蚊頭囉岐王——小説30
以下、一部に暴力的な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
わらったの。
ここに…
まさか
いきなり。
ここにいたのか…
自分で?
わらったこゑがした。
いつから?
自分で上ったってこと?
ちがう…
いったろ?…俺は
あんなところに?
ちがうんだよ。
あそこにいろって…
いや…
そうじゃない。聲…
あぶないから…
女のちからで?
喚き聲?
いろんなひとが…
しかも
べつになにも怖くないのに。
大丈夫?
女ひとりで?
別に何もかなしくないのに。
ここにいたの?
たしかに…
別になにも
ずっといた?
いや
痛くも無いのに?
おかあさんも?
たしかに毎日
その聲。
いつから…
食べるんですよ
喚いた聲。
いつからおかあさん…
花…
聞こえた気がして。
木の上に?
いつもね
聞こえたから。
いつか木の上、
気が付いたら
窓を見たの。
ひとりで?
花瓶の花でも
ろうかの窓。
ひとりで、お母さん、此の木に
樹になってる花
そこにお母さん、そこに居たよ。
いつも?
庭の草の
樹の上にいて。
いつも上るんですか?
鉢植えの
ひとりでいて。
結構…
花壇の華まで
そこにお母さん、僕を見て。
落ちたりしない?
たしかに食べる
見てたよ。
折れないの?
地面の花
ぼくを。
枝…
これ
花食べながら。
結構髙いよ
この沙羅の花も
だから。
あれ、もう…
食べるけど、でも
花食べながら。
てっぺんの方…
まさかひとりで
だからたぶんお母さん、一階から。
いつも上るの?
樹にしがみついて?
地面。
あんなところに…
この花ね…
地面からほら。
どうやって?
一年中咲くの
樹に上って。
どうやってあんな…
此の樹の花はね…
この樹に上って。
大丈夫?
だからよく食べられるの
だからお母さん会いに來たんだよ。
お前…
珠美さん
ぼくに。
大丈夫?
お腹こわすけどな
子供に。
お食事だね
いつも
逢いに來たんだよ。
な?
食べた後いつも
生んだから。
お母さん、な
吐いたりな…
自分で僕を生んだから。
食べてるね…
まさか
だからお母さんに逢いにここに來た。
おいしそう?
どうやって?
お母さんの下。
食べちゃダメだよ
どうやっておろす?
おかあさんの處に。
あれは特別
あそこから…
けどぼくは今。
お母さんだけの
呼んでもあのひと
お母さんからもっと離れた。
お母さんだけ、食べていいの
反応されない方だから
同じ地面に立ってるのにね…
お花すきだから
喚んでもね…
地面の方に降りて來たのに。
綺麗だね
いつも呼んでも
僕はお母さんのいないとこに來た。
見てあげようね
耳もとで呼んでも
お母さんは今
お母さんの花
降りてこられる?
空の上の方…
綺麗だね。
どうやって?
于時斗璃摩娑おもハずに目をし見張りてかくて何をか口にさサやかんとするかにも見えてシかずがに多摩美を見て見上げたる伎與摩娑は故レそれを見ざりき故レ終に氣付かず過ぎタりきかくて斗璃摩娑おもハずに目をし見張りてかクて何をか口さサやかムとするかにも見えてシかすガに多摩美を見て見上げたる迦娑破羅ハそれを見ざりき故レ終に気付かず過ぎタりき故レひとり斗璃摩娑おもハずに目をし見張りテかくて何をか口さサやかんとする唇言葉の欠片にダにふれることモなく見ひらける眼差シの向カうに女ひとり娑娑彌氣囉玖
見た
喰いちぎれ
醒めながら覩る
食え
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