流波 rūpa ……詩と小説015・二十九の詩と散文による流波 rūpa 伽多

以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

以下は詩。もしくは、この10月から書いてる長い小説と、11月に書いた中編小説のシノプシス、或はテーマ。

小説の概要は、ベトナム在住のわたしが十六歳／十八歳の少年／少女に出会う。彼／彼女は売春をしている男／女で、その名前も素性も知れない。だから、わたしは彼／彼女を沙羅と名づけた。共通言語はなにもない。そしてわたしにさまざまな記憶が想起される。

般若經・中論・唯識論をベースにしたもの。

詩は、詩本編と、複声部のパーツふたつ、及び二声の詩と四声の詩。

二十一の伽多//化ものら/沙羅、それは/それは、沙羅/だから怪物ら

化ものら

沙羅、それは

それは、沙羅

だから怪物ら

空も土も

海も雨も

あなたたちの爲でないなら

わたしの爲でないなら

化ものら

沙羅、だから

それは、沙羅

怪物ら

わたしたちの爲でないなら

あなたの爲でないなら

花も葉々も

蜜もその蕊も

沙羅、鏡の中に

ほら、化ものら

沙羅、だから沙羅

それは、沙羅

沙羅、水面にも

ほら、怪物ら

沙羅、だから沙羅

それは、沙羅

化ものたちが

ささやきあった

怪物ら

ただ異形のものら

ふれた葉ら

その色ら

かたちも化もの

沙羅、怪物ら

嗅ぐ花ら

その香りら

それら化もの

沙羅、怪物ら

味わう蜜ら

その味ら

それら化もの

沙羅、怪物ら

沙羅、化ものら

沙羅、それら聲、息吹き

それら息吹き、聲なし

沙羅、化ものら

沙羅、怪物ら

それら化もの

その味ら

味わう蜜ら

沙羅、怪物ら

それら化もの

その香ら

嗅ぐ花ら

沙羅、怪物ら

かたちも化もの

その色ら

ふれた葉ら

ただ異形のものら

怪物ら

ささやきあった

化ものたちが

それは、沙羅

沙羅、だから沙羅

ほら、怪物ら

沙羅、水面にも

それは、沙羅

沙羅、だから沙羅

ほら、化ものら

沙羅、鏡の中に

蜜もその蕊も

花も葉々も

あなたの爲でないなら

わたしたちの爲でないなら

怪物ら

それは、沙羅

沙羅、だから

化ものら

わたしの爲でないなら

あなたたちの爲でないなら

海も雨も

空も土も

怪物ら

それは、沙羅

沙羅、だから

化ものら

〇１

なに？…え？

は？…ん？

それにんげんのことば？

だれ？あんた

なにもの？

なに？

なに？…え？

は？…ん？

それにんげんのかたち？

だからだれ？

あんたなに？

なに？

きもくない？

くさくない？

やばくない？

だいじょうぶ？

まともじゃなくね？

あんただれ？

ぼくらはイノチ

とうといイノチ

やばくない？

なに？…え？

は？…ん？

それにんげんのあたま？

なに？…え？

は？…ん？

それにんげんのかお？

なに？…え？

は？…ん？

それにんげんのはな？

でたらめじゃん？

くっそやばくね？

でたらめじゃん？

それにんげんのはな？

は？…ん？

なに？…え？

それにんげんのかお？

は？…ん？

なに？…え？

それにんげんのあたま？

は？…ん？

なに？…え？

やばくない？

とうといイノチ

ぼくらはイノチ

あんただれ？

まともじゃなくね？

だいじょうぶ？

やばくない？

くさくない？

きもくない？

なに？

あんたなに？

だからだれ？

それにんげんのかたち？

は？…ん？

なに？…え？

なに？

なにもの？

だれ？あんた

それにんげんのことば？

は？…ん？

なに？…え？

〇２

立ち去りかけ

その老婆

返り見た

何故？

何故？

ひとりで笑った

口をひらきかけ

そのふとっちょ

いきなり絶句

何故？

何故

瞳孔をひらいた

あなたは

軽蔑

何故？

散る。花

ブーゲンビリア

花？…散る

風が吹くから

散る。…花？

風がなくても

目舞いした？

老婆

傾く

とまりかけたのは蠅

ふとっちょの唇

はんびらき

すすって飲み込み

老婆

鼻水たれそう？

さわぐ木漏れ日

ブーゲンビリア

ゆらぐ翳りら

鼻水たれそう？

老婆

すすって飲み込み

はんびらき

ふとっちょの唇

とまりかけたのは蠅

傾く

老婆

目舞いした？

風がなくても

散る。…花？

風が吹くから

花？…散る

ブーゲンビリア

散る。花

何故？

軽蔑

あなたは

瞳孔をひらいた

何故？

何故？

いきなり絶句

そのふとっちょ

口をひらきかけ

ひとりで笑った

何故？

何故？

返り見た

その老婆

立ち去りかけ

●二聲の伽多

化ものら

　なに？…え？

沙羅、それは

　は？…ん？

それは、沙羅

　それにんげんのことば？

だから怪物ら

空も土も

　だれ？あんた

海も雨も

　なにもの？

あなたたちの爲でないなら

　なに？

わたしの爲でないなら

化ものら

　なに？…え？

沙羅、だから

　は？…ん？

それは、沙羅

　それにんげんのかたち？

怪物ら

わたしたちの爲でないなら

　だからだれ？

あなたの爲でないなら

　あんたなに？

花も葉々も

　なに？

蜜もその蕊も

沙羅、鏡の中に

　きもくない？

ほら、化ものら

　くさくない？

沙羅、だから沙羅

　やばくない？

それは、沙羅

沙羅、水面にも

　だいじょうぶ？

ほら、怪物ら

　まともじゃなくね？

沙羅、だから沙羅

　あんただれ？

それは、沙羅

化ものたちが

　ぼくらはイノチ

ささやきあった

　とうといイノチ

怪物ら

　やばくない？

ただ異形のものら

ふれた葉ら

　なに？…え？

その色ら

　は？…ん？

かたちも化もの

　それにんげんのあたま？

沙羅、怪物ら

嗅ぐ花ら

　なに？…え？

その香りら

　は…ん？

それら化もの

　それにんげんのかお？

沙羅、怪物ら

味わう蜜ら

　なに？…え

その味ら

　は…ん？

それら化もの

　それにんげんのはな？

沙羅、怪物ら

沙羅、化ものら

　でたらめじゃん？

沙羅、それら聲、息吹き

　くっそやばくね？

それら息吹き、聲なし

　でたらめじゃん？

沙羅、化ものら

沙羅、怪物ら

　それにんげんのはな？

それら化もの

　は？…ん？

その味ら

　なに？…え？

味わう蜜ら

沙羅、怪物ら

　それにんげんのかお？

それら化もの

　は？…ん？

その香ら

　なに？…え？

嗅ぐ花ら

沙羅、怪物ら

　それにんげんのあたま？

かたちも化もの

　は？…ん？

その色ら

　なに？…え？

ふれた葉ら

ただ異形のものら

　やばくない？

怪物ら

　とうといイノチ

ささやきあった

　ぼくらはイノチ

化ものたちが

それは、沙羅

　あんただれ？

沙羅、だから沙羅

　まともじゃなくね？

ほら、怪物ら

　だいじょうぶ？

沙羅、水面にも

それは、沙羅

　やばくない？

沙羅、だから沙羅

　くさくない？

ほら、化ものら

　きもくない？

沙羅、鏡の中に

蜜もその蕊も

　なに？

花も葉々も

　あんたなに？

あなたの爲でないなら

　だからだれ？

わたしたちの爲でないなら

怪物ら

　それにんげんのかたち？

それは、沙羅

　は？…ん？

沙羅、だから

　なに？…え？

化ものら

わたしの爲でないなら

　なに？

あなたたちの爲でないなら

　なにもの？

海も雨も

　だれ？あんた

空も土も

怪物ら

　それにんげんのことば？

それは、沙羅

　は？…ん？

沙羅、だから

　なに？…え？

化ものら

●四聲の伽多

化ものら

　　　立ち去りかけ

　なに？…え？

　　返り見た

沙羅、それは

　　　その老婆

　は？…ん？

　　その老婆

それは、沙羅

　　　返り見た

　それにんげんのことば？

　　立ち去りかけ

だから怪物ら

空も土も

　　　何故？

　だれ？あんた

　　ひとりで笑った

海も雨も

　　　何故？

　なにもの？

　　何故？

あなたたちの爲でないなら

　　　ひとりで笑った

　なに？

　　何故？

わたしの爲でないなら

化ものら

　　　口をひらきかけ

　なに？…え？

　　いきなり絶句

沙羅、だから

　　　そのふとっちょ

　は？…ん？

　　そのふとっちょ

それは、沙羅

　　　いきなり絶句

　それにんげんのかたち？

　　口をひらきかけ

怪物ら

わたしたちの爲でないなら

　　　何故？

　だからだれ？

　　瞳孔をひらいた

あなたの爲でないなら

　　　何故？

　あんたなに？

　　何故？

花も葉々も

　　　瞳孔をひらいた

　なに？

　　何故？

蜜もその蕊も

沙羅、鏡の中に

　　　あなたは

　きもくない？

　　何故？

ほら、化ものら

　　　軽蔑

　くさくない？

　　軽蔑

沙羅、だから沙羅

　　　何故？

　やばくない？

　　あなたは

それは、沙羅

沙羅、水面にも

　　　散る。花

　だいじょうぶ？

　　花？…散る

ほら、怪物ら

　　　ブーゲンビリア

　まともじゃなくね？

　　ブーゲンビリア

沙羅、だから沙羅

　　　花？…散る

　あんただれ？

　　散る。花

それは、沙羅

化ものたちが

　　　風が吹くから

　ぼくらはイノチ

　　風がなくても

ささやきあった

　　　散る。…花？

　とうといイノチ

　　散る。…花？

怪物ら

　　　風がなくても

　やばくない？

　　風が吹くから

ただ異形のものら

ふれた葉ら

　　　目舞いした？

　なに？…え？

　　傾く

その色ら

　　　老婆

　は？…ん？

　　老婆

かたちも化もの

　　　傾く

　それにんげんのあたま？

　　目舞いした？

沙羅、怪物ら

嗅ぐ花ら

　　　とまりかけたのは蠅

　なに？…え？

　　はんびらき

その香りら

　　　ふとっちょの唇

　は…ん？

　　ふとっちょの唇

それら化もの

　それにんげんのかお？

　　とまりかけたのは蠅

沙羅、怪物ら

味わう蜜ら

　　　すすって飲み込み

　なに？…え

　　鼻水たれそう？

その味ら

　　　老婆

　は…ん？

　　老婆

それら化もの

　　　鼻水たれそう？

　それにんげんのはな？

　　すすって飲み込み

沙羅、怪物ら

沙羅、化ものら

　　　さわぐ木漏れ日

　でたらめじゃん？

　　ゆらぐ翳りら

沙羅、それら聲、息吹き

　　　ブーゲンビリア

　くっそやばくね？

　　ブーゲンビリア

それら息吹き、聲なし

　　　ゆらぐ翳りら

　でたらめじゃん？

　　さわぐ木漏れ日

沙羅、化ものら

沙羅、怪物ら

　　　鼻水たれそう？

　それにんげんのはな？

　　すすって飲み込み

それら化もの

　　　老婆

　は？…ん？

　　老婆

その味ら

　　　すすって飲み込み

　なに？…え？

　　鼻水たれそう？

味わう蜜ら

沙羅、怪物ら

　　　はんびらき

　それにんげんのかお？

　　とまりかけたのは蠅

それら化もの

　　　ふとっちょの唇

　は？…ん？

　　ふとっちょの唇

その香ら

　　　とまりかけたのは蠅

　なに？…え？

　　はんびらき

嗅ぐ花ら

沙羅、怪物ら

　　　傾く

　それにんげんのあたま？

　　目舞いした？

かたちも化もの

　　　老婆

　は？…ん？

　　老婆

その色ら

　　　目舞いした？

　なに？…え？

　　傾く

ふれた葉ら

ただ異形のものら

　　　風がなくても

　やばくない？

　　風が吹くから

怪物ら

　　　散る。…花？

　とうといイノチ

　　散る。…花？

ささやきあった

　　　風が吹くから

　ぼくらはイノチ

　　風がなくても

化ものたちが

それは、沙羅

　　　花？…散る

　あんただれ？

　　散る。花

沙羅、だから沙羅

　　　ブーゲンビリア

　まともじゃなくね？

　　ブーゲンビリア

ほら、怪物ら

　　　散る。花

　だいじょうぶ？

　　花？…散る

沙羅、水面にも

それは、沙羅

　　　何故？

　やばくない？

　　あなたは

沙羅、だから沙羅

　　　軽蔑

　くさくない？

　　軽蔑

ほら、化ものら

　　　あなたは

　きもくない？

　　何故？

沙羅、鏡の中に

蜜もその蕊も

　　　瞳孔をひらいた

　なに？

　　何故？

花も葉々も

　　　何故？

　あんたなに？

　　何故？

あなたの爲でないなら

　　　何故？

　だからだれ？

　　瞳孔をひらいた

わたしたちの爲でないなら

怪物ら

　　　いきなり絶句

　それにんげんのかたち？

　　口をひらきかけ

それは、沙羅

　　　そのふとっちょ

　は？…ん？

　　そのふとっちょ

沙羅、だから

　　　口をひらきかけ

　なに？…え？

　　いきなり絶句

化ものら

わたしの爲でないなら

　　　ひとりで笑った

　なに？

　　何故？

あなたたちの爲でないなら

　　　何故？

　なにもの？

　　何故？

海も雨も

　　　何故？

　だれ？あんた

　　ひとりで笑った

空も土も

怪物ら

　　　返り見た

　それにんげんのことば？

　　立ち去りかけ

それは、沙羅

　　　その老婆

　は？…ん？

　　その老婆

沙羅、だから

　　　立ち去りかけ

　なに？…え？

　　返り見た

化ものら