光りに消えた
色彩は綺羅
綺羅さえも
まなざしは知った
ただ、色彩と
色づきと
色めきと
ただ、たしかに色と
わたしが。あびる。ひかりを。しかもあぶるように、しかもひかりを。あびる。わたしが。謂く、
沙羅。わたし。この
見て
とけあうように
いいよ
鳩尾に綺羅。しかも
その色ら
まざりあうように
さわって。もう
翳り。いま
見て
雪崩れるように
いいんだよ
にじみあうように
いぶきとともに
ゆらいでしまうよ
きみはいちども
ながれ、翳りも
息するたびに
這う翳り
ほんとのことを言わないで
綺羅も
息するたびに
綺羅も
わたしはいちども
ゆらめいてしまうよ
いぶきとともに
にじみあうように
いいんだよ
雪崩れるように
見て
翳り。いま
さわって。もう
まざりあうように
その色ら
鳩尾に綺羅。しかも
いいよ
とけあうように
見て
沙羅。わたし。この
わたしが。あびる。ひかりを。しかもあぶるように、しかもひかりを。あびる。わたしが。謂く、
わたしたちにいま
雪がふればいい
夏の終わりかけ
この亜熱帯に、いま
屍を雪が
うずめればいい
血も肉片も、もう
まっしろにしろ
雪ふりしきり
しらゆき、こなゆき
きえかけのゆきだに
すべて、消しさったから
とむらい。沙羅
埋葬。…だれ?
死んだのは、だれ?
わたし。沙羅
ふいにもたげた
上半身を、そこ
真横に射した
光りに光らせ
沙羅。朝の
沙羅。あまりにたしかな
みずみずしい朝
わたしをとむらうその
とむらい。沙羅
花もなく、…なぜ?
うめられたのは、だれ?
わたし。沙羅
かたむく頸は
見はしない、そこに
うつぶせて死んだ
屍を見捨て
沙羅。須臾の
沙羅。あまりにけなげな
倦怠のときは
屍など沙羅に忘れさせその
とむらい。沙羅
涙などない…なぜ?
死んだのは、だれ?
だれか。沙羅
見捨てられていた
屍。そこに
頸をねじった
そこ。沙羅を見あげ
沙羅。のけぞる
沙羅。あまりにも華奢な
頸が傷む。ただ
死にさえしない屍はその
頬にわらった
声もなく笑み
ひらいた口に
無言でわらった
だれ?くしゃみ。だれ?謂く、
あした、人間たちが
とむらうの?
香り
舞い、ゆれ
滅びたら、彼等の
蝶たちが
ほら、いま
ゆらぎ、ふるえ
世界が滅びたら
せめて
香りたつ。色彩
あの蝶たちが
蝶たち。あざやかな
かぞうべくもない
鱗粉が散った
無数に散った
虚空は、色めき
虚空が、色づき
無数に散った
鱗粉が散った
かぞうべくもない
蝶たち。あざやかな
あの蝶たちを
香り
せめて
世界が崩壊したら
ゆらぎ、ふるえ
ほら、いま燃えたつような
蝶たちを
滅びたら、彼等の
舞い、ゆれ
香り
とむらうの?
あした、人間たちが
鼻に慣れない
匂いが散った
悪臭を散らした
虚空も、匂い
虚空に、匂い
無数に散った
鱗粉が散った
かぞうべくもない
沙羅を。あざやかな
とむらうの?
燃え
舞い、撒き
肌が腐敗したら
蝶たちが
ほら、いま
撒き散らし、ふるえ
熟れくずれたら、彼等の
せめて
燃えたつ。色彩
あの蝶たちが
あした、蝶たちが
だれ?くしゃみ。だれ?謂く、
見捨てた屍が
立ち上がり、その沙羅が
見捨てた蝶が
扉にふれ
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