アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -11 詩//まだ知らない/あなたも、まだ/沙羅。その/空。あの色を//02





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   空の虹彩に

   琥珀の眸に

   なにを?褐色の

   沙羅。なにを?


   肌に日射しが

   もはや明るく

   髪に光澤が

   ゆらいでながれる

謂く、

   肌に日射しが

      まるでいっ

    はっ、と

     ひそかに

   もはや明るみ

      息を、吹き

    おもわず

     気づかないから

   髪に光澤が

      吹きかけたように

    はっ、と

     あえて、ぼくも

   ゆらいでながれ


   沙羅。双渺に

   綺羅と翳り

   なにを?褐色の

   沙羅。なにを?


   海に日射しが

   綺羅めきを散らす

   空に青みが

   濃くなってゆく

謂く、

   海に日射しが

      せめて、ただ

    え?え?え?

     ひそかに

   綺羅めきを散らし

      やさしく、せめて

    あざやか、か、すぎて

     気づかないから

   空に青みが

      傷み。すでに

    噓みたく

     あえて、ぼくも

   濃くなってゆき


   ふかまってゆき

     あえて、みんなも

    噓みたく

      喉さえ傷い

   空に青みが

     気づかないから

    鮮明、め、め、め

      かなしいだけ

   綺羅らにさらされ

     ひそかに

    え?目?え?

      やめて、もう

   海に日射しが


   綺羅らきらきら

   沙羅、いま

   綺羅ら

   沙羅。綺羅ら


   かたむく睫毛が

   綺羅を傷める

   虹彩の色が

   目覚めを告げる

謂く、

   かたむく睫毛が

      聞いた。いま

    え?え?え?

     うつくしいんだ

   綺羅を傷め

      叫び声を、ん?

    絶句。は?おもわず

     いいんだよ。きみは

   虹彩のいろが

      わたしは

    ぜっ。噓みたく

     きれいなんだよ

   目覚めを告げて


   綺羅らきらきら

   沙羅、いま

   綺羅ら

   沙羅。光りら


   射しこみ、綺羅ら

   だから、翳りら

   這わせ、沙羅

   まどろみのなかに


   まだ知らない

      わたしの見ない

    ずっと、もう

     いとしい、と

   あなたは、なにも

      そこでさえも

    そのままでいいよ

     素直に思い、いとしい、と

   沙羅。だからその

      ずっと

    目覚めなくて

     そう想えたら

   綺羅めいたものらを


   沙羅。その

   まどろみに

   沙羅。その

   海。まどごしに


   空。そのななめうえに

   沙羅。その

   まなざしに

   沙羅。その


   綺羅。光り。ひかり

   光りはじめて綺羅

   光り。ひかりはなち

   綺羅。光る海に

謂く、

   綺羅。光り。ひかり

      まるでいっ

    傷みさえも

     ふるえないで

   光りはじめて綺羅

      いっ、吹き

    もう、ただ

     おののかないで

   光り。ひかりはなち

      吹きか

    傷みさえ

     存在。もう存在さえしないで

   綺羅。光る海に


   綺羅。光り。ひかり

   光りはじめて綺羅

   光り。ひかりはなち

   綺羅。光る空に

謂く、

   綺羅。光り。ひかり

      まるでいっ

    せつなくて

     壊れないで

   光りはじめて綺羅

      息を、吹き

    もう、ただ

     砕かないで

   光り。ひかりはなち

      吹きか

    傷いほど

     なにもしないで

   綺羅。光る空に


   綺羅。光り。ひかり

   海と空、いま

   綺羅めきを知り

   綺羅らぎつづけた

謂く、

   綺羅。光り。ひかり

      まっ

    かなしいくらい

     うごかないで

   海と空、いま

      いっ、いふっ

    もう、ただ

     滅びないで

   綺羅めきを知り

      吹きか

    涙さえ

     死にもしないで

   綺羅らぎつづけて


   まばたきかけた。沙羅

   その瞼は

   いま、まなざしは

   にじみ、にぶい眸には

謂く、

   光り。綺羅さえ

      傷みが走った

    はっ、と

     ほら、ほら

   知らない。なにも

      失語した

    おもわず

     あざやかな

   まなざしはにじみ

      ゆれた

    はっ、と

     失落

   にぶい虹彩


   海は、いま

   綺羅。猶も

   ひたすらな綺羅

   空に墜ちる綺羅

謂く、

   海は、いま

      まるでいっ

    叫び、もう

     くちづけを

   綺羅。猶も。しかも

      息を、吹き

    叫びそ、そ、

     ささげかけて

   ひたすらに綺羅

      吹きかけたように

    そうで

     やめっ

   空に墜ちるその


   醒めかけた目の

   にごりのむこうに

   無慈悲なまでに

   絶望的なくらいに


   綺羅らは、いま

   海。空と、猶も

   ひたすらな綺羅

   綺羅ら。横溢

謂く、

   綺羅らは、いま

      吐息。ふと

    はっ、と

     ふるえた。ふ

   海。空と、それでも

      おもわず

    黙れ!

     歯が。歯

   ひたすらに綺羅

      くちびるに

    はっ、と

     歯茎も

   綺羅ら横溢


   知られない。まだ

   あなたには。沙羅

   くちびるに、そっと

   ふれかけたゆびも


   くちびる。やわらかに

   手ざわり。存在。かすかな

   ふるえ。ゆびの、その

   知らない。まだ


   知られない。まだ

   あなたには。沙羅

   たくらみ。そっと

   おしつぶそうと


   くちびる。あいまいに

   ひらかれ、吐く。息は

   すいこまれ、ゆびは、その

   知らない。まだ


   知られない。いまは

   ふるえも。ゆびの

   ためらいも、停滞。その

   須臾。それさえも、沙羅


   知らない。まだ

   あなたは、沙羅。その

   忌避を。ゆびの

   たしかな嫌惡も

謂く、

   知らない。まだ

      水平に

    たくらみを

     おびえた

   沙羅は。いま

      回避。あくまでも

    そっと

     ひとり、わたしは

   くちびるに、そっと

      水平に

    おしつぶそうと

     まばたく

   ふれかけたゆびも


   知られない。まだ

   あなたには、…沙羅。もう

   まなざし。ふいうちの

   目覚め。あなたの


   狂気。さらけだし

   すでに、喉には

   聲。ひびきかけ、なに?その

   目覚め。それさえ、沙羅


   知らない。沙羅は

   あなたは、固有。その

   風景は違った

   わたしのそれとは

謂く、

   知られない。沙羅

      まるで

    話さない?

     擬態された

   固有。その目

      永遠の

    しあわせだった

     わたしは

   風景が違った

      恋人のように

    あのころの

     肉体を宿した

   わたしのそれと


   知られない。だから

   あなたは、孤立。その

   居場所は違った

   わたしのそことは

謂く、

   知らない。だから

      さわぎを

    しゃくりあげるように

     擬態された

   孤立。その目

      血。体内に

    ゆらさないで

     わたしは

   居場所が違った

      ささやかな

    その

     精神を宿した

   わたしのそこと


   知らない。わたしは

   その沙羅が、特異

   その沙羅に、特異

   知られない。わたしは

謂く、

   知られない。わたしは

      刺せ

    見つめていいよ

     擬態された

   特異。その目

      刺しつらぬき

    きみの

     わたしは

   すべて、違った

      さ、さ、さ、

    異様な眸で

     唾を飲む

   まなざしは見た


   だから、沙羅。色彩は

   稀有。まなざしが見た

   形象は、容赦ない

   未曽有。ふたり。ふたりには

謂く、

   ことごとく、沙羅

      燃えた

    おそれないで

     肉体を

   すべて稀有。だから

      帰り路

    もう、恐怖しか

     か、

   未曽有。だから

      歩む須臾から

    恐怖しかないから

     咬む

   ふたり。ふたりは


   すでに、ふたりには

     咬む

    恐怖しかないから

      目覚めの須臾に

   未曽有。だから

     か、

    もう、恐怖しか

      肉体が

   すべて稀有。だから

     舌先に快感がありました

    おそれないで

      燃えた

   あきらかに、沙羅

謂く、

   すでに、ふたりには

   未曽有。だから

   すべて稀有。だから

   あきらかに、沙羅


   まなざしは見た

     唾が喉を

    異様な眸で

      さ、さ、さ、

   すべて、違った

     焼いた

    きみを

      刺しつらぬき

   特異。その目には

     屠殺された

    見つめてた

      刺せ。さ、

   知られない。わたしは


   見たこともなかった

   虹彩。明滅。その

   綺羅らにも

   見たことはなかった


   見たこともなかった

   瞳孔。なにも

   潤み、なにものも

   見たことはなかった


   見はしなかった

   沙羅は、わたしを

   わたしは、沙羅を

   見た。そこ。しかも


   かすめとるように

   わたしは、沙羅。そっと

   見ていた。息をもう

   ひそめられずに


   ささやかれるべき

   言葉など、なにも

   語りかけるべき

   言葉など、なにも

謂く、

   渇く。喉は

      須臾にも

    なにも、すでに

     抱き合う?

   餓える。舌は

      わずかにも

    ささやくべき

     傷いから

   沙羅は、わたしは

      いつも、すでに

    言葉など

     肉体が

   傷み。なにもかも


   最初から、なにも

   なかった。どこにも

   沙羅。わたしたちが

   ささやきあうべき


   言葉。狂気。その

   狂い。沙羅

   まなざし。異質。その

   破綻。沙羅


   ともにあるべき

   地平さえ。不在

   すでにして未生

   いぶかないうちに


   ともにあるべき

   時さえも。不在

   すでにして未生

   きざさないうちに


   最初から、なにも

   なかった。どこにも

   沙羅。わたしたちが

   消えるべき刹那も

謂く、

   なかった。なにも

      過失を

    見て

     うみだされ

   どこにも、なにも

      わたしに見た

    陽炎が

     犠牲者たちが

   沙羅。わたしたちが

      わたしは

    ゆれて

     うみだされてゆくよ

   消えるべき刹那も


   ともにあるべき

      まるで過失

    見て

     はく息にさえ

   地平など

      錯誤

    陽炎だけが

     ほら、また

   ともにあるべき

      まるで錯乱

    ゆらぎつづけて

     すう息にさえ

   時さえも


   傷む。傷み

   傷のない、傷み

   時間も、地平も、そこ。すでに

   傷み。射しこみ


   綺羅ら。光り射し、そこに

   綺羅めき、海。綺羅

   海は、沙羅。ここに、ふたり

   わたしたち。それら


   見つめあうまま

   見蕩れあう須臾、もう

   忘れた。海。その

   事実をさえも

謂く、

   見つめあったまま

      いきづかい

    死んであげる

     燃やせば?

   見蕩れあう須臾、もう

      きみの。きみだけの

    生まれ変わったら

     わたしを

   忘れた。その

      聞こえた。そんな気が

    きみのため

     燃やせばよか

   事実にさえも


   見つめあうまま

   見蕩れあった須臾、もう

   失せた。その

   気づくべきまなざしさえも

謂く、

   見つめあったまま

      脈打ち

    凶暴な

     焼けば?

   見蕩れあった須臾、もう

      きみの。きみだけの

    睫毛が

     わたしを

   失せた。その

      感じた。そんな気が

    そっと

     焼けばよかっ

   気づくべきまなざしさえも


   消え去って、もう

   可能性ごと、その

   不可能性ごと、なにも

   すべて、失せて

謂く、

   消え去って、もう

      皮膚呼吸の

    壊れてあげる

     咬めっ舌

   可能性ごと、その

      ひびき

    錆びた鉄を舐め

     もう

   不可能性ごと、なにも

      聞こえる?

    きみのため

     沈黙さえでき

   すべて、去り


   光り。散り、光り

   海に綺羅。光り

   猶も、沙羅。そこ。その

   まなざしのそとに

謂く、

   光り。空、光り

      なに?

    殺伐

     殲滅されたの

   海に綺羅。光り

      ぶちのめされたの

    朝。あかるさ

     なに?

   猶も、沙羅の

      なに?

    殺伐

     だいなしにされ

   まなざしのそとに


   燃えあがっていた

   たぶん、もう、沙羅

   燃え、燃えてひろがり

   手のほどこしようもない


   海。綺羅らの海も

   空。明けの空も

   須臾の、それらの

   雲の昏みも


   ふいの昏みも

   須臾の、それらの

   空。昏んだ空も

   海。ざわめく海も









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

0コメント

  • 1000 / 1000