アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa -10 詩//まだ知らない/あなたも、まだ/沙羅。その/空。あの色を//01





以下は≪アラン・ダグラス・D、裸婦 ...for Allan Douglas Davidson;流波 rūpa≫という小説のシノプシスです。

内容としては、ベトナムの海辺の町に住んでいる≪わたし≫がいる。ホテルの部屋の中である。狂気した少女がいる。一緒に住んでいる。嫌悪と共感を、矛盾して感じている。ここでは、まだ同居の理由や感情の由来は問われない。

明け方、少女は目を覚ます。そして素肌をさらしまま、ひとり戯れる。挙句、そのまま外に出てしまう。全裸で歩く砂浜。周囲にあふれた人々の興奮に巻き込まれ、少女は押しつぶされてしまう、といったものです。


以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   まだ知らない

   あなたも、まだ

   沙羅。その

   空。あの色を


   まだ知らない

   あなたも、まだ

   沙羅。そこ

   溶けたのだろう。あの


   空も。沙羅。その

   まなざしも

   しかも、この

   まなざしも


   まだ知らない

   あなたも、まだ

   そこに、その

   海。あの色を


   まだ知らない

   あなたも、まだ

   沙羅。そこ

   乾いたのだろう。あの


   海も。沙羅。その

   まなざしも

   しかも、この

   まなざしさえも

謂く、

   まだ知らない

      ひらかれたまま

    褐色の

     見ない。なにも

   その空も。沙羅

      まなざしは

    肌に翳りが

     ね?きみの、瞳孔は

   その海も。沙羅

      見ない。なにも

    褐色の

     ひらかれたまま

   まだ知らない


   昏い夜

   昏い眸に

   ふれる。夜

   猶も夜。昏く


   猶も夜。深く

   咬みつく。夜

   昏い眸に

   昏い夜

謂く、

   昏い夜だから

      見ない。なにも

    色彩は

     その空を

   昏い眸に

      あえて、わたしは

    翳り。いよいよ濃く

     きみをさえ、そこに

   ふれた。夜が猶

      その海を

    色彩は

     見ない。なにも

   昏く、その滅び


   まだ知らない。だれも

   まだ、なにも

   そこも、どこも

   眠られているばかりだったろうから


   褐色の沙羅。その

   まなざし。虹彩も

   琥珀いろ。この

   まなざしさえも

謂く、

   褐色の沙羅。その

      仮りに、ぼくが

    知らない

     嘔吐しはじめたとして

   まなざし。眸の

      いま、ここから。いま

    きみは

     ふいに。いま、ふいに

   琥珀。この

      立ち去ったとして

    なにも。まだ

     仮りに、ぼくたちが

   まなざしさえも


   不在。まだ空も

   知らない。朝を

   その明かるみを

   空。色彩のない

謂く、

   死滅。まだだれも

      不在。まだ空も

    まるで、死、死に

     死。色彩の

   知らない。あの死

      知らせない。朝

    死んだように、わたしも息を

     なにもない明るみ。空

   夜。あきらかな

      死。色彩を

    ひそめて、まるで、死ん

     不在。まだ空も

   滅び。破滅。だれも


   死滅。まだだれも

   知らない。あの死を

   夜の滅びを

   破滅を、だれも


   褐色の沙羅。その

   まなざしも。虹彩も

   琥珀いろ、この

   まなざしさえも

謂く、

   褐色の沙羅。その

      仮りに、ぼくが

    知らない

     カミソリ。手に

   まなざし。眸の

      ふいに。唐突に

    あなたは

     突然。いま突。突然。い

   琥珀、この

      じぶんの頸、しめてたとして

    まだ、なにも

     わたしが仮りに

   まなざしさえもが


   不在。まだ空も

   知らない。朝を

   その明かるみを

   空。色彩のない

謂く、

   滅盡。まだ海も

     死。色彩の

    まるで、死、死に

      不在。空も、まだ

   知らない。そこに

     なにもない明るみ。空

    死んだように、あなたも息を

      知らせない。朝

   滅び。ひかり

     不在。空も、ま

    ひそめて、まるで死ん

      死。色彩の

   海。ただ不吉に


   滅盡。海も

   まだ知らない。そこ

   滅び。そのひかり

   海。ただ海が不吉に


   見ない。まだだれも

   知らない。破壊を

   夜。その終りを

   終焉を、だれも


   知らない。まだだれも

   瓦解。そんなもの

   沙羅。すでにそこ

   朝は死滅したかにも

謂く、

   まだ知らない

      ゆ。わたしのゆびが

    見つめた

     夢。きみの夢を

   瓦解など。なにも

      かたむいていった

    ふと、ぼくは

     見てた気が、いま

   沙羅。もはや

      すべるように

    爪。じぶんの。右の。こゆ

     きみの夢を

   朝はすみやかに死に絶えてさえいたのだろうから


   知らない。なにも

   なにものも、だれも

   海。ざわめいた

   綺羅。その散乱さえも

謂く、

   知らない。なにも

      はっ。吐いちゃ、はっ

    燃えあがる

     ひらきなさい

   だれも、なにものも

      いま、いきなり

    夢。あざやかに

     痙攣。その

   海のざわめき

      どっ、と。どっ。ひたいに

    燃えあがる

     瞼。閉じられなかった

   綺羅の散乱も


   褐色の沙羅。その

   まなざしも。眸も

   琥珀いろ、この

   まなざしさえも

謂く、

   褐色の沙羅。その

      仮りにわたしが

    知らない

     絶望。きみに絶望したとして

   まなざし。虹彩も

      ここに

    あなたは

     いま。まえぶれもない、いま

   琥珀いろ、この

      咬んだとして、舌を

    まだ、なにも

     おれ?仮りに

   まなざしさえも


   眠りのなかに

   無防備に

   昏い空と

   海のちかくに


   褐色の沙羅。この

   瞳孔も。眸も

   ブルーの、その

   まなざしさえも

謂く、

   褐色の沙羅。この

      仮りにわたっ

    知らない

     きみだけに、硫黄の雨が降っていたとして

   瞳孔。虹彩も

      ふいに

    あなたは

     は?

   ブルーの、その

      飛び降りたとして

    まだ、なにも

     わたしが、仮りに

   まなざしさえも


   明けの光りに

   壊滅に

   滅びの空と

   海のちかくに


   窓のこちらに

   ふたりの孤立に

   なにかの映した

   陽炎のしたに

謂く、

   した、窓のこち

      なぜ?

    破廉恥な

     目覚めなさい

   らに。わたしたちの孤

      傷み。まなざしは

    肌が、そっと

     ほら、もう

   立に。なにかの映し

      肌。その肌に

    いぶき。たしかに

     明けたよ

   た、陽炎のした、窓の


   まぶた。ななめに

   虹彩。翳り。散乱し

   光り。そこ。どこ?

   睫毛。尖端に

謂く、

   乱し、まぶた。なな

      なぜ?

    あざやかな

     あなたが息をつ。つまらせ

   こ?虹彩。翳り。散

      傷み。鼻孔は

    肌が、ふいの

     夜。もう

   めに、光り。そこ。ど

      その匂い、い、い、

    うごき。ひそかに

     明けたよ

   毛。尖端に、沙羅。虹


   射しこむ。光りら

   接触。無造作。それら

   わたしにも。…なぜ?もはや

   沙羅。白濁。沙羅

謂く、

   りら。射しこむ。光

      なぜ?

    生きてる?いま

     見つめなさい

   れた。無造作。それら、ふ

      傷み。あなたは

    空は、海は

     ほら、陽炎…は?

   しにも。だからわた

      わたっ

    綺羅めいていた

     ゆれていた

   羅。しろく、そこに沙


   羅ばしり、沙羅。綺

     さわいでいた

    ゆらめいていた

      わたしに

   たしにも。もはやわ

     ほら、陽炎

    空は、海は

      傷み。きみは

   れ、不意。接触。ふ

     見つめなさい

    生きてる?いま

      なぜ?

   こむ。光りら射し

謂く、

   沙羅。綺羅ばしり、沙羅

   わたしにも。もはや

   ふれた。無造作。それら

   射しこむ。光りら


   毛。尖端に、沙羅。虹

     明けたよ

    うごき。ひそかに

      その匂いに

   し、光り。そこ、いま、綺羅。睫

     夜。もう

    肌が、ふいの

      傷み。鼻孔は

   彩。翳り。散乱

     あなたが息をつまらせた

    あざやかな

      なぜ?

   乱し、まぶた。なな

謂く、

   睫毛。尖端に、沙羅

   光り。いま綺羅めき

   虹彩。翳り。散乱し

   まぶた。ななめに


   陽炎のしたに、な

     明けたよ

    いぶき。たしかに

      その肌に

   にかの映した陽

     ほら、もう

    肌が、は。は。そっと

      傷み。まなざしは

   たちの孤立に。窓

     目覚めなさい

    破廉恥な

      なぜ?

   のこちらに。わた

謂く、

   陽炎のしたに

   なにかの映した

   わたしたちの孤立に

   窓のこちらに


   滅びの光りに

   崩壊に

   空の瓦解と

   波だちのちかくに


   窓のむこうに

   あなたの知らない

   空が焼けた

   波だつ焰のうえのほうに

謂く、

   窓のむこうに

      なぜ?

    見ないで

     叫びなさい

   あなたの知らない

      傷み。まなざしは

    むしろ、なにも

     ほら、いま

   空が焼けて

      は。は。その肌に

    見ないで

     咬んだげる

   波だつ焰。そのうえのほうに


   窓の向こうに

   夜が、沙羅。明け

   ガラスのこちらに

   夜が、沙羅。死にかけて

謂く、

   窓の向こうに

      もう、すでに

    残骸のように

     ひかり

   夜が、沙羅。明け

      手遅れ。なにも

    あなたは、いま

     ほら、もう

   ガラスのこちらに

      なにもかも

    肌をさらした

     塵さえ、綺羅

   夜が、沙羅。いま死にかけて


   沙羅。そっと

   そのまどろみに

   盗み見るように

   わたしは、そっと


   見ていた。沙羅を

   虹彩を、その

   色違いの瞳孔

   そっと、沙羅

謂く、

   盗み見るように

      生きています。たし

    なに?な

     網膜の綺羅に

   わたしは、そっと

      わたしは、たしかに

    いいよ。いま

     しかも、わたしは

   見ていた。沙羅を

      まなざしのそとで

    ささやいていても

     ゆがみ、白濁

   虹彩を、そこに


   みぎは空。それ

   凄惨な青。それ

   沙羅。そのいろ

   みぎは空

謂く、

   みぎは空。それ

      まだ?

    わたしはふと

     ゆびがまがったよ

   凄惨な青。それ

      わたしたちの

    あなたが笑った夢

     きみの

   だからブルー

      最後のときは

    見たことにした

     くすりゆびだけが

   綺羅めくブルー


   なにも見ない

   なにも映さない

   瞳孔を、ただ

   伸縮を見せた


   ひだりは琥珀。それ

   引き攣り、それ

   沙羅。そのいろ

   ひだりは樹液

謂く、

   ひだりは琥珀。それ

      まだ?

    わたしはふと

     爪がわれる

   引き攣り、それ

      わたしたちの

    じぶんが笑った夢を

     きみのだけ

   見えてる?まだ

      消滅のときは

    見た。そんな気が

     われかけていて

   見てるの?まだ


   笑っても昏い

   あざけるように

   無慈悲を、ただ

   綺羅めきに見せ


   見せていただけ。みぎは

   澄んだ青

   綺羅めきを、ただ

   青の宝石を

謂く、

   見せていただけ。みぎは

      誰もが、あなたに

    染まった。あなたは

     つぶしてあげようか?

   澄んだブルーを

      沙羅。見るのだろう

    白濁。肌は

     もう、沙羅

   綺羅めき、ただ

      ただ破綻をだけ

    撒き散らされた

     目覚めなくてすむように

   冴えきった青を


   見ていただけ。ひだりは

   網膜の景色を

   知性など、沙羅

   なにもないいろを

謂く、

   見ていただけ。ひだりは

      誰もが、あなたに

    白濁。あなたは

     くり抜いたげよっか?

   ただ、風景を

      沙羅。見るのだろう

    しろい帯び

     もう、沙羅

   知性など、なにも

      悲惨をだけ

    ゆらがせた

     見出さなくてすむように

   なにもないいろを









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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