アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -45 //沙羅。だから/その唐突な/あなたの目覚めに/ふれていたのだ//11
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
謂く、
うつくしい。もう
自身にさえ
返り見られない
沙羅。肉体
なまめかしい。もう
まともにさえ
呼吸されない
胸元。肉体
謂く、
うつくしい。その
いたぶるような
愛されるべきだった
昏い目に
沙羅。肉体
挙動。自虐?
いまは欠損
笑み、昏いまま
なまめかしい。その
なぶるような
憧れられていた
口を、そっと
胸元。肉体。飽きていた。すでに、沙羅は。やわらかな、ささやかなものをくちにもてあそんでいることに。あるいは、ふたりの行為自体にも。いまさら気づく、最初から、沙羅が行為にたわむれ以上の価値などあたえていなかったことに。そのたわむれ。一時の快感と、そしてその充足としてであれ、もしくは永遠を夢見た関係の完結としてであれ。沙羅は飽きたのでさえなかったかもしれない。もともと飽きていた。もともと、…そもそも、指いじりに、いじられつづける触感への倦怠がないことなどあり得ないように。だから沙羅が
ほら、花
ん?
身を起こす。そしてわたしの投げ出された足、その無作為。またぎ、またぎかけたまま背筋を伸ばせばやせた、精悍ないぶきの激しいからだ。それが、ひかり。横殴りに、ひかり。ふれた。なぶるように。慰撫するように。そして
ほら、花
ん?
はずかしめているようにも。つつみこむようにも。からかうようにも笑む。その頬。片手にぶらさげた自傷の頸に、さかさまのハオ・ランが、笑む。笑み、沙羅。そこに素肌をさらした女。わかい肉体。たしかにその角度においてもうつくしい。顔も。胸元も。あばらのかすかなきざしさえ、またはそのきざしのあまりのささやかさに反した、明確な、しなやかな、骨格。ふいの俊敏も。健全。健康に息づいていることのささやき。くちびるが。ハオ・ラン。くちびるが。血まみれの、明示。だからすこやかな肉体はただ容赦もなく、恥知らずに、図太く、そこに生気の氾濫を見せびらかした。しかも、まなざしなど考慮に入れない。呼吸していた。みずから断ち切られた頸が。そしてささやきつづける口の言葉を聞き取ろうとするのが、…まさか。ハオ・ラン。声帯はぶち切られたから。あなた自身に。ハオ・ラン。もう、肺が呼吸をそそぎこまないから沙羅が。そしてそのあばらを浮き出さす呼吸は唐突な胸の曲線のゆたかの、やわらかな実在をただ、まなざしに暗示する。沙羅はうつくしい。褐色の肌も。あきらかな。あざやかな。そして、それらはまさにその同じ場所で見苦しい。肉体は、…人間。その肉体は、うつくしかった瞬間などいちどでも獲得し得たことなどあったのだろうか?たとえば沙羅。このうつくしい、みだらなまでに
過失。ただ
目。眼が
うつくしい
過失にすぎず
ね?恥ずかしがって
生き物の、その
過失だったと
陥没しました
造形をあえて
雨が降って
鼻。鼻が
横たわらせ、さらに
葉ゞが燃えた
ね?恥ずかしがって
厖大な花々で
過失。ただ
失踪しました
百合?花。紫陽花?
過失にすぎず
耳。耳が
花。薔薇?花。
過失だったと
ね?恥ずかしがって
清楚なあの
雪が降って
ぶった切れ
沙羅の樹の
葉ゞが色褪せた
ぶ。ぶ。ぶ
しろ?花弁で埋めつくして仕舞えば、たぶんもう
過失。ただ
ぶった
手のほどこしようもないぶざま。たとえば密林に、ないしささやかな林。枝と葉、枝々と葉ゞの翳り。漏れるひかりらの奇蹟的な散乱の綺羅。そのなかにおいて、全裸は猶もうつくしいだろうか?海辺。波打ち際。空。青。海。綺羅。人間たちの形姿。いつもただ赤裸々にぶざまさをのみさらす。路上の青空の下でさえも、うつくしいというひびきとは…肉体。いっさい…肉体。無縁。そこに孤立をさらけだし、わたしたちには
肉体。肉
いい?しゃぶって
うつくしさというものそのものが
肉。肉体
いい?
存在しない。
愛したのは
いい?舐めまわして
見捨てられていたのだ。美に
肉。肉体
いい?
執拗な眼は
肉体。肉
いい?なすりつけて
すでに。無機質な部屋のなか、そこに隔離されてはじめて、かろうじて肌は煽情的なうつくしさをさらしはじめる。とりかこむ壁。その中でのみさらされるべきという肉体の倫理は、それはたぶん倫理にも羞恥にもまして林檎にも蛇にも起因しない。ただそこにせめてものうつくしさが成立するための条件に過ぎない。海に肌をさらすとき、わたしたちは
肉体。肉
主国タル米国ヨリノ完
恥をのみ知る。肉体は
肉。肉体
立ヲ望ムナラバ、ソ
決してうつくさに
すがったのは
法論ノ唯一トハ今ス
ふれない。いちども、
肉。肉体
縄全土ヲ焦土化シ更
うつくしさになど、
肉体。肉
縄人ゴト完全駆逐シ且
うつくしい。沙羅は。匂うまでに。ふしだらなまでに。忌々しいまでに。恥ずかしいまで、恥ずかしげもないまでに。肉体を矜持することなく、沙羅はさらす。そこに。やわらかな腹部。だらしなく、はかなく、しかも押しつけがましい生命のきざしをまき散らし、息づかう。綺羅が
きみが見る雪は
粛清ヨリ始メヨ
散る。白濁が
きれいだろうね?
国土ヲ浄化セヨ
帯びをなす。
きみがふと
琉球等フクム
舐める。
見上げる雪も
マタ混血ノスベテヲマデフクム
まとわりつく。翳りは
きれいだろうね?
血統的浄化コソガ
もはや、流れるに似て
きみがそして
我等ノ緊急デアリ
這って、くずれ、ゆらぎ、ゆらぎかけてとどまることが
まばたいた、その
危急デアリ、マタ
ない。沙羅。その肌にいつも、…時に?目舞いを感じ、なかった。渇望をいだいたことなど。一度もその肌に、その色彩に、その形象に、それはあまりにもちっぽけで、でたらめにすぎないから。いつも、ときに、稀れに、うつくしいとホモ・サピエンスの眼がおもわずホモ・サピエンスの精神において?ためらいもなくつぶやきながら沙羅。だから目舞い。うつくしさに無縁なわたしの精神に咬みついた、うつくしいという感覚の鮮烈ないぶき。錯乱。なに?…それは。ただ不可解なだけの沙羅。失語。その肌のまえに、色彩に、形態に、わたしは。背伸びをしてみせて、ふと沙羅は窓の方を向く。
おおくの時間を
ダメだ!
なぜ?
必要以上に
もう。もう
理由のほのめかされなかった他人の、
失語に
吹っ飛ぶよ
乱れた。
費やした我等
蕾が。咲くら!
髪の毛が。匂ったはずだった。かすかな、それらかすかの周辺にだけ。執拗に。羞じた。わたしは、なぜ?知らない。ただ明晰に、その眼の前の沙羅を。憎んだ。羞じたに似て憎み、憎むさなかに羞じ、なにを?沙羅。その横顔。まなざしがたしかに窓の外に海の綺羅を見出しているという、その羞恥に?
おおくの時間を
ダメだ!
なぜ?
必要以上に
もう。もう
耐えられなかった。心が、
失語に
とろけちゃうから
もはや。しょせん
費やしたわ
原子炉。ぶへっ!
わたしとは、その惨めな耐えがたさに委縮するのみのふるえに名づけた名にすぎなかった。無理やり腹部を曲げ、わたしは顔をうずめた。沙羅の胸元に。たぶん、その横顔を見ないですむように?海。あるいは空。だから空と海。たしかに、
論理的思考とは
霞さえ
海。しかも
すべて
いま、霞さえ
空。それらすさまじい
感傷である。かつ
ぶっ壊す。きみを
発光。やさしくその
抽象的思
朝靄さえ
朝には沙羅の顔を、正面からなぶった。なぶるようにふれた。ふれられていた。そこに、沙羅は。謂く、
逸らしている。目を
耳が赤裸々に
見出したから
あますところなく
謂く、
逸らしている。目を
発熱。肌
くすぐるよ。くすっ
ときどき、もう
耳が赤裸々に
目覚めつづけ
傷いくらい
いっ。燃えちゃえばいいと
見出したから
眠りもしない
悲しいくらい
たとえば日射しに
あますところなく
閉じている。目を
花があけすけに
描き出したから
かくすところなく
謂く、
閉じている。目を
発汗。肌
じれてるよ。じじっ
ときどき、もう
花があけすけに
にじみつづけ
せつないくらい
いっ。消えちゃえばいいと
描き出したから
やすまりもしない
ぶざまなくらい
たとえば大気に
かくすところなく
拒否している。目を
肌があきらかに
見つくしてたから
絶望的なまでに
謂く、
拒否している。目を
崩壊。肌
なすってるよ。すなっ
ときどき、もう
肌があきらかに
きざしつづけ
かゆいくらい
いっ。破滅しちゃえばいいと
見つくしてたから
いぶきつづけて
むごいくらい
あかるい朝日に
絶望的なまでに
溺死している
あばかれすぎて
あなたにも
空に、海にも
謂く、
溺死している
美、というその
追放。わたしたちの
だから自傷
あばかれすぎて
事象から
知ってる?すでに
わたしたちのすべて
あなたにも
美、というその
追放されていた
だから自嘲
空に、海にも
海に、空にも
だから自嘲
解放されていた
知性、というその
あなたにも
わたしたちのすべて
知ってる?すでに
事象から
見放されすぎて
だから自傷
解放。わたしたちの
知性、というその
枯渇している
海に、空にも
あなたにも
見放されすぎて
枯渇している
謂く、
絶望的なまでに
あかるい朝日に
むごいくらい
いぶきつづけて
見つくしていたから
破滅しちゃえばいいと
かゆいくらい
きざしつづけ
肌があきらかに
ときどき、もう
なすってるよ。すなっ
崩壊。肌
拒否している。目を
絶望的なまでに
見つくしていたから
肌があきらかに
拒否している。目を
謂く、
かくすところなく
たとえば大気に
ぶざまなくらい
やすまりもしない
描き出したから
消えちゃえばいいと
せつないくらい
にじみつづけ
鼻があけすけに
ときどき、もう
じれてるよ。じじっ
発汗。肌
閉じている。目を
かくすところなく
描き出したから
鼻があけすけに
閉じている。目を
謂く、
あますところなく
たとえば日射しに
悲しいくらい
眠りもしない
見出したから
燃えちゃえばいいと
傷いくらい
目覚めつづけ
耳が赤裸々に
ときどき、もう
くすぐるよ。くすっ
発熱。肌
逸らしている。目を
あますところなく
見出したから
耳が赤裸々に
逸らしている。目を
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