私本雜阿含經——漢文原文および書き下し文および現代語訳附語釈等若干5
雜阿含經(五十卷)〔ぞうあごんきょう、[梵]Saṃyukta Āgama、(相應部[巴]Saṃyutta Nikāya)〕
據大正大藏本No.99
雜阿含經卷第一
宋天竺三藏求那跋陀羅譯
〇5
如是我聞
一時佛住舍衛國祇樹給孤獨園
爾時世尊告諸比丘
「於色愛喜者則於苦愛喜
於苦愛喜者則於苦不得解脫不明不離欲
如是受想行識愛喜者則愛喜苦愛喜苦者則於苦不得解脫
「諸比丘
於色不愛喜者則不喜於苦
不喜於苦者則於苦得解脫
如是受想行識不愛喜者則不喜於苦
不喜於苦者則於苦得解脫
「諸比丘
於色不知不明不離欲貪心不解脫貪心不解脫者則不能斷苦
如是受想行識不知不明不離欲貪心不解脫者則不能斷苦
「於色若知若明若離欲貪心得解脫者則能斷苦
如是受想行識若知若明若離欲貪心得解脫者則能斷苦
時諸比丘聞佛所說歡喜奉行
かく聞きゝ
一時、佛、舍衞國、祇樹給孤獨園にありき。
その時、世尊、告げて諸比丘らに言さく
「色に於て愛し喜びし者ら、すなはち苦に於て愛し喜べり。
苦に於て愛し喜びし者ら、すなはち苦に於て解脫を得ざりき。
不明にして不離欲なりき
かくに受、想、行、識に於て愛し喜べる者ら、すなはち愛し喜び苦しみき。
愛し喜び苦しみし者ら、すなはち苦に於て解脫し得ざりき。
「諸比丘らよ。
色に於て愛さず喜ばざれば、すなはち苦に於て喜ばじ。
苦に於て喜ばざれば、すなはち苦に於て解脫を得ん。
かくに受、想、行、識に於て愛さず喜ばざれば、すなはち苦に於て喜ばじ。
苦に於て喜ばざれば、すなはち苦に於て解脫を得ん。
「諸比丘らよ。
色に於て不知、不明なりて、欲貪を離れず心、解脫せず貪婪の心、解脫せざりし者ら、
すなはち苦をは斷ち斬り得ざりき。
かくに受、想、行、識に於て不知、不明にして欲貪を離れず心、解脫せざりし者ら、
すなはち苦をは斷ち斬り得ざりき。
「色に於てもし知り、もし明かし、もし欲貪を離れ心に解脫を得ば、
すなはちまさによく苦を斷たん
かくに受、想、行、識に於てもし知り、もし明かし、もし欲貪を離れ心に解脫を得ば、
すなはちまさによく苦を斷たん
時に諸比丘ら、佛が說けるを聞き歡喜し奉行せり。
かく我聞きゝ。
その頃、佛は舍衞國にいた。
かの祇樹給孤獨園に。
それは棄てられた孤独者らに施しをした須達多が佛に捧げた祇陀の森の寺である。
「色に於て色の色さわぐがままに愛した者たち
色に於て色の色さわぐがままに喜んだ者たち
彼ら、すなはち苦しみのうちに愛し、そして喜んだ
苦しみのうちに愛し
苦しみのうちに喜んだ者たち
彼ら、すなはち苦しみのうちに終に解脫を得ずして失せた
なににも不明にして、なにより不離欲なるままに
かくに受、想、行、識、そのうちに愛する者ら
かくに受、想、行、識、そのうちに喜びさわぐ者ら
彼ら、すなはち愛し、愛を愛し
喜び、喜びに喜び
苦しみ、苦しみに苦しんで失せる
愛し、喜び、苦しむ者たち
彼ら、すなはち苦しみのうちに終に解脫し得ずして朽ちた
「もろもろの比丘らよ。
色に於て愛さず、色めくままに喜ばざれば
あなたはすなはち苦しみのうちに喜びはしない
苦しみのうちに愛しもしない
苦しみのうちに喜ばなければ
あなたはすなはち苦しみのうちからの解脫を得る
かくに受、想、行、識のうちに
愛さずして愛さず
喜ばずして喜ばざれば
あなたはすなはち苦しみのうちにはもう喜ばない
苦しみのうちに愛しもしない
苦しみのうちに喜ばなければ
あなたはすなはち苦しみのうちからの解脫を得る
「もろもろの比丘ら
色に塗れ塗れ色なすそのままに不知
かくて不明なりて
欲し、求め、貪り、貪り飢えるを離れずに心
その心何ものにも解脫を得ず貪婪の心
心の飢渇するままに彼ら
終に解脫し得無かった者たち
彼等はすなはち苦しみを斷ち斬り得はしなかった
かくに受、想、行、識に於て
色めく色を受けて不知、不明
受けて想い想いみだれて不知、不明
想いのままに行き行きて不知、不明
行き着いた先に識りても不知、不明
欲望し飢え、貪り飢えるを離れないままに心
終に解脫し得ざりし者たち
彼らはすなはち苦しみを斷ち斬り得ないままだった
「色に於て色に色づき、その色そのものをもし知り
色に於て色に色づき、その色そのものをもし明かし
色に於て色に色づき、色めくうちの欲望の飢渇に
色めいて色に色づき、さわぐ色に飢渇し貪るのを離れた心に
その心が解脫を得れば
彼こそまさにその苦しみを斷つ
かくに受、想、行、識に於て
色めく色を受け
さわぐ色を受けて想いみだれ
ざわめきの色を受けた想いのままに行き行き
行き着いた先にもし此れらそのものの裸形を知り、もし知り
もし明かし、明かし切り
もし欲望と貪りを離れてその心に解脫を得たなら
あなたはすなはちまさに此の時に、その苦しみを斷つ
かくて、もろもろの比丘ら佛が說くのを聞き、歡喜し、修行した。
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