流波 rūpa ……詩と小説106・流波 rūpa;月。ガンダルヴァの城に、月 ver.1.01 //亂聲;偈13





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ一部に作品を構成する文章として差別的な表現があったとしても、そのようなあらゆる差別的行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またそのような一部表現によってあるいはわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでも差別的行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





あるいは、

   どうしてだろう?

   きみの側にいる、そのわたしはいつも

   共犯者。きみの

   だから、きみと共謀


   なにをしようか?

   なにをくわだて、そして

   なにを破壊して仕舞おうか?

   生もうか?それとも


   つくりだそうか?

   きずきあげようか?

   それらすべての瓦解の前まで

   あるいは育みあったりしようか?


   だから、共謀しよう

   共犯者。なにもしないけど

   するべきことなど、なにもないけど

   ただ、見つめあおうか?だからとぅ…ん、と?たとえばそんな、だからその鍵盤にそっと指をやさしく。ただやさしく。落としたときにやさしく。羞じるにも似てやさしく。——え?と、とぅ…ん、と?その山田楓はあかるい、邪気のない、あかるい、しかも、せせら笑うあかるい、だからあかるい聲をたてて、その、いたずらじみて?短い音声。そのひびき。空中に。それがあたえた、もう、いつでもあなたはいたずらじみて?耐えられない。すでにつねにふいに、いたずらじみて?屈辱。…ね、「なに?…」傷つけないで。…ね、「どうしたの?」いたぶらないで。…ね、「なに、見てるの?…ね、」恥ずかしめないで。…ね、「お願い。おれを、さ」やさしくして、もう、「もてあそばないで」絶望的なくらいに。「…オッケー?」

「お前、音楽やったことあるでしょ?」

   わたしたちは傷

      ながれだす

わたしは聲を立てて

   傷。傷。だから

      せつなさが

笑った。楓をおいてけぼりにして。むしろ

   癒されることのない傷

      喉のおくにも

楓は、まるで

   わたしたちは傷

      あふれだし

いまのいままで目の前に、唯一信じられていた最後の人にさえ実は最初からだまされていたというそんな事実。そんな殘酷なそんな、なに?鼻先に擦られるように知らされた、と。唐突に。そんな、崩壊?…崩壊。…ね?「…おれ?」深刻な、「おれが?」崩壊?…崩壊。…ね?いま、世界は

   ほら

笑いころげる崩壊?

   あじさいの花

崩壊、ね?いま

   ゆらっ

きみの世界だけが。聲。それは、笑う、笑い聲。わたしの。それは、だから崩壊?…崩壊。…ね?みだれ切ったささやきの崩壊?…崩壊。…ね?いま、ぼくらの世界も、聲。なに?それは「…音楽?」

「違う?」…まさか、と、その

   わたしたちは傷

      雫。こわれないで

否定の言葉さえ、だからわたしは

   傷。傷。だから

      雫。こわさないで

不安げなその楓に、もう

   癒されることのなかった

      ふるえたよ。もう

投げかけもしなかった。あまりにも

   傷。わたしたちは

      雫。こぼれそうに

ばかばかしずぎて。十九歳の楓。もう、絶望的なくらいにもう、どうしようもなくもう、ただ悲しいくらいにもう、うつくしく殘酷な夢のようにもうつくしくもう、許せないほど可憐でもう、容赦ないくらいに苛烈に冴えて息吹き。だから吐く息。ささやき。うつくしいもの。ひたすら稀有なうつくしいもの。美貌。うつくしいもの。楓。もう、…滅びちゃえ。いま。おとこたちも滅びちゃえ。もう。おんなたちも滅びちゃえ。いま。潤んだ下半身にべたつくくさい発情さえできない。それは

「だって、さ、いま」

   咬む。うつっ

      破壊など

冒瀆。それは、しかも

「おれ、鍵盤一回」

   うつくしい!それ

      知ってた?…不可能

ひいたすらな冒瀆。遠巻きに

「おしただけじゃん」

   咬むっ。ちぎり、もう

      壊滅など

冒瀆のみされつづけながら、楓

「ゆび先で」

   絶望的なまでに

      知ってる?…不可能

「鳴らしどころ、知ってる…」そう、ようやく息を…はっ。飲んで、楓は…はぁっ。言った。「鳴らしどころって?」

はあぁっ…

「たぶん、お前、知り過ぎるほどピアノっていうものを知ってる。…いや、さ。だから、さ、おれ、さ、知ってるよ。しって、…おれ。お前が音楽なんて知って。しって、…やったことないこと。小学校の…なに?タンバリン?カスタネット?知って。しって、…プラスティックのリコーダー?そんなもんでしょ?知ってる。しって、…けど、お前の知って。しって、…その指は、鍵盤の、さ。どこを、さ。どう、さ。どんな、さ。角度と、さ。どんな、さ。力で、さ。入れれば、さ。知って。しって、…どんな音がなるのか、それをもう十分以上知って。しって、…だから知ってて、さ。だから、さ。いま、さ。お前の、さ。ゆびは、さ。無造作だった。もう、ただひたすら無造作。もうただ狎れきって、狎れきりすぎて、慣れ親しんだ、たとえば、さ。俺のひたいにいつもの挨拶がわりにいつも自然にふれるように。指。指さき。おれがどんなふうに指。指さき。反応して、さ。どんなふうに、さ。感じるのか、さ。知って。しって、…知り過ぎてだから知って。しって、…もう考慮さえしないように、そんな容赦ない自然さで。ごめん、いま、おれ、分かった。知った。知って。しって、…ね?知ってる?前世ってあるよ。おれたち、みんな、輪廻転生?くりかえして、くりかえして、くりかえしてる。まちがいない。お前、まちがいなく、前世で音楽家だった。すくなくともピアニストだった。いま、はじめてあかした。そんな事実を、あきらかに、無防備に、もう捨てばちなくらいに世界に。それでなきゃ、さ。お前の、さ。その、さ。ゆびさきのひとふれのためにだけ、いま、世界に輪廻転生の事実が生まれた。とっくのむかしから、もうずっと繰り返しされてた、その事実を、いま、お前のゆびさきが、生んだ」

「…病んでる?」思わず、そうつぶやくわたしをなどすでに目の前に山田楓は見い出してさえいなかった。あいかわらず執拗なまでにわたしをだけ見つめながら、謂く、

   だれもいなかった

   その日には

   きみの家には

   だからそれは


   十三歳の夏

   たぶん七月

   肌を見せあい

   ふれあいはせずに


   けなげなほど、夏

   もう明けた梅雨

   嗅ぎあった匂い

   意識もせずに


   まざりあう香り

   それら、肌に

   汗。うすいきざし

   まえぶれる息吹き


   だれもいなかった

   その日には

   きみの家には

   だからそれは


   ピアノ。姉のもの

   弾かない。きみは

   嫌い。音楽が

   強制されたのだ。それら


   レッスン。ピアノ

   バイオリンの。きみは

   嫌悪。赤裸々な、あるいは

   軽蔑。それら


   憎むべきものに

   わたしはふれた

   愚弄するようように

   辱めるように


   恥ずべきものに

   ゆび先はふれた

   破壊するように

   唾吐くように


   台無しになれ、と

   きみは、ひそかに望んでいたね

   きみは、暗示も兆しもしなくて

   台無しになれ、と


   唾吐くように

   破壊するように

   ゆび先はふれた

   恥ずべきものに


   辱めるように

   愚弄するようように

   わたしはふれた

   憎むべきものに


   軽蔑。それら

   嫌悪。赤裸々な、あるいは

   バイオリン。きみは

   レッスン。ピアノ


   強制されたのだ。それら

   嫌い。音楽が

   弾かない。きみは

   ピアノ。姉のもの


   だからそれは

   きみの家には

   その日には

   だれもいなかった


   まえぶれる息吹き

   汗。うすいきざし

   それら、肌に

   まざりあう香り


   意識もせずに

   嗅ぎあった匂い

   もう、明けた梅雨

   けなげなほど、夏


   ふれあいはせずに

   肌を見せあい

   たぶん七月

   十三歳の夏


   だからそれは

   きみの家には

   その日には

   だれもいなかった

すなわちピアノ。その鍵盤。ピアノ。そしてハンマー。ピアノ。やがてうちのめされた弦。ばふっ…って?がふっ…て?どおぅ…って?だからとぅ…んっ、と?打弦。ひびき。そのかるい失望。なに?…と、これなになに?…と。軽蔑?…だからかるい失望をともなうそれ。そのひびき。とぅ…んっ、と、ただ無機質で、たいして色気もなく、ひびき。…そうなの?ひびき。…そう?ひびき。…こんなもの?だから懐疑。ひびき。それはこんなもの?こんなもの?こんなものでいいのだろうか。そのこんなもの?こんなもの?そ、こんなものでそのあまりにもなめらかに黑びかりする巨体。巨大。硬い。しかもかすかな、匂い。かすか、しかし執拗な匂い。その、木の?弦の?なんの?匂い。かすか。しかし固有の。こんなにも、…匂い。だからばかばかしいほど大げさで武骨。武骨で、巨大。巨大でたとえばそれはエレガントな女性。極度に、笑っちゃうくらいに極度に、ありえないほどにでかく、でかく、でかく、おもいっきりグラマーで、ぼふんっ…と?更にばふんっ…と?鋼鉄じみたどるぅんっ…と?容赦ない強度を誇る超重量級の女が猶も瀟洒であるという逆説のエレガント、…とでも?こんな過剰な物体。それがそれでもそこにこうしてまさに立てるべき音。とぅ…んっ、と。…ね?

   莫迦にしてる?

      莫迦でしょ?

これでいいの?

   莫迦?莫迦?

      みんな、もうまじで、くそ

こんなもの?

   ただの莫迦なの?

      莫迦でしょ?

こんなもんでよかったの?だから赤裸々に、思わず呆気に取られてしまう失望。不意の。しかし、そこに、あれ?

   ひめごとのように

…なにこれ?

   まるで、ふたりだけで

失望。そのひびきにわたしはむしろ、胸を吐きそうな傷みにさいなむ、そんな、あれ?

   完璧にひめられた

…なにこれ?

   ひめごとのように

失望。つまりは、あくまでなまなましいほど生物的な、なまなましい発情の温度を、あれ?

   まるで、ふたりだけでそこに

…なにこれ?

   巧妙すぎたひめられきっ

失望。その息吹きをもともない、あえて添えるだろう。なぜ?

   ひめぃっ

楓。その、ふれあいそうなすれすれの、しかも猶も…発情。はっ、はっ、あやうく、しかしふれあいはしないそれら距離に…発情。はっ、はっ、あざやかな…発情。はっ、はっ、乖離。へだたりに、あまりにも。あまりにもわずかにそれでもたしかに…発情。はっ、はっ、感じていたのはだからなに?発情?…あなたは。そこで。はっ、はっ、はっ、はっ、その目の前で。だからはっ、はっ、はっ、はっ、発情?そこに。その十三歳のわたしは。しかもその返り見られなかったゆび先はとぅ…んっ、と。それは下のほう、耳の下のほう、はるかな下のほうでいま捨てられたように。なげ捨てられたように。しかもなににすがるわけでもなくて、だから鳴っていたよ。そこに。鳴って、ひびき、鳴り、もうすでに鳴っていたよとぅ…んっと、かさねて謂く、

   だれもいなかった

      熱を、吐く

    それは隠れ家

     吹きかける

   その日には

      吐く。吹く

    巢?…を、つくる

     吐く。吹く

   きみの家には

      吹きかける

    少年たちは

     熱を、吐く

   だからそれは


   十三歳の夏

      熱を、煽る

    なぜ?

     そんな夏

   たぶん七月

      煽る。撒き散らす

    なにかがわたしたちを傷つけたから

     煽る。撒き散らす

   肌を見せあい

      そんな夏

    …じゃ、なくて

     熱を、煽る

   ふれあいはせずに


   けなげなほど、夏

      大気。むせかえる

    なぜ?

     ね?…窓の

   もう明けた梅雨

      温度。…そとは

    だれかがわたしたちを虐げるから

     温度。…そとは

   嗅ぎあった匂い

      ね?…窓の

    …じゃ、なくて

     大気。むせかえる

   意識もせずに


   まざりあう香り

      窓の向こうは

    なぜ?

     それら、白濁のそこは

   それら、肌に

      かがやきの散乱

    心地よいから?

     かがやきの散乱

   汗。うすいきざし

      それら、白濁のそこは

    かくされてあることが

     窓の向こうは

   まえぶれる息吹き


   だれもいなかった

      エアコン、…さ

    なぜ?

     ささやくように

   その日には

      かたかた言うね?

    のぞましいから?

     かたかた言うね?

   きみの家には

      ささやくように

    かくされてあることが

     エアコン、…さ

   だからそれは


   ピアノ。姉のもの

      なんか、…さ

    滅びればいいのに、と

     ささやくように

   弾かない。きみは

      さらさら言ったね?

    窓のそとの、ひとびとの世界

     さらさら言ったね?

   嫌い。音楽が

      ささやくように

    滅びて仕舞えば

     なんか、…さ

   強制されたのだ。それら


   レッスン。ピアノ

      ささやき

    戦争を、してよ

     ささやきあうように

   バイオリンの。きみは

      つぶやき

    殺し合ってよ

     つぶやき

   嫌悪。赤裸々な、あるいは

      ささやきあうように

    殲滅してよ。このまなざしのそとで

     ささやき

   軽蔑。それら


   憎むべきものに

      音をかさねた

    だからやさしく。もう

     ふたりの

   わたしはふれた

      ゆびさきに

    どうしようもないくらい

     ゆびさきに

   愚弄するようように

      ふたりの

    やさしく、しかも

     音をかさねた

   辱めるように


   恥ずべきものに

      ふたりで

    そっと。もう

     誤差のつけた、傷をあやうく舐めながら

   ゆび先はふれた

      それら、あやうい誤差をたのしむ

    傷つけることを恐れすぎたくらい

     それら、あやうい誤差をたのしむ

   破壊するように

      誤差のつけた、傷をあやうく舐めながら

    かすかに、たしかに

     ふたりで

   唾吐くように


   台無しになれ、と

      誤差のつけた、傷をあやうく舐めながら

    かくれていよう

     ふたりで

   きみは、ひそかに望んでいたね

      それら、あやうい誤差をたのしむ

    かくされていよう

      それら、あやうい誤差をたのしむ

   きみは、暗示も兆しもしなくて

      ふたりで

    そとはね、たぶん、血の雨が降る

     誤差のつけた、傷をあやうく舐めながら

   台無しになれ、と


   唾吐くように

      ふたりの

    そとはね、たぶん、血の雨が降る

     音をかさねた

   破壊するように

      ゆびさきに

    かくされていよう

     ゆびさきに

   ゆび先はふれた

      音をかさねた

    かくれていよう

     ふたりの

   恥ずべきものに


   辱めるように

      ささやきあうように

    かすかに、たしかに

     ささやき

   愚弄するようように

      つぶやき

    傷つけることを恐れすぎたくらい

     つぶやき

   わたしはふれた

      ささやき

    そっと。もう

     ささやきあうように

   憎むべきものに


   軽蔑。それら

      ささやくように

    やさしく、しかも

     なんか、…さ

   嫌悪。赤裸々な、あるいは

      さらさら言ったね?

    どうしようもないくらい

     さらさら言ったね?

   バイオリン。きみは

      なんか、…さ

    だからやさしく。もう

     ささやくように

   レッスン。ピアノ


   強制されたのだ。それら

      ささやくように

    殲滅してよ。このまなざしのそとで

     エアコン、…さ

   嫌い。音楽が

      かたかた言うね?

    殺し合ってよ

     かたかた言うね?

   弾かない。きみは

      エアコン、…さ

    戦争を、してよ

     ささやくように

   ピアノ。姉のもの


   だからそれは

      それら、白濁のそこは

    滅びて仕舞えば

     窓の向こうは

   きみの家には

      かがやきの散乱

    窓のそとの、ひとびとの世界

     かがやきの散乱

   その日には

      窓の向こうは

    滅びればいいのに、と

     それら、白濁のそこは

   だれもいなかった


   まえぶれる息吹き

      ね?…窓の

    かくされてあることが

     大気。むせかえる

   汗。うすいきざし

      温度。…そとは

    のぞましいから?

     温度。…そとは

   それら、肌に

      大気。むせかえる

    なぜ?

     ね?…窓の

   まざりあう香り


   意識もせずに

      そんな夏

    かくされてあることが

     熱を、煽る

   嗅ぎあった匂い

      煽る。撒き散らす

    心地よいから?

     煽る。撒き散らす

   もう、明けた梅雨

      熱を、煽る

    なぜ?

     そんな夏

   けなげなほど、夏


   ふれあいはせずに

      吹きかける

    …じゃ、なくて

     熱を、吐く

   肌を見せあい

      吐く。吹く

    だれかがわたしたちを虐げるから

     吐く。吹く

   たぶん七月

      熱を、吐く

    なぜ?

     吹きかける

   十三歳の夏


   だからそれは

      頭がいたい

    …じゃ、なくて

     血管がいたむよ

   きみの家には

      なぜ?

    なにかがわたしたちを傷つけたから

     なぜ?

   その日には

      血管がいたい

    なぜ?

     頭がいたいよ

   だれもいなかった

死者たち。それらゆらぎ、ゆらぎつづけ色彩もない死者たち。それら、その無数以外には沙羅。沙羅しかない空間に、だからわたしは沙羅。その、かれのそれにやがて舌を、いちどだけふれて…舐めた?ふれてやった。まるで強制されていたかのように。暴力的な支配者に。だから、まったき虐待の現場のように。やや顏をそむけて。目。沙羅。その目がわたしの橫顏を見ていることは知っている。目。兩方の眼で?あるいは目。片方?…その孔のような、目。琥珀いろのほうの虹彩で?沙羅。開閉もなくうごきもないブルー。そっちのほうでも?沙羅。その沙羅。目。沙羅の表情を、わたしは知らない。造作もなかった。確認など。すこしななめにもたげられたまなざし。それを、もうすこしだけ起こせばいい。それだけ、沙羅。あるいは、あのほほ笑んで猶も昏い、狂暴なだけのまなざしに、笑んで?沙羅。そこに。見なかった。…だれ?見ていたから。…だれ?死者たち。無数に…なに?ひろがって、ただ色彩もなくかたちもなくただ数うべくもない孔。孔。孔。それら無数をひらき、なに?死者たち。それら。なにを見ていたのだろう?なにを?かすかに、鼻先。鼻孔のすぐちかくに体毛。沙羅のそれ。その数本がすこし、ふれていた。













Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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