流波 rūpa ……詩と小説157・流波 rūpa;月。ガンダルヴァの城に、月 ver.1.01 //亂聲;偈62
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
あるいは、
いたましいさ
≪流沙≫。その
最期には
≪流沙≫。あくまでも
いたましさ。それは
笑っちゃいそうで、もう
それ以外には
なすべき仕打ちも
なつかしさ
≪流沙≫。その
最期にも
≪流沙≫。しかも
なつかしさ。それは
二番煎じに思う、そんな
楓の?それは
鮮度のないなつかしみをさらして≪流沙≫。それは、だから≪流沙≫。もう最期の≪流沙≫。あきらかに≪流沙≫でしかない≪流沙≫。または慥かに慥かな確定の赤裸々の≪流沙≫。しかもいまだ確定のない、そんな≪流沙≫。もう≪流沙≫にとっくになりおおせ、なりきり、それ以外に可能性も失った孤立をさらしつづけていながらもしかもいまだ、その当然の事実に気づいていなかったままの、だからその≪流沙≫。ささやくのだった、…し、し、しっ、ししし
あー爆死すんのやめて
ぶはぅっ
獅子吼でも?がぉお「知ってるんだ」と。より慥かし、ってぃるぅ…っだ。と?とでも?と?と?とと≪流沙≫。その≪流沙≫。もう、だから≪流沙≫であることを急激にやめ始めている≪流沙≫。かれはその夙夜。わかる?…夜明け前の難しい言葉。ばか。日野市の多摩川の河川敷の夙夜に、だからコンクリート。なに?幾何学模様のなにそれなくそつまらないコンクリート・ブロックのなに?敷き詰められたなにそれなの上にうつぶせのぉぃっ、って、てぃるぅ…っ、つっぅうだ。と?とでも?と?
焰のかたち
いまは、ね?もう、ね?
と?ととしろ、仰向け?
そのかたちを見て
ささやいていましょう
同じことだった。どちらでも。どうしようもない
見ようとして
聴き取られたら
焰。ぼふっ。
窒息した鳥たち
殺されちゃうよ
引火したガソリンのぼふっ。匂いに
落ちて
みんな、すでに
しかも息づきながらばふっ。なぜ?…まだ生きていたから。だから生きるとは息。息を生きる息。燒けるだけ燒けて燒け、燒かれるだけ燒かれて燒け焦げた肉の殘骸、その≪流沙≫。かれは
焰の色彩
いまは、ね?もう、ね?
殘酷。ただ、赤裸々な
その色めきを見て
つぶやいていましょう
悲惨。ただわたしの
見ようとして
聴き取られたら
こころをかき乱し、しかも
墜落した鳥たち
拷問されるよ
叩きつぶし、もう
窒息し
みんな、もう
こなごなに、そんな、だからそれは暴力。留保なき暴力。≪流沙≫。かれの。ある意味で事実。慥かにそれはもはやたしかすぎる事実だったからぃっ、す、すぅいっ、ぃっ、ぃっ、ってぃるぅ…っ…、あっ。とでも?犯人なら知ってる、と。「…なに?」
「あの、一家惨殺。おれらが、…ね?おれらたちだけが…ね?生き殘った、ね、…全滅。殲滅?おれたち、生き殘りのみんなさえ殲滅して、…させて?…し、…て?し、舞った、だからおれの一家殲滅」と、「妹さんの、…」ささやいていた。
国家とはすでに
滅びるよ
わたしは。
個人に依る虐めの対象にすぎない
魚のむれが
知っていた。≪流沙≫。かれに似ても似つかない可憐な、あざやかに可憐な、…どんな?顏?顏?どんな?しかし幼い、だからむしろ成熟の先にはあるべくもない強烈なあやうさをそこにあやうくさらして、…どんな?顏?顏?どんな?そんな…その顏など。美貌。かつ、その記憶など。あまりにもなにも。すでに。凡庸な内面。妹。かれ。≪流沙≫。かれの。かの女を実は、その≪流沙
≫が戀していというた事実には。
国家とはすでに
ざわめくよ
戀?…そう?…だっけか?
或る個人が嗜む余暇の遊興にすぎない
波のむれたち
故意?バカ。濃い?むしろ、寄り添いあって?ついにはいたたまれずにせめても身近なふたりだけ身近に、そっと共謀しあおうと?秘密めかして。秘密のままで。まるで自分たち以外にはだれもいないと。だから今ここに苦痛もかなしみもなにもありは、ありはしないと、そんな擬態。または仮構のうちに?それ戀ってゆえますかクスクス。「…もう、考えなくていい。お前は、さ。もう、充分、…ね?傷ついたから、」それは
滅ぼさないか?
ささやき。
この
最後の、こわれかけの
ぼくらの世界
≪流沙≫。そのもう後戾りできない壊滅。その、すくなくともその意識は。崩壊。わたしが≪流沙≫。そう名づけ、事実そう呼んでいたその意識。意識躰。その崩壊。知った。あの、そこに惨殺されていたひとびと。かれら、かの女たち。それら、みずからに先行して殺されている肉体を見た時に、それぞれの
破壊しないか?
口。それら、なんら
この
叫び聲さえ
ぼくらの世界
あげ得なかった事実。その意味。沈黙のみ、と?もう、なにもかも手遅れなのなら、沈黙のみ、と?もう、なにもかもすでに取り返しがつかないならば、沈黙のみ、と?ただもう沈黙するというそれ以外にいったいなんの手立てが?…≪流沙≫。だから、それはもうあきらかにすべて手遅れだった≪流沙≫。取り返しもつかない、それは≪流沙≫。「この、…ね?…眼の前の人だよ、」と。かれは「知ってた?」云った。そう「みんなを、殺して、…殺しまわったの」慥かにわたしは
あーそこで手榴弾肛門に突き刺してしら百合いち輪橫に咥えたまま爆死すんのや
ぶはぅっ
聴き取った。やったの、あれ、やったの、ここ。ここにいるよ、ここ。どこ?どこ?ここ?どこ?ケツかゆくね?むしろ。慥かにそれは足もうしびれてんだけどまじくそあきらかに、告白だった。かれの。あまりにも眞摯で、みじかく、みじかい、しかもみじかすぎ、救いようのない、どうしもなく手遅れの。いまさら、なぜ?自分でいま、それを告白しかれは、そこに
殺さないで、…ね?
しゃっちぶったタカ派たちは
なんの意味を
罪もない蝶
現状維持の保守にすぎない
見い出し得ていたのだろう?「知ってた?…ね、雅雪は」と、「…知ってた?」と。気づいた。そのときに。いま、
拷問しないで、…ね?
革命家たちは
この≪流沙≫はここには
未生の蛹
破壊以外に興味がない
いない、と。その≪流沙≫。かれはまだ燒け焦げてはいない。楓のように、自分で。みずからにあびたガソリンに火をつけて、自分で。ひとり叫び聲もなく燃え、燃え上がりぼふっ。燃えてしまった≪流沙≫は、焰。ゆらっだからむしろその焰。ゆらっ直前の記憶にこそ存在しつづけ、そのままに焰。ゆらっすくなくとも、その≪流沙≫。かれのもはや肉体的には存在し得ないほら孔のまなざしの向こうには。だから火を放つ直前の告白。云った、それはあまりにも冴えたやさしい、かぎりなくやさしい、もう、やさしいという印象さえ成立させ得なくなった、そんな、だから、それはやさしいだけの、ささやき聲。かれの。
「…ね?」
「なに?…」
「知ってる?罪って、…さ。所詮、」
花には、目が
淚を、さ
「いいよ。もう」
「償えない。で、」
冴えた目が
いっぱいあつめて
「いいよ。話して」
「償えないもの、その可能性もなにも、…な」
目があるに、そうに
空に放つよ
「なにもない可能性のなかに切りひらかれたのが、たぶん」
「ささやいて。まだ」
違いない。そっと
淚を、さ
「おれたちの世界なんだよ。…じゃない?…って、」
「お前にささやく、その」
蜂を見つめた
いっぱいあつめて
「…さ。ふと」
「聲があるうちに」
見つめ、くらっ
海に投げるよ
「そう思った。お前があの、十五歳の時、」
「いいよ。もう」
ららら
静寂の海に
「おれに、山の上でひとり泣きじゃくったあの時、」
「好きなように、…ね?」
花には、鼻が
いつか芽生えた
「海、見てたよね、おれら」
「好きなだけ」
用意周到な鼻が
しら百合のために
「償いもなから、罪もない。…本当は、」
「ね?…ささやいていいよ」
鼻があるに、そうに
淚を、さ
「おれたちはなににも解消されずに、しかも」
「ささやきつづけて、…ね?」
違いない。そっと
いっぱいあつめて
「だから?…なに?…繁殖しつづけた」
「その聲に」
蜂を嗅いでいた
砂に散らすよ
「増殖しつづけた」
「好き勝手に」
嗅いで、るふっ
淚を、さ
「救いもない。救いのない」
「好き放題に」
ふふふ
いっぱいあつめて
「絶望もなく、絶望のない」
「もう、永遠に」
花には、触手が
磐に流すよ
「救いさえもない…」
「永遠という概念さえをも超えて」
縦横無盡の触手が
静謐の海に
「ね?…知性は、理性は、ね、たぶん」
「気にしないで」
触手があるに、そうに
いつか芽吹いた
「それこそ赤裸々な狂気。…で、だから」
「なにも、もう」
違いない。そっと
しら百合のために
「狂人なんて存在しなかった。雅雪」
「おれのことさえ、この」
蜂をふれかけた
淚を、さ
「おれたちの目覚めは、…意識」
「おれの存在さえも」
すれすれにとぅひっ
いっぱいあつめる、その
「意識のなかのささやきあう聲。それら」
「完全に無視して」
ひひひ
そのために
「ひびきのなかへの目覚めとは、それは」
「完璧に忘れて、しかも」
花には、意識が
かなしみ、ください
「もう留保ない狂気。たぶん」
「ただ、おれのために…って」
凄惨苛烈な意識が
波を、さ
「もう、なすすべもない。おれたちはずっと」
「て、それ、さ。…ね」
意識があるに、そうに
いっぱいあつめる、その
「貪り続け、生き延びつづけ、」
「それ、おれの言葉じゃない?」と、すでにそのわたしは泣きじゃくりながら、ただ荒れたしめった息遣いに…なに?≪流沙≫を見つめた、謂く、
焰。…ぼふって
ばふって。ぐふって
どぅふって、焰
燃え上がり、焰
苛烈、…だね?
≪流沙≫。ほら、その
破壊。≪流沙≫その
暴力。温度
殺していたね
≪流沙≫。ぼくの
眼の前で、そして
この淚の前で
赦してた。…ね?
≪流沙≫。あなたを
その理不盡を。そして
その消盡の前で
焰。…ぼふって
ばふって。ぐふって
どぅふって、焰
燃え上がり、焰
苛烈、…だね?
≪流沙≫。ほら、その
灼熱。≪流沙≫その
破壊。強度
殺していたね
≪流沙≫。ぼくを
眼の前で、そして
その焰の前で
赦してた。…ね?
≪流沙≫。あなたを
その狂暴を。そして
その消盡の前で
ぼくを殺してよ、≪流沙≫
それが望みなら
それしかないなら
もう、殺していいよ
痛いんだ。≪流沙≫
いま、ね?≪流沙≫
見るものすべてが
痛いんだ。…なぜ?
もう、ぼくも、≪流沙≫
殺されてたのに
屍だったのに
なぜ?…苛むんだ?
苛むんだ。≪流沙≫
いま、ね?≪流沙≫
大気のすべてが
苛むんだ。…なぜ?
もう、ぼくも、≪流沙≫
壊れ果てたのに
滅び盡きたのに
なぜ?…痛いんだ?
でも、…痛いんだ
滅び盡きたのに
壊れ果てたのに
もう、ぼくも、≪流沙≫
苛むんだ。…なぜ?
大気のすべてが
いま、ね?≪流沙≫
苛むんだ。≪流沙≫
なぜ?…苛むんだ?
屍だったのに
殺されてたのに
もう、ぼくも、≪流沙≫
痛いんだ。…なぜ?
見るものすべてが
いま、ね?≪流沙≫
痛いんだ。≪流沙≫
もう、殺していいよ
それしかないなら
それが望みなら
ぼくを殺してよ、≪流沙≫
その消盡の前で
その狂暴を。そして
≪流沙≫。あなたを
赦してた。…ね?
その焰の前で
眼の前で、そして
≪流沙≫。ぼくを
殺していたね
破壊。強度
灼熱。≪流沙≫その
≪流沙≫。ほら、その
苛烈、…だね?
燃え上がり、焰
どぅふって、焰
ばふって。ぐふって
焰。…ぼふって
その消盡の前で
その理不盡を。そして
≪流沙≫。あなたを
赦してた。…ね?
この淚の前で
眼の前で、そして
≪流沙≫。ぼくを
殺していたね
暴力。温度
破壊。≪流沙≫その
≪流沙≫。ほら、その
苛烈、…だね?
燃え上がり、焰
どぅふって、焰
ばふって。ぐふって
焰。…ぼふって
すなわちふたたび。慥かに、だからふたたびつぶやく。その焰。すさまじい強度のその破壊。破壊の強度。その完璧の前に、しかしわたしは裏切るだろう、と。猶も、その焰の完璧をこそ、裏切るだろう、と。ふたたび。あくまで、ふたたびに、≪流沙≫。あなたにイノチを与えよう、と。たとえそれが如何に苛酷でも、≪流沙≫。あなたに、それが如何に凄惨でも。わたしにも、殘忍であっても、たとえ≪流沙≫。もはや壊れてた殘骸の破片にすぎなくとも、≪流沙≫。あなたに与えよう。イノチを。…なぜ?わたしが殘忍だったからだろうか?あるいは≪流沙≫。かれが赦し難いからだろうか?あるいは≪流沙≫。ただかれを殘忍なくらいに愛したからだろうか?…≪流沙≫。そして
こぼれた雫
喰う。眼玉
さらにかさねて言えば≪流沙≫。すなわち
淚、かな?
そのなかをね。草の
なぜ?と。その≪流沙≫。かろうじて
大気がながした
上品な花の、花の
≪流沙≫であり得た最後の
淚、かな?
根が喰
≪流沙≫。なにももう、かなしくさえもないはずなのに、≪流沙≫。そのまなざしは、≪流沙≫。淚をながしていたに違いない霑いを知っていたのだろう?≪流沙≫。そしてわたしの。そのまなざしさえも、≪流沙≫。だからその霑いを。≪流沙≫。もはやただ言葉もなく、≪流沙≫。顎がまるで他人の息吹きのもとに、しかも執拗にふるえ、ふるえつづけて已まないなかに、≪流沙≫。燃え上がる炎はただその強度をだけ誇示して、すでに色彩。その明確さも、かたち。その明瞭さも兆しさえせず、そこに燃え、ゆらぎ、ゆららぎつづけはじめたのだった、かさねて謂く、
焰。…ぼふって
いま、…ね?
たとえば、≪流沙≫
ぼくは。…≪流沙≫
ばふって。ぐふって
どんな顏?
生きながら燃えて
どんな顏?
どぅふって、焰
ぼくは。…≪流沙≫
燃えた花たちは
いま、…ね?
燃え上がり、焰
苛烈、…だね?
ひらかれた口
だから、≪流沙≫
そこにひらいただけの孔
≪流沙≫。ほら、その
叫びもなく
生きながら燒かれて
叫びもなく
破壊。≪流沙≫その
ひらいただけの孔
燒けた花たちは
ひらかれた口
暴力。温度
殺していたね
いま、…ね?
乾き、乾き
さらしているべき?…≪流沙≫
≪流沙≫。ぼくの
どんな顏を
ひからびながら
どんな顏を
眼の前で、そして
さらしているべき?…≪流沙≫
燃えたのだろうか?
いま、…ね?
この淚の前で
赦してた。…ね?
ひらききった孔
水たちを
吸い込みもしない
≪流沙≫。あなたを
息を吐かない
なんら色彩もなく
息を吐かない
その理不盡を。そして
吸い込みもしない
そこに散らして
ひらききった孔
その消盡の前で
焰。…ぼふって
儚い、と?
その水たちは
その強靭に
ばふって。ぐふって
そんな思いなど
のぼって行って、そして
そんな思いなど
どぅふって、焰
その強靭に
消え失せたのだろうか?
儚い、と?
燃え上がり、焰
苛烈、…だね?
焰。もう
たとえば、≪流沙≫
ふれられない苛烈
≪流沙≫。ほら、その
あやうすぎて
生きながら燃えて
あやうすぎて
灼熱。≪流沙≫その
ふれられない苛烈
燃えた蝶たちは
焰。もう
破壊。強度
殺していたね
もろい、と?
だから、≪流沙≫
その強烈に
≪流沙≫。ぼくを
そんな感傷さえ
生きながら燒かれて
そんな感傷さえ
眼の前で、そして
その強烈に
燒けた蝶たちは
もろい、と?
その焰の前で
赦してた。…ね?
焰。もう
くだかれ、くだかれ
近寄れもしない苛酷
≪流沙≫。あなたを
もはや容赦ない
変容しながら
もはや容赦ない
その狂暴を。そして
近寄れもしない苛酷
燃えたのだろうか?
焰。もう
その消盡の前で
ぼくを殺してよ、≪流沙≫
滅びてゆくよ
その鱗粉を
脆さもすでに、飲み込まれ
それが望みなら
その強大さに、きみの儚さ
もはや色彩もなく
そのすこやかさに、きみの儚さ
それしかないなら
脆さもすでに、飲み込まれ
そこに散らして
滅びてゆくよ
もう、殺していいよ
痛いんだ。≪流沙≫
いま、…ね?
その鱗粉は
ぼくは。…≪流沙≫
いま、ね?≪流沙≫
どんな顏?
そこにくだけて、そして
どんな顏?
見るものすべてが
ぼくは。…≪流沙≫
なにに變ってしまっただろうか?
いま、…ね?
痛いんだ。…なぜ?
もう、ぼくも、≪流沙≫
壊れそうな口
その悲しみは
空漠?…その孔
殺されてたのに
絶叫さえなく
ひたすらな傷み
絶叫さえなく
屍だったのに
空漠?…その孔
咬みつく牙。それ
壊れそうな口
なぜ?…苛むんだ?
苛むんだ。≪流沙≫
いま、…ね?
牙の実在
きみを見るべき?…≪流沙≫
いま、ね?≪流沙≫
どんな顏に
傷みこそ
どんな顏に
大気のすべてが
きみを見るべき?…≪流沙≫
赤裸々な実在。その
いま、…ね?
苛むんだ。…なぜ?
もう、ぼくも、≪流沙≫
廃墟にすぎない、そんな孔
わたしの
救いようもない
壊れ果てたのに
無防備な荒廃
わたしの実在
無防備な荒廃
滅び盡きたのに
救われようもない
その傷みこそ
廃墟にすぎない、そんな孔
なぜ?…痛いんだ?
でも、…痛いんだ
救われようもない
その傷みこそ
廃墟にすぎない、そんな孔
滅び盡きたのに
無防備な荒廃
わたしの実在
無防備な荒廃
壊れ果てたのに
廃墟にすぎない、そんな孔
わたしの
救いようもない
もう、ぼくも、≪流沙≫
苛むんだ。…なぜ?
きみを見るべき?…≪流沙≫
赤裸々な実在。その
いま、…ね?
大気のすべてが
どんな顏に
傷みこそ
どんな顏に
いま、ね?≪流沙≫
いま、…ね?
牙の実在
きみを見るべき?…≪流沙≫
苛むんだ。≪流沙≫
なぜ?…苛むんだ?
空漠?…その孔
咬みつく牙。それ
壊れそうな口
屍だったのに
絶叫さえなく
ひたすらな傷み
絶叫さえなく
殺されてたのに
壊れそうな口
その悲しみは
空漠?…その孔
もう、ぼくも、≪流沙≫
痛いんだ。…なぜ?
ぼくは。…≪流沙≫
なにに變ってしまっただろうか?
いま、…ね?
見るものすべてが
どんな顏?
そこにくだけて、そして
どんな顏?
いま、ね?≪流沙≫
いま、…ね?
その鱗粉は
ぼくは。…≪流沙≫
痛いんだ。≪流沙≫
もう、殺していいよ
脆さもすでに、飲み込まれ
そこに散らされて
滅びてゆくよ
それしかないなら
そのすこやかさに、きみの儚さ
もはや色彩もなく
その強大さに、きみの儚さ
それが望みなら
滅びてゆくよ
その鱗粉は
脆さもすでに、飲み込まれ
ぼくを殺してよ、≪流沙≫
その消盡の前で
近寄れもしない苛酷
燃えたのだろうか?
焰。もう
その狂暴を。そして
もはや容赦ない
変容しながら
もはや容赦ない
≪流沙≫。あなたを
焰。もう
くだかれ、くだかれ
近寄れもしない苛酷
赦してた。…ね?
その焰の前で
その強烈に
燒けた蝶たちは
もろい、と?
眼の前で、そして
そんな感傷さえ
生きながら燒かれて
そんな感傷さえ
≪流沙≫。ぼくを
もろい、と?
だから、≪流沙≫
その強烈に
殺していたね
破壊。強度
ふれられない苛烈
燃えた蝶たちは
焰。もう
灼熱。≪流沙≫その
あやうすぎて
生きながら燃えて
あやうすぎて
≪流沙≫。ほら、その
焰。もう
たとえば、≪流沙≫
ふれられない苛烈
苛烈、…だね?
燃え上がり、焰
その強靭に
消え失せたのだろうか?
儚い、と?
どぅふって、焰
そんな思いなど
のぼって行って、そして
そんな思いなど
ばふって。ぐふって
儚い、と?
その水たちは
その強靭に
焰。…ぼふって
その消盡の前で
吸い込みもしない
そこに散らして
ひらききった孔
その理不盡を。そして
息を吐かない
なんら色彩もなく
息を吐かない
≪流沙≫。あなたを
ひらききった孔
水たちを
吸い込みもしない
赦してた。…ね?
この淚の前で
さらしているべき?…≪流沙≫
燃えたのだろうか?
いま、…ね?
眼の前で、そして
どんな顏を
ひからびながら
どんな顏を
≪流沙≫。ぼくを
いま、…ね?
乾き、乾き
さらしているべき?…≪流沙≫
殺していたね
暴力。温度
ひらいただけの孔
燒けた花たちは
ひらかれた口
破壊。≪流沙≫その
叫びもなく
生きながら燒かれて
叫びもなく
≪流沙≫。ほら、その
ひらかれていた口
だから、≪流沙≫
そこにひらいただけの孔
苛烈、…だね?
燃え上がり、焰
ぼくは。…≪流沙≫
燃えた花たちは
いま、…ね?
どぅふって、焰
どんな顏?
生きながら燃えて
どんな顏?
ばふって。ぐふって
いま、…ね?
たとえば、≪流沙≫
ぼくは。…≪流沙≫
焰。…ぼふって
だからそのそばに、沙羅。その折り曲げられた腰。そのちかくにちかづき、沙羅。そしてわたしは、沙羅。その沙羅のかたわらに膝間付くように、沙羅。わたしはその沙羅。沙羅の正面の、だから頭頂。その沙羅。その黑に綺羅。刈られた髮のこまかな屹立それらの至近にねじった上半身。わたしは、だからその顏をちかづけかけ、沙羅。ふいに、
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