流波 rūpa ……詩と小説059・流波 rūpa 癡多 citta ver.1.01 //なぜ?/だれ?/なぜ?/いま、あなたは //伽多


以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



10)66偈

   沙羅は、いま

   いつ?その

   開かれた

   眼差しに


   沙羅は、いま

   だれ?その

   朝の

   光りに


   沙羅は、いま

   なに?その

   開かれた

   窓に


   沙羅は、いま

   どこ?その

   開かれた

   口蓋に


   暗い、それは

   あざやかな

   翳り。だから

   翳りをさらし


   暗い、それは

   執拗な

   昏み。だから

   眩みの底に


   光の底に

   だから

   身を靠れた

   わたしは、その


   白い壁に

   だから

   部屋にはただ

   白いクロス


   壁に見る

   眠る沙羅

   ベッドの上に

   その上に


   だから陽炎。何?

   それは

   何?天井に

   白いクロスに


   死者たちは翳った

   死者たちはゆがみ

   死者たちは孔なし

   死者たちは


   色彩のない

   …錯覚?陽炎

   沙羅。死んだように

   光りの、あきらかな


   色彩のない

   …錯視?陽炎

   沙羅。あおむけの

   陽炎はゆらぎ


   色彩のない

   陽炎。翳ろい

   眠る。沙羅に

   ふりそそぎそうな


   眠ったふりの

   沙羅。開かれた目に

   ゆらぐ。陽炎

   ふりそそぎそうに


   ゆらぎ

   光りら

   沙羅。搖らめき

   綺羅めいて


   色彩のない

   …錯乱?陽炎

   沙羅。眠りの擬態

   それら陽炎はわななき


   さざなみ

   光りら

   沙羅。その虹彩は

   綺羅めいて


   翳りら

   死者ら

   彼らは翳る

   その死者ら


   綺羅ら

   死者ら

   彼らはゆがむ

   その死者ら


   綺羅ら

   死者ら

   彼らは孔を

   孔をひらいて


   無数の孔ら

   未だ、それら

   生れてさえ

   いつ?


   翳りら

   ゆらら

   生れてさえないように

   ゆらら


   無数の孔ら

   未だ、それら

   留まるすべも

   なぜ?


   翳りら

   ゆらら

   留まり得ずに

   ゆらら


   無数の孔ら

   未だ、それら

   滅びてさえ

   いつ?


   翳りら

   ゆらら

   滅びてさえないように

   ゆらら


   いま、わたしの目の前に

   色彩もない

   眠る、あなたの

   死者ら


   沙羅。いま

   色彩もない

   眠る、その

   その息吹きに


   拡がる色彩

   陽炎。すべては

   …錯覚?向こうには

   沙羅。ほら


   拡がる色彩

   窓の向こうに

   …錯覚?はるかに

   沙羅。ほら


   白く、ただ

   白。終には白に

   白に至り、あざやかに

   その青。沙羅


   かすかに兆し

   赤も、青、空に

   …錯覚?未だ

   ほら、いま


   沙羅、ほら

   …錯覚?未だ

   赤も、青、空に

   かすかに兆し


   その青。沙羅

   白に至り、あざやかに

   白。終には白に

   白く、ただ


   沙羅。ほら

   …錯覚?はるかに

   窓の向こうに

   拡がる色彩


   沙羅。ほら

   …錯覚?向こうには

   陽炎。すべては

   拡がる色彩


   その息吹きに

   眠る、その

   色彩もない

   沙羅。いま


   死者ら

   眠る、あなたの

   色彩もない

   いま、わたしの目の前に


   ゆらら

   滅びてさえないように

   ゆらら

   翳りら


   いつ?

   滅びてさえ

   未だ、それら

   無数の孔ら


   ゆらら

   留まり得ずに

   翳りら

   ゆらら


   なぜ?

   留まるすべも

   未だ、それら

   無数の孔ら


   ゆらら

   生れてさえないように

   翳りら

   ゆらら


   いつ?

   生れてさえ

   未だ、それら

   無数の孔ら


   孔をひらいて

   彼らは孔を

   死者ら

   綺羅ら


   その死者ら

   彼らはゆがむ

   死者ら

   綺羅ら


   その死者ら

   彼らは翳る

   死者ら

   翳りら


   綺羅めいて

   沙羅。その虹彩は

   光りら

   さざなみ


   それら陽炎はわななき

   沙羅。眠りの擬態

   …錯乱?陽炎

   色彩のない


   綺羅めいて

   沙羅。搖らめき

   光りら

   ゆらぎ


   ふりそそぎそうに

   ゆらぐ。陽炎

   沙羅。開かれた目に

   眠ったふりの


   ふりそそぎそうな

   眠る。沙羅に

   陽炎。翳ろい

   色彩のない


   陽炎はゆらぎ

   沙羅。あおむけの

   …錯視?陽炎

   色彩のない


   光りの、あきらかな

   沙羅。死んだように

   …錯覚?陽炎

   色彩のない


   死者たちは

   死者たちは孔なし

   死者たちはゆがみ

   死者たちは翳った


   白いクロスに

   何?天井に

   それは

   だから陽炎。何?


   その上に

   ベッドの上に

   眠る沙羅

   壁に見る


   白いクロス

   部屋にはただ

   だから

   白い壁に


   わたしは、その

   身を靠れた

   だから

   光の底に


   眩みの底に

   昏み。だから

   執拗な

   暗い、それは


   翳りをさらし

   翳り。だから

   あざやかな

   暗い、それは


   口蓋に

   開かれた

   どこ?その

   沙羅は、いま


   窓に

   開かれた

   なに?その

   沙羅は、いま


   光りに

   朝の

   だれ?その

   沙羅は、いま


   眼差しに

   開かれた

   いつ?その

   沙羅は、いま


かさねて謂はく、

   沙羅は、いま

      ひびく

    しずく

     なにが?

   いつ?その

      どこに?

    したたる

     どこに?

   開かれた

      なにが?

    やわらかな

     ひびく

   眼差しに


   沙羅は、いま

      ひびきあう

    しずく

     なにが?

   だれ?その

      どこに?

    したたる

     どこに?

   朝の

      なにが?

    かすかな

     ひびきあう

   光りに


   沙羅は、いま

      なりひびく

    にごり

     なにが?

   なに?その

      どこに?

    したたる

     どこに?

   開かれた

      なにが?

    まきちらす

     なりひびく

   窓に


   沙羅は、いま

      ひびく

    におい

     すでに

   どこ?その

      赤裸々に

    したたり

     赤裸々に

   開かれた

      すでに

    しずくなし

     ひびく

   口蓋に


   暗い、それは

      ただ、眼差しに

    綺羅

     眼玉ぶっちょ

   あざやかな

      くりぬき

    綺羅らいで

     くりぬき

   翳り。だから

      眼玉ぶっちょ

    綺羅

     ただ、眼差しに

   翳りをさらし


   暗い、それは

      それはただ、眼差しに

    光りに

     眼玉びっちょ

   執拗な

      えぐって

    横殴りの

     えぐって

   昏み。だから

      眼玉びっちょ

    光りら

     それはただ、眼差しに

   眩みの底に


   光の底に

      ただ、見い出された海

    光りら

     眼玉ぼっちょ

   だから

      はむはむ

    横殴りの

     はむはむ

   身を靠れた

      眼玉ぼっちょ

    光りに

     ただ、見い出された海

   わたしは、その


   白い壁に

      それはただ、赤裸々に海

    綺羅

     眼玉ぎぃんちょ

   だから

      かみかみ

    綺羅らいで

     かみかみ

   部屋にはただ

      眼玉ぎぃんちょ

    綺羅

     それはただ、赤裸々に海

   白いクロス


   壁に見る

      立ちつくすように

    しずくなし

     その色彩を

   眠る沙羅

      見い出された、…海

    したたり

     見い出された、…海

   ベッドの上に

      その色彩を

    におい

     立ちつくすように

   その上に


   だから陽炎。何?

      すくみあがるように

    まきちらす

     聞いていた

   それは

      ひびきあう、…綺羅を

    したたる

     ひびきあう、…綺羅を

   何?天井に

      聞いていた

    にごり

     すくみあがるように

   白いクロスに


   死者たちは翳った

      聲もなく

    かすかな

     その聲さえなく

   死者たちはゆがみ

      なにも

    したたる

     なにも

   死者たちは孔なし

      その聲さえなく

    しずく

     聲もなく

   死者たちは


   色彩のない

      海はいま

    やわらかな

     飛び散った

   …錯覚?陽炎

      綺羅

    したたる

     綺羅

   沙羅。死んだように

      飛び散った

    しずく

     海はいま

   光りの、あきらかな


   色彩のない

      海はいま

    あたたかな

     とめどない生滅

   …錯視?陽炎

      綺羅

    しずくは

     綺羅

   沙羅。あおむけの

      とめどない生滅

    その肌に

     海はいま

   陽炎はゆらぎ


   色彩のない

      海はいま

    その肌に

     ただ静まりかえって

   陽炎。翳ろい

      綺羅

    しずくは

     綺羅

   眠る。沙羅に

      ただ静まりかえって

    あたたかな

     海はいま

   ふりそそぎそうな


   眠ったふりの

      さざめき

    床に

     色さえもなく

   沙羅。開かれた目に

      色なし、もはや

    わずかに

     色なし、もはや

   ゆらぐ。陽炎

      色さえもなく

    綺羅

     さざめき

   ふりそそぎそうに


   ゆらぎ

      綺羅だち

    綺羅

     あざやかすぎた

   光りら

      色なく、もはや

    わずかに

     色なく、もはや

   沙羅。搖らめき

      あざやかすぎた

    床に

     綺羅だち

   綺羅めいて


   色彩のない

      海はいま

    光りに

     波だちつづけて

   …錯乱?陽炎

      綺羅

    あざやかに

     綺羅

   沙羅。眠りの擬態

      波だちつづけて

    綺羅

     海はいま

   それら陽炎はわななき


   さざなみ

      喰える?

    指先にも

     くさくない?

   光りら

      海は

    あざやかに

     海は

   沙羅。その虹彩は

      喰える?

    綺羅

     くさくない?

   綺羅めいて


   翳りら

      くさっ!

    爪にも

     屁かよ?

   死者ら

      光りの洪水

    痛ましいほど

     光りの洪水

   彼らは翳る

      屁かよ?

    綺羅

     くさっ!

   その死者ら


   綺羅ら

      小便くさっ!

    綺羅

     喰える?

   死者ら

      色もない色めき

    痛ましいほど

     色もない色めき

   彼らはゆがむ

      喰える?

    爪にも

     小便くさっ!

   その死者ら


   綺羅ら

      見蕩れていたのではなかった

    綺羅

     ひらけ肛門

   死者ら

      決して

    鮮明に

     決して

   彼らは孔を

      ひらけ肛門

    指先にも

     見蕩れていたのではなかった

   孔をひらいて


   無数の孔ら

      見飽きていたのだ

    綺羅

     とびちれ糞

   未だ、それら

      もはや

    あざやかに

     もはや

   生れてさえ

      とびちれ糞

    光りに

     見飽きていたのだ

   いつ?


   翳りら

      その目を離せないままに

    もはや、海

     糞ぼっちゃん

   ゆらら

      ずっと

    その眼差しが

     ずっと

   生れてさえないように

      糞ぼっちゃん

    見い出していたのは

     その目を離せないままに

   ゆらら


   無数の孔ら

      見つめつづけたままに

    窓ごしの、海

     糞ぐっそん

   未だ、それら

      そっと

    その眼差しが

     そっと

   留まるすべも

      糞ぐっそん

    見い出していたのは

     見つめつづけたままに

   なぜ?


   翳りら

      まばたきもせずに

    搖ららぎの、海

     糞びびん

   ゆらら

      ひたすら

    その眼差しが

     ひたすら

   留まり得ずに

      糞びびん

    見い出していたのは

     まばたきもせずに

   ゆらら


   無数の孔ら

      言葉さえ忘れ

    さざめきの、海

     なに?

   未だ、それら

      だから

    その眼差しが

     だから

   滅びてさえ

      なに?

    見い出していたのは

     言葉さえ忘れ

   いつ?


   翳りら

      脳みそないから

    その色彩

     なに?

   ゆらら

      ばか?

    それら?

     ばか?

   滅びてさえないように

      なに?

    それら、色彩

     脳みそないから

   ゆらら


   いま、わたしの目の前に

      頭ないから

    それら、色彩

     なに?

   色彩もない

      死んだら?

    それら?

     死んだら?

   眠る、あなたの

      なに?

    その色彩

     頭ないから

   死者ら


   沙羅。いま

      腐ってるから

    見い出していたのは

     まじ?

   色彩もない

      生きてんの?

    その眼差しが

     生きてんの?

   眠る、その

      まじ?

    さざめきの、海

     腐ってるから

   その息吹きに


   拡がる色彩

      喰う?

    見い出していたのは

     なに?

   陽炎。すべては

      ばか?

    その眼差しが

     ばか?

   …錯覚?向こうには

      なに?

    搖ららぎの、海

     喰う?

   沙羅。ほら


   拡がる色彩

      しゃぶる?…眼球

    見い出していたのは

     なに?

   窓の向こうに

      やめて

    その眼差しが

     やめて

   …錯覚?はるかに

      なに?

    窓ごしの、海

     しゃぶる?…眼球

   沙羅。ほら

    

   白く、ただ

      孵化してんじゃね?

    見い出していたのは

     這い這い

   白。終には白に

      蛆?

    その眼差しが

     蛆?

   白に至り、あざやかに

      這い這い

    もはや、海

     孵化してんじゃね?

   その青。沙羅


   かすかに兆し

      聲もなく

    なぜ?…笑んでいたの?

   赤も、青、空に

      なにも

    わたしは

     なにも

   …錯覚?未だ

      その聲さえなく

    だれ?

     聲もなく

   ほら、いま


   沙羅、ほら

      聲もなく

    だれ?

     その聲さえなく

   …錯覚?未だ

      なにも

    わたしは

     なにも

   赤も、青、空に

      その聲さえなく

    なぜ?…笑んでいたの?

     聲もなく

   かすかに兆し


   その青。沙羅

      這い這い

    それら、色彩

     孵化してんじゃね?

   白に至り、あざやかに

      蛆?

    それら?

     蛆?

   白。終には白に

      孵化してんじゃね?

    その色彩

     這い這い

   白く、ただ


   沙羅。ほら

      なに?

    見い出していたのは

     しゃぶる?…眼球

   …錯覚?はるかに

      やめて

    その眼差しが

     やめて

   窓の向こうに

      しゃぶる?…眼球

    さざめきの、海

     なに?

   拡がる色彩


   沙羅。ほら

      なに?

    見い出していたのは

     喰う?

   …錯覚?向こうには

      ばか?

    その眼差しが

     ばか?

   陽炎。すべては

      喰う?

    搖ららぎの、海

     なに?

   拡がる色彩


   その息吹きに

      まじ?

    見い出していたのは

     腐ってるから

   眠る、その

      生きてんの?

    その眼差しが

     生きてんの?

   色彩もない

      腐ってるから

    窓ごしの、海

     まじ?

   沙羅。いま


   死者ら

      なに?

    見い出していたのは

     頭ないから

   眠る、あなたの

      死んだら?

    その眼差しが

     死んだら?

   色彩もない

      頭ないから

    もはや、海

     なに?

   いま、わたしの目の前に


   ゆらら

      なに?

    もはや、海

     脳みそないから

   滅びてさえないように

      ばか?

    その眼差しが

     ばか?

   ゆらら

      脳みそないから

    見い出していたのは

     なに?

   翳りら


   いつ?

      なに?

    窓ごしの、海

     言葉さえ忘れ

   滅びてさえ

      だから

    その眼差しが

     だから

   未だ、それら

      言葉さえ忘れ

    見い出していたのは

     なに?

   無数の孔ら


   ゆらら

      糞びびん

    搖ららぎの、海

     まばたきもせずに

   留まり得ずに

      ひたすら

    その眼差しが

     ひたすら

   翳りら

      まばたきもせずに

    見い出していたのは

     糞びびん

   ゆらら


   なぜ?

      糞ぐっそん

    さざめきの、海

     見つめつづけたままに

   留まるすべも

      そっと

    その眼差しが

     そっと

   未だ、それら

      見つめつづけたままに

    見い出していたのは

     糞ぐっそん

   無数の孔ら


   ゆらら

      糞ぼっちゃん

    その色彩

     その目を離せないままに

   生れてさえないように

      ずっと

    それら?

     ずっと

   翳りら

      その目を離せないままに

    それら、色彩

     糞ぼっちゃん

   ゆらら


   いつ?

      とびちれ糞

    綺羅

     見飽きていたのだ

   生れてさえ

      もはや

    痛ましいほど

     もはや

   未だ、それら

      見飽きていたのだ

    爪にも

     とびちれ糞

   無数の孔ら


   孔をひらいて

      ひらけ肛門

    綺羅

     見蕩れていたのではなかった

   彼らは孔を

      決して

    鮮明に

     決して

   死者ら

      見蕩れていたのではなかった

    指先にも

     ひらけ肛門

   綺羅ら


   その死者ら

      喰える?

    綺羅

     小便くさっ!

   彼らはゆがむ

      光りの洪水

    あざやかに

     光りの洪水

   死者ら

      小便くさっ!

    光りに

     喰える?

   綺羅ら


   その死者ら

      屁かよ?

    光りに

     くさっ!

   彼らは翳る

      光りの洪水

    あざやかに

     光りの洪水

   死者ら

      くさっ!

    綺羅

     屁かよ?

   翳りら


   綺羅めいて

      くさくない?

    指先にも

     喰える?

   沙羅。その虹彩は

      海は

    鮮明に

     海は

   光りら

      喰える?

    綺羅

     くさくない?

   さざなみ


   それら陽炎はわななき

      波だちつづけて

    爪にも

     海はいま

   沙羅。眠りの擬態

      綺羅

    痛ましいほど

     綺羅

   …錯乱?陽炎

      海はいま

    綺羅

     波だちつづけて

   色彩のない


   綺羅めいて

      あざやかすぎた

    綺羅

     綺羅だち

   沙羅。搖らめき

      色なく、もはや

    わずかに

     色なく、もはや

   光りら

      綺羅だち

    床に

     あざやかすぎた

   ゆらぎ


   ふりそそぎそうに

      色さえもなく

    床に

     さざめき

   ゆらぐ。陽炎

      色なし、もはや

    わずかに

     色なし、もはや

   沙羅。開かれた目に

      さざめき

    綺羅

     色さえもなく

   眠ったふりの


   ふりそそぎそうな

      ただ静まりかえって

    その肌に

     海はいま

   眠る。沙羅に

      綺羅

    しずくは

     綺羅

   陽炎。翳ろい

      海はいま

    あたたかな

     ただ静まりかえって

   色彩のない


   陽炎はゆらぎ

      とめどない生滅

    あたたかな

     海はいま

   沙羅。あおむけの

      綺羅

    しずくは

     綺羅

   …錯視?陽炎

      海はいま

    その肌に

     とめどない生滅

   色彩のない


   光りの、あきらかな

      飛び散った

    光りら

     海はいま

   沙羅。死んだように

      綺羅

    横殴りの

     綺羅

   …錯覚?陽炎

      海はいま

    光りに

     飛び散った

   色彩のない


   死者たちは

      その聲さえなく

    綺羅

     聲もなく

   死者たちは孔なし

      なにも

    綺羅らいで

     なにも

   死者たちはゆがみ

      聲もなく

    綺羅

     その聲さえなく

   死者たちは翳った


   白いクロスに

      聞いていた

    しずくなし

     すくみあがるように

   何?天井に

      ひびきあう、…綺羅を

    したたり

     ひびきあう、…綺羅を

   それは

      すくみあがるように

    におい

     聞いていた

   だから陽炎。何?


   その上に

      その色彩を

    まきちらす

     立ちつくすように

   ベッドの上に

      見い出された、…海

    したたる

     見い出された、…海

   眠る沙羅

      立ちつくすように

    にごり

     その色彩を

   壁に見る


   白いクロス

      眼玉ぎぃんちょ

    かすかな

     それはただ、赤裸々に海

   部屋にはただ

      かみかみ

    したたる

     かみかみ

   だから

      それはただ、赤裸々に海

    しずく

     眼玉ぎぃんちょ

   白い壁に


   わたしは、その

      眼玉ぼっちょ

    やわらかな

     ただ、見い出された海

   身を靠れた

      はむはむ

    したたる

     はむはむ

   だから

      ただ、見い出された海

    しずく

     眼玉ぼっちょ

   光の底に


   眩みの底に

      眼玉びっちょ

    しずく

     それはただ、眼差しに

   昏み。だから

      えぐって

    したたる

     えぐって

   執拗な

      それはただ、眼差しに

    やわらかな

     眼玉びっちょ

   暗い、それは


   翳りをさらし

      眼玉ぶっちょ

    しずく

     ただ、眼差しに

   翳り。だから

      くりぬき

    したたる

     くりぬき

   あざやかな

      ただ、眼差しに

    かすかな

     眼玉ぶっちょ

   暗い、それは


   口蓋に

      すでに

    にごり

     ひびく

   開かれた

      赤裸々に

    したたる

     赤裸々に

   どこ?その

      ひびく

    まきちらす

     すでに

   沙羅は、いま


   窓に

      なにが?

    におい

     なりひびく

   開かれた

      どこに?

    したたり

     どこに?

   なに?その

      なりひびく

    しずくなし

     なにが?

   沙羅は、いま


   光りに

      なにが?

    綺羅

     ひびきあう

   朝の

      どこに?

    綺羅らいで

     どこに?

   だれ?その

      ひびきあう

    綺羅

     なにが?

   沙羅は、いま


   眼差しに

      なにが?

    光りに

     ひびく

   開かれた

      どこに?

    横殴りの

     どこに?

   いつ?その

      ひびく

    光りら

     なにが?

   沙羅は、いま







Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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