流波 rūpa ……詩と小説061・流波 rūpa 癡多 citta ver.1.01 //なぜ?/だれ?/なぜ?/いま、あなたは //伽多
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
12)70偈
眠る。…逆光
濃い翳り
その向こう
あざやかな
空。その
色ら。沙羅
その色彩
沙羅、いま
見て、沙羅
光りの中に
青の洪水
無防備なまでに
見て、沙羅
光りの中に
煌めき。もはや
赤裸々な
あふれかえり
翳りの崩壊
…錯覚?いま
唐突な
撒き散らされ
翳りの壊滅
…錯覚?いま
突然の
それら
沙羅。いま
輝き続けているには違いなくも
だれ?
あなたが
沙羅。いま
色めきつづけるには違いなくも
なに?
色彩などもはや
まばたく。そっと
色彩などただ、ほのかに
音もなく
色彩などもはや
ひらかれる睫毛
色彩などただ、ほのかに
ひびきもなく
色彩などもはや
ふるえた虹彩
色彩などただ、ほのかに
気配もなく
むしろ
明るいやわらかな
いま、はじめて
光りらの中に
沙羅。いま
ただ鮮明な
ほら、はじめて
光りらの中に
明るすぎ
純粋な光りら
瞼の存在に
沙羅は
ひたすらな
白濁。綺羅ら
気付いてしまったかのように
沙羅は
…錯覚?いま
見て、——これら
無防備な
光りら
…錯覚?いま
見て、——これら
あふれた
光りら
…錯覚?いま
見て、——これら
横溢しすぎた
光りら
だから
気付く、わたしは
なに?
あるいは、永遠に?
だから
気付く、わたしは
だれ?
時の果てにも?
褐色の沙羅は
たぶん
だから、すでに
なに?
顯らかに
わたしたちは
眠るふりをしているに過ぎない。だからいつでも
あるいは、永遠に?
だから
気付く、わたしは
いつ?
時の果てにも?
わたしさえ
ほら、すでに
だれ?
沙羅。ほら
未だかつて
眠りに落ちた人間など
わたしたちは
だから永遠に?
嘗てひとりさえ
眠りに落ちた人間など
沙羅。あなたは
時の果てにも?
まばたく、そっと
存在などしなかった
音もなく
わたしは
まばたく、そっと
眠りなど
気配もなく
わたしは
ひとりだって
まばたく、そっと
深く、或は淺く
眠れたものなど
その気配さえ一度も
まばたく、そっと
一瞬にでも
眠れたものなど
ほら、沙羅
眠り得たものなど
いま、朝。だから
わたしたちは
ほら、沙羅
未だ嘗て眠った事など
いま、朝。だから
わたしたちは
ほら、沙羅
久遠の不眠の
いま、朝
光りの中に
ほら、沙羅
色彩ら
ほら、朝
光りの中に
消え失せる寸前
光りの中に
白らむあやうい
光りの中に
だから横溢に
光りの中に
眠りもせずに
醒められもせずに
醒めもせずに
眠れもせずに
光りの中に
だから横溢に
光りの中に
白らむあやうい
光りの中に
消え失せる寸前
光りの中に
ほら、朝
色彩ら
ほら、沙羅
光りの中に
いま、朝
久遠の不眠の
ほら、沙羅
わたしたちは
いま、朝。だから
未だ嘗て眠った事など
ほら、沙羅
わたしたちは
いま、朝。だから
眠り得たものなど
ほら、沙羅
眠れたものなど
一瞬にでも
まばたく、そっと
その気配さえ一度も
眠れたものなど
深く、或は淺く
まばたく、そっと
ひとりだって
わたしは
気配もなく
眠りなど
まばたく、そっと
わたしは
音もなく
存在などしなかった
まばたく、そっと
時の果てにも?
沙羅。あなたは
眠りに落ちた人間など
嘗てひとりさえ
だから永遠に?
わたしたちは
眠りに落ちた人間など
未だかつて
沙羅。ほら
だれ?
ほら、すでに
わたしさえ
時の果てにも?
いつ?
気付く、わたしは
だから
あるいは、永遠に?
眠るふりをしているに過ぎない。だからいつでも
わたしたちは
顯らかに
なに?
だから、すでに
たぶん
褐色の沙羅は
時の果てにも?
だれ?
気付く、わたしは
だから
あるいは、永遠に?
なに?
気付く、わたしは
だから
光りら
横溢しすぎた
見て、——これら
…錯覚?いま
光りら
あふれた
見て、——これら
…錯覚?いま
光りら
無防備な
見て、——これら
…錯覚?いま
沙羅は
気付いてしまったかのように
白濁。綺羅ら
ひたすらな
沙羅は
瞼の存在に
純粋な光りら
明るすぎ
光りらの中に
ほら、はじめて
ただ鮮明な
沙羅。いま
光りらの中に
いま、はじめて
明るいやわらかな
むしろ
気配もなく
色彩などただ、ほのかに
ふるえた虹彩
色彩などもはや
ひびきもなく
色彩などただ、ほのかに
ひらかれる睫毛
色彩などもはや
音もなく
色彩などただ、ほのかに
まばたく。そっと
色彩などもはや
なに?
色めきつづけるには違いなくも
沙羅。いま
あなたが
だれ?
輝き続けているには違いなくも
沙羅。いま
それら
突然の
…錯覚?いま
翳りの壊滅
撒き散らされ
唐突な
…錯覚?いま
翳りの崩壊
あふれかえり
赤裸々な
煌めき。もはや
光りの中に
見て、沙羅
無防備なまでに
青の洪水
光りの中に
見て、沙羅
沙羅、いま
その色彩
色ら。沙羅
空。その
あざやかな
その向こう
濃い翳り
眠る。…逆光
かさねて謂はく、
眠る。…逆光
陽炎を見ていた
息吹き
天井の
濃い翳り
なぜ?
なに?
なぜ?
その向こう
天井の
唇に、…その
陽炎を見ていた
あざやかな
空。その
翳ろう
息遣い
陽炎
色ら。沙羅
それら
なに?
それら
その色彩
陽炎
唇に、…その
翳ろう
沙羅、いま
見て、沙羅
白い漆喰に
あたたかな
だから陽炎
光りの中に
ゆらぐそれら
それら
ゆらぐそれら
青の洪水
だから陽炎
温度のある
白い漆喰に
無防備なまでに
見て、沙羅
翳ろい
あたたかな
陽炎
光りの中に
際限もなく
それら
際限もなく
煌めき。もはや
陽炎
あざやかな
翳ろい
赤裸々な
あふれかえり
ななめに伸びて
あざやかな
だから陽炎
翳りの崩壊
ゆらぐそれら
ケツ?
ゆらぐそれら
…錯覚?いま
だから陽炎
くさいんですけど
ななめに伸びて
唐突な
撒き散らされ
翳ろい
温度のある
陽炎
翳りの壊滅
色彩もなく
うんこ?
色彩もなく
…錯覚?いま
陽炎
あたたかな
翳ろい
突然の
それら
陽炎を見ていた
きとうに…その
天井に
沙羅。いま
なぜ?
カスついてる?
なぜ?
輝き続けているには違いなくも
天井に
息遣い
陽炎を見ていた
だれ?
あなたが
翳ろい
たまたまに…その
陽炎
沙羅。いま
とどまらない
毛?
とどまらない
色めきつづけるには違いなくも
陽炎
息吹き
翳ろい
なに?
色彩などもはや
生滅しつづけ
なぜだろう?
だから陽炎
まばたく。そっと
ゆらぐそれら
あやうい
ゆらぐそれら
色彩などただ、ほのかに
だから陽炎
その眼差しに
生滅しつづけ
音もなく
色彩などもはや
翳ろい
なぜだろう?
陽炎
ひらかれる睫毛
かたちさえない
あなたは
かたちさえない
色彩などただ、ほのかに
陽炎
その眼差しに
翳ろい
ひびきもなく
色彩などもはや
なにを反射して?
なぜだろう?
だから陽炎
ふるえた虹彩
ゆらぐそれら
不安をだけ
ゆらぐそれら
色彩などただ、ほのかに
だから陽炎
その眼差しに
なにを反射して?
気配もなく
むしろ
翳ろい
だれ?
陽炎
明るいやわらかな
鮮明な、それ
わたしの
鮮明な、それ
いま、はじめて
陽炎
だれ?
翳ろい
光りらの中に
沙羅。いま
目など
わたしの、その眼差しのなかにあなたは
もはや
ただ鮮明な
わたしに
だれ?
わたしに
ほら、はじめて
もはや
わたしの、その眼差しのなかにあなたは
目など
光りらの中に
明るすぎ
視神経?
だれ?
もはや
純粋な光りら
わたしに
わたしの
わたしに
瞼の存在に
もはや
だれ?
視神経?
沙羅は
ひたすらな
脳髄さえ
その眼差しに
もはや
白濁。綺羅ら
わたしに
不安をだけ
わたしに
気付いてしまったかのように
もはや
なぜだろう?
脳髄さえ
沙羅は
…錯覚?いま
頭部はどこに?
その眼差しに
すでに
見て、——これら
どこ?
あなたは
どこ?
無防備な
すでに
なぜだろう?
頭部はどこに?
光りら
…錯覚?いま
頸はどれ?
その眼差しに
すでに
見て、——これら
どれ?
あやうい
どれ?
あふれた
すでに
なぜだろう?
頸はどれ?
光りら
…錯覚?いま
足は?
目醒めかけの
すでに
見て、——これら
なに?
いま?
なに?
横溢しすぎた
すでに
もう
足は?
光りら
だから
息づいてあるべき肉体のすべては
目醒めそうな
すでに
気付く、わたしは
なに?
いま?
なに?
なに?
すでに
また
息づいてあるべき肉体のすべては
あるいは、永遠に?
だから
燃えて燃え盡き?
眠りはじめてしまうかもしれない
燃えて?
気付く、わたしは
いつ?
いま?
いつ?
だれ?
燃えて?
もう
燃えて燃え盡き?
時の果てにも?
褐色の沙羅は
生きていた?
目醒めている?
生れていた?
たぶん
死んでいた?
きっと
死んでいた?
だから、すでに
生れていた?
すぐに
生きていた?
なに?
顯らかに
だれが?
まばたいてしまいそうな
すでに
わたしたちは
燃え盡きた
いま?
燃え盡きた
眠るふりをしているに過ぎない。だからいつでも
すでに
いま
だれが?
あるいは、永遠に?
だから
焰
目醒めてしまいそうな
焰ら
気付く、わたしは
だから
いま?
だから
いつ?
焰ら
もう
焰
時の果てにも?
わたしさえ
それら
ひらかれた眼差しに
焰ら
ほら、すでに
だから
見い出すだろう
だから
だれ?
焰ら
わたしを
それら
沙羅。ほら
未だかつて
焰は
だれ?
陽炎は
眠りに落ちた人間など
ゆらぐ
顏のないわたしを
ゆらぐ
わたしたちは
陽炎は
だれ?
焰は
だから永遠に?
嘗てひとりさえ
色彩の不在
どれ?
綺羅ら
眠りに落ちた人間など
赤裸々な
顏もないあなたは
赤裸々な
沙羅。あなたは
綺羅ら
沙羅
色彩の不在
時の果てにも?
まばたく、そっと
わたしは
沙羅
陽炎は
存在などしなかった
見ていた
顏もないあなたは
見ていた
音もなく
陽炎は
どれ?
わたしは
わたしは
まばたく、そっと
ひたすらな綺羅めき
だれ?
不可視
眠りなど
さらされた
顏のないわたしを
さらされた
気配もなく
不可視
だれ?
ひたすらな綺羅めき
わたしは
ひとりだって
なにを見ていたの?
わたしを
だれが?
まばたく、そっと
だれ?
見い出すだろう
だれ?
深く、或は淺く
だれが?
ひらかれた眼差しに
なにを見ていたの?
眠れたものなど
その気配さえ一度も
なにが見ていたの?
もう
なぜ?
まばたく、そっと
もう
いま?
もう
一瞬にでも
なぜ?
目醒めてしまいそうな
なにが見ていたの?
眠れたものなど
ほら、沙羅
その眼窩さえ
いま
すでに
眠り得たものなど
もはや
いま?
もはや
いま、朝。だから
すでに
まばたいてしまいそうな
その眼窩さえ
わたしたちは
ほら、沙羅
その頭部さえ
すぐに
一度も
未だ嘗て眠った事など
もはや
きっと
もはや
いま、朝。だから
一度も
目醒めている?
その頭部さえ
わたしたちは
ほら、沙羅
だれ?
もう
ささやくのは
久遠の不眠の
いま
いま?
いま
いま、朝
ささやくのは
眠りはじめてしまうかもしれない
だれ?
光りの中に
ほら、沙羅
だれ?
まだ
つぶやくのは
色彩ら
いま
いま?
いま
ほら、朝
つぶやくのは
目醒めそうな
だれ?
光りの中に
消え失せる寸前
だれ?
もう
まばたいたのは
光りの中に
いま
いま?
いま
白らむあやうい
まばたいたのは
目醒めかけの
だれ?
光りの中に
だから横溢に
目醒めたのは
綺羅ら
いま、此の時に
光りの中に
だれ?
綺羅それら
だれ?
眠りもせずに
いま、此の時に
散乱
目醒めたのは
醒められもせずに
醒めもせずに
いま、此の時に
散乱
目醒めたのは
眠れもせずに
だれ?
綺羅それら
だれ?
光りの中に
目醒めたのは
綺羅ら
いま、此の時に
だから横溢に
光りの中に
まばたいたのは
沙羅
だれ?
白らむあやうい
いま
顏とけてびばぁぁぁん
いま
光りの中に
だれ?
どれ?
まばたいたのは
消え失せる寸前
光りの中に
つぶやくのは
だれ?
だれ?
ほら、朝
いま
ケツの孔縫ったおれ
いま
色彩ら
だれ?
だれ?
つぶやくのは
ほら、沙羅
光りの中に
ささやくのは
わたしを
だれ?
いま、朝
いま
見い出すだろう
いま
久遠の不眠の
だれ?
口に飛び散るそれは下痢便
ささやくのは
ほら、沙羅
わたしたちは
一度も
もう
その頭部さえ
いま、朝。だから
もはや
いま?
もはや
未だ嘗て眠った事など
その頭部さえ
目から汁ぶぅう
一度も
ほら、沙羅
わたしたちは
すでに
いま
その眼窩さえ
いま、朝。だから
もはや
いま?
もはや
眠り得たものなど
その眼窩さえ
耳から血もぶぅぅ華麗なる飛沫
すでに
ほら、沙羅
眠れたものなど
もう
すぐに
なにが見ていたの?
一瞬にでも
なぜ?
きっと
なぜ?
まばたく、そっと
なにが見ていたの?
目醒めている?
もう
その気配さえ一度も
眠れたものなど
だれが?
もう
なにを見ていたの?
深く、或は淺く
だれ?
あたまんなかかゆくてさくそ
だれ?
まばたく、そっと
なにを見ていたの?
眠りはじめてしまうかもしれない
だれが?
ひとりだって
わたしは
不可視
まだ
ひたすらな綺羅めき
気配もなく
さらされた
鼻毛ぬく?
さらされた
眠りなど
ひたすらな綺羅めき
目醒めそうな
不可視
まばたく、そっと
わたしは
陽炎は
もう
わたしは
音もなく
見ていた
いま?
見ていた
存在などしなかった
わたしは
腋毛くらいそりなさいよくそ
陽炎は
まばたく、そっと
時の果てにも?
綺羅ら
目醒めかけの
色彩の不在
沙羅。あなたは
赤裸々な
いま?
赤裸々な
眠りに落ちた人間など
色彩の不在
もう
綺羅ら
嘗てひとりさえ
だから永遠に?
陽炎は
目醒めそうな
焰は
わたしたちは
ゆらぐ
いま?
ゆらぐ
眠りに落ちた人間など
焰は
まだ
陽炎は
未だかつて
沙羅。ほら
焰ら
眠りはじめてしまうかもしれない
それら
だれ?
焰
いま?
焰
ほら、すでに
それら
もう
焰ら
わたしさえ
時の果てにも?
焰ら
目醒めている?
焰
いつ?
だから
きっと
だから
気付く、わたしは
焰
すぐに
焰ら
だから
あるいは、永遠に?
すでに
まばたいてしまいそうな
だれが?
眠るふりをしているに過ぎない。だからいつでも
燃え盡きた
いま?
燃え盡きた
わたしたちは
だれが?
いま
すでに
顯らかに
なに?
生まれていた?
目醒めてしまいそうな
生きていた?
だから、すでに
死んでいた?
いま?
死んでいた?
たぶん
生きていた?
もう
生まれていた?
褐色の沙羅は
時の果てにも?
燃えて?
ひらかれた眼差しに
燃えて燃え盡き?
だれ?
いつ?
見い出すだろう
いつ?
気付く、わたしは
燃えて燃え盡き?
わたしを
燃えて?
だから
あるいは、永遠に?
すでに
だれ?
息づいてあるべき肉体のすべては
なに?
なに?
顏のないわたしを
なに?
気付く、わたしは
息づいてあるべき肉体のすべては
だれ?
すでに
だから
光りら
すでに
どれ?
足は?
横溢しすぎた
なに?
顏もないあなたは
なに?
見て、——これら
足は?
どれ?
すでに
…錯覚?いま
光りら
すでに
だれ?
頸はどれ?
あふれた
どれ?
わたしの
どれ?
見て、——これら
頸はどれ?
だれ?
すでに
…錯覚?いま
光りら
すでに
その眼差しに
頭部はどこに?
無防備な
どこ?
不安をだけ
どこ?
見て、——これら
頭部はどこ?
なぜだろう?
すでに
…錯覚?いま
沙羅は
もはや
その眼差しに
脳髄さえ
気付いてしまったかのように
わたしに
あなたは
わたしに
白濁。綺羅ら
脳髄さえ
なぜだろう?
もはや
ひたすらな
沙羅は
もはや
その眼差しに
視神経?
瞼の存在に
わたしに
あやうい
わたしに
純粋な光りら
視神経?
なぜだろう?
もはや
明るすぎ
光りらの中に
もはや
わたしの、その眼差しのなかにあなたは
目など
ほら、はじめて
わたしに
だれ?
わたしに
ただ鮮明な
目など
わたしの、その眼差しのなかにあなたは
もはや
沙羅。いま
光りらの中に
陽炎
なぜだろう?
翳ろい
いま、はじめて
鮮明な、それ
あやうい
鮮明な、それ
明るいやわらかな
翳ろい
その眼差しに
陽炎
むしろ
気配もなく
だから陽炎
なぜだろう?
何を反射して?
色彩などただ、ほのかに
ゆらぐそれら
あなたは
ゆらぐそれら
ふるえた虹彩
何を反射して?
その眼差しに
だから陽炎
色彩などもはや
ひびきもなく
陽炎
なぜだろう?
翳ろい
色彩などただ、ほのかに
かたちさえない
不安をだけ
かたちさえない
ひらかれる睫毛
翳ろい
その眼差しに
陽炎
色彩などもはや
音もなく
だから陽炎
だれ?
生滅しつづけ
色彩などただ、ほのかに
ゆらぐそれら
わたしの
ゆらぐそれら
まばたく。そっと
生滅しつづけ
だれ?
だから陽炎
色彩などもはや
なに?
陽炎
あざやかな
翳ろい
色めきつづけるには違いなくも
とどまらない
それら
とどまらない
沙羅。いま
翳ろい
かすかな
陽炎
あなたが
だれ?
天井に
温度のある
陽炎を見ていた
輝き続けているには違いなくも
なぜ?
それら
なぜ?
沙羅。いま
陽炎を見ていた
あたたかな
天井に
それら
突然の
陽炎
唇に、…その
翳ろい
…錯覚?いま
色彩もなく
なに?
色彩もなく
翳りの壊滅
翳ろい
息遣い
陽炎
撒き散らされ
唐突な
だから陽炎
唇に、…その
ななめに伸びて
…錯覚?いま
ゆらぐそれら
なに?
ゆらぐそれら
翳りの崩壊
ななめに伸びて
息吹き
だから陽炎
あふれかえり
赤裸々な
翳ろい
息吹き
陽炎
煌めき。もはや
際限もなく
なに?
際限もなく
光りの中に
陽炎
唇に、…その
翳ろい
見て、沙羅
無防備なまでに
だから陽炎
息遣い
白い漆喰に
青の洪水
ゆらぐそれら
なに?
ゆらぐそれら
光りの中に
白い漆喰に
唇に、…その
だから陽炎
見て、沙羅
沙羅、いま
陽炎
あたたかな
翳ろう
その色彩
それら
それら
それら
色ら。沙羅
翳ろう
温度のある
陽炎
空。その
あざやかな
天井の
かすかな
陽炎を見ていた
その向こう
なぜ?
それら
なぜ?
濃い翳り
陽炎を見ていた
あざやかな
天井の
眠る。…逆光
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