流波 rūpa ……詩と小説168・流波 rūpa 癡多 citta ver.1.01 //…見て/なにを?/見ていた/いつ?;伽多





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





   その部屋

      ねぇ、いま

    咬んだ

     沙羅。その

   あかるい

      見蕩れていい?

    その唇

     見蕩れていい?

   最上階に

      沙羅。その

    沙羅は

     ねぇ、いま

   …なに?


   壁は漆喰

      虹彩の

    それは

     沙羅。その

   しろい、それ

      綺羅

    たわむれ

     綺羅

   翳りは蜥蜴

      沙羅。その

    罪もない

     虹彩の

   …なに?


   見なかった

      瞳孔の

    無邪気な

     沙羅。もう

   …だれ?

      謎かけ

    沙羅は

     謎かけ

   わたしは

      沙羅。もう

    昏い目に笑み

     瞳孔の

   部屋など


   見なかった

      ねぇ、いま

    咬んだ

     沙羅。その

   …だれ?

      見蕩れていい?

    その唇

     見蕩れていい?

   その部屋

      沙羅。その

    沙羅は

     ねぇ、いま

   その色


   見なかった

      眼窩の

    それは

     沙羅。その

   なにも

      ほら孔

    あきらかに

     ほら孔

   ベッドも

      沙羅。その

    挑発の

     眼窩の

   窓も


   見なかった

      ほら孔に

    眼差し

     沙羅。もう

   …だれ?

      陥没

    沙羅は

     陥没

   わたしは

      沙羅。もう

    昏い目に笑み

     ほら孔に

   だから


   海。その綺羅

      まばゆくて

    輝き。もう

     まばゆすぎて

   見い出す、それは

      あざやかで

    目も眩み

     あざやかで

   ひたすらに

      まばゆすぎて

    昏む

     まばゆくて

   綺羅。生滅の


   海。その白濁

      いたいたしいほど

    散乱。それら

     いたいたしすぎて

   見い出す、それは

      いたましいほど

    綺羅。虹彩に

     いたましいほど

   ひたすらに

      いたいたしすぎて

    沙羅

     いたいたしいほど

   綺羅。生滅の


   海。その騒ぎ立ち

      見ていられない

    見つめないで

     まなざしなど

   あかされすぎた

      わずかにさえ

    沙羅

     わずかにさえ

   日差し

      まなざしなど

    その眼差しに

     見ていられない

   …なに?


   海。そのどよめき

      見ていられない

    見つめないで

     まなざしは

   あかるすぎた

      その瞬間にさえ

    沙羅

     その瞬間にさえ

   日差し

      まなざしは

    その綺羅の氾濫

     見ていられない

   …なに?


   物らの散乱

      喰ったじゃん

    窓越しの

     さっき

   色なす、それら

      目玉

    海を

     目玉

   色をなくし

      さっき

    沙羅。もう

     喰ったじゃん

   なに?…光りのなかに


   見なかった

      喰ったじゃん

    沙羅、いま

     えぐってパクって

   …だれ?

      お前

    見つめないで

     お前

   わたしは、もう

      えぐってパクって

    海。それら

     喰ったじゃん

   色彩など


   見なかった

      しあわせは、そんな

    窓越しの

     憩い

   …だれ?

      ひだまりの

    綺羅を

     ひだまりの

   わたしは

      憩い

    沙羅。いまや

     しあわせは、そんな

   だから


   海。その綺羅

      まばゆくて

    見てる?

     まばゆすぎて

   それは

      あざやかで

    なに?

     あざやかで

   ひたすらな綺羅

      まばゆすぎて

    光りら綺羅ら

     まばゆくて

   生滅の


   海。その綺羅

      いたいたしいほど

    見てた?

     いたいたしすぎて

   それは

      いたましいほど

    なに?

     いたましいほど

   波うち、かすかな

      いたいたしすぎて

    光りら綺羅ら

     いたいたしいほど

   生滅の


   海。その綺羅

      見ていられない

    …見て

     まなざしなど

   それは

      わずかにさえ

    なに?

     わずかにさえ

   赤裸々な明滅

      まなざしなど

    光りら綺羅ら

     見ていられない

   生滅の


   海に眩む。昏み

      須臾にも

    見ないで

     昏み

   まなざしは

      すでに

    そんな目で

     すでに

   まばたき

      昏み

    光りら綺羅ら

     須臾にも

   息をのみ


   海に昏む。眩み

      須臾にも

    見ないで、もう

     眩み

   まなざしは

      すでに

    なにも見ていない目に

     すでに

   すべり

      眩み

    光りら綺羅ら

     須臾にも

   逸らされた翳り


   そのシーツ。いま

      喰ったじゃん

    噓をついた

     さっき

   皴をさらし

      目玉

    だれに?

     目玉

   ベッドに

      さっき

    わたしが

     喰ったじゃん

   …なに?


   その昏み。いま

      喰ったじゃん

    わたしは海を

     ほじってパクって

   翳り、濃く翳り

      お前

    海をだけ

     お前

   ほほ笑んだ?

      ほじってパクって

    見つめている、と

     喰ったじゃん

   …なに?


   身を曲げていた?

      しあわせな

    噓をついた

     光り。その

   昏い、その

      日差しに

    だれが?

     日差しに

   翳りは沙羅

      光り。その

    わたしに

     しあわせな

   …なに?


   見なかった

      それは

    わたしは海を

     白壁を模倣し

   …だれ?

      蜥蜴。擬態し

    海をだけ

     蜥蜴。擬態し

   わたしは、それら

      白壁を模倣し

    見つめている、と

     それは

   その翳りなど


   見なかった

      それは

    あなたなど

     ゆれ、ゆれてかすかに

   …だれ?

      蜥蜴。息遣い

    沙羅。盗み見るように

     蜥蜴。息遣い

   わたしは、そんな

      ゆれ、ゆれてかすかに

    あなたなど

     それは

   だから


   海。その綺羅

      まばゆくて

    光りら綺羅ら

     まばゆすぎて

   それは

      あざやかで

    なにも見ていない目に

     あざやかで

   ひたすらな綺羅

      まばゆすぎて

    見ないで、もう

     まばゆくて

   生滅の


   海。その綺羅

      いたいたしいほど

    光りら綺羅ら

     いたいたしすぎて

   それは

      いたましいほど

    そんな目で

     いたましいほど

   波うち、かすかな

      いたいたしすぎて

    見ないで

     いたいたしいほど

   生滅の


   海。その綺羅

      見ていられない

    光りら綺羅ら

     まなざしなど

   それは

      わずかにさえ

    なに?

     わずかにさえ

   赤裸々な明滅

      まなざしなど

    …見て

     見ていられない

   生滅の


   海に眩む。昏み

      須臾にも

    光りら綺羅ら

     目玉は陥没

   まなざしは

      すでに

    なに?

     すでに

   まばたき

      はずかしい陥没

    見てた?

     須臾にも

   息をのみ


   海に昏む。眩み

      須臾にも

    光りら綺羅ら

     眩み

   まなざしは

      すでに

    なに?

     すでに

   すべり

      眩み

    見てる?

     須臾にも

   逸らされた、翳り


   その無防備

      蜥蜴は

    知ってる?

     這う?…は?

   さらされた

      壁に

    沙羅

     壁に

   素肌に

      這う?…は?

    わたしの

     蜥蜴は

   …なに?


   褐色の翳り

      蜥蜴は

    指先は

     静止。せっ

   しろい、その

      壁に

    自動操縦

     壁に

   白濁は息吹き

      静止。せっ

    すぐに、もう

     蜥蜴は

   …なに?


   見なかった

      蜥蜴は

    ふれ

     這う?…は、は、は、

   …だれ?

      壁に

    ふれて、なぜ

     壁に

   わたしは、もう

      這ぅわ、は、は、

    なぜて、いつくしむ

     蜥蜴は

   その息遣いなど


   見なかった

      蜥蜴は

    わたしの肌を

     静止。すぁっ…さ、

   …だれ?

      壁に

    あなたを見つめ

     壁に

   わたしは

      静止。さぁっ…ば

    見つめながら

     蜥蜴は

   だから


   海。その綺羅

      まばゆくて

    見てる?

     まばゆすぎて

   それは

      あざやかで

    なに?

     あざやかで

   ひたすらな綺羅

      まばゆすぎて

    光りら綺羅ら

     まばゆくて

   生滅の


   海。その綺羅

      いたいたしいほど

    見てた?

     いたいたしすぎて

   それは

      いたましいほど

    なに?

     いたましいほど

   波うち、かすかな

      いたいたしすぎて

    光りら綺羅ら

     いたいたしいほど

   生滅の


   海。その綺羅

      見ていられない

    …見て

     まなざしなど

   それは

      わずかにさえ

    なに?

     わずかにさえ

   赤裸々な明滅

      まなざしなど

    光りら綺羅ら

     見ていられない

   生滅の


   海に眩む。昏み

      須臾にも

    見ないで

     目玉は

   まなざしは

     すでに

    そんな目で

     はでに

   まばたき

      とび散って

    光りら綺羅ら

     須臾にも

   息をのみ


   海に昏む。眩み

      綺羅きら

    見ないで、もう

     昏み

   まなざしは

      ららきき

    なにも見ていない目に

     ららきき

   すべり

      眩み

    光りら綺羅ら

     綺羅きら

   逸らされた、昏み


   昏む翳りは

      なにを?

    感じてあげよう

     その派手な目で

   光り。光りら、光り

      なに?

    あなたのかわりに

     なに?

   赤裸々な

      その派手な目で

    わたしは

     なにを?

   露出


   翳る翳りは

      なにを?

    なにも感じない

     見てるの?

   光り。光りら、光り

      なに?

    あなたのかわりに

     なに?

   剝き出しの

      見てるの?

    せめても

     なにを?

   暴露


   翳りの昏みは

      なにを?

    感じてあげよう

     壁にはりつき

   光り。光りら、光り

      なに?

    あなたのかわりに

     なに?

   隱さない

      壁にはりつき

    わたしは

     なにを?

   さらす


   その眠り

      なにを?

    なにも感じない

     うごかない体躯

   光りのなかに

      なに?

    その肌のかわりに

     なに?

   色をあばき

      うごかない体躯

    せめても

     なにを?

   …なに?


   その目醒め

      なにを?

    醒めきった

     息を殺して?

   光りのなかに

      なに?

    肉体。その肌

     なに?

   色をなくし

      息を殺して?

    沙羅

     なにを?

   …なに?


   白濁の綺羅

      なにを?

    感じてあげよう

     息をひそめて?

   脈うつ、その

      なに?

    あなたのかわりに

     なに?

   かがやきは朝に

      息をひそめて?

    わたしは

     なにを?

   …なに?


   見なかった

      なにを?

    なにも感じない

     知能のない目に?

   …だれ?

      なに?

    その心のかわりに

     なに?

   わたしは、もう

      知能のない目に?

    せめても

     なにを?

   その清冽など


   見なかった

      なにを?

    醒めきった

     知性の鈍重のない目に?

   …だれ?

      なに?

    魂。その目

     なに?

   わたしは、もう

      知性の鈍重のない目に?

    沙羅

     なにを?

   その息吹く肌など


   見なかった

      なにを?

    すでに滅び、燃え

     冴えた目に?

   …だれ?

      なに?

    燃え盡き、滅び

     なに?

   わたしは

      冴えた目に?

    すでに滅び、崩壊し

     なにを?

   だから


   海。その綺羅

      まばゆくて

    破滅

     まばゆすぎて

   それは

      なすすべもなく

    あざやかな、あざやかすぎた

     なすすべも

   ひたすらな綺羅

      まばゆすぎて

    容赦ない

     まばゆくて

   生滅の


   その眼差し

      虹彩の

    破滅?息遣い

     沙羅。その

   見ていた

      綺羅

    そっと

     眼窩に

   わたしは、もう

      ほら孔

    ひそめ

     虹彩の

   …なに?


   その眼差し

      ねぇ、いま

    破滅?見つめ

     沙羅。その

   ふいに

      見蕩れていい?

    そっと

     見蕩れていい?

   ひらいた

      ほら孔

    見つめつづけ

     ねぇ、いま

   …なに?


   もたげた頸

      瞳孔の

    だれ?…あなたを

     沙羅。もう

   かすかに、その

      陥没

    沙羅

     謎かけ

   鈍む白に綺羅

      沙羅。もう

    ずっと、見つめ

     ほら孔に

   …なに?


   見なかった

      ねぇ、いま

    破滅?まさぐり

     沙羅。その

   …だれ?

      見蕩れていい?

    そっと

     見蕩れていい?

   わたしは、もう

      その恥ずかしい孔

    指先は

     ねぇ、いま

   その虹彩も


   見なかった

      恥ずかしい孔

    破滅?わたしを

     恥辱の窮み

   …だれ?

      孔

    そっと

     陥没

   わたしは

      恥辱の窮み

    指先は

     恥ずかしい孔

   だから


   海。その綺羅

      まばゆくて

    破滅

     まばゆすぎて

   それは

      なすすべもなく

    あざやかな、あざやかすぎた

     なすすべもなく

   ひたすらな綺羅

      まばゆすぎて

    容赦ない

     まばゆくて

   生滅の


   その唇

      ひらき、うすく

    破滅。もう

     そっと

   濃褐色の

      その口を

    すべて

     その口を

   沈む色

      ちょっと

    あなたに

     ひらき、うすく

   …なに?


   哄笑を?

      その口に舌

    破滅。もう

     深い赤

   ゆがみ、その

      昏い赤、沙羅

    すべて

     昏い赤、沙羅

   不遜はなぜ?

      深い

    あげよう

     その口に

   …なに?


   見なかった

      不快な赤

    破滅。もう

     くちびるに、舌

   …だれ?

      昏い赤、沙羅

    すべて

     昏い赤、沙羅

   わたしは、もう

      くちびるに、

    なにもかも

     不快な

   そのほほ笑みなど


   見なかった

      その舌

    破滅。もう

     深い赤

   …だれ?

      伸ばし、つき出し

    屁?…へ?

     伸ばし、つ

   わたしは

      深い赤

    屁ぶっ…ぅうぅ…ふっ

     その舌

   だから


   海。その綺羅

      不快な赤

    破滅

     綺羅めいた、舌

   それは

      昏い赤、沙羅

    あざやかな、あざやかすぎた

     昏い赤、沙羅

   ひたすらな綺羅

      綺羅めいた、舌

    容赦ない

     不快な赤

   生滅の


   海を?

      まばゆくて

    鼻から精液?

     まば

   その色?

      なすすべもなく

    すするな

     なすす

   色の

      まばゆすぎて

    すすっ

     まばゆくて

   喪失?


   容赦なく

      舐める?

    泡だってない?

     舐め

   留保なく

      めな、なめ、るめな、舐め、め、め、

    すするな

     めな、なめ、るめな、舐め、め、め、

   ふせぐ手立ても

      舐め

    すすっ

     舐める?

   なにも


   海。その綺羅

      まばゆくて

    破滅

     ま

   それは

      な

    あざやかな、あざやかすぎた

     なす

   ひたすらな綺羅

      まばゆすぎて

    容赦ない

     まば

   生滅の


   海を?

      沙羅は舌を出して

    見ていた

     なにかを

   色なし

      見蕩れていい?

    そこに

     見蕩れ

   色をなくし

      な

    あなたのほほ笑むのを

     沙羅は舌

   うばわれつづけ


   とどまらず

      舐めようと?

    見ていた

     沙羅、な

   見い出せず

      見蕩れ

    そこに

     見蕩れ

   ふれる手立ても

      沙羅、なにかを

    昏く、ほほ笑むのを

     舐めようと?

   なにも


   海。その綺羅

      舐めて

    破滅

     舐めて

   それは

      沙羅、いま

    あざやかな、あざやかすぎた

     沙羅、い

   ひたすらな綺羅

      舐めて

    容赦ない

     舐め

   生滅の


   窓の外

      まばゆくて

    なにが

     まばゆすぎて

   遠い海を?

      なすすべもなく

    あなたを?

     なすすべも

   …なにを?

      まばゆすぎて

    いま

     まばゆくて

   見ていた?


   窓の外

      綺羅

    なにが

     舌の表面

   匂いもない海?

      散り、それら

    あなたに

     散り、それら

   …なにを?

      舌の表面

    いま

     綺羅

   見ていた?


   窓の外

      綺羅

    ほほ笑みを

     舌の潤い

   ふれ得ない海?

      ゆれ、それら

    その口元に

     ゆれ、それら

   …なにを?

      舌の潤い

    唇に

     綺羅

   見ていた?


   窓の外

      綺羅

    昏い笑みを

     舌のしめり

   見い出せはしない

      わななき、それら

    その眼差しに

     わななき、それら

   …なにを?

      舌のしめり

    瞼に

     綺羅

   見ていた?


   海。その綺羅

      まばゆくて

    破滅

     まばゆすぎて

   それは

      なすすべもなく

    あざやかな、あざやかすぎた

     なすすべもなく

   ひたすらな綺羅

      まばゆすぎて

    容赦ない

     まばゆくて

   生滅の


   聞いていたのは

      綺羅

    ふるえ

     唾液

   その聲

      ふるえて、それら

    ふるえ

     ふるえて、それら

   …だれ?

      唾液

    その睫毛さえ

     笑った?…沙羅

   聲。鼻に鳴った


   聲。…だれ?

      笑った?…沙羅

    ふるえ

     あやうく

   沙羅の

      沙羅、唾液

    ふるえ

     沙羅、唾液

   だれ?…わたしは

      あやうく

    その光澤は綺羅

     したたりそうに

   あなたの


   沙羅。笑う

      沙羅

    ふるえ

     舐めるのは

   たぶん、いつか

      その舌に、なにを

    ふるえ

     その舌に、なに

   殺してしまう

      舐めるのは

    その瞼も

     沙羅

   褐色のあなたを


   沙羅。笑う

      沙羅

    ふるえ

     舐め

   嫌悪とともに?

      その舌で、なにを

    ふるえ

     その舌で、なにを

   戀のこじれ?

      舐めようと

    そのうぶ毛に綺羅

     沙羅

   この手で


   沙羅。笑う

      沙羅

    ふるえ

     舐めた?

   たぶん、いつか

      たくらんだのは、なにを

    ふるえ

     たくらんだのは、なにを

   殺してしまう

      舐め

    心さえ

     沙羅

   あざやかなあなたを


   沙羅。笑う

      沙羅

    ふるえ

     沙羅、そ

   泣き叫びながら?

      その舌に、なにを

    ふるえ

     その舌に、な

   笑いながら?

      沙羅、その

    屁?…へ?

     沙羅

   だから、いま


   沙羅。笑って

      いま、沙羅

    ふるえ

     なぜ?

   好きなだけ

      笑ったの?

    屁ぼっ…

     笑ったの?

   意図もなく

      なぜ?

    屁、ぼぅっ…

     いま、沙羅

   あざやかな哄笑


   しかも、海。その

      咬んで

    破滅

     その舌を

   綺羅ら。それは

      いま、沙羅

    あざやかな、あざやかすぎた

     いま、沙羅

   ひたすらな綺羅

      その舌を

    容赦ない

     咬んで

   生滅の


   窓の外

      まばゆくて

    なにが

     まばゆすぎて

   その海を

      なすすべもなく

    あなたを?

     なすすべも

   …なにを?

      まばゆすぎ

    いま

     まばゆくて

   見ていた?


   窓の外

      咬んで

    なにが

     その舌を

   遠い、…だれ?

      沙羅、咬みちぎり

    あなたに

     沙羅、咬みちぎり

   …なにを?

      その舌を

    いま

     咬んで

   見ていた?


   窓の外

      咬んで

    ほほ笑みを

     その舌を

   だれが?

      沙羅、いま

    その屁ぼっ

     沙羅、いま

   …なにを?

      その舌を

    唇に

     咬んで

   見ていた?


   窓の外

      咬んで

    昏い屁、ぼぅっ…

     その舌を

   いつ?…なぜ?

      沙羅、咬みちぎり

    その眼差しに

     沙羅、咬みちぎり

   …だれ?

      その舌を

    瞼に

     咬んで

   見ていたのは


   なにも

      咬んで

    咬んでいい?

     その歯に

   見てはいなかった

      沙羅、ほら

    咬んで

     沙羅、ほら

   なにも

      その歯に

    沙羅、咬ん

     咬んで

   海さえ


   綺羅の海

      ちぎって

    ちぎっていい?

     血?

   生滅の光り

      ちぎってみせて

    ちぎり

     ど。ば?…ば、ば、

   なにも

      血どばっと?

    沙羅、ちぎっ

     ちぎって

   見ていたのは


   なにも

      まばゆくて

    咬みちぎ

     まばゆすぎて

   見てはいなかった

      なすすべもなく

    ちぎり

     なすすべもなく

   なにも

      まばゆす

    ぎり、り、沙羅、さ

     まばゆくて

   眼玉さえ


   もう、燃えたから

      ねぇ、いま

    その昏い笑み

     沙羅。その

   もう、なくしたから

      見蕩れていい?

    眼差しに

     見蕩れて

   …だれ?

      沙羅。その

    沙羅、たとえばその

     いま…ね?

   見ていたのは


   なにも

      虹彩の

    鼻…それ

     沙羅。その

   見てなど

      綺羅

    咬み、か

     綺羅

   なにも

      沙羅。その

    咬みちぎって

     虹彩の

   生きてさえ


   もう、滅びたから

      瞳孔の

    その昏い笑み

     沙羅。もう

   もう、存在さえ

      瞳孔の

    眼差しに

     瞳孔の

   …だれ?

      沙羅。もう

    沙羅、たとえばその

     瞳孔の

   見ていたのは


   なにも

      ねぇ、いま

    瞼…くちびる?

     沙羅。その

   見てはいなかった

      つっこんでいい?

    咬み、か

     つっこんでいい?

   なにも

      沙羅。その

    咬みちぎって

     ねぇ、いま

   死にさえも


   もう、生まれもしなかった

      口蓋の

    その昏い笑み

     沙羅。その

   もう、はじめから

      昏みに

    眼差しに

     昏みに

   …だれ?

      沙羅。その

    沙羅、たとえばその

     口蓋の

   笑ったのは


   沙羅。ふと

      開いた喉の

    くちびるは肛門

     沙羅。もう

   頸だけあげた

      奧にも

    その襞。襞は

     奧にも

   沙羅。ふと

      沙羅。もう

    陥没。ちぎって

     開いた喉の

   瞼だけあけた


   …だれ?それ

      この拳

    その昏い屁ぼっ…

     沙羅。ぶちこんで

   だれ?…なに?

      腕も

    屁、ぼぅっ…

     腕も

   …え?

       沙羅。ぶちこんで

    沙羅、たとえばそんな

     この拳

   なに?それは


   沙羅。その

      まばゆくて

    見ないで、いま

     まばゆす、す、す、

   翳り。翳る

      すなすすべすなく

    沙羅、そんな目で

     なすすべもなす

   なにもない

      ままっ

    昏い、目

     まばっ

   色彩さえ


   …だれ?それ

      ひっかきまわして

    その昏い眼差し

     かきまわし

   だれ?…なに?

      ぐっぢゃぐっぢゃ

    笑み、昏い

     ぐっぢゃぐっぢゃ

   …は?

      かきまわ

    沙羅、たとえばそんな

     ひっかきまわして

   なに?それは


   光りのなかに

      かきまわして

    見ないで、いま

     ぶちこ

   だから、光りら

      ぢゃっぐぢゃっぐ

    沙羅、そんな笑み

     ぢゃっぐぢゃっぐ

   翳りら、だから

      ぶちこわして

    昏い、くちびる

     かき

   翳りのなかに


   …だれ?それ

      ひきさいて

    その昏い気配

     笑った?

   だれ?…なに?

      は?

    笑み、昏い

     は?

   …あっ

      笑った?

    沙羅、たとえばそんな

     ひきさいて

   なに?…それは


   色彩さえも

      沙羅、いま

    それは海。沙羅

     笑った?

   なにもない

      は?

    あなたの見い出す

     は?

   光り。光る

      笑った?

    綺羅。海、それは

     沙羅、いま

   沙羅。その











Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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