カミーユ・C、留保なき絶望とその絶望的なまでの強度 ...for Jean-Baptiste Camille Corot /a;...for oedipus rex #107



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



(承前)

が、

   れ

      え?

その

   ふれて。せめて

      と、一瞬だけの

広すぎる

   ひかり。朝の

      喪失感

ベッド。沙羅ゝはすでにふたたびの拳と肱と膝との制裁を覚悟し終わっていた。深雪のせいで、一部裂かれたこまかい傷のことごくが、シーツに

   あっ

こすれた血の

   はやすぎない?

跡を、…だれも。

   肉体が、死を

つけていたから。

   もう、赤裸々に

な?

   告白していた

「いいかよ。だれも葬るんじゃねぇぞ」沙羅ゝの

   はずかしいんだ

      切実に、いま

         汗?

髪をひっつかみ、着衣も

   こわいくらいに

      見ないで

         ひからびた…の

赦さず、また

   よごれてる?わたし、

      と。願っ

         残滓

じぶんの

   あっ

着衣の必要も感じずにリビング、屠殺現場にふたたび「これっすか?」

「棄ててくるだけでいいから」入り込み、「お前ら、」

   あっ

      理不尽なまでの

「棄てるって」…切り刻みます?「勘弁し…

   あっ

      かなしみ。この

って、いまからっすか?」

「そのまま

   あっ

      目舞いがしそうな

棄ててきちゃえよ」…そのまま?と、

   あっ

      絶望感。この

いきなり深雪を返り見たのは、3人のうちいちばんわかい

   唖然。あっ

我那覇辰嗚…タツオ。「かさばりません?」

   風景、これは

      むらがって

「ばらしていいぞ。とにかく、

   ついに。どうしても

      声を。むらがらせ

…だからマンホール?

   狎れあえはしない

      日常の稀薄を

開けてどっか

   見慣れ得もしない

      擬態しつつも

下水んなか

   風景。これは

      と。唐突な、

ぶっこん」

「息子じゃね?」富田要…カナメ。ふいの激昂に声をふるわせて

   茫然。あっ

つぶやく。あえて小声で…お前、な?叫んだかに。「死にてぇか?お前」声。深雪の。「な?ぶち壊されたいの?たとえ、さ」

   吐きそうなん

      いままで

声。降ってくる。

   だっ。いま

      うしなってきた

ひたすら「たとえ、

   だから圧倒的な

      そんな

それが」ちぢこめた「ほんとだとして、

   孤立。すべて

      な、ものすべてを

さ」頸の

   を、おっ。うしなったんだね?

      かきあつめ

上、後頭部と「わかる?

   おれは

      そして、わたしたちは

おまえ如きに」

   と、

      なげつけるのだろう

頭頂に。「なんか関係

   漏らしそうなん

      ね?

ありますか?」平手打ち。

   だっ。いま

      青空に。空を

だから、沙羅ゝの髪を

   だから、容赦ない丸裸

      ふみにじるかに?

掴んでいない左手で「いいか?

   すべて

      …ろう、と。したかに?

お前ら」

   が、あっ。壊れたんだね?

      赤裸々な、あの

と「絶対お前ら、こいつら

   いまや

      逆光に

埋葬しなくていいから。弔わなくていい。飼い犬以下でいい」そう、

   救われよ!

言われたとおりにボスのヴィジョンを実現するため、屋敷聖…ヒジリ。彼は

   ねがわくば

運搬用のギャリーバッグを

   救われよ!

借りていいか、と「もってけ。返さんくて」深雪に。「いい…ってか、それも棄てて来いよもうほんとうっぜぇだけだか」禁忌。「ら、」真那そして真樹の同時刻の死によりできたあらたなしきたり。実の息子は弔いもせずに下水に

   え?

      救われよ!

         え?

棄てろ、

   ほどでは、な

      祟っちゃうよ

と?抵抗と

   いっ。叫ぶほっ、ほっ

      おれだったら、さ

違和をのみ

   ほどでは、な

      呪っちゃ、じゃない?

撒き散らさせながらも、深雪は

   いっ。あらがうほっ、ほっ

      だろ?

側近たちに希望をすべて叶えさせた。最終的には彼等は柔順だった。ひとり、むしろ沙羅ゝだけが反抗的かつ狂暴だった。ただ、無言の花々を以て。

   放つ

6月。口にはいちども

   花

こぼさなかった懊悩の

   放つ

ざわめき。と、

   ええ。あまりに

      放たれた!

混雑。と、

   しずかに。そして

      かなしみは

混線とそれらの

   波立ちをいっさい

      われわれの

複雑。ついに

   うしなった、浅い

      くるしみは

沙羅ゝは、だから

   みなものように

      放たれた!

捨て鉢になったかに

   え?

決意をかため、

   なにも

雨。あの

   え?

雨の日に日野の

   決意など

そのマンホールの上に買えるだけ買った

   放つ!

      え?

花。切り落とされた花々の、密集の色彩にすらあからさまな

   色彩にさえも

      死に絶えている。…ね?

         動揺を

息苦しさ。慎重に

   匂いが

      気づいちゃっ、わたし

         一秒たりとも

息を

   色あざやかな

      わたしたち、みんな。もう

         とめはしない、この

ひそめて持ち運んだ花束を、

   匂いが

      死に絶えている。…ね?

         世界よ

ふいに

   放つ!

      え?

投げ捨てるように沙羅ゝはささげた。限界だった。もう、吐き気を押さえ得る、

   なじって

その。周囲、違和をあえてかくすひとびとの目。と、…

   いたぶって

沙羅ゝ。立ち去ろうとしてきびすを

   ののしっ

返した瞬間に

   目

      ええ。こまやかな

沙羅ゝは

   目。そして

      飛沫。…いっ

泣き崩れていた。

   気配

      と、謂うだけではなく…え?

くずおれた

   ささやきを

      ええ。なまぬるくもあっ

その

   散らしているかの

      飛沫。…いっ

雨の日。路上に

   無言の

      きたなくない?…え?

膝をすでに

   饒舌。…目

      ええ。微臭を放っ

ついて仕舞い、

   目

      飛沫。…うっ

雨の「約束、と」飛沫。肩に、その「やぶったろ?お前」深雪の

   放つ!

      え?

         花々の嘔吐

つぶやきに目だけをひん剥いた。帰りの道すがら「違うか?」投身自殺。ホームから線路に。高幡不動駅。足から飛びおり、そのまま綺麗に足をついて仕舞っ

   華麗。この

た。よろけた。

   つまさきの

ホーム下逃避所の

   偶然?あるいは

      すでに手遅れの

         ください

孔ぐらに

   明確な

      目の前の!…轟音。そして

         いきいきとした

入り込み、結果

   意志を持って?だから

      響き。非常停止の

         あなたがたと同じ

ほぼ無傷だった。駅員室に

   わたしは

      かきむしる、んっ

         いのちを

つれこまれ、警察をよばれて沙羅ゝは、さまざまな声色の

   滅びた

聞き取りに、ようやく

   いまも、

深雪の

   わたし以外のすべてが

連絡先をだけ

   滅びた

つぶやいのだった。つまりは、なぜ?ただひとつだけ暗記していた彼の携帯番号を。駅員室。いまさらの、善人ぶった深雪のさかしさ。セルシオに押し込まれ「おまえ」こづかれるかに「なにさまだ?タコ。あげく」つぶやかれた声に「自殺さえ」沙羅ゝは「さ、お前、…さえ」…えっ。「まともにできねぇのか死ね」しなかった。あえていかなる返事をも、沙羅ゝ。恐怖?深雪またはその折檻の

   なぜだ?

      かっ。見ていいでっ

熾烈への。むしろ、

   空気は、猶も

      かっ。記憶していいでっ

すべて終わった爽快のなか、沙羅ゝは

   新鮮で

      かっ。聞き耳をたてていいで

なぜ、

   見て!

まだ滅びた世界が見え、あまつさえ彼らごときでも生きていられるのだろう?

   見て!

…と。

   新鮮な

破滅。そして

   見て!

破滅の、その圧倒的な

   見て!

不可能の唯中で、だからこの

   兄だから。そう

      愛、あっ。愛

         いきいきと

容赦ない

   わたしが、そう

      あっ。ねぇ

         微動

不可解。

   こころから愛した

      たしかに、いまだ

         おっ

失笑。

   家族。その

      愛せた。わたしも

         おっ

みじかい「死ぬことにさえ

   ひとりだから

      ひとを

         ここちよく

さ、失敗するって」

   もう。ひとりだから

      他人を。…と、

         微動

哄笑。

   あのひとは、そう

      自分をも?

         うっ

深雪も「お前

   兄だから。そう

      この圧倒的な

         うっ

死んでもむくわれねぇよな?」おおげさな唾液を…しっ。とばして「死ね。死にまくれ」深雪は、そして突然、吹き出して笑いころげた。わがままなあやうい

   大声ですね?

運転。

   叫ぶような

思い出す。ふたご。あの兄たちの死の日、沙羅ゝはふと、なかでなんどもすぐ萎えてしまう深雪のそれにいたぶられながら…まさぐられながら?真咲。噂に

   なぜられるように

      ええ。やわらかな

         好き?

聞くあの

   ふれられるように

      ええ。あたたかな

         ふともも。…の

狂気の男の犯罪は、ほんとうに

   くすぐられ、または

      ふれあい

         うらあたり

彼の、彼だけのものなのか?

   たわむれるかの

      いっ

         なんで?

と。犯人はべつにいるかもしれない。沙羅ゝは、…ん?壁に背中をおしつけ

   んんっ

立っていた。だからダナンの家屋に。向こう、近いとはいえないそこ。ふたり。あまりにも生き生きとした、しかし

   鮮明なのだ

      嫉妬?

室内の

   すべて、この

      を、いまは

反響の

   わたし以外の

      よそおっておくよ

いたずら?

   たんぱく質たちは

      懊悩?

物音はすぐ

   これみよがしに

      を、いまは

背後にあるかに聞こえつづけた。いつもの、ブーゲンビリアのほうで彼らはいかにも稀薄な話題の稀薄な会話に間歇的な、感情の微動をさらしてよろこぶ。沙羅ゝは、身を避けていて猶、ひらけてしまった窓からながれこむ腐敗臭に似た腐った水の臭気に気を

   あ

とおくする。Lineに

   予感

連絡が

   気絶の

あった。

   あ

深雪から。沙羅ゝのに。

   予感

そっちは、

   倒壊の

と。…どうだ?沙羅ゝ。彼女はあくまでも怯えも怖れもおののきもしない。一時的な日々の小康は所詮、文字通り一時的であるにすぎない。知っていた。深雪は、真魚に、沙羅ゝと絵を取り戻しに行くとでも、あるいはすでに

   深雪は

      らら

         生かしておかな

告げていたかも

   ね?

      ら、…さ

         い。の、でしょうね?

知れない。

   沙羅ゝちゃんを

      らららっ

         きみは。まばたく

Covid19の

   ね?

      あっ!さ

         裏切り者を

時期、深雪は

   殺したいから

      らら

         など、は。…あっ

だれよりも自分の死を恐れた。その、対応と対策のクオリティはすさまじかった。のち、12月には自殺してしまうことなどだれにも気づかれずに。

   この

      活動。ええ

発汗。

   なまぬるさのな

      ええ、そう

表皮に、

   あまりにすこやかな

      活動。ええ

沙羅ゝ。彼女は

   目覚めよ

      細胞たちのめざましい

そしてようやく

   この

      活動。ええ

目を

   まだるっこしさのな

      ええ、そう

見ひらいてみる。

   の、

    ええ

     え?

   た










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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