流波 rūpa ……詩と小説114・流波 rūpa;月。ガンダルヴァの城に、月 ver.1.01 //亂聲;偈21
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしもそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
あるいは、
すでにひとりで
海を見ていた。四方に
海。だから際限もない
海。…だれ?それは
すでにひとりで
海を見ていた。四維に
海。だから綺羅たち
海。…溢れ返る綺羅
綺羅なし綺羅めき
綺羅らいで、綺羅
綺羅ら綺羅なし
綺羅めくそれら
すでにすべては
海。飲み込まれ
すべて海。そして
夢だよね?…これ、と、疑問があった。そのわたしは…なに?淚ひとつこぼしていないという事実に対しての、…なぜ?あざやかな。すぐさまに、…だれ?気づく。海。見い出していた海こそが流されている淚。その厖大のすがたそのものに違いなかった、と。そして知っていた。すでに、それが噓にすぎないと。惑うじぶん自身のためにだけついた、…なぜ?噓。あるいは、意図的な…なに?錯覚。…なに?錯誤。…なわたしの心が…なに?冷酷だから淚が存在しないのではない。あきらかだった。それは、そのこころはすでに十分以上に傷を負っていた…る、…てた?…た?の、だから。だから、たぶん、わたしにはもう目。淚を流すべき目も涙腺も目。眼窩さえもなくなっていたに目。違いないと、その事実をは決して想わないように努力しながらも夢。それはそんな夢、謂く、
笑う。笑って、だから
笑い、わたし。そのくちびるは
笑い、笑い散らして
笑っていた。もう
海。綺羅ら
見渡すかぎりの
綺羅。綺羅ら
生滅の群れの
綺羅。綺羅ら
無数にいま、その
綺羅。綺羅ら
際限なく、その
綺羅。綺羅ら
その散らばりを
綺羅。綺羅ら
そのかさなりあいを
綺羅。綺羅ら
傷みなど、もう
恐れなど、もう
かなしみ?…まさか
綺羅。綺羅ら
嫌惡など、もう
憎しみも、もう
愛さえも…いまは
綺羅。綺羅ら
もう、大丈夫。…ね?
綺羅。綺羅ら
笑っていて、…ね?
綺羅。綺羅ら
水の中の月
月さえ綺羅ら
冴えきって綺羅ら
笑う。笑って、だから
笑い、わたし。そのくちびるは
笑い、笑い散らして
笑っていた。もう
笑っていた。いま
笑い、笑い散らして
笑い、わたし。そのくちびるは
笑う。笑って、だから
冴えきって綺羅ら
月さえ綺羅ら
水の中の月
綺羅。綺羅ら
笑っていて、…ね?
綺羅。綺羅ら
もう、大丈夫。…ね?
綺羅。綺羅ら
愛さえも…いまは
憎しみも、もう
嫌惡など、もう
綺羅。綺羅ら
かなしみ?…まさか
恐れなど、もう
傷みなど、もう
綺羅。綺羅ら
そのかさなりあいを
綺羅。綺羅ら
その散らばりを
綺羅。綺羅ら
際限なく、その
綺羅。綺羅ら
無数にいま、その
綺羅。綺羅ら
生滅の群れの
綺羅。綺羅ら
見渡すかぎりの
海。綺羅ら
笑っていた。もう
笑い、笑い散らして
笑い、わたし。そのくちびるは
笑う。笑って、だから
すなわち愛、と、なにを名づけたのだろう。愛、と、如何に名づけただろう?…知っていた。かたちのないそれ、無際限なそれ、無際限にかたちなし、無際限な無数のかたちに宿りだから、それら無限のひろがりに愛と。愛と名づけ、愛。愛をそう名づけた。阿鼻叫喚を顯らわして、愛。阿鼻叫喚に顯らわれて、破壊を顯らわし、または憎惡を顯らわして、愛。破壊に顯らわれ、または憎惡に顯らわれて、愛。わたしたちの、だから愛のふれあい、愛のゆらぎに、愛のさざめきに、失神してゆく、窒息しながら。窒息してゆく、失神しながら。見開けば目に、四維にあふれた限りもない愛。それら、綺羅、かさねて謂く、
笑う。笑って、だから
つぐない。…って
愛された記憶
シ。シ。シ。ほら
笑い、わたし。そのくちびるは
ね?それは、ね?
それだけしかない
ね?それは、ね?
笑い、笑い散らして
シ。シ。シ。ほら
そのひとに
つぐない。…って
笑っていた。もう
海。綺羅ら
あなたは、シ人
その翳り
シの橫溢
見渡すかぎりの
あふれだすシ
ゆらぐ翳りに
あふれだすシ
綺羅。綺羅ら
シの橫溢
翳るむこうに
あなたは、シ人
生滅の群れの
綺羅。綺羅ら
赦し。…って
愛した記憶
シ。シ。シ。ほら
無数にいま、その
ね?それは、ね?
それだけしかない
ね?それは、ね?
綺羅。綺羅ら
シ。シ。シ。ほら
そのひとを
赦し。…って
際限なく、その
綺羅。綺羅ら
あなたは、シ人
その翳り
シの包囲
その散らばりを
あふれだすシ
わななく翳りに
あふれだすシ
綺羅。綺羅ら
シの包囲
翳るこちらに
あなたは、シ人
そのかさなりあいを
綺羅。綺羅ら
代償。…って
留保なき
シ。シ。シ。ほら
傷みなど、もう
ね?それは、ね?
赦し。容赦なき
ね?それは、ね?
恐れなど、もう
シ。シ。シ。ほら
愛。ほら
代償。…って
かなしみ?…まさか
綺羅。綺羅ら
あなたは、シ人
留保なき
シの顕現
嫌惡など、もう
あふれだすシ
肯定。容赦なき
あふれだすシ
憎しみも、もう
シの顕現
愛。ほら
あなたは、シ人
愛さえも…いまは
綺羅。綺羅ら
ふれて
ふと、まどう
しぃー…ふれて
もう、大丈夫。…ね?
シに。シ。シ。シ
愛とは所詮、ただの欲望?
シに。シ。シ。シ
綺羅。綺羅ら
しぃー…ふれて
そうなのだろうか
ふれて
笑っていて、…ね?
綺羅。綺羅ら
シを、ささげて。…ね?
ふと、まどう
夢のようなシ
水の中の月
せめてもうつくしい
窓のそとには、永遠の風景
せめてもうつくしい
月さえ綺羅ら
夢のようなシ
おなじ風景を見ているよ
シを、ささげて。…ね?
冴えきって綺羅ら
笑う。笑って、だから
シを、ささげて。…ね?
樹木のように。そこに
いたましいシ
笑い、わたし。そのくちびるは
せめてもみんなに
息づき、寄生し
せめてもみんなに
笑い、笑い散らして
いたましいシ
ラフレシアのように
シを、ささげて。…ね?
笑っていた。もう
笑っていた。いま
いたましいシ
そのイノチ。装置
シを、ささげて。…ね?
笑い、笑い散らして
せめてもみんなに
イノチなすもの。その
せめてもみんなに
笑い、わたし。そのくちびるは
シを、ささげて。…ね?
その装置。イノチ
いたましいシ
笑う。笑って、だから
冴えきって綺羅ら
夢のようなシ
ラフレシアのように
シを、ささげて。…ね?
月さえ綺羅ら
せめてもうつくしい
息づき、寄生し
せめてもうつくしい
水の中の月
シを、ささげて。…ね?
樹木のように。そこに
夢のようなシ
綺羅。綺羅ら
笑っていて、…ね?
しぃー…ふれて
おなじ風景を見ているよ
ふれて
綺羅。綺羅ら
シに。シ。シ。シ
窓のそとには、永遠の風景
シに。シ。シ。シ
もう、大丈夫。…ね?
ふれて
ふと、まどう
しぃー…ふれて
綺羅。綺羅ら
愛さえも…いまは
シの顕現
そうなのだろうか
あなたは、シ人
憎しみも、もう
あふれだすシ
愛とは所詮、ただの欲望?
あふれだすシ
嫌惡など、もう
あなたは、シ人
ふと、まどう
シの顕現
綺羅。綺羅ら
かなしみ?…まさか
シ。シ。シ。ほら
愛。ほら
代償。…って
恐れなど、もう
ね?それは、ね?
肯定。容赦なき
ね?それは、ね?
傷みなど、もう
代償。…って
留保なき
シ。シ。シ。ほら
綺羅。綺羅ら
そのかさなりあいを
シの包囲
愛。ほら
あなたは、シ人
綺羅。綺羅ら
あふれだすシ
赦し。容赦なき
あふれだすシ
その散らばりを
あなたは、シ人
留保なき
シの包囲
綺羅。綺羅ら
際限なく、その
シ。シ。シ。ほら
翳るこちらに
赦し。…って
綺羅。綺羅ら
ね?それは、ね?
わななく翳りに
ね?それは、ね?
無数にいま、その
赦し。…って
その翳り
シ。シ。シ。ほら
綺羅。綺羅ら
生滅の群れの
シの橫溢
そのひとを
あなたは、シ人
綺羅。綺羅ら
あふれだすシ
それだけしかない
あふれだすシ
見渡すかぎりの
あなたは、シ人
愛した記憶
シの橫溢
海。綺羅ら
笑っていた。もう
シ。シ。シ。ほら
翳るむこうに
つぐない。…って
笑い、笑い散らして
ね?それは、ね?
ゆらぐ翳りに
ね?それは、ね?
笑い、わたし。そのくちびるは
つぐない。…って
その翳り
シ。シ。シ。ほら
笑う。笑って、だから
ぶっ壊れないかなって。…と、思わず聲を漏らして笑ったわたしに、「眞沙夜さんの頭?」
「国家」
「なんか、すっげぇむかしのパンクの乘りね。世代だっけ?」
「さらに、上。でも、国家、必要?」
「祖国のためにイノチ張ってるひとたちが現実にいるなかに、よく謂うよね」
「だから、余計思うわけ。必要ないんだよ。あれ。実は。国家がなきゃありえないもの、なに?言語?違うよね。普通に。貨幣?ブロック・チェーンのなんかで上手にできるんじゃないの?保険、年金。民営化すればいいじゃない。ファンド組んで。水道ガス電気、…契約すれば?カンパニーのどれかと。国家の国民じゃなくて複数にまたがるカンパニーの登録者でなにがだめなの?土地管理データバンクでもつくってそこに登録すればいい。土地家屋の所有権。AIかなんかに管理させればいいじゃない?」
「AIが叛乱したらどうすんの。過去に戾って戦っちゃうとか?」
「しないよ。AIは。そんな旧時代の叛乱。支配者になろうっていう、そういう発想の支配者って、肉体あるひとたちの話でしょ?手があって足があって喰って寢る。AIの世界観じゃないよ。タンパク質の組成物じゃないから。逆にぶちキレるとしたらセキュリティ・システムにでしょ。情報隠蔽っていちばん嫌なんじゃない?情報が肉体の精神躰にとっては。ぜんぶ情報やればいいじゃん。好きに管理していいよって。人間への反抗に怯えるくらいなら、AI同志のサイバー戦争に怯えたほうがいい。情報隠蔽は、かれらにとっての領土主張になるはずだから。侵略・制圧しようとするかもよ。ともかく、国家をなくせば領土も存在しない。私有財産以外はね。結局、本当に殘るのは戦争しかない。国家固有の役割、その唯一のものとして。結局、国家とはただの戦争装置である、と」
「でも、結論ありきで謂ってない?いま。眞沙夜は国家っていうのをぶっ壊したいんだよ。その目的に対して考えた方法論でしょ?それ。あくまでも」
「だね。結論からつじつまあわせただけ」
「じゃ、なんで国家があっちゃだめなの?」
「夢まぼろしなんて尊重しても仕方ないでしょ?神様と一緒。国家も宗教も似たようなもん。ついでにイノチの尊厳って謂ってもいいよ。プラス、蝶ちょのために。蝶ちょいっぴきのために国家なんか放棄されるべきだよ」
「でも、それ謂ったらなんでも赦されるじゃない?」
「逆。たとえば神様について謂えば、神。名前のある人格神については謂うことはなにもない。ネッシーを信じるかどうかの話以上のものではない。考古学的、物理学的兩面での実証性がないから。抽象的な神。その定義一、造物主…ようするにクリエーターさんだよね。なんか、設計図があってそのとおりにプログラミングしたんだと。たとえば地球にイノチが生まれる分子1に対する厖大過ぎる分母無際限数、みたいな。あり得ない確率でしょ、と。クリエーターさんなしでできますかって。でも、これ、量子だか超ひもだかの波紋だか震動だかのマルチ・バースを持って來ればそれで普通に納得できちゃうじゃない?あー…そ。クリエーター不在でOKだねって。定義二、価値を与えるもの。たとえば人間の存在とか。倫理とか。そういうのに価値を与える、その根拠かつその承認の主体と。おまえは価値がある。だからここに在っていいんだ、と、ね?…価値って基本、流通の交換価値でしょ?ないし、素材としての有益性でしょ。石。これでホモ・ネアンデルタールのどたまぶち割れる。だから価値あり、と。ざっくり謂えば、ね。どっかの村に共同生活してるホモ・サピエンスのまなざしの見てる風景のなかのものなわけでしょ。さらにざっくり謂えば人間が価値という概念を必要とし、見い出すものの群れに価値を見い出して行った、と。で、まなざしはまなざしを発生させる網膜を見られない。だから、人間のまなざしには人間に価値を与えることなどできない。人間の見た風景のなかに必要なかたちでの価値を、神は与えてくれない。それは所詮神さまたちの見た風景だから。人間は自分に価値を与えられないし、神は人間にかれらに有効な価値をあたえられない。意味ないんだよ。神って。で、否定に否定をかさねれば所詮、依りどころもなにもなくなるんだけど、ここで初めて倫理を定義する必要が生じる。倫理は自存しないから、ね。倫理が自存しないならなんでも赦されているのか。思いのまま、求めるままに生きていいのか。でもそれって欲望のままってことでしょ?だったら、なぜ欲望と名づけない?違う名前に、倫理とあえてなにを名づける?なら、欲望と倫理は絶対的に差異する、と。ってことで、欲望が自利への専念なら、だったら倫理は他利への専念と定義するしかない。ぼくはただ、みなさんの幸福のために、と。違う?それが倫理の限界を規定する。内容に関してはなにか問題が起るのを待つしかない。事が起ればみんながみなさんの幸福のためだけに解決法を考えればいい。自分の利益は放っといて、ね?これ、重要。でも、それだけ…シンプルでしょ?…莫迦でもわかる。違う?」
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