流波 rūpa ……詩と小説183・流波 rūpa 癡多 citta ver.1.01 //…見て/なにを?/見ていた/いつ?;伽多





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   やさしく、やさしい

   悲しいほどに

   そのユエン

   綺麗な人


   親切で、親切な

   せつないほどに

   そのユエン

   思いやりの人


   噓のない、噓などない

   恥ずかしいほどに

   そのユエン

   親しむべき人


   眞心の

   やわらかな唇

   やわらかな言葉

   歌うように


   心地よく

   ゆたかな色づき

   ゆたかな言葉

   かわいらしい


   眼差しは

   まだ、いたの?

   ささやき

   まだ、生きてたの?


   その唇は犯罪

   うつくしすぎて

   見蕩れるくらい

   唇は、赤裸々な魔力


   褐色の

   仮死の沙羅

   死を擬態した

   噓つきの沙羅に


   まだ、死なないの?

   いつ?…死んで

   もう、死んで

   ほほ笑む

 

   その唇は苦痛

   うつくしすぎて

   見つめていたい

   唇は、赤裸々な魔力


   褐色の

   不在の沙羅

   せせら笑う

   噓つきの沙羅に


   まだ、いたの?

   いつ?…なくなって

   もう、いなくなって

   ささやく


   その唇は狂気

   うつくしすぎて

   見蕩れてていい?

   唇は、赤裸々な魔力


   褐色の

   消滅の沙羅

   滅びを擬態し

   噓つきの沙羅に


   まだ、消えないの?

   いつ?…消えて

   もう、消え去って

   笑いかけた


   ユエン

   見つめていた

   わたしは

   逸らす。…目を


   それは

   やわらかな

   唇。ユエンの

   いじきたないほど


   うつくしい

   下唇だけ

   挑発のふくらみ

   煽情?…やめて


   ユエン

   見つめつづけた

   わたしは

   逸らす。目を


   それは

   見苦しい

   唇。ユエンの

   たえられないほど


   うつくしい

   下唇だけ

   殊更な色めき

   挑発?…やめて


   ユエン

   瞳孔の恍惚

   わたしは

   逸らす。…目を


   それは

   こころに痛い

   唇。ユエンの

   笑いそうなほど


   うつくしい

   下唇だけ

   淫靡な苦味

   殊更に?…やめて


   あなたはすでに

   充分。もう

   とても、すばらしく

   うつくしい


   あなたのかがやき

   それは奇蹟

   此の世界の

   存在の意味


   ささやく

   そのユエン

   その唇、美麗

   ささやき


   まだ生きてたの?

   と、まだ?

   まだ死なないの?

   と、此の


   穢いの…まだ?

   此の穢すぎるの、まだ

   まだ、死なないの?

   いつ、死ぬの?


   そうささやく

   その眼差し

   その色みにだけ

   言葉さえなく


   まだいたの?

   と、まだ?

   まだ消えないの?

   と、此の


   穢いの…まだ?

   此の穢すぎるの、まだ?

   まだ、なくならないの?

   いつ、消え去るの?


   あざやかなユエンは

   あざやかに

   せつないくらいに

   やさしい眼差し


   やわらかな聲に

   ユエンのつぶやき

   それはささやき

   耳に、そっと


   消えろ、消え去れ

   死ね。完全に

   滅びろ、完璧に

   無慈悲なまでに


   本当に、ユエン

   充分。もう

   とても、すばらしく

   うつくしい


   あなたのかがやき

   それは奇蹟

   此の世界の

   存在の意味


   噓僞りない

   切実なまでに

   ただうつくしいのは

   それはユエン


   それがユエン

   ただうつくしいのは

   切実なまでに

   噓僞りない


   存在の意味

   此の世界の

   それは奇蹟

   あなたのかがやき


   うつくしい

   とても、すばらしく

   充分。もう

   本当に、ユエン


   無慈悲なまでに

   滅びろ、完璧に

   死ね。完全に

   消えろ、消え去れ


   耳に、そっと

   それはささやき

   ユエンのつぶやき

   やわらかな聲に


   やさしい眼差し

   せつないくらいに

   あざやかに

   あざやかなユエンは


   いつ、消え去るの?

   まだ、なくならないの?

   此の穢すぎるの、まだ?

   穢いの…まだ?


   と、此の

   まだ消えないの?

   と、まだ?

   まだいたの?


   言葉さえなく

   その色みにだけ

   その眼差し

   そうささやく


   いつ、死ぬの?

   まだ、死なないの?

   此の穢すぎるの、まだ

   穢いの…まだ?


   と、此の

   まだ死なないの?

   と、まだ?

   まだ生きてたの?


   ささやき

   その唇、美麗

   そのユエン

   ささやく


   存在の意味

   此の世界の

   それは奇蹟

   あなたのかがやき


   うつくしい

   とても、すばらしく

   充分。もう

   あなたはすでに


   殊更に?…やめて

   淫靡な苦味

   下唇だけ

   うつくしい


   笑いそうなほど

   唇。ユエンの

   こころに痛い

   それは


   逸らす。…目を

   わたしは

   瞳孔の恍惚

   ユエン


   挑発?…やめて

   殊更な色めき

   下唇だけ

   うつくしい


   たえられないほど

   唇。ユエンの

   見苦しい

   それは


   逸らす。…目を

   わたしは

   見つめつづけた

   ユエン


   煽情?…やめて

   挑発のふくらみ

   下唇だけ

   うつくしい


   いじきたないほど

   唇。ユエンの

   やわらかな

   それは


   逸らす。…目を

   わたしは

   見つめていた

   ユエン


   笑いかけた

   もう、消え去って

   いつ?…消えて

   まだ、消えないの?


   噓つきの沙羅に

   滅びを擬態し

   消滅の沙羅

   褐色の


   唇は、赤裸々な魔力

   見蕩れてていい?

   うつくしすぎて

   その唇は狂気


   ささやく

   もう、いなくなって

   いつ?…なくなって

   まだ、いたの?


   噓つきの沙羅に

   せせら笑う

   不在の沙羅

   褐色の


   唇は、赤裸々な魔力

   見つめていたい

   うつくしすぎて

   その唇は苦痛


   ほほ笑む

   もう、死んで

   いつ?…死んで

   まだ、死なないの?


   噓つきの沙羅に

   死を擬態した

   仮死の沙羅

   褐色の


   唇は、赤裸々な魔力

   見蕩れるくらい

   うつくしすぎて

   その唇は犯罪


   まだ、生きてたの?

   ささやき

   まだ、いたの?

   眼差しは


   かわいらしい

   ゆたかな言葉

   ゆたかな色づき

   心地よく


   歌うように

   やわらかな言葉

   やわらかな唇

   眞心の


   親しむべき人

   そのユエン

   恥ずかしいほどに

   噓のない、噓などない


   思いやりの人

   そのユエン

   せつないほどに

   親切で、親切な


   綺麗な人

   そのユエン

   悲しいほどに

   やさしく、やさしい









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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