流波 rūpa ……詩と小説027・二十九の詩と散文による流波 rūpa 伽多
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
以下は詩。もしくは、この10月から書いてる長い小説と、11月に書いた中編小説のシノプシス、或はテーマ。
小説の概要は、ベトナム在住のわたしが十六歳/十八歳の少年/少女に出会う。彼/彼女は売春をしている男/女で、その名前も素性も知れない。だから、わたしは彼/彼女を沙羅と名づけた。共通言語はなにもない。そしてわたしにさまざまな記憶が想起される。
般若經・中論・唯識論をベースにしたもの。
詩は、詩本編と、複声部のパーツふたつ、及び二声の詩と四声の詩。
七偈の伽多//沙羅は笑った/笑った/ひとりで/だから癡呆
沙羅は笑った
笑った
ひとりで
だから癡呆
沙羅。虹彩
綺羅
聲立て笑い
ゆらいだ
上半身だけ
引き攣った?
腕だけ
のけぞった?
首だけ
知性などない
智慧さえもない
首だけ
のけぞった?
腕だけ
引き攣った?
上半身だけ
ゆらいだ
聲立て笑い
綺羅
沙羅。虹彩
だから癡呆
ひとりで
笑った
沙羅は笑った
〇1
しずかだったから
もうどうしようもなく
しずかだったから
さんさんと
ひかりたち
そそぎ
あかるかったから
もうどうしようもなく
あかるかったから
こゑをたててわらうのだった
沙羅は
こゑをたててわらうのだった
〇2
裂かれて
擦られたように
雲さえ
ただ白く
遠く
綺羅めきながら
だから思わず
沙羅は
息を呑む
それは、きれい
ほら沙羅、いま
それが、きれい
●二聲の伽多
沙羅は笑った
しずかだったから
笑った
もうどうしようもなく
ひとりで
しずかだったから
だから癡呆
沙羅。虹彩
さんさんと
綺羅
ひかりたち
聲立て笑い
そそぎ
ゆらいだ
上半身だけ
あかるかったから
引き攣った?
もうどうしようもなく
腕だけ
あかるかったから
のけぞった?
首だけ
こゑをたててわらうのだった
知性などない
沙羅は
智慧さえもない
こゑをたててわらうのだった
首だけ
のけぞった?
あかるかったから
腕だけ
もうどうしようもなく
引き攣った?
あかるかったから
上半身だけ
ゆらいだ
そそぎ
聲立て笑い
ひかりたち
綺羅
さんさんと
沙羅。虹彩
だから癡呆
しずかだったから
ひとりで
もうどうしようもなく
笑った
しずかだったから
沙羅は笑った
●四聲の伽多
沙羅は笑った
裂かれて
しずかだったから
雲さえ
笑った
擦られたように
もうどうしようもなく
擦られたように
ひとりで
雲さえ
しずかだったから
裂かれて
だから癡呆
沙羅。虹彩
ただ白く
さんさんと
綺羅めきながら
綺羅
遠く
ひかりたち
遠く
聲立て笑い
綺羅めきながら
そそぎ
ただ白く
ゆらいだ
上半身だけ
だから思わず
あかるかったから
息を呑む
引き攣った?
沙羅は
もうどうしようもなく
沙羅は
腕だけ
息を呑む
あかるかったから
だから思わず
のけぞった?
首だけ
それは、きれい
こゑをたててわらうのだった
それが、きれい
知性などない
ほら沙羅、いまその
沙羅は
智慧さえもない
それが、きれい
こゑをたててわらうのだった
それは、きれい
首だけ
のけぞった?
息を吞む
あかるかったから
だから思わず
腕だけ
沙羅は
もうどうしようもなく
沙羅は
引き攣った?
息を呑む
あかるかったから
だから思わず
上半身だけ
ゆらいだ
綺羅めきながら
そそぎ
ただ白く
聲立て笑い
遠く
ひかりたち
遠く
綺羅
ただ白く
さんさんと
綺羅めきながら
沙羅。虹彩
だから癡呆
雲さえ
しずかだったから
裂かれて
ひとりで
擦られたように
もうどうしようもなく
擦られたように
笑った
裂かれて
しずかだったから
雲さえ
沙羅は笑った
0コメント