アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -18 詩//まだ知らない/あなたも、まだ/沙羅。その/空。あの色を//09





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   あなたの肌にも

   沙羅。いま

   にじんでいくよ

   白濁の帯びら


   褐色のいろをも

   沙羅。いま

   にじませていくよ

   ふれたひかりら


   笑う。沙羅

   笑う。狂暴な

   沙羅。狂気した

   沙羅。だから


   笑う。沙羅

   笑う。わたしは

   沙羅。破廉恥な

   沙羅。その周囲


   とおまきにあなたを

   かこむ群衆を

   沙羅。無能な

   沙羅。ぶざまな

謂く、

   とおまきに

      怒り。情熱が

    失語しかけ

     警戒。燃えあがった熱風。その名残りのように

   かこむ群衆

      ななめに

    その須臾

     水平に

   沙羅。無能な

      空間を裂き

    まぶたがふるえた

     情熱が

   沙羅。ぶざまな


   沙羅。ぶざまな

     情熱が

    まぶたがふるえ

      空間をいたぶり

   沙羅。無能な

     停滞

    そ。そ。須臾

      執拗に

   かこむ群衆

     煽られたいぶきがさらしたふいの窒息のよ

    叫びかけ

      怒り。情熱が

   とおまきにあなたを


   笑う。沙羅

   笑う。わたしは

   沙羅。かれらを

   沙羅。かのじょたちをも


   笑う。沙羅

   笑う。わたしは

   沙羅。笑うしかなかった

   沙羅。笑うべき破綻者。いま

   恥ずべきものなど

   なにもないと

   最初から、なにも

   もはや、すでに


   恥辱そのもの

   羞ずかしさそのものだったから?

   沙羅。あなたは

   沙羅。わたしも

謂く、

   恥辱そのものでこそあった

      翳る

    かれらこそ

     一挙に

   見れば穢れた

      ぼくらは

    まさにおそるべき汚点

     底もなく

   沙羅。あなたは

      いっせいに

    彼女たちこそ

     損なわれてたんだ。もう

   沙羅。わたしも


   沙羅。かれらも

   沙羅。わたしたちは

   汚点そのもの

   過失そのもの

謂く、

   沙羅。かれらも

      雲。翳った。だから

    あなたは

     光暈を

   沙羅。わたしたちは

      雲母たち

    穢い沁み。その

     横切った

   汚点そのもの

      散らしたよ。ほら

    褐色さえも

     鳥は。孤立

   過失そのもの


   厭うべきものも

   なにもないと

   最初から、なにも

   もはや、すでに


   沙羅。かれらも

   沙羅。わたしたちは

   破壊そのもの

   破綻そのもの


   禁忌そのもの

   穢れそのものだったから?

   沙羅。あなたは

   沙羅。わたしも


   越えてみようか?

   ふたり、閾を

   抜けてみようか?

   沙羅。つまさきのまえの境界を

謂く、

   越えてみようか?

      あざけるように

    沙羅

     ゆびふれたすべて

   ふたり、閾を

      見くだすように

    あなたは。沙羅

     ののしるように

   抜けてみようか?

      目にふれたすべて

    わたしも

     近よってくるものたちを

   沙羅。境界を


   だから、そこに

   さらされた肌に

   沙羅。赤裸々に

   光りら。しろみ


   にじみ、汗ばみ

   火照らされ、肌に

   沙羅。赤裸々に

   光りら。ゆらぎ


   撒かれた匂いに

   綺羅散る肌に

   沙羅。無造作に

   光り。掻きむしり

謂く、

   さらされた肌に

      散った

    撒かれた匂いら

     骨。火照り

   光りら。無防備に

      汗。肌。白濁

    いま、ただ

     無慚に

   しらみ、にじみ

      汗ばんだ

    綺羅ら

     臭気は

   沙羅。匂う


   纏う。肌が

   むしり取ったかに

   沙羅。色彩を

   その消滅さえも


   いぶく。肌が

   沙羅。破廉恥に

   そのきわだちを

   沙羅。その褐色は

謂く、

   纏う。肌が

      ななめに臂が

    ばかばかしいほど

     うなだれた

   沙羅。色彩が

      だれ?

    笑う声

     老人が、顎を

   いぶかれ。肌が

      唾を吐いた、その

    背後

     灼けたひたい

   沙羅。破廉恥をさらし


   人間たちなど

   ふみにじろうか?

   沙羅。もはや

   すでに、最初から


   人間たちなど

   死んでいたから

   沙羅。もはや

   すでに、最初から


   かぞうべくもない

   むれなす顏さえ

   顏のむれ。むれ

   滅びきえされ

謂く、

   人間たちなど

      笑って

    目。ね?くりぬいてよ

     降る

   ふみにじろうか?

      もっと

    沙羅。で、…さぁ。あ

     日射しが、ただ

   人間たちなど

      辛辣に

    のけぞってみせて

     救いようもなく

   死んでいたから


   人間たちなど

   蹂躙しようか?

   沙羅。もはや

   すでに、最初から


   人間たちなど

   不在だったから

   沙羅。もはや

   すでに、最初から


   かぞうべくもない

   むれなすかたちさえ

   形象のむれ。むれ

   滅びきえされ

謂く、

   人間たちなど

      きみの

    ね?わかる?もう

     壊されてしまえと

   蹂躙しようか?

      横向きの顎に

    ぼくたち、みんな

     きみが、むしろ

   人間たちなど

      ふと、ぼくは嫉妬した

    滅びてたんだよ

     願った?

   不在だったから


   人間たち。その

   屍のうえに踊ろうか?

   沙羅。もはや

   すでに、最初から


   人間たちなど

   滅んでいたから

   沙羅。もはや

   すでに、最初から


   だから、そこに

   さらされた肌に

   沙羅。赤裸々に

   光りら。白濁

謂く、

   沙羅。破廉恥な

      人間たちは

    ながれ、雪崩れ、いま

     屍のむれは

   いぶく。肌が

      ほら。ほら

    白濁。にじみ、ひかり

     ん?

   沙羅。火照り

      死滅していた

    あばかれた

     喰いあらされた

   匂い、匂い、いま


   見て。沙羅

   人間たちが

   おののく。あなたに

   惡意を知り、いま


   屈辱を知り、いま

   敗北を知り、いま

   自虐を知り、ひら

   その汗。綺羅ら

謂く、

   沙羅。あなたは

      かれら。気のぬけた

    見て。沙羅

     倦怠。そして

   うつくしい

      情熱。しかも

    わたしたちが

     唐突な失笑

   肌に、褐色に

      散漫な

    激昂する

     同情。やがては

   その汗が綺羅ら


   見て。沙羅

   人間たち。剝いた

   目。あなたに

   挑発を知り


   虐待されたものたちとして

   まもられるべきものたちとして

   ひとりのあなたに

   敵意をむけて


   沙羅。聞こえた?

   罵声。口。口

   人間。口。口

   罵倒し、なにも


   ためらいなどない

   沙羅に。路上に

   さらされた素肌に

   昏い翳りの繁茂にも

謂く、

   ためらい?

      さわぎ

    綺羅。ながれ

     繁茂。翳り

   沙羅。なにも

      そこに、その身動き

    散り

     ちぢれあい

   路上。肌には

      股。繁茂

    綺羅。すべり

     ゆれかけ、ゆ。色彩

   ちぢれる翳りの繁茂にさえも


   容赦などない

   沙羅に。まなざしに

   虹彩のむれに

   昏い翳りの繁茂にも

謂く、

   容赦など

      ゆらぎ

    綺羅。ふるえ

     繁茂。翳り

   沙羅。まして

      そ。すみやかな、そ。微動

    飛び

     もつれあい

   眸のむれにも

      股に、繁茂

    綺羅。とどまり

     かさなり、色彩

   からみあう翳りの繁茂にも


   焰のように

   やわらかな隆起に

   這う。翳り。翳りいま

   燃え上っていたかのように


   焰のように

   残酷なくぼみに

   茂る。翳り。翳りいま

   燃えひろがっていたかのように

謂く、

   焰のように

      茂みが

    性別のない

     あかす

   やわらかな隆起に

      しかも、性別を

    恥毛がそっと

     まなざしに

   這う。翳り。翳りいま

      きざし

    まがり、ちぢれ

     激怒の視野に

   燃え上っていたかのように


   忿怒。けものたち

   わななくように

   散りかうように

   あざけるように


   せせら笑うように

   飛びかうように

   ささやくように

   激怒。家畜たち


   罵声。沙羅

   ふれ、ふれ

   こすられ、こすれ

   ゆれ、ゆれて


   綺羅。ながれ散り

   沙羅。のけぞり

   さわぎ、声。とりかこみ

   繁茂。ゆれて、色彩

謂く、

   綺羅。ながれ散り

      われをわすれさせ

    激情が、ひとびとに

     息。けもののいっ

   沙羅。のけぞり

      おもわず、昏い

    目から目に

     すすりあげ、綺羅めき

   さわぎ、声。とりかこみ

      翳った。昏ませ

    鼻から鼻に

     閃光に咬まれ

   繁茂。ゆれて、色彩


   繁茂。ゆれて、色彩

   さけび、声。四維に

   沙羅。返り見

   綺羅。ながれ散り


   怒号。沙羅

   ふれ、ふれ

   こすられ、こすれ

   ゆれ、ゆれて


   ない。なにも

   沙羅。その笑みに

   そのまなざしに

   邪気などなにも


   かけらさえ

   匂いさえ、だから

   無垢。むしろ

   赤裸々な素肌に

謂く、

   無垢。だから

      波が際限もなくひびき

    けものたちが

     ほら

   赤裸々な素肌に

      ひびきを

    おれ?

     鳥。——逆光。ふと

   褐色の肌に

      ひび

    白熱したよ

     滑走してゆく

   無垢。だから


   絶叫。だれ?

   ふれ、ふれ

   こすられ、こすれ

   ゆれ、ゆれて


   ない。なにも

   沙羅。その聲に

   そのくびすじに

   嫌悪もなにも


   わずかにさえ

   気配さえ、だから

   無垢。むしろ

   跳ね散る汗に

謂く、

   無垢。だから

      ひかり。り。帯び

    けものたちが

     波

   跳ね散るに汗に

      雲は、ふいの

    だれ?

     砂。す。足

   白濁の帯びに

      切れ目を。失墜

    白熱したよ

     かさありあった

   無垢。だから


   歓呼?嬌声

   ふれ、ふれ

   こすられ、こすれ

   ゆれ、ゆれて


   ない。なにも

   沙羅。鎖骨のくぼみに

   ながし目に

   せせら笑いにも


   かけらさえも

   よこしまさなど

   わずかにさえも

   沙羅。だから


   無垢。いとわしい

   無垢。むざんなまでに

   無垢。汚らわしい

   無垢。うとましい

謂く、

   無垢。いとわしい

      靄がかった

    けものたちが

     ほら

   無垢。むざんなまでに

      飛沫は、みなもに

    おまえ?…は?

     鳥。二羽?唐突な

   無垢。汚らわしい

      溶けた

    白熱したよ

     旋回を

   無垢。うとましい








Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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