多香鳥幸謌、附眞夜羽王轉生——小説4


以下、一部に暴力的な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



 和。信じられます?

 比。わかりませんけど、くわしくお願いします。

 (7月23日)

 和。あれからいろいろ書いてみたんですけど、こみあってて…。

 電話してもいいですか。

 (7月24日)

 比。いいですよ。

 和。いつがいい?

 比。今日だったら夜の10時くらいがいいです。

故、指定時間にフェイスブックから通話する。此の時の會話について和哉、謂いにくし話複雜すぎて俺もなんて言って何から話せばいいかわからなかったから心臓ばくばく云いながらの電話でしたが、最初から普通に友達的に聞いてくれて云々(是、方言。孔子だったっけ?意味がわかれば詞を忘れる、と。云ったね?あれ、誰だっけね?)

通話に於て事の次第を(だいたい上記のとおりの次第の要約を?)話した、と和哉。

私。で、その額田さんの反應どうでした?

和。默って聞いてくれて。女性だからね。

私。なんで、女だったら聞くの?

和。スピリチュアル系?スピ系?好きでしょ(子を無くした母だったら、とか。そういう回答を私は期待していた。尤もこれは個人的乾燥(儘))

 此の時には一方的に和哉が自分たちのことについて話しただけ。

 比呂子が話したのは、慥かに比呂斗という子供がいた。7年前に死んだ。それのみ。

私。もっと突っ込んで聞かなかったの?

和。だって、失禮じゃないですか(さまざまな個人的な禮儀作法の境界線。さまざまに自分勝手な作法倫理のダイバーシティ。笑)

 また何かあったら、連絡します、と言って和哉は電話を切った。

ここで質問(私が。奥さんに)。あなたは、それまで、なにもしなかったの?

深雪答えず。(印象的な無言(個人的な印象では、)。思い詰め感じでも、うつむくでも、何かを隱すでもなくて。ただ、わたしを見てる(ノイローゼか鬱かなんかを疑う。個人的には。一瞬)まるで外國語を話してる外人の言葉の音聲だけとりあえず聞いてる感じ)

私。旦那さん、結構いろいろ動いてらっしゃいますね?聞いてると。その割に、奧さんの方は、なにもしなかった?

深。信じてるんで…。

私。息子さん?

深。主人を。

私。任せてたの?

深。そういう譯じゃなくて。

私。あなたお願いねって、相談して?

和。そういう取り決め、なかったんで…(そがんはなしやぁなかったんですけぇどな)

深。眞夜は、信じれるから。

私。息子さんは…(意図的に意地惡な言い直しをする)息子さんだけ?

深。そうじゃないですよ。(深。此の時自然に、普通に自然に笑った。(個人的記憶的印象的印象…))

 7月26日。天気は曇り、後、晴れ(是は和哉の記憶。朝起きた時、雲がくらくて。雨ふるんかな思うたら、その前の日かな…なんか、すっきりせん天氣で、雨ようけ(たくさん)降りょうたけえ、ずうっとな、その前の日は晴れとったんですわ。こりゃ今日も雨かいや思うてね…そしたら晴れてね。晝前からね…云々)比呂子から連絡ある(メッセンジャー)

 比。週末ですね。(この日は金曜日だった)

 和。そうですね。

 比。いそがしいですか?

 和。觀光の仕事ですから週末はいそがしくならんといかんからな

 比。息子さんと一緒にこっち來ません?

 和。茨?

 比。週末

 和。週末はどうじゃろ

 和。平日は?

 比。来週?

 和。そうです

 比。水曜日

 和。何時くらいですか?

 比。一日中OKですよ

此の時、和と比、電話番号を交換。又、電話番号からLineつながる(是は私の質問に答えたもの)。

和哉曰く、眞夜羽に水曜日旅行しようと云った、と。そうしたら眞夜羽答えて云く、伊波良伊久、と。茨行く?。イハライク。平坦な發音だったから(是れはうろ覺え。違う言い方だった)一瞬何と言ったのか判らなかった、と和哉。いずれにせよ茨市に行くので、

 和。行きたがったろ?(但し方言)

 眞夜羽、答えず。聞き取れなかった顏。

 和。行きたいって言ったろ?(上に同じ)

 眞夜羽、答えて曰く、やっぱり?と。

 和。なんでやっぱりなんじゃ。

 眞夜。行くと思った。

 眞夜羽、笑う(素直に、と和哉はいちいち註して云った)。

私、質問、奧さんに。奧さん、どう思いました?

深。何を?

私。旦那さん、茨市に行くと、そう云われたときに、…反對?贊成?

和。こいつには、當日に朝に言ったんです(いゆうたんですわ)

私。なんで?

和。一應言ってやらないと(いゆうたんと)。

私。息子さんと二人で行ったの?

和。いや、三人で。

私。當日になって、奧さんに?

和。こいつ、專業主婦みたいなもんじゃけえな。

佐伯母。そんなことない、よく働かれてるよ。店でな。(方言によるイントネーション。)

深。わたしは別に反對するもなにも。

私。まあ、とりえずは贊成、みたいな?

深。額田さんに会うまで、比呂斗くんのこととか、知らなかったんで。

私。知らなかったの?…言わなかったの?(是は和哉に。只、わたしはずっと奧さんに向かって話しかけていた記憶がある。普通の顏。あまりに普通の表情。無表情でさえない。健康的な、普通の)

和。ま、專業主婦みたいなもんじゃけぇな。

此處は素通りすべきと判断(私)。故、で?と言った。時に佐伯騰毗はすでに暇つぶしの限界越え。あっち見てこっち見て。胡坐くんで伸ばしてくんでのばして…。私は佐伯母に目配せし云、若干、休憩取ります?

佐伯祖母(母の方がなにも云わなかったので)。ええですよ。先生もお疲れでしょう。

私。じゃ、若干。

私(眞夜羽に)。眞夜ちゃんもつかれたよね?

眞夜羽。しやぁかん(若干。口眞似。)

深雪笑う。邪氣も無い笑い顏。子供のような。(惡いひとではない?)

此の時に騰毗、自分に目配せする眞夜羽(すがるような。理解者に?すがるような?)には目もくれずに立ち去る(トイレ?)。この日それから佐伯は歸ってこなかった(寢た?)。

深雪に、私。じゃ、若干、僕、眞夜羽ちゃんと話していいですか?

佐伯母。いいねぇ(ええねぇ)。そりゃいいねぇ(そらええねぇ)。なあ(眞夜羽に)眞夜くんや。いいねぇ(ええねぇ)先生(せんせ)話してくれるって言ってるよ(はなしたげるぅてられるよ)。

眞夜羽。いいよ(ええよ)。

 眞夜との会話。但しみんなの見てる前で(佐伯宅客間)

 問。あの、…話していい?話せる?話そうよ。

 答。いいよ。

 問。聞きたいんだな。俺ね、顏?…お父さん云ってたね、顏?

 答。先生なの?

 問。私?

 答。先生?

 問。大學のね。大學。わかる?

 答。わかるよ。むかし、行ったよ。

 問。いつ?

 答。いっぱい。(佐伯母が息を附いた。(息を飲んだ?ただし、これみよがしだった気がする。話したことがある?))

 問。顏、見える?

 答。顏じゃない。

 問。顏みたいな?

 答。ぜんぶ。からだ、ぜんぶ。(せんぷ。からら、ぜんぷ(ぷ音、ぷぃに近い。ハ行音だいたいおなじ。は、ひにちかい。ひ、ひぃに近い。は音とは顯らかに差異。ふ、ふぃに近い、へ、ひに近い。顯らかな差異。ほ、ポに近い。遠い音))

 問。どんなの?

 答。くろいよ。色ないから。ぎらぎらしてる。(ぎらぎら、音はきらきら。き音、正確にはきぃに近い。顯に口を開いて發音。はっきりと、ギ音を察知させはする…)

 問。目、燃えてる?

 答。先生、いいひとでしょ。

 問。俺?

 和。先生の質問に答えるんだよ(こたえんならんどぉ(方言))

 問。俺は、…惡い奴じゃないかもね。

 答。燃えてないけど。焰。焰。…あるよ。(ほのー。發音、の音そのまま伸ばす。長め)

 問。眞夜ちゃんもいるの?

 答。迦迦美和禮登留與(かか(微かにム)みわれ(りょに近い)とるよ)

 問。かかみ?

 答。なんで?

 問。割れてるの?

 答。反對にうつるよ。

 問。鏡?

 答。でも、はんたいじゃ(シァ)ないの。(ん音ム音に近い。)

 問。割れちゃった?

 答。われてもうつるでしょ。見える?

 問。鏡?

 答。顏。…先生の顔。

 問。俺の?

 答。先生の言った顏(せんせんいゆうたかお)

 問。眞夜くんの見てるやつ?

 答。そうかな。

 問。俺は見えないね。だから、質問してるの。見たいな。そういうの。ほら。興味あるじゃん。神秘的。わかる?神秘的、おれ、嫌いじゃないんだよ。…すきでもないんだけどさ。

 答。でもからだじゃないよ(て(れに近い)もからた(らに近い)しぁないよ)

 問。…え?(そのとき何を云ったるのか一瞬判らなかったから問い返した。)

 答。ぐちゃ(くちゃ)ぐちゃだよ

 問。なにが?

 答。からら(はっきりと、此の時はら音雙つ。恐らくからだ。)

 問。ぎちゃぐちゃだ。たいへんだね。

 答。變なの。

 問。それって、未來の、あたらしい…

 答。シンス(シ音ソ音スに近い。故、扇子(せんす)に一瞬聞き間違えやすい)?

 問。新種?新種のことなの?







Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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