流波 rūpa ……詩と小説182・流波 rūpa 癡多 citta ver.1.01 //…見て/なにを?/見ていた/いつ?;伽多





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   さらしつづけ

      見い出す

    昏い色彩

     横溢した

   その息吹きを。だから

      四方に

    その眼差しに

     四方に

   一度も隱しはしなかったから

      横溢した

    綺羅

     見い出す

   息吹きつづけ


   それらは

      だから

    沙羅は白濁

     たとえば波立ちの

   ゆれ、ゆれて

      色彩

    その眼差しに

     色彩

   それは陽炎

      たとえば波立ちの

    沙羅

     それは

   あなたの消滅の上に


   それらは

      あるいは波立ちの

    わたしは翳る

     それは

   ゆれ、ゆれて

      色彩

    その眼差しに

     色彩

   それは陽炎

      だから

    沙羅

     たとえば波立ちの

   あなたの不在の上に


   それらは

      横溢した

    見て

     見い出す

   ゆれ、ゆれて

      四方に

    綺羅の生滅

     四方に

   それは陽炎

      見い出す

    見ていた

     横溢した

   あなたの仮死の上に


   まだ頸があれば

      わたしは

    砕けた色彩

     笑んだ

   死んだ沙羅

      …なぜ?

    やや遠くに

     …なぜ?

   跳ね起きてついに笑うまえに

      笑んだ

    見ていた

     わたしは

   見て。沙羅


   まだ顏があれば

      思わず

    飛び散った飛沫

     無防備な

   死んだ沙羅

      あなたの瀕死

    沙羅のななめに

     あなたの瀕死

   のけぞってついに笑うまえに

      無防備な

    見ていた

     思わず

   見て。沙羅


   まだ目があれば

      わたしは

    赤裸々な

     笑った

   死んだ沙羅

      …だれ?

    沙羅

     …だれ?

   聲についに笑うまえに

      笑った

    騒音

     わたしは

   見て。沙羅


   軽蔑として

      思わず

    足元に波

     赤裸々な

   不遜な消滅

      あなたの拘束

    沙羅

     あなたの拘束

   赦そう、わたしは

      赤裸々な

    わたしたちは

     思わず

   あなたの消滅


   あたたかな息吹き

      あふれかえる

    騒音

     色を失い

   あたたかな肌

      色彩は

    沙羅

     色彩は

   いま、沙羅、ふれて

      色を失い

    海邊に

     あふれかえる

   ほら、沙羅


   あったことさえ

      白濁し

    さわがしすぎる

     あふれかえる

   それら差異など

      色彩は

    沙羅

     色彩は

   その不可能をのみ

      あふれかえる

    波立ち

     白濁し

   すでに差異など


   仮構の眼差し

      かがやきの横溢

    あきらかに

     だから、それ

   仮構された

      波打ち際に

    砂を

     波打ち際に

   仮構と現実に

      だから、それ

    わたしの足は

     かがやきの横溢

   沙羅。なんの差異が?


   軽蔑として

      かすかな藻掻き

    …だれ?

     …なぜ?

   不遜な不在

      沙羅。腕のなかに

    砂を

     沙羅。腕のなかに

   赦そう、わたしは

      …なぜ?

    踏んだのだった

     かすかな藻掻き

   あなたの不在


   あたたかな息づき

      引き攣り

    わたしは?

     わたしは、だから

   あたたかな唇

      感じたのだった

    砂を

     感じたのだった

   たぶん、ふれれば

      わたしは、だから

    沙羅の足は

     引き攣り

   ほら、沙羅


   あったことさえ

      光りの散乱

    …だれ?

     だから、それ

   それら差異など

      波打ち際に

    砂を

     波打ち際に

   その不可能をのみ

      だから、それ

    踏んでいた

     光りの

   すでに差異など


   仮構の眼差し

      そのまばたく瞼を

    沙羅は?

     …なぜ?

   仮構された

      手のひらと、腕

    砂を

     手のひらと、腕

   仮構と現実に

      …なぜ?

    わたしの足は

     そのまばたく瞼を

   沙羅。なんの差異が?


   軽蔑として

      隱した

    …だれ?

     わたしは、だから

   不遜な死

      その兩眼さえ

    砂を

     その兩眼さえ

   赦そう、わたしは

      わたしは、だから

    踏んでいた

     隱した

   あなたの死


   あたたかな息吹き

      砂の無数のつぶだちの上に

    わたしは?

     だから、それ

   あたたかな肌に

      波打ち際の

    砂を

     波打ち際の

   たぶん、ふれれば

      だから、それ

    あなたの足は

     砂の無数のつぶだちの上に

   ほら、沙羅


   あったことさえ

      沙羅のくちびるを

    …だれ?

     …なぜ?

   それら差異など

      手のひらで

    砂を

     手のひらで

   その不可能をのみ

      …なぜ?

    踏んだ

     沙羅のくちびるを

   すでに差異など


   仮構の眼差し

      覆った

    さわぎ

     わたしは、だから

   仮構された

      そのくちびるを

    ゆれ

     そのくちびるを

   仮構と現実に

      わたしは、だから

    光擇

     覆った

   沙羅。なんの差異が?


   ゆれ、沙羅、ゆれて

      日差しの底に

    おびただしく

     だから、それ

   愚弄したように?

      波打ち際の

    昏い色彩

     波打ち際の

   そのふとももさえ

      だから、それ

    沙羅

     日差しの底に

   ゆれていた。ほら


   ゆれ、ゆれて

      その笑う口を

    盗み見た

     …なぜ?

   もう、いたたまれないくらい

      沙羅の

    その肌に翳り

      沙羅の

   あざやかな翳り

      …なぜ?

    ゆれて、ゆれ

     その笑う口を

   沙羅は、色彩


   ゆれ、ゆれて

      ふさいだ

    さわぎ

     わたしは、だから

   死は仮構だから

      その口を

    ゆれ

     その口を

   なにものも

      わたしは、だから

    光擇

     ふさいだ

   死など見なかった


   ゆれ、ゆれて

      死者ら。それら

    おびただしく

     色彩もない

   愚弄したように?

      翳り、もはや

    昏い色彩

     翳り、もはや

   そのくびれ、沙羅は

      色彩もない

    沙羅

     死者ら。それら

   ゆれていた。ほら


   ゆれ、ゆれて

      ゆれ、ゆらぎ

    匂いを嗅いだ

     …なに?

   もう、いたましいくらい

      ゆれていたのは

    その髮の毛の

     ゆれたのは

   その肌に、髮に

      …なに?

    ゆれて、ゆれ

     ゆれ、ゆらぎ

   綺羅なす、光り


   ゆれ、ゆれて

      その翳り

    …不在

     …だれ?

   死は仮構だから

      沙羅

    だから、沙羅

     沙羅

   なにものも

      …だれ?

    わたしたちは

     その翳り

   死などただの疑問


   ゆれ、ゆれて

      その肌に

    無防備

     …なに?

   壊れたように?

      沙羅

    いま、海邊に

     沙羅

   その髮も、沙羅は

      …なに?

    沙羅

     その肌に

   ゆれた。ほら


   ゆれ、ゆれて

      綺羅さえも

    …不在

     ゆれ、ゆれて

   もう、不安なくらい

      ふれ

    あられもない光りの底に

     ふれ

   傷みなす綺羅

      ゆれ、ゆれて

    わたしたちは

     綺羅さえも

   舐める、白濁


   ゆれ、ゆれて

      その肌に

    静寂

     翳りら

   死は仮構だから

      息吹く

    いま、海邊に

     息吹く

   なにものも

      翳りら

    沙羅

     その肌に

   死などなかった


   ゆれ、ゆれて

      光りら

    …不在

     ななめに

   引き攣るように?

      ふれ

    礙ぎるもののない直射に

     ふれ

   その捥も、沙羅は

      ななめに

    わたしたちは

     光りら

   ゆれていた。ほら


   ゆれ、ゆれて

      その肌に

    孤立

     白濁

   もう、無謀なくらい

      息吹く

    いま、海邊に

     息吹く

   あざやかな色

      白濁

    沙羅

     その肌に

   褐色の、色


   ゆれ、ゆれて

      光りら

    …不在

     ななめに

   死は仮構だから

      ふれ

    日差しの直射に

     ふれ

   なにものも

      ななめに

    わたしたちは

     光りら

   死など知らない


   ゆれ、ゆれて

      流れるように

    孤独

     脈打つように

   わななくように?

      息遣うように

    いま、海邊に

     息遣うように

   その肩も、沙羅は

      脈打つように

    沙羅

     流れるように

   ゆれた。ほら


   あざけ笑いに

      ゆれ、ゆれて

    たわむれ

     …なに?

   沙羅は、そこに

      ゆれるのは

    ひとりで

     ゆれるのは

   だから、ひとり

      …なに?

    聲を立て

     ゆれ、ゆれて

   死んでいる沙羅


   しのび笑いの

      その翳り

    遊び

     …だれ?

   沙羅は、そこに

      沙羅

    ひとりで

     沙羅

   だから、ひとり

      …だれ?

    はしゃぎ

     その翳り

   あられもない沙羅


   せせら笑い

      その肌に

    あれた息づかいを

     …なに?

   沙羅は、そこに

      沙羅

    沙羅

     沙羅

   だから、ひとり

      …なに?

    聞いた

     その肌に

   消え失せた沙羅


   ほくそ笑み

      綺羅さえも

    ゆれ、ゆれて

   沙羅は、そこに

      ふれ

    沙羅

     ふれ

   だから、ひとり

      ゆれ、ゆれて

    聞いた

     綺羅さえも

   姿もない沙羅


   そこに、ひとり

      眼差しは

    あなたは

     翳りら

   沙羅、あきらかなまま

      見つめた

    沙羅

     見つめた

   その不可視を

      翳りら

    気付いた?

     眼差しは

   仮構していた


   そこに、ひとり

      光りら

    野放しの猫

     ななめに

   沙羅、息づいたまま

      それら

    走り去った

     それら

   そのあきらかな死を

      ななめに

    たぶん、すぐに

     光りら

   仮構していた


   そこに、ひとり

      すぐ、ちかくに

    どこかに

     白濁

   沙羅、あらわれたまま

      ふれそうなくらい

    昏い眼差しの

     ふれそうなくらい

   その不在を

      白濁

    狂暴な

     すぐ、ちかくに

   仮構していた


   色こそ

      光りら

    あなたは

     ななめに

   それら色づく

      ふれ

    沙羅

     ふれ

   色など

      ななめに

    気付いた?

     光りら

   眼差しは一度も見なかった


   なに?…色こそ

      わななくように

    その聲

     のたうつように

   此の色彩とは

      またたくように

    ひびき

     またたくように

   なに?…色など

      のたうつように

    眼差しのそとに

     わななくように

   その色彩とは


   あったことさえ

      ゆれ、ゆれて

    わたしのうしろに

     …なに?

   それら差異など

      ゆれるのは

    沙羅、それは

     ゆれるのは

   その不可能をのみ

      …なに?

    鳴いた

     ゆれ、ゆれて

   すでに差異など


   謎のように

      その翳り

    猫。うしろに

     …だれ

   不可解に

      沙羅

    沙羅、それは

     沙羅

   あざやかに

      …だれ

    鳴いた

     その翳り

   さらし、さらされ


   まなざしに

      その肌に

    聞こえない聲

     …なに?

   差異する色彩

      沙羅

    沙羅

     沙羅

   色彩は差異

      …なに?

    あふれかえっていた

     その肌に

   さらし、さらされ


   差異を

      綺羅さえも

    姿のない聲

     ゆれ、ゆれて

   それぞれに

      ふれ

    沙羅

     ふれ

   それら、色彩

      ゆれ、ゆれて

    あふれかえっていた

     綺羅さえも

   それぞれは


   色づき

      笑っていた

    …不在

     わたしは

   それぞれは

      …だれ?

    眼差しのそとに

     …だれ?

   色なし

      わたしは

    あふれかえる

     笑っていた

   それぞれは


   あったことさえ

      なぜ?

    …不在

     笑っていた

   それら差異など

      聲をたてずに

    沙羅

     聲を

   その不可能をのみ

      笑っていた

    わたしたちも

     なぜ?

   すでに差異など


   どれを、なにと?

      のたうつように

    …不在

     わななくように

   差異する色彩

      またたくように

    不在の人々の

     またたくように

   なにが、なにと?

      わななくように

    充滿

     のたうつように

   色彩は差異


   その、さらされた差異?

      ななめに

    さらされていたのは

     光りら

   ただ、ひたすらに色

      ふれ

    風景の中に

     ふれ

   かたちは色彩

      光りら

    沙羅、見い出していた

     ななめに

   眼差しに


   そこにひとり

      白濁

    …不在

     すぐ、ちかくに

   沙羅、だから

      ふれそうなくらい

    饒舌すぎた

     ふれそうなくらい

   それは、沙羅

      すぐ、ちかくに

    充滿

     白濁

   姿さえないのは


   その、溶けあうだけの?

      ななめに

    さらされたのは

     光りら

   ただ、ひたすらに色

      それら

    風景の中に

     それら

   かたちは色彩

      光りら

    沈黙した

     ななめに

   眼差しに


   そこにひとり

      翳りら

    さらされたのは

     眼差しは

   沙羅、だから

      見つめた

    風景の中に

     見つめた

   それは、沙羅

      眼差しは

    停滞した

     翳りら

   存在していなかったのは


   その、孤立しない?

      ゆれ、ゆれて

    …不在

     綺羅さえも

   ただ、ひたすらに色

      ふれ

    息づきつづける

     ふれ

   かたちは色彩

      綺羅さえも

    充滿

     ゆれ、ゆれて

   眼差しに


   そこにひとり

      …なに?

    さらされたのは

     その肌に

   沙羅、だから

      沙羅

    風景の中に

     沙羅

   それは、沙羅

      その肌に

    息吹きのない

     …なに?

   息吹いていたのは


   その、おぼろげな?

      …だれ?

    …不在

     その翳り

   ただ、ひたすらに色

      沙羅

    いきいきとした

     沙羅

   かたちは色彩

      その翳り

    充滿

     …だれ?

   眼差しに


   そこにひとり

      …なに?

    さらされたのは

     ゆれ、ゆれて

   沙羅、だから

      ゆれるのは

    風景の中に

     ゆれるのは

   それは、沙羅

      ゆれ、ゆれて

    だれもいない

     …なに?

   死んでいたのは


   その、あざやかな?

      脈打つように

    …不在

     流れるように

   ただ、ひたすらに色

      息遣うように

    家屋の中に

     息遣うように

   かたちは色彩

      流れるように

    充滿

     脈打つように

   眼差しに


   そこにひとり

      ななめに

    むしろ

     光りら

   沙羅、だから

      ふれ

    だれも消え失せはしなかった

     ふれ

   それは、沙羅

      光りら

    知っている。沙羅

     ななめに

   消え去っていたのは


   だれが?

      白濁

    …不在

     その肌に

   思った

      息吹く

    隱れて

     息吹く

   いま、慥かにあった、と

      その肌に

    だれもが

     白濁

   あざやかに


   だれが?

      ななめに

    無防備

     光りら

   思った

      ふれ

    いま、海邊に

     ふれ

   すでにかすみかけていた、と

      光りら

    沙羅

     ななめに

   陽炎。それは


   だれが?

      翳りら

    …不在

     その肌に

   思った

      息吹く

    引き籠って

     息吹く

   いま、鮮明なまたたき、と

      その肌に

    だれもが

     翳りら

   なかったにひとしく


   だれが?

      ゆれ、ゆれて

    静寂

     綺羅さえも

   思った

      ふれ

    いま、海邊に

     ふれ

   とめどもない生滅、と

      綺羅さえも

    沙羅

     ゆれ、ゆれて

   陽炎。それは


   だれが?

      …なに?

    …不在

     その肌に

   思った

      沙羅

    壁の向こうに

     沙羅

   いま、あばかれていた、と

      その肌に

    だれもが

     …なに?

   あきらかなかたち


   だれが?

      …だれ?

    孤立

     その翳り

   思った

      沙羅

    いま、海邊に

     沙羅

   もはやあざやかに、と

      その翳り

    沙羅

     …だれ?

   陽炎。それは


   だれが?

      …なに?

    …不在

     ゆれ、ゆれて

   思った

      ゆれるのは

    巢のなかに

     ゆれるのは

   いま、ゆらいでいた、と

      ゆれ、ゆれて

    だれもが

     …なに?

   色彩もなく


   だれが?

      死者ら。それら

    孤独

     色彩もない

   思った

      翳り、もはや

    いま、海邊に

     翳り、もはや

   すでに消え去っていた、と

      色彩もない

    沙羅

     死者ら。それら

   陽炎。それは


   だれが?

      死者ら。それら

    剝きだしの

     破廉恥な

   思った

      孔ひらき、もはや

    光りのなかに

     孔ひらき、もはや

   いま、あらわれていた、と

      破廉恥な

    さらされ

     死者ら。それら

   あざやかに


   だれが?

      死者ら。それら

    沙羅

     色彩もなく

   思った

      翳り、もはや

    容赦なく

     翳り、もはや

   すでに消え去りかけた、と

      色彩もなく

    あばかれ

     死者ら。それら

   陽炎。それは










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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