流波 rūpa ……詩と小説145・流波 rūpa;月。ガンダルヴァの城に、月 ver.1.01 //亂聲;偈52





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





あるいは、

   月。さざなみに

   だからゆれ

   わなないたに似

   だから、ふるえ。それ


   それらは月。あざやかに

   あからさまで

   ただ儚すぎ

   だから、あやうくて


   それら

   冬。散在。路のみなもに

   消え去りはじめた。それは

   雪。あたたまり、すでに


   それら

   日差し。朝。溶け出し

   眠り。だれもまだ、まだ

   だから、まだはやい


   それら

   目覚め。もう、綺羅。ひかり

   まばたいた。それ、眼差しは

   路上。そのわたし


   それら

   水たまり。やわらかに、

   溶け、氷さえ、風に?…すべては

   ながれ、ながれ出し、とまり


   それら

   ゆらぐだけ。ふるえ、たまり

   ながれかけ、ながれあぐねては

   行きどまり。ゆらぎ、風?…ふいに


   反映。みなもに

   生滅。すぐさまに

   須臾に、すべもない

   殘像。すべてゆらぎ


   息をのんだ

   見つめ、わたしは、だから

   見蕩れ、それは、わたし

   あくまでも、だから、わたしが見た


   月。さざなみに

   だから、ゆれ

   ゆらぎ、ふるえた

   朝に。それは月


   微熱は

   肌に。火照り、病んだにも似た

   とけはじめ、もう、あの雪

   三月の、朝のみなもに見えた


   月。さざなみに

   だからゆれ

   ふるえ、綺羅。ゆらぎ

   それは、月


   それら

   いわば仮死。恍惚と?…まなざしに

   いわば仮生。そこに、わたし

   ただ立ち盡くし、茫然と?…ゆらぎ


   夢。夢ら。それら

   醒めながら、いま

   いま、かいま見られた

   夢。夢ら。わたしは


   夢。夢ら。わたしは

   いま、かいま見られた

   醒めながら、いま

   夢。夢ら。それら


   ただ立ち盡くし、茫然と?…ゆらぎ

   いわば仮生。そこに、わたし

   いわば仮死。恍惚と?…まなざしに

   それら


   それは、月

   ふるえ、綺羅。ゆらぎ

   だからゆれ

   月。さざなみに


   三月の、朝のみなもに見えていた

   とけはじめ、もう、あの雪

   肌に。火照り、病んだにも似た

   微熱は


   朝に。それは月

   ゆらぎ、ふるえた

   だから、ゆれ

   月。さざなみに


   あくまでも、だから、わたしが見た

   見蕩れ、それは、わたし

   見つめ、わたしは、だから

   息をのんだ


   殘像。すべてゆらぎ

   須臾に、すべもない

   生滅。すぐさまに

   反映。みなもに


   行きどまり。ゆらぎ、風?…ふいに

   ながれかけ、ながれ、ながれあぐねては

   ゆらぐだけ。ふるえ、ふるえ、たまり

   それら


   ながれ、ながれ出し、とまり

   溶け、氷さえ、風に?…すべては

   水たまり。ささやかに、

   それら


   路上。そのわたし

   まばたいた。それ、眼差しは

   目覚め。もう、綺羅。ひかり

   それら


   まだはやい

   眠り。だれもまだ、まだ、だから

   日差し。朝。溶け出し

   それら


   雪。あたたまり、すでに

   消え去りはじめた。それは

   冬。散在。路のみなもに

   それら


   だから、あやうくて

   ただ儚すぎ

   あからさまで

   それらは月。あざやかに


   だから、ふるえ。それ

   わなないたに似

   だからゆれ

   月。さざなみに


   わらった?

   いま、きみの顏

   もう、その口元も

   わらってた?


   あきらかだった

   見ひらいた目には

   ほほ笑んだまま

   見られ、見つめられ


   だれ?

   わたし?

   だれ?

   それは


   あきらかだった

   見ひらいた目には

   ほほ笑まれたまま

   見い出し、見つめて


   だれ?

   あなた?

   だれ?

   それは


   想う、すべて

   溶けてしまえ

   雪らも。すべて

   この時に


   思う、すべて

   溶けてしまえ

   氷りらも。すべて

   見つめられたうちに


   なにが?

   なにもかも

   なにも、もう

   気配さえ


   見つめられたうちに

   氷りらも。すべて

   溶けてしまえ

   思う、すべて


   この時に

   雪らも。すべて

   溶けてしまえ

   想う、すべて


   それは

   だれ?

   あなた?

   だれ?


   見い出し、見つめて

   ほほ笑まれたまま

   見ひらいた目には

   あきらかだった


   それは

   だれ?

   わたし?

   だれ?


   見られ、見つめられ

   ほほ笑んだまま

   見ひらいた目には

   あきらかだった


   かろうじて

   わたしのほほ笑み

   かろうじて

   わたしの息遣い


   かろうじて

   まだ、わたしたち

   殘存のうちに

   だから、いま

すなわち月。さざなみに、だからゆれ、ふるえていたそれは、しかも。だからそれ、ゆらぎ、ゆらぎつづけ、その冴えた水。みなものゆらぐ、ゆらぐままにゆらぎ、ゆらぎつづけ、それは月。あざやかな、もはや維持など、須臾も、そのかたちさえ、しかも、それは月。みなもに月。あくまでも鮮明。みなもの月。あざやかに、月。しろい、冴えた綺羅。それは、だから月、かさて謂く、

   月。さざなみに

      …あー…そ

    色彩もなく

     なんじゃね?ぼへっ

   だからゆれ

      かもね。まっ

    翳り、翳る

     ばへっ。まっ

   わなないたに似

      …かなぁまじくそ

    それら

     …そ、そ、そ、そ、

   だから、ふるえ。それ


   それらは月。あざやかに

      てかてかてかてか

    死者ら。だから

     見い出すのは

   あからさまで

      …は?

    孔ひらく

     …は?

   ただ儚すぎ

      見い出すのは

    死者ら。無数にその

     てかがへっ

   だから、あやうくて


   それら

      だから、死者ら

    息吹きもなく

     とどめない

   冬。散在。路のみなもに

      もうかたちさえ

    ゆらぎ、なすられ

     もう

   消え去りはじめた。それは

      とどめない

    それら

     だから、死者ら

   雪。あたたまり、すでに


   それら

      し、し、し、

    死者ら。だから

     翳りら、ゆらぎ

   日差し。朝。溶け出し

      …だれ?

    孔ひらく

     …だれ?

   眠り。だれもまだ、まだ

      翳りら、ゆらぎ

    死者ら。無際限にその

     んー…?

   だから、まだはやい


   それら

      死者ら

    いつから?…ね、ね、ね

     翳りら、わななき

   目覚め。もう、綺羅。ひかり

      …なに?

    そこに

     …なに?

   まばたいた。それ、眼差しは

      翳りら、わななき

    無造作に

     死者ら

   路上。そのわたし


   それら

      じ、じ、じ、

    いつから?…ね、ね、ね

     くそつまんなくねぼへっ

   水たまり。やわらかに、

      …どこ?

    そこに

     …どこ?

   溶け、氷さえ、風に?…すべては

      あー…ねぶへっ

    無防備に

       ばへっ

   ながれ、ながれ出し、とまり


   それら

      わたしは——おれ?

    いつから?…ね、ね、ね

     だから

   ゆらぐだけ。ふるえ、たまり

      しかも猶、いまもすでにまばたきつづけるのだろう

    そこに、もう

     しかっ

   ながれかけ、ながれあぐねては

      らから

    目醒めていたのは

     わたしは——ばべっ?

   行きどまり。ゆらぎ、風?…ふいに


   反映。みなもに

      くれ。くれ

    死者ら。それら

     おれにも、イノチを

   生滅。すぐさまに

      やさしげに、ぼくらは

    孔ひらく

     やさしげに、ぼくらは

   須臾に、すべもない

      おれにも、カタチを

    死者ら。とろけあう

     くれ。くれ

   殘像。すべてゆらぎ


   息をのんだ

      くれ。くれ

    死者ら。それら

     赤裸々な、カタチを

   見つめ、わたしは、だから

      ぼくらは、ぼくらをいつくしみ

    孔ひらく

     ぼくらは、ぼくらをいつくしみ

   見蕩れ、それは、わたし

      なに?イノチなに?

    死者ら。まざりあう

     くれ。くれ

   あくまでも、だから、わたしが見た


   月。さざなみに

      見せて。見せて

    それは、ね?

     かたち。どこ?

   だから、ゆれ

      あんた。その

    朝。ね、昨日雪のふった

     あんた。その

   ゆらぎ、ふるえた

      かたち。どの?

    ね?…ば?ね、ね、ね、

     見せて。見せて

   朝に。それは月


   微熱は

      あんた、どこ?

    それは、ね?

     おれ、どこ?…だれ?

   肌に。火照り、病んだにも似た

      おれ?…どれ?

    朝。だから、ね、昨日の明日

     それ?…だれ?

   とけはじめ、もう、あの雪

      おれ、どこ?…どれ?

    ね?…ば?ね、ね、ね、

     あんた、どこ?

   三月の、朝のみなもに見えた


   月。さざなみに

      見ろよ。見ろよ

    それは、ね?

     いろ。どこ?

   だからゆれ

      それ。その

    朝。もう、ね、雪の溶けかけた

     おれ。その

   ふるえ、綺羅。ゆらぎ

      いろ。どっち?

    ね?…ば?ね、ね、ね、

     見ろよ。見ろよ

   それは、月


   それら

      あんた、どこ?

    それは、ね?

     それ、どこ?…それ?

   いわば仮死。恍惚と?…まなざしに

      おれ?…だれ?

    朝。もう氷り、ね、さえ溶けかけた

     おれ?…だれ?

   いわば仮生。そこに、わたし

      それ、いつ?…それ?

    ね?…ば?ね、ね、ね、

     あんた、いつ?

   ただ立ち盡くし、茫然と?…ゆらぎ


   夢。夢ら。それら

      見せて。見せて

    なぜ?なぜ?ぜ、ぜ、ぜ、

     いろ。どこ?

   醒めながら、いま

      おれ。その

    そんなに早く?

     おれ。それ

   いま、かいま見られた

      いろ。どれ?

    水たまり。群れ。無数に

     見せて。見せて

   夢。夢ら。わたしは


   夢。夢ら。わたしは

      あんた、どこ?

    なぜ?なぜ?ぜ、ぜ、ぜ、

     それ、いつ?…だれ?

   いま、かいま見られた

      おれ?…どの?

    そんなに早く?

     それ?…だれ?

   醒めながら、いま

      おれ、どこ?…だれ?

    水たまり。群れ。無際限に

     あんた、どこ?

   夢。夢ら。それら


   ただ立ち盡くし、茫然と?…ゆらぎ

      見ろよ。見ろよ

    たぶん、見上げれば空にはもう

     かたち。どこ?

   いわば仮生。そこに、わたし

      あんた。その

    すべてを飲みつくしそうに、いっぱいに

     あれ。その

   いわば仮死。恍惚と?…まなざしに

      かたち。どれ?

    肥大化した燃えあがる太陽

     見ろよ。見ろよ

   それら


   それは、月

      あんた、どこ?

    落ちる!墜ちる!墮ち、ち、ち、ば?

     あれ、どこ?…だれ?

   ふるえ、綺羅。ゆらぎ

      おれ?…だれ?

    散る

     それ?…どれ?

   だからゆれ

      おれ、どこ?…だれ?

    落ち、墜ち、墮ち!ち!ちぃん…ば?

     あんた、いつ?

   月。さざなみに


   三月の、朝のみなもに見えていた

      だから

    肥大化した燃えあがる太陽

     それは——おれ?

   とけはじめ、もう、あの雪

      し、し、し、

    すべてを飲みつくしそうに、いっぱいに

     しかも猶、いまもすでにまばたきつづけるのだろう

   肌に。火照り、病んだにも似た

      わたしは——おれ?

    たぶん、見上げれば空にはもう

     だから

   微熱は


   朝に。それは月

      あったかあたっぽかりはじめた

    水たまり。群れ。無際限に

     すこやかな雪は

   ゆらぎ、ふるえた

      そんな、朝だから

    そんなに早く?

     そんな、朝だから

   だから、ゆれ

      すこやかな雪は

    なぜ?なぜ?ぜ、ぜ、ぜ、

     もう、かすかにあったかあたっ

   月。さざなみに


   あくまでも、だから、わたしが見た

      あったかあたっぽかりはじめた

    水たまり。群れ。無数に

     すこやかな氷は

   見蕩れ、それは、わたし

      そんな、朝だから

    そんなに早く?

     そんな、朝だから

   見つめ、わたしは、だから

      すこやかな氷は

    なぜ?なぜ?ぜ、ぜ、ぜ、

     あったかあたっぽかりはじめた

   息をのんだ


   殘像。すべてゆらぎ

      とけて、たまって

    ね?…ば?ね、ね、ね、

     沈まなかったそれは月。しろい、しろい、それは

   須臾に、すべもない

      うつしだすのは

    朝。もう、ね、雪の溶けかけた

     鬱死墮巢腦は

   生滅。すぐさまに

      す、す、ず、そ、

    それは、ね?

     溶解ですね

   反映。みなもに


   行きどまり。ゆらぎ、風?…ふいに

      わたしは——どれ?

    ね?…ば?ね、ね、ね、

     だから(らから

   ながれかけ、ながれ、ながれあぐねては

      しかも猶、いまもすでにまばたきつづけるのだろう

    朝。だから、ね、昨日の明日

     しかも猶、いまもんちぃい…

   ゆらぐだけ。ふるえ、ふるえ、たまり

      ららら

    それは、ね?

     わたしは——あーいー?

   それら


   ながれ、ながれ出し、とまり

      溶ける月

    ね?…ば?ね、ね、ね、

     溶け流れる、それは

   溶け、氷さえ、風に?…すべては

      なに?…どれ?

    朝。ね、昨日雪のふった

     なに?…どれ?

   水たまり。ささやかに、

      しろい、しろい、しろい、そ

    それは、ね?

     溶ける月んー…ね。ぼへっ

   それら


   路上。そのわたし

      やさしく、ね?

    死者ら。まざりあう

     そっと、ね

   まばたいた。それ、眼差しは

      そっと、ね

    孔ひらく

     そっと、ね

   目覚め。もう、綺羅。ひかり

      そっと、ね

    死者ら。それら

     やさしく、ね?

   それら


   まだはやい

      あんあん

    死者ら。とろけあう

     あんばぁ…

   眠り。だれもまだ、まだ、だから

      やさしく、ね?

    孔ひらく

     やさしく、ね?

   日差し。朝。溶け出し

      あんばぁ…

    死者ら。それら

     あんあん

   それら


   雪。あたたまり、すでに

      やさしくね、ね?

    目醒めていたのは

     こころ、ふれあれば

   消え去りはじめた。それは

      そっと、ね

    そこに、もう

     そっと、ね

   冬。散在。路のみなもに

      こころ、ふれあれば

    いつから?…ね、ね、ね

     やさしくね、ね?

   それら


   だから、あやうくて

      ぼぉんぼふ

    無防備に

     ひぃんばぁ…

   ただ儚すぎ

      やさしく、ね?

    そこに

     やさしく、ね?

   あからさまで

       ひぃんばぁ…

    いつから?…ね、ね、ね

     ぼぉんぼふ

   それらは月。あざやかに


   だから、ふるえ。それ

      ぼくらはいつか

    無造作に

     もちよって

   わなないたに似

      やさしさをそっと

    そこに

     やさしさをそっと

   だからゆれ

      もちよって

    いつから?…ね、ね、ね

     ぼくらはいつか

   月。さざなみに


   わらった?

      いつか、すべてを

    見つめていたよ

     だからぼへっ

   いま、きみの顏

      つつむのでしょう

    まばたきの須臾さえ

     つつむのでしょう

   もう、その口元も

      だからぼへっ

    きみを、見つめ

     いつか、すべてを

   わらってた?


   あきらかだった

      わらった?

    だから、ぼくは

     わらってくれたのかな?

   見ひらいた目には

      いま、きみは

    迷わず言葉をうしなったふりをして

     いま、きみは

   ほほ笑んだまま

      わらってくれたのかな?

    わかった?

     わらった?

   見られ、見つめられ


   だれ?

      そっと

    赤裸々な、やさしさ

     わらってくれたのかな?

   わたし?

      いま、きみは

    それ。…ひたすらな

     いま、きみは

   だれ?

      かなかなかな?

    きみに捧げた

     そっと

   それは


   あきらかだった

      すっげぇ、しあわせ

    ぼくの、やさしさ

     きみのほほ笑み状態なんで

   見ひらいた目には

      ぼくのしあわせ

    迷わずわれを忘れたふりをして

     ぼくのしあわせ

   ほほ笑まれたまま

      きみのほほ笑み状態なんで

    わかった?

     すっげぇ、しあわせ

   見い出し、見つめて


   だれ?

      わらった?

    赤裸々な、いつくしみ

     ぶちのめずぞタコ

   あなた?

      いま、きみは

    それ。…ひたすらな

     いま、きみは

   だれ?

      ぶちのめずぞタコ

    きみに捧げた

     わらった?

   それは


   想う、すべて

      こう、考えてみよう

    それら

     そのためにこそ生まれたと

   溶けてしまえ

      すべてはぼくらのしあわせのために

    やさしさもいつくしみも

     すべてはぼくらのしあわせのために

   雪らも。すべて

      そのためにこそ生まれたと

    踏みにじる

     こう、考えてみよう

   この時に


   思う、すべて

      こう、仮定してみよう

    きみは

     可能性たちなのだ、と

   溶けてしまえ

      すべてはぼくらのしあわせでありえる。そしてその

    迷いもなく

     すべてはぼくらのしあわせでありえる

   氷りらも。すべて

      ろ、ろ、ろ、

    ひたすらな残酷

     こう、仮定してみよう

   見つめられたうちに


   なにが?

      ほほ笑んでぶへっ

    息吹きさえ

     ほほ笑んでいてんぼへっ

   なにもかも

      いま、きみは

    兆しさえ

     いま

   なにも、もう

      ぶふほっ

    殘り香さえ

     ほほ笑んでぶへっ

   気配さえ


   見つめられたうちに

      だ、だ、だ、

    なにもかも

     こう、仮定してみよう

   氷りらも。すべて

      すべ

    残酷で

     すべてはぼくらのしあわせでありえる。そしてその

   溶けてしまえ

      こう、

    なにもかも

     可能性たちなのだ、と

   思う、すべて


   この時に

      そのためにこそ生まれたと

    殘り香さえ

     こう、こ、こ、こ、

   雪らも。すべて

      すべてはぼくらのしあわせのために

    兆しさえ

     すべてはぼくらのしあわせのために

   溶けてしまえ

      こう、考えてみよう

    息吹きさえ

     そのためにだけ?…だけ?

   想う、すべて


   それは

      やばっすてきすぎやばっ

    ひたすらな残酷

     わらった?

   だれ?

      いま、きみは

    迷いもなく

     いま、きみは

   あなた?

      わらった?

    きみは

     ぶっ

   だれ?


   見い出し、見つめて

      きみのほほ笑みだったりするかんじなんで

    踏みにじる

     すっげぇ、しあわせ

   ほほ笑まれたまま

      ぼくのしあわせ

    やさしさもいつくしみも

     ぼくのしあわせ

   見ひらいた目には

      すっげぇ、しあわせ

    それら

     きみのほほ笑みだけなかんじなんで

   あきらかだった


   それは

      ななななな

    きみに捧げた

     そっと

   だれ?

      いま、きみは

    それ。…ひたすらな

     いま、きみは

   わたし?

      そっと

    赤裸々な、いつくしみ

     わらってくれたのかなかなかな?

   だれ?


   見られ、見つめられ

      わらってくれたのかな?

    わかった?

     わらっ

   ほほ笑んだまま

      いま、きみは

    迷わずわれを忘れたふりをして

     いま、きみは

   見ひらいた目には

      わっ

    ぼくの、やさしさ

     わらってくれたのかな?

   あきらかだった


   かろうじて

      月の綺羅めく

    感じて、もう

     ほら、ゆらぎ

   わたしのほほ笑み

      その蝕に

    赤裸々に

     その蝕に

   かろうじて

      ほら、ゆらぎ

    感じつづけて

     月の綺羅めく

   わたしの息遣い


   かろうじて

      月の綺羅めく

    目が眩むほど

     いま、きれい

   まだ、わたしたち

      その蝕に

    肌が燃えるほど

     その蝕に

   殘存のうちに

      いま、きれい

    砕け散るほど

     月の綺羅めく

   だから、いま













Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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