流波 rūpa ……詩と小説009・二十九の詩と散文による流波 rūpa 伽多
以下、一部に暴力的な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
以下は詩。もしくは、この10月から書いてる長い小説と、11月に書いた中編小説のシノプシス、或はテーマ。
小説の概要は、ベトナム在住のわたしが十六歳/十八歳の少年/少女に出会う。彼/彼女は売春をしている男/女で、その名前も素性も知れない。だから、わたしは彼/彼女を沙羅と名づけた。共通言語はなにもない。そしてわたしにさまざまな記憶が想起される。
般若經・中論・唯識論をベースにしたもの。
詩は、詩本編と、複声部のパーツふたつ、及び二声の詩と四声の詩。
十二偈の伽多
燃えた
沙羅、綺羅
綺羅ら
海は
燃えた
沙羅、綺羅
綺羅ら
空は
沙羅、散乱
光りの
綺羅ら
綺羅の散乱
波立ちに
燃えた
光りは
沙羅
朝燒けに
空は
すでに
燃えた
沙羅
すべては、もう
燃えた
沙羅
沙羅
燃えた
すべては、もう
沙羅
燃えた
すでに
空は
朝燒けに
沙羅
光りは
燃えた
波立ちに
綺羅の散乱
綺羅ら
光りの
沙羅、散乱
空は
綺羅ら
沙羅、綺羅
燃えた
海は
綺羅ら
沙羅、綺羅
燃えた
〇1
知ってる?
誰も
見なかった
知らなかった
誰も
それは海
空は海
沙羅
海は空
海でさえない
だから
それは海
空でさえない
だから
それは空
なにも
見出されなかったから
だからすべては
〇2
深く
吸い込むように
まばたき
深く
吐き出すように
沈む
蝶たち
失神したのは
飛び散る
羽搏き
墜ちたのは
蝶たち
褪せた
もう
羽搏きの色らは
目醒めるよ
すべて
目醒めたよ
●二聲の伽多
燃え盡きた
知ってる?
沙羅、綺羅
誰も
綺羅ら
見なかった
海は
燃え盡きた
知らなかった
沙羅、綺羅
誰も
綺羅ら
それは海
空は
沙羅、散乱
空は海
光りの
沙羅
綺羅ら
海は空
綺羅の散乱
波立ちに
海でさえない
燃えた
だから
光りは
それは海
沙羅
朝燒けに
空でさえない
空は
だから
すでに
それは空
燃えた
沙羅
目醒めるよ
なにも
目醒めたよ
すべては、もう
すべて
見い出されなかったから
すべては
燃えた
目醒めたよ
だからすべては
目醒めるよ
沙羅
沙羅
だからすべては
燃えた
見い出されなかったから
すべては、もう
なにも
沙羅
燃えた
それは空
すでに
だから
空は
空でさえない
朝燒けに
沙羅
それは海
光りは
だから
燃えた
海でさえない
波立ちに
綺羅の散乱
海は空
綺羅ら
沙羅
光りの
空は海
沙羅、散乱
空は
それは海
綺羅ら
誰も
沙羅、綺羅
知らなかった
燃え盡きた
海は
見なかった
綺羅ら
誰も
沙羅、綺羅
知ってる?
燃え盡きた
●四聲の伽多
燃え盡きた
深く
知ってる?
まばたき
沙羅、綺羅
吸い込むように
誰も
吸い込むように
綺羅ら
まばたき
見なかった
深く
海は
燃え盡きた
深く
知らなかった
沈む
沙羅、綺羅
吐き出すように
誰も
吐き出すように
綺羅ら
沈む
それは海
深く
空は
沙羅、散乱
蝶たち
空は海
飛び散る
光りの
失神したのは
沙羅
失神したのは
綺羅ら
飛び散る
海は空
蝶たち
綺羅の散乱
波立ちに
羽搏き
海でさえない
蝶たち
燃えた
墜ちたのは
だから
墜ちたのは
光りは
蝶たち
それは海
羽搏き
沙羅
朝燒けに
褪せた?
空でさえない
羽搏きの色らは
空は
もう
だから
もう
すでに
羽搏きの色らは
それは空
褪せた?
燃えた
沙羅
目醒めるよ
なにも
目醒めたよ
すべては、もう
すべて
見い出されなかったから
すべては
燃えた
目醒めたよ
だからすべては
目醒めるよ
沙羅
沙羅
目醒めたよ
だからすべては
目醒めるよ
燃えた
すべては
見い出されなかったから
すべて
すべては、もう
目醒めるよ
なにも
目醒めたよ
沙羅
燃えた
羽搏きの色らは
それは空
褪せた
すでに
もう
だから
もう
空は
褪せた
空でさえない
羽搏きの色らは
朝燒けに
沙羅
蝶たち
それは海
羽搏き
光りは
墜ちたのは
だから
墜ちたには
燃えた
羽搏き
海でさえない
蝶たち
波立ちに
綺羅の散乱
飛び散る
海は空
蝶たち
綺羅ら
失神したのは
沙羅
失神したのは
光りの
蝶たち
空は海
飛び散る
沙羅、散乱
空は
沈む
それは海
深く
綺羅ら
吐き出すように
誰も
吐き出すように
沙羅、綺羅
深く
知らなかった
沈む
燃え盡きた
海は
まばたき
見なかった
深く
綺羅ら
吸い込むように
誰も
吸う込むように
沙羅、綺羅
深く
知ってる?
まばたき
燃え盡きた
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