アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -13 詩//まだ知らない/あなたも、まだ/沙羅。その/空。あの色を//04





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   陽炎のしたに

   もがく肉体。のけぞり

   ふるえ、引き攣り

   吐き、息、わななき


   発光。海は

   光り射すまま

   窓の向こうは

   綺羅。散乱。そこに


   失神。沙羅は

   その肉体は

   失神。色彩

   綺羅めく肌に


   朝の頽廃に

   朝がまだ、荒廃をなにも

   きざさないうちに

   おちいるように

謂く、

   朝の頽廃に

      陽炎が、翳り

    波紋。ふと

     かたむき、陽炎に

   朝がまだ、なにも荒廃を

      綺羅めき?

    波紋をひろげ

     翳り?

   きざさないうちに

      ななめに、陽炎は

    ひろがるように

     翳り、陽炎が

   おちいるように


   陽炎のななめに

   えづく肉体。のたうち

   もだえ、みだれたままに

   吸い、息、あやうい


   閃光。空は

   光り撒くまま

   窓のそこには

   明晰な沈黙。そこに


   失神。沙羅は

   その頸すじは

   失神。色彩

   翳る肉体に


   朝の頽廃に

   朝にまだ、荒廃をだれも

   気づかないうちに

   たぶらかすように

謂く、

   朝の頽廃に

      せに。色も、ないくせいに。色

    失神していた

     いいえ、ただそれは

   朝にまだ、だれも荒廃を

      いろづ

    陽炎が

     燃えるようだったよ

   気づかないうちに

      色づきさえしな

    ゆれて

     むしろ、あざやかに

   あざむくように


   肉体。須臾に

   ななめ。のけぞり

   瞳孔。昏み

   崩壊。沙羅。そこに

謂く、

   肉体。須臾に

      えづくんだ。しかも

    あばら。あやうい

     精神。なに?

   ななめ。のけぞり

      肉体が、しかも

    もだえ、息

     引き攣り

   瞳孔。昏み

      のたうち、しかも

    みだれたままに

     もんど。り。もんどりうっ

   崩壊。その


   半身だけに

   まえぶれもなかった

   唐突な須臾に

   沙羅。すでに


   肉体。すでに

   色褪せて、名残り

   虹彩。昏み、停滞

   壊滅。沙羅。そこに

謂く、

   肉体。すでに

      吐きそう?

    胸。わななき

     精神。なに?

   色褪せた名残り

      ふるっ。肉体

    ふるえ、引き攣け

     震動。るふっ

   眸。昏み。停滞し

      舌。唾

    もがく。ふいに

     もんどりうって

   滅び。その


   そこにも朝は

   光りらは燃えた

   翳りらも昏い

   情熱を咬んだ

謂く、

   そこにも朝に

      ブルー。る、る、るぶっ

    知らない。まだ

     眸。燃える

   光りらは燃え

      傷いほどる、る、るぶっ

    陽炎が波紋を

     焰。お、お、

   翳りさえもない

      澄んだ、澄むだけのかけがえない、ブルー

    ひろげていたのを

     焰

   情熱を咬み


   虚空を舐めた

   舌が、沙羅。そこに

   沈黙をちぎった

   陽炎のななめに


   窓の向こうには

   綺羅の散乱。そこに

   逆光に。清潔に

   あかるみに、沙羅


   孤立を描いた

   沙羅。ひとり

   そこに、沙羅が

   孤立を描き

謂く、

   孤立を描いた

      二の腕に

    陽炎のしたに

     いやらしいほど

   沙羅。ひとり

      いま

    わたしはいぶいた

     汗が顎を

   逆光に、沙羅が

      這い、白濁が、這い

    息をはき

     脇をも

   孤立をあばき


   ゆびさき。それが

   わたしの。沙羅

   ふれようとしていた

   ゆび。くちびるに


   さぐるように

   沙羅。それが

   しのびよるような

   ゆび。くちびるに


   沙羅の死体に

   ひらかれた、昏い

   くちびるに

   とまどい?

謂く、

   沙羅の死体に

      ふれさえ

    きみの体内を

     いたぶらなかった

   ひらかれた、昏い

      なにも

    なにが?

     やさしいまま、それ

   くちびるに

      ふれさえも

    なにがいたぶったというのだろう?

     いちどもきみを

   とまどい?


   ゆびさき。それが

   わたしの。沙羅

   なぐさめようとしていた

   ゆび。くちびるに


   さぐるように

   沙羅。それが

   いたわるような

   ゆび。くちびるに


   沙羅の死滅に

   くちはてた、昏い

   くちびるに

   軽蔑?

謂く、

   沙羅の死滅に

      いりぐちで

    きみは体内に

     ふれられなかった

   くちはてた、昏い

      ただ

    なにを?

     体内は、なににも

   くちびるに

      つぶされていただけ。きみに

    なにをたかぶらせたというのだろう?

     ぬらしただけ。きみが

   軽蔑?


   残酷を、あなたに

   沙羅だけに

   あげよう。せめて

   そのくちびるに

謂く、

   残酷を、あなたに

      ほら

    犠牲者の

     顎をあなたの

   沙羅だけに

      壁に蜥蜴が

    きみは

     汗がぬらし

   あげよう。せめて

      壁を擬態した

    苛酷な眉を

     だから

   そのくちびるに


   残酷を、あなたに

   沙羅だけに

   あげよう。せめて

   その亡骸に

謂く、

   残酷を、あなたに

      ほら

    犠牲者の

     顎にあなたの

   沙羅だけに

      もう未来など

    きみは

     髪がなすられ

   あげよう。せめて

      見えないだろうか?

    追い詰められた眉を

     だから

   その亡骸に


   残酷を、あなたに

   沙羅だけに

   あげよう。せめて

   その殲滅に

謂く、

   残酷を、あなたに

      ほら

    犠牲者の

     顎をあなたの

   沙羅だけに

      壁に陽炎が

    きみは

     ひたいがくすぐり

   あげよう。せめて

      波紋を曲げた

    無慚な鼻孔

     だから

   その殲滅に


   ゆびさき。それが

   わたしの。沙羅

   醒まそうとしていた

   ゆび。肉体に


   いらだつように

   沙羅。それが

   逡巡していた

   ゆび。くちびるに


   沙羅の陶酔に

   呼び起こすように

   その渾沌に

   くちびるに


   もう、かたちさえ

   おしつぶれるまで

   いたぶるように

   いじめるように

謂く、

   もう、かたちさえ

      つぶして。いま

    ひらかれた、口蓋

     ぼくたちの、羞恥

   おしつぶれるまで

      そのゆびさきで

    くちびるにも

     爪のさき、そっと

   いたぶるように

      恥辱。ぼくたちの

    翳り。ふいうちに

     はじいて。いま

   いじめるように


   ゆびさき。それが

   わたしの。沙羅

   穢そうとしていた

   ゆび。くちびるに


   たくらみ。ゆびに

   せめて、温度を

   沙羅。移そうと

   くちびるにだけに


   あたたかみ。皮膚に

   沙羅。なすろうと

   せめて、猶も

   たくらむ。ゆびに


   無言のままに

   沙羅。くちびるに

   ふれそうなそこに

   あやういそこに

謂く、

   恍惚が、ただいとわしい

      発熱

    なに?な

     したたらせないで

   他人の忘我

      肌が、そして

    なにをいま

     もう、きみは

   耐えられないにくしみ

      体液も

    あなたは?

     死んだから

   いらだち。けがらわしい


   いぶきを沙羅は

      くちづけさえ

    抱きしめられれば

     擬態

   ここに、沙羅。いま

      偽善にだけ

    しあわせだった?

     おなじような

   ぶちこわそうか?

      似た

    あざむきもなく

     きみの陶酔と

   ひとりだけのその死をも


   無視したままに

   沙羅。そのすべて

   あなたのすべて

   逸らし目のまま


   ひとりだけのその自死を

     きみの恍惚と

    あわれみなく

      似た

   ぶちこわそうか?

     おなじような

    しあわせだった?

      擬態にだけ

   ここに、沙羅。いま

     偽善

    抱きしめられれば

      くちづけさえ

   いぶきを沙羅は


   いらだち。けがらわしい

     終わったから

    あなたは?

      体液も

   耐えられないにくしみ

     もう、きみは

    なにをいま

      骨さえ、そして

   他人の忘我

     もらさないで

    なに?な

      発熱

   恍惚が、ただいとわしく


   ゆびさき。これが

   だから、沙羅

   おさえようとしていた

   これが、このゆび


   見なかった。なにも

   ふさがれて、沙羅

   ひらかれた、瞼

   もう、なにも


   手のひら。これが

   みぎの。沙羅

   もう、かくしていた

   すこし、ななめに


   まわりこむように

   沙羅。おきざりに

   放置のために

   ひらいた瞼を


   にごった眸を

   見ないために

   沙羅。隠蔽の闇に

   葬るように

謂く、

   まわりこむように

      ささやき

    かくす。ぼくは

     つぶやきつづけて

   沙羅。おきざりに

      わたしたちが

    きみに、かくれ

     彼等が、いつか

   沙羅。隠蔽の闇に

      ささやきつづけて

    かくす。ぼくは

     つぶやき

   葬るように


   目隠しされた

   昏がりに沙羅は

   曖昧なままに

   まどろむままに


   ゆびの腹。これが

   だから、沙羅

   かくそうとしていた

   これが、このゆび


   見なかった。なにも

   ふさがれて、沙羅

   ひらかれたまま

   もう、なにも


   覆う手。これが

   みぎの。沙羅

   もう、見えなかった

   色違いの眸は

謂く、

   目隠しされた

      官能的な

    見て。み。見て

     みじめなくらい

   昏やみに

      キスをしないか?

    ほら。ぼくが

     むさぼらないか?

   曖昧なままに

      すてばちなくらい

    かたむく

     クソいやらしい

   まどろむままに


   沙羅。あなたを

   わたしはかくした

   わたしはおおった

   見ひらかれた目を


   陶酔のままに

     えぐいくらいに

    ゆらぐ

      無謀なくらい

   恍惚のままに

     求めあわない?

    ほら。ぼくが

      キスをしないか?

   昏やみに

     みぐるしいくらい

    見て。み。見て

      極上の

   目隠ししたまま


   残酷を、あなたに

   あなたにだけに、沙羅

   あげた。いま

   そのまなざしに

謂く、

   残酷を、あなたに

      邪気もなく

    見て

     わたしたちだけに

   あなたにだけ、沙羅

      無駄もなく

    いま、わたしの

     愛。あざむきのない

   あげたよ。せめて

      わずかな隙きもな

    ほほ笑みを

     きみだけに

   そのまなざしに


   その視野に

   だから、沙羅

   うばいさられた

   まなざしのなかに


   わたしを、孤独に

   沙羅。孤立、沙羅

   わたしは、咬んだ

   咬まされていた

謂く、

   わたしを、孤独に

      咬まされたように

    不遜

     しばりあげられ

   沙羅。孤立、沙羅

      猿轡を

    きみは、知ってる?

     鉄線で

   わたしは、咬んだ

      うしろ手に

    不埒

     のけぞらさせたにも似せ

   咬まされていた


   知らない。笑みも

   沙羅は、なにも

   かたわら、ななめの

   ほほ笑みも


   昏みの中に

   あたえられた

   昏みにいぶき

   息づかっていた

謂く、

   知らない。笑みも

      かくされて

    ゆびは、あなたの

     かくれ、かく

   沙羅は、なにも

      かくされた。沙羅は

    体温に、厭い

     そこ。かくれこみ

   かたわら。ななめの

      そこ。沙羅が

    厭う。体温を

     沙羅は、そこで

   せせら笑いも


   目隠しされた暗闇に

      傲慢な

    咬む。か

     繊細に

   あなたは、咬んだ

      わずかな傷みが

    沙羅。孤立、沙羅

     ただ

   咬みつかせていた

      あくまでも

    咬まし

     気遣いながら

   わたしを、孤独に


   目隠ししたまま暗闇に

      もう、いいよ

    なに?

     感じないで

   いぶき、息づかい

      もう、なにも

    沙羅。孤立、沙羅

     かたわらにあざける

   目覚めつづけて

      見なくていいよ

    なに?

     わたしさえ

   覚醒のうちに


   ひびき。それが

   わたしの。沙羅

   息づかうひびきは

   耳の至近に


   あたためるように

   沙羅。それが

   愛撫に似せた

   耳の至近に


   ひびき。それが

   わたしの。沙羅

   息づかうひびきは

   耳の至近に


   ふいに苦悩し

   沙羅。それが

   やさしさに似せた

   耳の至近に


   ふきかけよう

   沙羅。耳に

   息。そっと、そこ

   体温を。すでに


   つつまれ、沙羅

   取り残され、沙羅

   ふさがれ、沙羅

   かくされ、沙羅

謂く、

   つつまれ、沙羅

      息を吐き

    いやしのない

     その前歯。沙羅

   取り残され、沙羅

      ゆび。ゆびに

    孤立

     醒めきらない

   ふさがれた沙羅

      ふきかけたゆびに

    いやされない

     顎が

   かくされ、沙羅


   笑う、沙羅

      息づかい

    まよいのない

     あま咬みを

   声もなく、沙羅

      ゆび。ゆびに

    孤立

     沙羅。まどろみの

   ひびきのない沙羅

      のばされたゆびに

    まよいのない

     歯が

   沙羅、笑い


   ひそめられ、沙羅

      息を吐き

    行き場のない

     舐めた

   隔離された沙羅

      ゆび。ゆびに

    孤立

     沙羅。まどろみの

   おおわれ、沙羅

      ふれかけたゆびに

    逃げ場もない

     舌が

   うばわれ、沙羅


   唾液にぬらし

   あま咬みのままに

   意識のない、沙羅

   狂暴な沙羅


   知ってる?あなたは

   日射しが、だから

   照らされていた。ふたり

   その破廉恥は

謂く、

   知ってる?…あなたは

      沙羅が

    笑みを

     声もなく

   日射し。肌を

      そこ。笑う

    赤裸々に

     沙羅

   灼いていた。いま

      沙羅

    笑みを

     狂暴に

   ふたり。その破廉恥も


   ふたり。その頽廃をも

     苛烈に

    笑みを

      沙羅が

   あばかれていた。いま

     沙羅

    気配もなく

      そこ。笑う

   日射し。色彩を

     声もなく

    笑みを

      沙羅

   さらけださせながら


   昏睡に

   沙羅。ふたたび

   まどろみに

   沙羅。いまさらに


   沙羅。そして

   唐突な

   目覚め。いま

   沙羅。ふれられて


   ななめに、肌は

   窓越し。光りら

   清純な、その

   朝に、沙羅。そこ


   沙羅。そして

   ふしだらな

   目覚め。いま

   沙羅。かたむいて


   胸に、髪は

   さわいだ。翳りら

   新鮮な、その

   朝に沙羅。そこ

謂く、

   胸に、髪は

      間歇的な

    聞こえますか?

     いきものたち

   さわぎ、翳りら

      猶も。いま猶も唐突な

    ぼくの

     あるいは、ノイズの

   新鮮な、その

      ほら

    ぼくの音

     集合体たち

   朝に沙羅。そこ


   色彩。翳り

   光り射し、こちら

   沙羅。ふちどり

   綺羅。ながれおち


   振り向かなかった

   すでに、わたしに

   気付きながらも。沙羅

   決して、わたしに


   振り向かなかった

   すでに、わたしに

   ささやきながらも。沙羅

   その、あなただけの言語を吐いた


   沙羅。逆光に

   光る。清潔に

   綺羅。翳るまま

   逆光に、沙羅

謂く、

   沙羅。逆光。いま

      おしつけた

    なぜ?

     はがいじめ

   光り。清潔に、その

      胸に

    わたしは、拘束の

     柔順な

   綺羅。翳り、そこ

      抱きしめるように

    きみを

     髪。尖端にも綺羅

   昏む。かくされ


   孤立を描いた

      聞き耳を

    胸にきみは

     聞こえますか?

   沙羅。そこに、ひとり

      ほら

    きみの頭部は

     体内が

   いまさらに、沙羅

      聞いて

    汗にぬれながら

     体内がノイズを

   孤立を描き


   孤立が描かれ

     ノイズが体内を

    汗にぬらされ

      聞いて

   飽きもせず、沙羅

     あまりにぶざまに

    きみのこめかみは

      ほら。ほ。ほ。ほ

   沙羅。そこ。ひとり

     聞こえますか?

    胸にきみは

      聞き耳を

   孤立を描き


   ひかり。かくされ

     髪。ぬれた。汗

    きみを

      抱きしめるように

   翳る。綺羅、そこ

     あらがう気のない

    わたしは、拘束の

      胸に

   昏み、清潔に、その

     がんじがらめ

    なぜ?

      自由をうばい

   沙羅。逆光。いま


   ふちどりの綺羅

   翳り、翳る濃い

   沙羅は昏い

   色彩は消えた


   沙羅。その朝に

   肌の褐色。もう

   見えない。いぶき

   いきづかいながらも







Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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