流波 rūpa ……詩と小説026・二十九の詩と散文による流波 rūpa 伽多


以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



以下は詩。もしくは、この10月から書いてる長い小説と、11月に書いた中編小説のシノプシス、或はテーマ。

小説の概要は、ベトナム在住のわたしが十六歳/十八歳の少年/少女に出会う。彼/彼女は売春をしている男/女で、その名前も素性も知れない。だから、わたしは彼/彼女を沙羅と名づけた。共通言語はなにもない。そしてわたしにさまざまな記憶が想起される。

般若經・中論・唯識論をベースにしたもの。

詩は、詩本編と、複声部のパーツふたつ、及び二声の詩と四声の詩。



十五偈の伽多//貪るものら/噉らう/貪り噉らうものら/噉らい


貪るものら

噉らう

貪り噉らうものら

噉らい


昏いその

その眼差しに、沙羅

微笑んでさえ

昏いその


眼差しの沙羅

沙羅の狂暴

昏いその

眼差しに、沙羅


何を?沙羅

沙羅、ほほえみに

沙羅、何を?

その昏い


眼差しに沙羅

ひとりであなたは

ほほ笑みながら

笑み、沙羅


色彩を、沙羅

飛び散る色

沙羅

紅の、沙羅


色をそめた

沙羅

色にそまり

沙羅、ほら


沙羅、ね?

沙羅

沙羅

沙羅、ね?


沙羅、ほら

色にそまり

沙羅

色をそめた


紅の、沙羅

沙羅

飛び散る色

色彩を、沙羅


笑み、沙羅

ほほ笑みながら

ひとりであなたは

眼差しに、沙羅


その昏い

沙羅、何を?

沙羅、ほほえみに

何を?沙羅


眼差しに、沙羅

昏いその

沙羅の狂暴

眼差しの沙羅


昏いその

微笑んでさえ

眼差しに、沙羅

昏いその


貪るものら

噉らう

貪り噉らうものら

噉らい



〇1

殘酷

色彩は

殘酷


あかさない

色彩は

あかさない


みだれない

色彩は

みだれない


存在しない

色彩は

存在しない


過去さえ

色彩は

過去さえ


未來さえ

色彩は

未來さえ


いまさえ

色彩は

いまさえ


永遠にさえも

色彩は

永遠にさえも



〇2

空に

燃えた

鳥たちは


失神

すでに

空は


燃えた

鳥たち

だから鳥ら


殘し香も

もう

燃え盡きた


名殘りさえ

殘像

捨て置く


誰れも

見なかった

誰れも


その焰さえ

だから

燃えあがり


ほら

すべて失神

ほら



●二聲の伽多

貪るものら

 殘酷

噉らう

 色彩は

貪り噉らうものら

 殘酷

噉らい


昏いその

 あかさない

眼差しに、沙羅

 色彩は

微笑んでさえ

 あかさない

昏いその


眼差しの沙羅

 みだれない

沙羅の狂暴

 色彩は

昏いその

 みだれない

眼差しに、沙羅


何を?沙羅

 存在しない

沙羅、ほほえみながら

 色彩は

沙羅、何を?

 存在しない

その昏い


眼差しに、沙羅

 過去さえ

ひとりであなたは

 色彩は

ほほ笑みながら

 過去さえ

笑み、沙羅


色彩を、沙羅

 未來さえ

飛び散る色

 色彩は

沙羅

 未來さえ

紅の、沙羅


色をそめた

 いまさえ

沙羅

 色彩は

色にそまり

 いまさえ

沙羅、ほら


沙羅、ね?

 永遠にさえも

沙羅

 色彩は

沙羅

 永遠にさえも

沙羅、ね?


沙羅、ほら

 いまさえ

色にそまり

 色彩は

沙羅

 いまさえ

色をそめた


紅の、沙羅

 未來さえ

沙羅

 色彩は

飛び散る色

 未來さえ

色彩を、沙羅


笑み、沙羅

 過去さえ

ほほ笑み乍ら

 色彩は

ひとりであなたは

 過去さえ

眼差しに、沙羅


その昏い

 存在しない

沙羅、何を?

 色彩は

沙羅、ほほえみに

 存在しない

何を?沙羅


眼差しに、沙羅

 みだれない

昏いその

 色彩は

沙羅の狂暴

 みだれない

眼差しの沙羅


昏いその

 あかさない

微笑んでさえ

 色彩は

眼差しに、沙羅

 あかさない

昏いその


貪るものら

 殘酷

噉らう

 色彩は

貪り噉らうものら

 殘酷

噉らい



●四聲の伽多

貪るものら

   空に

 殘酷

  鳥たちは

噉らう

   燃えた

 色彩は

  燃えた

貪り噉らうものら

   鳥たちは

 殘酷

  空に

噉らい


昏いその

   失神

 あかさない

  空は

眼差しに、沙羅

   すでに

 色彩は

  すでに

微笑んでさえ

   空は

 あかさない

  失神

昏いその


眼差しの沙羅

   燃えた

 みだれない

  だから鳥らは

沙羅の狂暴

   鳥たち

 色彩は

  鳥たち

昏いその

   だから鳥らは

 みだれない

  燃えた

眼差しに、沙羅


何を?沙羅

   殘し香も

 存在しない

  燃え盡き

沙羅、ほほえみながら

   もう

 色彩は

  もう

沙羅、何を?

   燃え盡き

 存在しない

  殘し香も

その昏い


眼差しに、沙羅

   名殘りさえ

 過去さえ

  捨て置き

ひとりであなたは

   殘像

 色彩は

  殘像

ほほ笑みながら

   捨て置き

 過去さえ

  名殘りさえ

笑み、沙羅


色彩を、沙羅

   誰れも

 未來さえ

  誰れも

飛び散る色

   見なかった

 色彩は

  見なかった

沙羅

   誰れも

 未來さえ

  誰れも

紅の、沙羅


色をそめた

   その焰さえ

 いまさえ

  燃えあがり

沙羅

   だから

 色彩は

  だから

色にそまり

   燃えあがり

 いまさえ

  その焰さえ

沙羅、ほら


沙羅、ね?

   ほら

 永遠にさえも

  いま

沙羅

   すべて失神

 色彩は

  すべて失神

沙羅

   いま

 永遠にさえも

  ほら

沙羅、ね?


沙羅、ほら

   燃えあがり

 いまさえ

  その焰さえ

色にそまり

   だから

 色彩は

  だから

沙羅

   その焰さえ

 いまさえ

  燃えあがり

色をそめた


紅の、沙羅

   誰れも

 未來さえ

  誰れも

沙羅

   見なかった

 色彩は

  見なかった

飛び散る色

   誰れも

 未來さえ

  誰れも

色彩を、沙羅


笑み、沙羅

   捨て置く

 過去さえ

   名殘りさえ

ほほ笑み乍ら

   殘像

 色彩は

  殘像

ひとりであなたは

   名殘りさえ

 過去さえ

  捨て置く

眼差しに、沙羅


その昏い

   燃え盡きた

 存在しない

  殘し香も

沙羅、何を?

   もう

 色彩は

  もう

沙羅、ほほえみに

   殘し香も

 存在しない

  燃え盡きた

何を?沙羅


眼差しに、沙羅

   だから鳥ら

 みだれない

  燃えた

昏いその

   鳥たち

 色彩は

  鳥たち

沙羅の狂暴

   燃えた

 みだれない

  だから鳥ら

眼差しの沙羅


昏いその

   空は

 あかさない

  失神

微笑んでさえ

   すでに

 色彩は

  すでに

眼差しに、沙羅

   失神

 あかさない

  空は

昏いその


貪るものら

   鳥たちは

 殘酷

  空に

噉らう

   燃えた

 色彩は

  燃えた

貪り噉らうものら

   空に

 殘酷

  鳥たちは

噉らい








Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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