流波 rūpa ……詩と小説091・流波 rūpa;月。ガンダルヴァの城に、月 ver.1.01 //その月をみていた/ゆらぐ月/水にうつり/それは月
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
謂く、
その月をみていた
ゆらぐ月
みずにうつり
それは月
そのくずれをみていた
ゆらぐかたち
みずにさざめき
それは月
そのこわれをみていた
きざしたかたち
みずに散りあい
それは月
正面にみえた
それはみな底に
そのみずの中に
冴えていた月
わたしがそこに?
ふかいみな底
月さえ、そこに?
月だけ、そこに?
流されているはずの淚さえ
ほら、いま、すでに、とろけていくよ
なじんでいくよ
みず。…ね?みずたち
たわむれあって
たわむれつづけて
時の果てまで
果てる時まで
ゆらゆらゆらら
ゆらゆゆら
ゆゆらゆら
ゆらゆらゆらら
果てる時まで
時の果てまで
たわむれつづけて
たわむれあって
みず。…ね?みずたち
なじんでいくよ
ほら、いま、すでに、とろけていくよ
流されているはずの淚さえ
月だけ、そこに?
月さえ、そこに?
ふかいみな底
わたしがそこに?
冴えていた月
そのみずの中に
それはみな底に
正面にみえた
それは月
みずに散りあい
きざしたかたち
そのこわれをみていた
それは月
みずにさざめき
ゆらぐかたち
そのくずれをみていた
それは月
みずにうつり
ゆらぐ月
その月をみていた
すなわちあなたが流した淚。淚。だから淚。それはたぶん、つめたかっただろう。…なぜ?月はいまも猶、しかも猶、猶もまさに冴えて冴え、ただ冴えわたっていたから。あなたがあるいはふれ得た淚。淚、だから淚。それはたぶん、冷え切っただろう。月はいまも猶、しかも猶、猶もにもかかわらずに澄んで澄み、澄みわたっているばかりだったから。もう、数秒後の未來にはすぐに、明るみかけようとしていた夜の終わりの急激、朝の寸前。だからその、寸前の朝に、さきがけ。だからそれ。それは朝のさきがけ。…なに?東には死滅。そろそろ死滅。紅蓮の空。それは死滅。そこにだけの死滅。そろそろそこに、崩壊。夜をあざやかに、解体。あざやかにもう、壊滅。ぶちこわし、ぶちこわしこわし、こわしただこわすだけの殺戮。その殺戮だけのそれ。殲滅。それは殲滅。だから殲滅。そのおおきな、おおきな色。まさにそこ。そのわずかにだけ、ぽんっ。…と。そこ、ぽんっと、だけ、ね、たぶん、…ね?
滅ぼして
え?…と?
こわれ。
滅ぼして仕舞おうか?
なにか言いかけた
こわれ。
ね?…
きみ。その
こわれ。…ね?
破壊して
きみの振り向いた須臾に
こわれ。
破壊して仕舞おうか?
ぼくは、願って
くずれ。
ね?…
壊れて仕舞え
こわれ。…ね?
燒きすてて
いま、すべて
こわれ。
燒きすてて仕舞おうか?
世界と呼ばれ得るすべては。きみのそのうつくしさとともに今
とろけ。
ね?…
死にたい
こわれ。…ね?だからその、それ。…なぜ?在り明けの月。月はただしろく、しろく、赤裸々にしろく、ただしずかにしろく、しろく、ただ無防備なまでにもしろく、しろくただしずまりかえっていただけなのに、かさねて謂く、
その月をみていた
ゆらゆらっ…と
みずのあわ
ゆゆらっ
ゆらぐ月
ね?…ほら
それら、綺羅
ね?
みずにうつり
ゆうゆらっ
無限の綺羅ら
ゆらゆらっ…と
それは月
そのくずれをみていた
ふるるるっ…と
だれのせい?
ふるるっ
ゆらぐかたち
ね?…ほら
もう、すべていたましい
ね?
みずにさざめき
ふうるるっ
あざやかな静寂
ふるるるっ…と
それは月
そのこわれをみていた
まるで、それらは
みずのあわ
たわむれのよう
きざしたかたち
ね?…ほら
それら、綺羅
ね?
みずに散りあい
たわむれのよう
生滅の無際限
まるで、それらは
それは月
正面にみえた
まるで、それらは
月を傷めて
みえるでしょうか
それはみな底に
ね?…ほら
月に蝕。あわだち
ね?
そのみずの中に
みえるでしょうか
あわだつ月に
まるで、それらは
冴えていた月
わたしがそこに?
うかぶ花びらが
綺羅の蝕
たしかに、たしかに、ありますか?
ふかいみな底
かくしたら、蝕
もう、すべていたたまれない
まだ、みるべき眼
月さえ、そこに?
花の蝕
すべもない静寂
あなたには
月だけ、そこに?
流されているはずの淚さえ
沈みかけても
淚。淚たち
たしかに、たしかに、ありますか?
ほら、いま、すでに、とろけていくよ
ふれあえば、蝕
淚さえ
みるべき眼
なじんでいくよ
綺羅なして
あふれるままに
いまも、猶
みず。…ね?みずたち
たわむれあって
ゆれていたのは
こぼれ、こぼれあい
ゆれるのは
たわむれつづけて
なに?…水たち
ながれ、ながれあい
なに?
時の果てまで
ゆれるのは
とろけ、とろけあいそれだけだから
ゆれているのは
果てる時まで
ゆらゆらゆらら
ね?…ほら
ふるっる、る
ね?
ゆらゆゆら
みえたかな?
るるっる、る
みえた?
ゆらゆゆら
ね?
ふるっる、る
ね?…ほら
ゆらゆらゆらら
果てる時まで
ゆれるのは
とろけ、とろけあいそれだけだから
ゆれているのは
時の果てまで
なに?
ながれ、ながれあい
なに?…水たち
たわむれつづけて
ゆれていたのは
こぼれ、こぼれあい
ゆれるのは
たわむれあって
みず。…ね?みずたち
綺羅なして
あふれるままに
沈みかけても
なじんでいくよ
ふれあえば、蝕
淚さえ
ふれあって、蝕
ほら、いま、すでに、とろけていくよ
ふるえるままに
淚。淚たち
綺羅ら
流されているはずの淚さえ
月だけ、そこに?
その花の蝕
すべもない静寂
うかぶ花びらが
月さえ、そこに?
かくしたら、蝕
もう、すべていたたまれない
かくれたら、蝕
ふかいみな底
かろうじて、花
綺羅の蝕
花の蝕
わたしがそこに?
冴えていた月
みえるでしょうか
あわだつ月に
まるで、それらは
そのみずの中に
ね?
月に蝕。あわだち
ね?…ほら
それはみな底に
まるで、それらは
月を傷めて
みえたでしょうか
正面にみえた
それは月
たわむれのよう
生滅の無際限
まるで、それらは
みずに散りあい
ね?
それら、綺羅
ね?…ほら
きざしたかたち
まるで、それらは
みずのあわ
たわむれの
そのこわれをみていた
それは月
ふるるっ
あざやかな静寂
ふるるるっ…と
みずにさざめき
ね?…ほら
もう、すべていたましい
ね?…ほら
ゆらぐかたち
ふるるるっ…と
だれのせい?
ふうふるっ
そのくずれをみていた
それは月
ゆゆらっ
無限の綺羅ら
ゆらゆらっ…と
みずにうつり
ね?…ほら
それら、綺羅
ね?…いま
ゆらぐ月
ゆらゆらっ…と
みずのあわ
ゆうるらっ
その月をみていた
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