流波 rūpa ……詩と小説138・流波 rūpa;月。ガンダルヴァの城に、月 ver.1.01 //亂聲;偈45
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
あるいは、
ひとびとは静かに
ささやいた
もう、すでに
まぼろしの天才が
目覚めていたから
ひとびとの耳の
かたわら。目覚た
ひとびとの目の
すれすれの前に
隠された姿
いつも、すでに
その稀れに稀れなる天才は
ささやいたから
ひとびとの耳の
かたわら。目覚た
ひとびとの目にはその瑠璃。いま、わたしの想起する瑠璃はその瑠璃、もう、だからいっぱいに淚を兩眼にためてふるわせて瑠璃。「やめようよ、もう」と、それは≪流沙≫。そう名づけられた曲。そもそも曲のタイトルにすぎなかったものが≪流沙≫というアーティスト名と…知っていた。誰もが誤解されはじめ、みんな…知っていた。それが楓の、あの破滅したかつての美少年…少女?の、いまのすがたに鳴らされた曲だと、そう誰もがそれがタイトルにすぎないと知っていながらもすでに…知っていた。それがあの悲劇的な「もう、…さ。も、」楓の曲だと、そう誰もがもはや
とけています
わたしは結晶
忘れはじめて、急激に、しかもその
ほんのすこし
雪の結晶
楓など完全に離れはじめ、慥かに
あたたまって、…さ
野犬のうえに
捨て置き、…知っていた。とり殘し、それがあの
とはじめようとしています
白い花
悲劇的なふたり組のかたほうの、更にも悲劇的な「ん、も、も、…」楓の曲だと、そう誰もがむしろひとつの≪流沙≫という実体。その実体。ある存在。それは≪流沙≫…だれ?まさにひとつの…どこ?人格として…どんな?それぞれのその…いつ?微弱音の「んぁん、あ、や、…」かさなりを聞き取る耳にだから顯らわれ。すがたを顯らわし、顯らわれ。完璧にだれも見たことのないすがたをだれも見とりもせずに顯らわれ。匂われ、顯らわれ。感じられ、きざされ、そのすがたをきざし、「も、ん、ぅん、…」≪流沙≫。その顯らわれ。その孔ひらく孔に吐かれた息吹きさえも想いえがかれ…がぇっ、聴き取られ…るきぃっ、感じ取られはじめ…がんっ、て、——生存。十年近く「んぁやんっ…」たっていた。もう、だから、もう、わたしは…だれ?三十も半ばになって…いつ?いた。それは、…なぜ?もう、
「やめない?もう、…」ささやき。こぼれそうな
泣き叫ぶように
しずかに、わたしは
淚。その綺羅のこぼれおちない淚。双渺の瑠璃も、だからこぼれる寸前の淚。それらすべてはたぶん〇九年くらい?…いつ?
泣きわめくように
沸騰中です
〇八?…だれ?一〇?…なぜ?〇七?…どこ?一一?…ね?何年?
「これってなんか、詐欺じゃない?」
「なんで?」それはだからただひたすらに赤裸々なそと。…の、赤裸々な光り。…ら、を、やさしく。かぎりもなくやさしくあわく。かぎりもなくあわくに変換し、明るい、…よね?ビラ・ビアンカのレースの…ね?カーテンごしの…よね?「なんで、やめたいの?…≪流沙≫」
「だってさ、もう、」
咬みかけ
青いのだった
「みんな聞いてる…でもね?」
「あれは、もうわたしたちの」
咬み、かっ
ひたすらに、しかも
「みんな、聞きながら、そして」
「わたしたちの手にあまる、…ね?」
くちびる、あー…
しらむのだった
「自分たちそれぞれの」
「なんか、もう」
咬みかっ。んかっ
霞みをいっぱい
「風景?…それぞれに」
「町で、いやでも聞くじゃない?カフェとか?…」
ほじりかけ
いっぱい散らして
「固有の風景を、」
「服、買いに行ったりとか?」
ほじりぃんっ…ぃんっ…
だから空
「いいらしいいぜ。メディテーションに。しかも」
「…ね?やめない?もう」
花糞、ん。ばーっ
それは空
「予言の音楽らしい。人類滅亡の」
「なんか、あれ、もう」
ほぃじんっ…んじんっ
いま、ぼくたちは
「あれ、フリーメーソンの仕掛けた洗脳音楽だろ?」
「怪物。もう、なんか」
削ぎかけ
せめて
「ユダヤか?ロスチャイルド家だっけ?かつ」
「見ず知らずの、でも」
すぉうぃんっ…
窓枠のなかに
「ヨーガと≪流沙≫でヘルシー・ボディ・メイク」
「わたしの体の中に巢喰ってるの」
くすり指、ぅるぃー
抉り取らないか?
「アクアの時代の宇宙意識とシンクロ?」
「きもい」
「お前より?」と、わたしは云って、ふたたびその頬を殴打した。謂く、
怖かったんだ
なにもかも
だから、わたしは
そっと思った
あなたを。≪流沙≫
そのひびきに
そのすがた。≪流沙≫
あなたのほほ笑み
滑稽だった
称賛も
だから、わたしは
そっと描いた
あなたを。≪流沙≫
そのひびきに
そのまなざし。≪流沙≫
あなたのいらだち
不安だった
すれ違うひとも
だから、わたしは
そっと口にした
あなたを。≪流沙≫
そのひびきに
そう呼んで、≪流沙≫
あなたの淚を
そばに感じた
肌のそば
そばに見ていた
だから、虛空に
あえて、なんども
きみを思った
しかも、繰り返し
そう呼んでみた
≪流沙≫と、そっと
あなたのことを
こころのなかに
あなたの記憶を
不当な名前は
似合わない
あなたには
そのひびきは
必要だった
わたしのために
あなたこそが
そのひびきには
不当な名前は
ひとびとの口に
ささやかれた
耳を覆った
あなたを思った
不当なひびきに
≪流沙≫。それは
あなたの名だから
だから≪流沙≫
あなたは≪流沙≫
流れる砂ら
砂ら、こぼれた
だから≪流沙≫
あなたは≪流沙≫
流れる砂ら
砂ら光った
青い夜にも
澄むみなもにも
一音さえも
鳴らさなかった
≪流沙≫。流れて
流れて≪流沙≫
綺羅らぎ≪流沙≫
≪流沙≫。消えゆき
鳴らさなかった
一音さえも
澄むみなもにも
青い夜にも
砂ら光った
流れる砂ら
あなたは≪流沙≫
だから≪流沙≫
砂ら、こぼれた
流れる砂ら
あなたは≪流沙≫
だから≪流沙≫
あなたの名だから
≪流沙≫。それは
不当なひびきに
あなたを思った
耳を覆った
ささやかれた
ひとびとの口に
不当な名前は
そのひびきには
あなたこそが
わたしのために
必要だった
そのひびきは
あなたには
似合わない
不当な名前は
あなたの記憶を
こころのなかに
あなたのことを
≪流沙≫と、そっと
そう呼んでみた
しかも、繰り返し
きみを思った
あえて、なんども
だから、虛空に
そばに見ていた
肌のそば
そばに感じた
あなたの淚を
そう呼んで、≪流沙≫
そのひびきに
あなたを。≪流沙≫
そっと口にした
だから、わたしは
すれ違うひとも
不安だった
あなたのいらだち
そのまなざし。≪流沙≫
そのひびきに
あなたを。≪流沙≫
そっと描いた
だから、わたしは
称賛も
滑稽だった
あなたのほほ笑み
そのすがた。≪流沙≫
そのひびきに
あなたを。≪流沙≫
そっと思った
だから、わたしは
なにもかも
怖かったんだ
すなわちスタンディング・オベーション?…まさか。そんなもの、≪流沙≫。あなたに、かれに、楓に?だれに?…似合わない。たしかに熱狂。しかも没頭。しかも称賛。だから偶像。しかし、それはむしろしずかにひろがり、ひろがりしずかに、しずかにひろがりわたって仕舞うものだったから。ふと気づけば、≪流沙≫。あなたが、かれが、楓が?だれが?…そばにいてそっと、ほほ笑んでいてくれた、と。そんな熱狂。すずかな熱狂。しかも、もう引き戾れさえ、…せされ?…させられ?…せらさせ?…らせられ?…できなかった。かさねて謂く、
怖かったんだ
どんなふうにコミュニケーション…
あなたが
最初は、戸惑いました、…とまっ
なにもかも
かれと?…でも
怖かった
かれ、と、は…
だから、わたしは
最初は、戸惑いました、…ともだち
瑠璃。もう
どんなふっ
そっと思った
あなたを。≪流沙≫
ピアノの子、ですけど
咀嚼したひと
もう、いまは
そのひびきに
紹介された最初、でも
飲み込んだひと
はじめて会ったとき
そのすがた。≪流沙≫
でもね、もう
飲み込まれたひと
パートナーの…
あなたのほほ笑み
滑稽だった
なんか解るんですよ
流れ
その気持ちも
称賛も
かれの思いも
流れて
なんとなく
だから、わたしは
なんとなく、ですけど
流れ落ちる砂
なんか解るんですよ
そっと描いた
あなたを。≪流沙≫
すでに≪流沙≫は
あなたが
求められてんじゃん
そのひびきに
あなたのもの。瑠璃
滑稽だった
だって、さ…
そのまなざし。≪流沙≫
≪流沙≫。かれのその成功は
瑠璃。もう
新曲、やらない?…そろそろ
あなたのいらだち
不安だった
あなただけのもの
陶酔したひと
好きなんだよね。…共同作業
すれ違うひとも
瑠璃。ひたすらに、瑠璃
思いあがったひと
わたしも、さ…もちろん
だから、わたしは
好きなんだよね。…共同作業
飲み込まれたひと
待ってるよ。みんな
そっと口にした
あなたを。≪流沙≫
≪流沙≫。かれのその成功は
流れ
やらない?…つぎ
そのひびきに
あなたのもの。瑠璃
流れて
共同作業?…意外に息あって
そう呼んで、≪流沙≫
だから≪流沙≫は
流れ落ちる砂
意外に、さ。あんたとの
あなたの淚を
そばに感じた
願った。そのまま
あなたが
そこで、願った
肌のそば
すみやかな忘却
不安だった
すみやかな忘却
そばに見ていた
そこで、願った
瑠璃。もう
願った。そのまま
だから、虛空に
あえて、なんども
かれ、いま、体調とかは…
壊れかけたひと
ごめんなさい。それ
きみを思った
かれ?…ただ
転げ落ちるべきひと
かれ、は、でも…
しかも、繰り返し
ごめんなさい。それ
飲み込まれたひと
かれ、いま、体調とかは…
そう呼んでみた
≪流沙≫と、そっと
そっとしておいてあげてください
流れ
いま、しあわせだと想う
あなたのことを
でも、ね?
流れて
だから、きっと
こころのなかに
でもね、もう
流れ落ちる砂
ときどきね、いまも…
あなたの記憶を
不当な名前は
ふつうのかたちじゃないけど
不意の成功と称賛に
笑ってくれてる気がするとき、とか?
似合わない
やっと、落ち着けたのかな?
とまどいなど、須臾
気配で、…ね?
あなたには
で、あって、ほしいですよ、ね?
あなたは、…瑠璃
ふつうのかたちじゃないけど
そのひびきは
必要だった
すでに≪流沙≫は
…もう、感じてた
≪流沙≫。かれのその成功は
わたしのために
あなたのもの。瑠璃
稀れなる天才
乘り気じゃない感じだ
あなたこそが
へそ曲げんなよ
その稀れな協力者
まだ?…なに、ね
そのひびきには
不当な名前は
あなただけのもの
…もう、感じてた
追い求めていた
ひとびとの口に
瑠璃。ひたすらに、瑠璃
稀なる奇蹟
わたしも、さ…もちろん
ささやかれた
楽しいじゃん。なんか
その稀れな代弁者
待ってるよ。みんな
耳を覆った
あなたを思った
≪流沙≫。かれのその成功は
かれについて
楽しいでしょ?実はあんたも
不当なひびきに
あなたのもの。瑠璃
ごまかすたびに
共同作業?…やってると、さ
≪流沙≫。それは
だから≪流沙≫は
あなたは、瑠璃
じゃない?一緒に
あなたの名だから
だから≪流沙≫
呪わしかった。実は、ね
…もう、感じてた
軽蔑してた…
あなたは≪流沙≫
瑠璃。きみが
たしかな息吹きを
瑠璃。きみが
流れる砂ら
軽蔑してた…
不在のひとの
呪わしかった。実は、ね
砂ら、こぼれた
だから≪流沙≫
かれの曲を聞いてくれてるみなさんに…
…もう、感じてた
だから、…もう
あなたは≪流沙≫
ない、…です
その体温さえ
祈りの音楽だと思う…
流れる砂ら
だって、それ…そういうの
不在のひとの
かれの曲を聞いてくれてるみなさんに…
砂ら光った
青い夜にも
みんなのものだと思います
…もう、感じてた
それぞれの、ね?
澄むみなもにも
だから、ね?
かれのこころも
すべてのひとたち、かれら
一音さえも
だれよりも悲しんで
その鼓動さえも
かれの音楽を聞いてくれる…くれた、くれてる
鳴らさなかった
≪流沙≫。流れて
だれよりも傷ついて、でも
砂らさらさら
願いの音楽。…なの、かな?
流れて≪流沙≫
でもね、いつか、見えるんだよ。って?
ささらら砂ら
願ってると思う。…かれ
綺羅らぎ≪流沙≫
そんな風景であってほしい、かな?
砂らさらさら
きれいな風景、見てねって
≪流沙≫。消えゆき
鳴らさなかった
すでに≪流沙≫は
その鼓動さえも
インタヴュー、受けてみ?
一音さえも
あなたのもの。瑠璃
かれのこころも
わかるよ。あんたも
澄むみなもにも
≪流沙≫。かれのその成功は
…もう、感じてた
求められてる感じ
青い夜にも
砂ら光った
あなただけのもの
不在のひとの
なに?救済の音楽、かな?…って、なに?
流れる砂ら
瑠璃。ひたすらに、瑠璃
その体温さえ
ほしいんだよ。やっぱ
あなたは≪流沙≫
追い求めていた
…もう、感じてた
なんか、さ
だから≪流沙≫
砂ら、こぼれた
≪流沙≫。かれのその成功は
不在のひとの
たとえそういうのだったとしても、…さ
流れる砂ら
あなたのもの。瑠璃
たしかな息吹きを
自分より?…更に下層?
あなたは≪流沙≫
だから≪流沙≫は
…もう、感じてた
ま。…悲惨なやつ、いるんだっていう?
だから≪流沙≫
あなたの名だから
ぼくたちは
あなたは、瑠璃
怪物の息吹くのを見ていた
≪流沙≫。それは
瑠璃。むしろ琥珀いろの虹彩。瑠璃
ごまかすたびに
瑠璃。むしろ琥珀いろの虹彩。瑠璃
不当なひびきに
怪物の息吹くのを見ていた
かれについて
ぼくたちは
あなたを思った
耳を覆った
ぼくたちは
その稀れな代弁者
怪物を生まさせられた?
ささやかれた
瑠璃。むしろるいろ。ろいるろい。いろるろ。りろいら
稀なる奇蹟
瑠璃。むしろ琥珀いんっ、だ、ん、んっ、んっ
ひとびとの口に
怪物を生ます、まみ、みさせるら、らるれら、れるらら
…もう、感じてた
ぼくたちは
不当な名前は
そのひびきには
ぼくたちは
その稀れな協力者
知った。だれも
あなたこそが
瑠璃、むすぃーんっ。ぃーんっ
稀れなる天才
瑠璃。むしろ琥珀いろのくぁっ、あくっ、くぁっ
わたしのために
知った。だれもぃんっ
…もう、感じてた
ぼくたちは
必要だった
そのひびきは
怪物など生みはしなかった
あなたは、…瑠璃
怪物は、だから
あなたには
瑠璃。むしらんばっ、ば、ば、ば
とまどいなど、須臾
瑠璃。むしらいばっ、ばっ、ばっ
似合わない
怪物は、だから
不意の成功と称賛に
怪物など生みぃい…いぃ。いぃ。いっ
不当な名前は
あなたの記憶を
自生?それは
流れ落ちる砂
野生?そるぁっ
こころのなかに
≪流沙≫。あなだっ
流れて
≪流沙≫。あなたとおなじように
あなたのことを
野生?それは
流れ
自生?それは
≪流沙≫と、そっと
そう呼んでみた
≪流沙≫。わたしとおなじように
飲み込まれたひと
≪流沙≫。だれもとおなずぃーばっ。ば、ばっ
しかも、繰り返し
そこで、自分で
転げ落ちるべきひと
そそそそそっ。おぅ…
きみを思った
≪流沙≫。だれもとおなじように
壊れかけたひと
≪流沙≫。わたしとおなじように
あえて、なんども
だから、虛空に
そこでぇえーっ。えーっ。えーっ
瑠璃。もう
繁殖…
そばに見ていた
≪流沙≫
不安だった
≪流沙≫
肌のそば
繁殖…
あなたが
そこで息遣う
そばに感じた
あなたの淚を
もはや、厖大な
流れ落ちる砂
とめどもなく
そう呼んで、≪流沙≫
さまざまな口がその名を
流れて
際限もなく
そのひびきに
≪流沙≫その名を語り
流れ
語りはじめ
あなたを。≪流沙≫
そっと口にした
殺しちゃおうぜ
飲み込まれたひと
殲滅しようぜ
だから、わたしは
…どうやって?
思いあがったひと
…どうやって?
すれ違うひとも
殲滅しようぜ
陶酔したひと
殺しちゃおうぜ
不安だった
あなたのいらだち
繁殖…
瑠璃。もう
そこで息遣う
そのまなざし。≪流沙≫
≪流沙≫
滑稽だった
≪流沙≫
そのひびきに
そこで息遣う
あなたが
繁殖…
あなたを。≪流沙≫
そっと描いた
≪流沙≫。だるぃあっ
流れ落ちる砂
≪流沙≫。わたすぃはっ
だから、わたしは
そこで、自分で
流れて
そこで、自分で
称賛も
≪流沙≫。わたしとおなずぃぼうびっ
流れ
≪流沙≫。だれもとおなじように
滑稽だった
あなたのほほ笑み
野生?それは
飲み込まれたひと
自生?それは
そのすがた。≪流沙≫
≪流沙≫。あなたとおなじように
飲み込んだひと
≪流沙≫。あなっ。なっ。なっ。なっ
そのひびきに
自生?そるぅうばっ
咀嚼したひと
野生?それは
あなたを。≪流沙≫
そっと思った
怪物はぁらくぁっ
瑠璃。もう
怪物なでぃうんびばしなかった
だから、わたしは
瑠璃。むしろ琥珀いろの虹彩。瑠璃
怖かった
瑠璃。むしろ琥珀いろの虹彩。瑠璃
なにもかも
怪物など生みはしなかった
あなたが
怪物は、だから
怖かったんだ
ふいに。だからあくまでもふいに嫌惡。赤裸々な、あるいは恐怖にも近づいた、もうどうしようもく赦し難い嫌惡に、沙羅。かれをやめさせなければならなかった。沙羅を。その射精にさえいたらず、そもそもわずかな快感も、あるいは発情している熱量さえもないはずの沙羅を。かれの交尾の擬態を。たぶんかつてだれかが自分の身体に投げつけた、それ、…の、その忠実な模倣。たしかに最初は嫌惡と憎惡のみを呼び起こしていたに違いないそれ、…の、その忠実な模倣。擬態。赤裸々な恐怖。それ以外のなにものでもなかったはずのそれ、…の、その忠実な模倣。擬態。もはやいつか日常の営みになって仕舞って、狎れて慣れたそのしかもいまだ穢らしさの感覚のみ殘すそれ、…の、忠実な模倣。擬態。…もういい、と。だからもう、あなたはそこで傷つきつづけ傷をさらしつけなくていい、…と?だから、あたしは沙羅の後頭部をつかむと、その頬を殴打した。沙羅の喉が鳴った。ちょうど、爛れたほうのそれ。それがそっちのほうだったことにはかならずしも意味はない。ただ、そこに、そっちのほうが向けられていただけ。…沙羅。
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