流波 rūpa ……詩と小説192・流波 rūpa 癡多 citta ver.1.01 //…見て/なにを?/見ていた/いつ?;伽多





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   だれ?いま

      海も

    沙羅に

     あきらかな沙羅は

   舌こぼしたの

      不在にひとしい

    ユエン、その

     不在にひとしい

   うす穢い奴

      あきらかな沙羅は

    眼差しのすみに

     海も

   穢れてくさすぎ死んでバカ


   だれ?…いま

      わたしはふれていた

    いとおしむように

     …なに?

   眼玉こぼしたの

      なにを?

    まるで

     なにを?

   うす穢い奴

      …なに?

    ふれ

     わたしはふれていた

   穢れきりさえしなかったカス


   その色彩さえ

      指先に

    なぜるように

     …なに?

   なにもない

      なにを?

    …まるで

     なにを?

   澱み。死者らなら、もう

      …なに?

    ふれ

     指先に

   目醒めていたよ   


   かるい、おどろき

      わたしに

    …なぜ?

     さとられないように?

   なに?…それは

      そっと

    ユエンの沈黙は

     そっと

   くずれ、こわれて

      さとられないように?

    それは、なぜ?

     わたしに

   くずれつづけた


   それら、陽炎

      気づかれないように?

    …なぜ?

     …なに?

   もう、床に

      誰に?

    ユエンの不在

     誰に?

   いま、床にまで

      …なに?

    それは、なぜ?

     気づかれないように?

   くずれ


   その正常も

      わたしはふれていた

    まるで、自分がもう、そこにいないかのように

     …なに?

   清浄のかけらもない

      なにを?

    ユエンは

     なにを?

   くさみ。死者らなら、もう

      …なに?

    話していた。ひとりで

     わたしはふれていた

   もう、目醒めていたよ


   くずれながら

      指先に

    わたしの頭の

     …なに?

   ちぎれとびながら

      なにを?

    やや上のほうで

     なにを?

   ぶち込まれながら

      …なに?

    あかるく、ユエン

     指先に

   汚辱まみれ


   下劣の窮みの

      自分自身に

    ほほ笑ましく、ユエン

     見つからないように?

   窮まりもなき

      そっと

    やや上のほうで

     そっと

   下品の窮まり

      見つからないように?

    わたしの頭の

     自分自身に

   無窮の赤裸々


   赤裸々な無窮

      なぜ?

    話していた。ひとりで

     なぜ?

   下品の窮まり

      …だれ?

    ユエンは

     …だれ?

   窮まりもなき

      なぜ?

    まるで、自分がもう、そこに

     なぜ?

   下劣の窮みの


   汚辱まみれ

      見つからないように?

    それは、なぜ?

     自分自身に

   ぶち込まれながら

      そっと

    ユエンの不在

     そっと

   ちぎれとびながら

      自分自身に

    …なぜ?

     見つからないように?

   くずれながら


   目醒めていたよ

      …なに?

    それは、なぜ?

     指先に

   くさみ。死者らなら、もう

      なにを?

    ユエンの、ふいの沈黙は

     なにを?

   清浄のかけらもない

      指先に

    …なぜ?

     …なに?

   その正常も


   くずれ

      …なに?

    ふれ

     わたしはふれていた

   いま、床にまで

      なにを?

    …まるで

     なにを?

   もう、床に

      わたしはふれていた

    なぜるように

     …なに?

   それら、陽炎


   くずれつづけた

      …なに?

    ふれ

     気づかれないように?

   くずれ、こわれて

      誰に?

    …まるで

     誰に?

   なに?…それは

      気づかれないように?

    いとおしむように

     …なに?

   かるい、おどろき


   目醒めていたよ

      さとられないように?

    眼差しのすみに

     わたしに

   澱み。死者らなら、もう

      そっと

    ユエン、その

     そっと

   なにもない

      わたしに

    沙羅に

     さとられないように?

   その色彩さえ


   穢れきりさえしなかったカス

      …なに?

    わたしは

     指先に

   うす穢い奴

      なにを?

    …だれ?

     なにを?

   眼玉こぼしたの

      指先に

    ふれた

     …なに?

   だれ?…いま


   だれ?いま

      …なに?

    見せびらかすような

     わたしはふれていた

   耳こぼしたの

      なにを?

    沙羅の

     なにを?

   うす穢い奴

      わたしに、ふれていた

    いま

     …なに?

   穢れまみれに死ねボケ


   死者らなら

      わななき

    誇示するような

     だから、潮風?

   もう、すでにいつでも

      髮は

    沙羅の

     髮は

   目醒めていたよ

      だから、潮風?

    そっけなく

     わななき

   せせら笑って


   泣きじゃくり鼻血

      振り向かないで

    さらされた

     背をむけたまま

   綺羅めく双渺

      沙羅

    後ろ姿に

     沙羅

   瞼に流した

      そのまま

    そそぐのは

     振り向かないで

   鼻水の綺羅ら


   未生のものらも

      みだれ

    光り

     だから、潮風?

   不可能なものらも

      髮も

    流れたのは

     髮も

   有り得ないものらも

      だから、潮風?

    白濁

     散り

   有り得なかったものらさえ


   ほら、沙羅

      そこにだけ?

    照らされ

     沙羅

   もう、沙羅

      風

    流れたのは

     風は

   目醒めていたよ

      沙羅

    翳り

     そこにだけ?

   笑いころげて


   口さえもなく

      まばたき、わたしは

    そこにいない自分を

     …なにを?

   眼玉さえなく

      見ていた

    擬態

     見ていた

   顏もかたちも

      …なにを?

    擬態の沙羅。その

     まばたき、わたしは

   あざやかすぎて


   あきらかすぎて

      …なにを?

    擬態の沙羅。その

     まばたき、沙羅は

   顏もかたちも

      見られて

    擬態

     見られ

   眼玉さえなく

      まばたき、沙羅は

    そこにいない自分を

     …なにを?

   口さえもなく


   笑いころげて

      沙羅

    翳り

     そこにだけ?

   目醒めていたよ

      風は

    流れたのは

     風は

   もう、沙羅

      そこにだけ?

    照らされ

     沙羅

   ほら、沙羅


   有り得なかったものらさえ

      だから、潮風?

    白濁

     みだれ

   有り得ないものらも

      髮も

    流れたのは

     髮も

   不可能なものらも

      みだれ

    光り

     だから、潮風?

   未生のものらも


   鼻水の綺羅ら

      背をむけたまま

    そそぐのは

     振り向かないで

   瞼に流した

      沙羅

    後ろ姿に

     沙羅

   綺羅めく双渺

      振り向かないで

    さらされた

     背をむけたまま

   泣きじゃくり鼻血


   せせら笑って

      だから、潮風?

    そっけなく

     わななき

   目醒めていたよ

      髮は

    沙羅の

     髮は

   もう、すでにいつでも

      わななき

   誇示するような

     だから、潮風?

   死者らなら


   床に陽炎

      叫び聲にひとしい

    いま

     わたしは

   ゆらゆらゆ

      沈黙を

    沙羅の

     …だれ?

   陽炎床に

      沙羅も?

    見せびらかすような

     叫び聲に

   ゆらゆらゆ









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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