流波 rūpa ……詩と小説144・流波 rūpa;月。ガンダルヴァの城に、月 ver.1.01 //亂聲;偈51
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
あるいは、
≪流沙≫。できない
あなたのその数年の
目の前に顯らわれていなかった不在
それを語ることなど
≪流沙≫。できない
語り得るものに仮構しての
不在。それを語るさえも、不在
それこそ語ろうとはするけれど
如何に語られるべきだろう?…それら
一方的な願望ではなく
待ち焦がれでもなく
想像、懐古、妄想でもなく
≪流沙≫。できない
その不在など語るぃわたっ。…すぃの
言葉は饒舌。しかもそのままに
饒舌。あふれ、あふれ出るまま≪流沙≫。それが≪流沙≫。まさに≪流沙≫になりおおせた≪流沙≫…本当?あるいは≪流沙≫になって仕舞った?しまっ仕舞った≪流沙≫?または≪流沙≫。いまだ≪流沙≫ならざる≪流沙≫。すでに≪流沙≫ならざる、…あるいは≪流沙≫たり得ない、あるいは≪流沙≫であることをやめて仕舞っていた≪流沙≫。その≪流沙≫。それら≪流沙≫。≪流沙≫。流れる沙。≪流沙≫。時に思うのだが群れ。これら言葉。それらの群れ。むれ。言葉すなわち意識、群れ。むれ。意識すなわち言葉、群れ。むれ。…と、…なに?謂うこの不可分は事実?事実、わたしにすくなくともその内省においては事実らしく事実?事実、思われたのだが、群れ。むれ。結局は仮りにここに肉体を置いた場合、群れ。むれ。爪の爪たる可能性に事実?事実、ひとしい、単なる肉体的事象のひとつという地位こそがせめて赦された妥当な地位?事実?事実、そうなのではないか。たとえば宇宙の地図を作った場合、地球が中心になるべくもない事実などすでに当たり前に推察されていながらも地球。そのたとえばある観測所を中心に描き出す以外にすべがない、だからそんな必然。その必然のなかに群れ。むれ。意識=言葉は肉体の爪。その戯れ如き肉体の戯れ。そのひとつに過ぎないと、見切ってしまえる余地は意識=言葉に赦されてはいない。とまれ≪流沙≫。かれに対して向けられた凡庸という形姿に、わたしがこころに容赦ないいたましさを感じつづけていたのはついに、ひとつにはわたしの≪流沙≫。かれをこそ愛…それ。それをこそ愛すべきひととして精神の、または肉体の兩面において愛。愛して仕舞った愛。事実のせい、事実?事実、愛するとき、愛されるものは愛するものにとって、容赦なく際立った傷、傷み、それ以外には愛。有り得無いのだ、…ということ。ふたつめには、やはりあのもはや神話的な一家惨殺事件の中心にいてしかもその事象に奇妙にきみだけ。迂回されて仕舞ったきみだけ。その取り殘されたひとととしてのかれ。きみだけ。事実?事実、そのあまりの特異性に依ると、…≪流沙≫。
さらさららっ…?
流れる
その音さえも
砂。るっ
聞けないんだね?
≪流沙≫はむしろ雪崩れるように、不意にその身をわたしに預けて…熱?と。その、八月、それは夏の、八月。再会の≪流沙≫。だから十九歳。たぶん、いわゆるSNSのいまだったらわたしたちの再会は、SNS?その気になって探しだそうとすればSNS?その可視的な国家的強制の仮死的な埒外のしかも留保無き個人情報開陳のいわば戸籍謄本。…存在痕跡の開示。…明示。現存そのもの?それらに依るかも知れない。だから、…あ。これは≪流沙≫。…あ。ここに≪流沙≫。再会は…あ。液晶画面の表面、背後に…あ。コンピューター言語の群れを…あ。ひろげて…あ。これは≪流沙≫。…あ。ここに≪流沙≫。…あくまで、そのようにしてなしとげられたはずだったものの、だからその九十三年。…あ。これは≪流沙≫。…あ。ここに≪流沙≫。それは…あ。いま、ウィキぺディアに賴れば当時の皇太子とのちの令和の皇后とが結婚した六月を以て…あ。これは≪流沙≫。…あ。ここに≪流沙≫。記憶さ…あ。れるべき年?それは偶然。ふいに、…あ。渋谷で、その…あ。公園通りで、≪流沙≫。
わたしはとおりすがりにその凡庸な、誰の眼にとっても凡庸で際立ちのない群れ。むれ。群れ。それらひと、ひと、ひとら群れ≪流沙≫はだから、ただわたしの群れ。むれ。眼差しの群れ。むれ。群れ。それらひと、ひと、ひとら群れ中にだけ群れ。むれ。あきらかに群れ。むれ。群れ。それらひと、ひと、ひとら群れ≪流沙≫というすさまじい群れ。むれ。際立ちを群れ。むれ。群れ。それらひと、ひと、ひとら群れ≪流沙≫…と。
なぜ?
そのひとこがわたしの喉に…あ。こぼれだした瞬間にひるがえったかのようにむしろ…あ。飛來したそれは…あ。赤裸々な…あ。喪失感。…あれ?と。
「雅雪じゃん」
こともなげにそこに、その≪流沙≫はわたしのためにだけそこにほほ笑みはじめていたのだった。謂く、
誤解しないで
…しないでいいよ
≪流沙≫。ほら
≪流沙≫。あなたは
≪流沙≫。あなたが
≪流沙≫。ほら
…しないでいいよ
誤解しないで
あるいはむしろあなたをだけを?
≪流沙≫。きみを。きみだけを
さがしつづけてた
そうとでも?≪流沙≫
誤解しないで
…しないでいいよ
≪流沙≫。ほら
≪流沙≫。あなたは
≪流沙≫。あなたが
≪流沙≫。ほら
…しないでいいよ
誤解しないで
あるいはむしろあなたをだけを?
≪流沙≫。きみを。きみだけを
もとめつづけてた
そうとでも?≪流沙≫
誤解しないで
…しないでいいよ
≪流沙≫。ほら
≪流沙≫。あなたは
≪流沙≫。あなたが
≪流沙≫。ほら
…しないでいいよ
誤解しないで
あるいはむしろあなたをだけを?
≪流沙≫。きみを。きみだけを
おもいつづけてた
そうとでも?≪流沙≫
誤解しないで
…しないでいいよ
≪流沙≫。ほら
≪流沙≫。あなたは
≪流沙≫。あなたが
≪流沙≫。ほら
…しないでいいよ
誤解しないで
あるいはむしろあなたをだけを?
≪流沙≫。きみを。きみだけを
かなしみつづけてた
そうとでも?≪流沙≫
苦しかったよ。ぼく。…ぼくは
耐えられなくて
どうしもなくて
痛かったんだ
…ささげようか?≪流沙≫
≪流沙≫。そのひびきに
さげようか?いつでも
ひびき。こんなひびきを
むなしかったよ。ぼく。…ぼくは
いたたまれなくて
こころが重くて
なにも、なにももう樂しくないんだ
ささげようか?≪流沙≫
≪流沙≫。そのひびきに
さげようか?いつでも
ひびき。こんなひびきを
燃え上がるんだよ。ぼく。…ぼくは
もう、ぜんぶせつなくて
せつなすぎすぎて
叫ぶことさえ不可能で
ささげようか?≪流沙≫
≪流沙≫。あなたに
こんなふうに
どんなふうに?
雪。だから雪
雪を。それら雪
≪流沙≫。あの偶然にも
わたしたちの再会にも
雪。だから雪
雪を。それら雪
あらゆるすべてにも
すべての事象のすべてにさえも
わたしは雪をささげるのだった
ひらひらと、ゆき
降るそれら。ゆき
雪ら。ゆき。雪ら
そのはかなさをきみに捧げた
そして掠め取る
ぼくは盗んだ。ゆきら
きみのゆき。雪ら
あなたに告げたひと言も
奪い去り、ぼくは
こころのなかに
そのななめのどこか
ささげよう?≪流沙≫
≪流沙≫。あなたに
雪。だからゆき
ゆきを。それらのゆきを
ゆき。≪流沙≫。ほら
ゆびの温度にも
≪流沙≫。音もなく
ゆき。とけてゆき
ゆき。≪流沙≫。ほら
とけたしずくにも
≪流沙≫。すべもなく
ゆき。とけてゆき
ゆき。≪流沙≫。ほら
ほほのうぶ毛にも
≪流沙≫。須臾もなく
ゆきはとけてゆき
いま、≪流沙≫
…すこし、遠く
遠い海にも
≪流沙≫。それら、ゆき
ゆきたち、白
しずかの海さえゆき。そのしろ
しろく冴えゆきそのしろいしろ
ゆきたち、白
≪流沙≫。それら、ゆき
遠い海にも
…すこし、遠く
いま、≪流沙≫
ゆき。とけてゆき
≪流沙≫。須臾もなく
ほほのうぶ毛にも
ゆき。≪流沙≫。ほら
ゆき。とけてゆき
≪流沙≫。すべもなく
とけたしずくにも
ゆき。≪流沙≫。ほら
ゆき。とけてゆき
≪流沙≫。音もなく
ゆびの温度にも
ゆき。≪流沙≫。ほら
すなわちなつかしかった、と?その灼熱。だから夏の久しぶりの再会。その灼熱。だから八月のその日。そのとき。その須臾。しかも灼熱。正午の?たしか、あくまでも≪流沙≫。なつかしかった、と?不穏だった。むしろ。≪流沙≫。懐疑した。ただ、肌には息吹き。息吹く、息吹きら息吹き。息吹きつづけそれら、光り。だから灼熱。夏の…なぜ?夏の≪流沙≫。だから≪流沙≫。その≪流沙≫。理解しがたかった。なぜその≪流沙≫。再会の≪流沙≫。かれはこんなにも、なぜ?≪流沙≫。その再会の≪流沙≫。ほほ笑めたのだろうだろう?その≪流沙≫。再会の≪流沙≫。あまりにも、あまりにも≪流沙≫。ふたたびの≪流沙≫。容赦なくもう、ただ赤裸々にほほ笑み、笑み、ほほ笑めたのだろう?あなたは、≪流沙≫。その再会の≪流沙≫。そしてわたしも?たしかにわたし。その再会のわたし。わたしも、…≪流沙≫。かさねて謂く、
誤解しないで
ほほ笑み
まるで、…それは
笑み
…しないでいいよ
こぼれそうな
まさに、…まるで
こぼれそうな
≪流沙≫。ほら
笑み
そこにぱっくり
ほほ笑み
≪流沙≫。あなたは
≪流沙≫。あなたが
あけすけな
ひらいた傷
笑み
≪流沙≫。ほら
翳りのない
唐突な傷
翳りのない
…しないでいいよ
笑み
きみは、…≪流沙≫
あけすけな
誤解しないで
あるいはむしろあなたをだけを?
誤解しないで
ね?…≪流沙≫
笑みという失語
≪流沙≫。きみを。きみだけを
失語。それは
聞こえてる?ほら
失語。それは
さがしつづけてた
笑みという失語
これは言葉。ぼくの…
誤解しないで
そうとでも?≪流沙≫
誤解しないで
笑い聲
まるで、…それは
聲
…しないでいいよ
邪気もない
まさに、…まるで
邪気もない
≪流沙≫。ほら
聲
そこにざっくり
笑い聲
≪流沙≫。あなたは
≪流沙≫。あなたが
こころの襞など
ひらいた傷み
笑い
≪流沙≫。ほら
なにもない
不意打ちに、傷み
なにもない
…しないでいいよ
笑い
きみは、…≪流沙≫
こころの襞など
誤解しないで
あるいはむしろあなたをだけを?
誤解しないで
まるで、…それは
笑うという失語
≪流沙≫。きみを。きみだけを
失語。それは
まさに、…まるで
失語。それは
もとめつづけてた
笑うという失語
そこにいきなり
誤解しないで
そうとでも?≪流沙≫
誤解しないで
ささやき
ひらいてた傷孔
ささっ
…しないでいいよ
やや口早やな
ふかすぎた孔
やや口早やな
≪流沙≫。ほら
ささっ
きみは、…≪流沙≫
ささやき
≪流沙≫。あなたは
≪流沙≫。あなたが
無防備なくらいに
まるで、…それは
ささっ
≪流沙≫。ほら
饒舌。…バカ?
ふかすぎた孔
饒舌。…バカ?
…しないでいいよ
ささっ
きみは、…≪流沙≫
無防備なくらいに
誤解しないで
あるいはむしろあなたをだけを?
誤解しないで
まるで、…それは
ささやきという失語
≪流沙≫。きみを。きみだけを
失語。それは
まさに、…まるで
失語。それは
おもいつづけてた
ささやきという失語
そこにあんぐり
誤解しないで
そうとでも?≪流沙≫
誤解しないで
ふれた。思わず
ひらいてた陥没
ゆび
…しないでいいよ
その二の腕
のみこむ昏み
その二の腕
≪流沙≫。ほら
ゆび
きみは、…≪流沙≫
ふれた。思わず
≪流沙≫。あなたは
≪流沙≫。あなたが
肩に。…わたし?
なにができたの?失語
ゆびさき
≪流沙≫。ほら
あなたも?
それ以外。失語
あなたも?
…しないでいいよ
ゆびさき
わたしは、ただ
肩に。…わたし?
誤解しないで
あるいはむしろあなたをだけを?
誤解しないで
ただの失語。もう
接触という失語
≪流沙≫。きみを。きみだけを
失語。それは
それ以外。失語
失語。それは
かなしみつづけてた
接触という失語
なにができたの?失語
誤解しないで
そうとでも?≪流沙≫
苦しかったよ。ぼく。…ぼくは
ぼくはいま、なにを?
きみは、…≪流沙≫
≪流沙≫。この口、なにを?
耐えられなくて
なにを話しているのだろう?
のみこむ昏み
なにを話しているのだろう?
どうしもなくて
≪流沙≫。この口、なにを?
ひらいてた陥没
ぼくはいま、なにを?
痛かったんだ
…ささげようか?≪流沙≫
ふいに吹き出して
そこにあんぐり
なに?
≪流沙≫。そのひびきに
バカみたい
まさに、…まるで
バカみたい
さげようか?いつでも
なに?
まるで、…それは
ふいに吹き出して
ひびき。こんなひびきを
むなしかったよ。ぼく。…ぼくは
な、おもしろいの?
きみは、…≪流沙≫
いま、なに?
いたたまれなくて
なに?…ね?
ふかすぎた孔
なに?…ね?
こころが重くて
いま、なに?
ひらいてた傷孔
な、おもしろいの?
なにも、なにももう樂しくないんだ
ささげようか?≪流沙≫
誤解しないで
そこにいきなり
わたしたちは失語
≪流沙≫。そのひびきに
失語。それは
まさに、…まるで
失語。それは
さげようか?いつでも
わたしたちは失語
まるで、…それは
誤解しないで
ひびき。こんなひびきを
燃え上がるんだよ。ぼく。…ぼくは
ぼくはいま、なにを?
きみは、…≪流沙≫
≪流沙≫。この口、なにを?
もう、ぜんぶせつなくて
なにを話しているのだろう?
不意打ちに、傷み
なにを話しているのだろう?
せつなすぎすぎて
≪流沙≫。この口、なにを?
ひらいた傷み
ぼくはいま、なにを?
叫ぶことさえ不可能で
ささげようか?≪流沙≫
誤解しないで
そこにざっくり
わたしたちは失語
≪流沙≫。あなたに
失語。それは
まさに、…まるで
失語。それは
こんなふうに
わたしたちは失語
まるで、…それは
誤解しないで
どんなふうに?
雪。だから雪
すくなくとも、わたしは
これは言葉。ぼくの…
あなたは?…≪流沙≫
雪を。それら雪
きみは?…ね?
聞こえてる?ほら
きみは?…ね?
≪流沙≫。あの偶然にも
だよね?…≪流沙≫
ね?…≪流沙≫
すくなくとも、わたしは
わたしたちの再会にも
雪。だから雪
流れ落ち、墮ちて
きみは、…≪流沙≫
くずれ落ち、墮ちて
雪を。それら雪
消え失せて仕舞っていたんじゃなくて?
唐突な傷
消え失せて仕舞っていたんじゃなくて?
あらゆるすべてにも
くずれ落ち、墮ちて
ひらいた傷
流れ落ち、墮ちて
すべての事象のすべてにさえも
わたしは雪をささげるのだった
だよね?…≪流沙≫
そこにぱっくり
すくなくとも、わたしは
ひらひらと、ゆき
きみは?…ね?
まさに、…まるで
きみは?…ね?
降るそれら。ゆき
すくなくとも、わたしは
まるで、…それは
あなたは?…≪流沙≫
雪ら。ゆき。雪ら
そのはかなさをきみに捧げた
わたしたちは失語
焰のように
誤解しないで
そして掠め取る
失語。それは
苛烈な焰
失語。それは
ぼくは盗んだ。ゆきら
誤解しないで
焰のように
わたしたちは失語
きみのゆき。雪ら
あなたに告げたひと言も
≪流沙≫。この口、なにを?
こわして。≪流沙≫
ぼくはいま、なにを?
奪い去り、ぼくは
なにを話しているのだろう?
とかして。いま、もう
なにを話しているのだろう?
こころのなかに
ぼくはいま、なにを?
≪流沙≫。こわして
≪流沙≫。この口、なにを?
そのななめのどこか
ささげよう?≪流沙≫
わたしたちは失語
焰のように
誤解しないで
≪流沙≫。あなたに
失語。それは
苛酷な焰
失語。それは
雪。だからゆき
誤解しないで
焰のように
わたしたちは失語
ゆきを。それらのゆきを
ゆき。≪流沙≫。ほら
どこ…ね?
ふり、ふり舞い、ふり
ね。ね、どこ?
ゆびの温度にも
…ど。…ど
ふららっと。ふらっ
…ど。…ど
≪流沙≫。音もなく
ね。ね、どこ?
ふり、舞い、ふり舞い
どこ…ね?
ゆき。とけてゆき
ゆき。≪流沙≫。ほら
…ね。どこ?
ふららっと。ゆき
ね。ね。ね
とけたしずくにも
ここ…ね?…どぅ
ゆきら。ゆき。ふらっ
ここ…ね?…どぅ
≪流沙≫。すべもなく
ね。ね。ね
ふららっと。ゆき
…ね。どこ?
ゆき。とけてゆき
ゆき。≪流沙≫。ほら
だれ…ね?
ふり、ふり舞い、ふり
ね。ね、だれ?
ほほのうぶ毛にも
…らっ。…るぁっ
ふるるっと。ふるっ
…らっ。…るぁっ
≪流沙≫。須臾もなく
ね。ね、だれ?
ふり、舞い、ふり舞い
だれ…ね?
ゆきはとけてゆき
いま、≪流沙≫
…ね。だれ?
ふるるっと。ゆき
…すこし、遠く
これ…ぅらっ?…ぅあっ
ゆきら。ゆき。ふるっ
これ…ぅらっ?…ぅあっ
遠い海にも
ふるるっと。ゆき
…ね。だれ?
≪流沙≫。それら、ゆき
ゆきたち、白
ぃうっ。…ぃ…ぃ
ふらら、ふ、ふうるっ
ゅうっ。…ぃ…ぃ
しずかの海さえゆき。そのしろ
ぃいぅっ。…いっ
ふぁう…ぃう…ふ、ふうるっ
ぃいぅっ。…いっ
しろく冴えゆきそのしろいしろ
ゅうっ。…ぃ…ぃ
ふうる、ふ、ふうろぃ
ぃうっ。…ぃ…ぃ
ゆきたち、白
≪流沙≫。それら、ゆき
ね。ね。ね
ふろろっと。ゆき
…ね。なに?
遠い海にも
その…ね?…りぃあっ
ゆきら。ゆき。ふろっ
その…ね?…りぃあっ
…すこし、遠く
…ね。なに?
ふろろっと。ゆき
ね。ね。ね
いま、≪流沙≫
ゆき。とけてゆき
ね。ね、なに?
ふり、舞い、ふり舞い
なに…ね?
≪流沙≫。須臾もなく
…ぬぁっ。…ぃあっ
ふろろっと。ふろっ
…ぬぁっ。…ぃあっ
ほほのうぶ毛にも
なに…ね?
ふり、ふり舞い、ふり
ね。ね、なに?
ゆき。≪流沙≫。ほら
ゆき。とけてゆき
ね。ね。ね
ふうるっと。ゆき
…ね。いつ?
≪流沙≫。すべもなく
いま…ね?…ゆぃっ
ゆきら。ゆき。ふぁうっ
いま…ね?…ゆぃっ
とけたしずくにも
…ね。いつ?
ふうるっと。ゆき
ね。ね。ね
ゆき。≪流沙≫。ほら
ゆき。とけてゆき
ね。ね、いつ?
ふり、舞い、ふり舞い
いつ…ね?
≪流沙≫。音もなく
…ぅいっ。…いっ
ふうるっと。ふぁうっ
…ぅいっ。…いっ
ゆびの温度にも
いつ…ね?
ふり、ふり舞い、ふり
ね。ね、いつ?
ゆき。≪流沙≫。ほら
顏面をわたしの手のひらに捉まれて、そして頸だけはのけぞるように。水平に伸びたのはその背。瘠せた、繊細な筋肉。その息吹き。まだ淺い夜の、しかもふかい翳りはもはやその半面の傷痕と變形を曖昧な翳りとしてこそ取り込んで仕舞う。突き出されるように尻。まるでおねだりをしているように?肛門、ひらいた?そして、まっすぐに、やや開かれたひらかれた股につっぱった必死の兩足。倒れたりしないように?あるいは、床にすがる足の裏は引き攣けの痛みに噎せ、指の曲げられた先は、震えてさえいただろうか?沙羅。手のひらが沙羅の、捉まれたそこの息遣いに息のあたたかさと唾液のにじみの触感を、…鼻血も?感じさせられつづけていた。ただ、あけすけに。なぜ?しかも刈り上げられた髮の黑。光擇?…光源をあかしはしない光りに、だから白濁のこまやかな綺羅を橫溢させ、沙羅。
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