カミーユ・C、留保なき絶望とその絶望的なまでの強度 ...for Jean-Baptiste Camille Corot /a;...for oedipus rex #094
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
ざらつき。
ざわ
らっ
だから、わずかな。しかも
ざわつく、この
なにをいまさら!
たしかに明晰な
高鳴りよ
らっ
ざらつき。
胸の
なにをい
きょうも、と。目は、…目覚めた。わたしは失禁などせずに。と、見る。ただ、見ひらかれたまままばたきもせずに。傷みを、すりこむだけのゆびさきに腕が疲れを訴えるまで終わらない行為。その、
ざらつく、この
しないのだ
いいえ。ちがっ
…自傷?
高鳴りよ
あえて?いえ
いいえ。ちがっ
継続。「いい」
胸の
いかなる糾弾も
いいえ。ちがっ
と。「すっげぇ、
ざわつく、この
あの時のわたしは
いいえ。ちがっ
いい。お前」真樹。あの、
いい?
ひたすらな
赦して
よ。よ!
ざらつ
真摯。去年、
ね?
すみやかに
いたたまれない!
そこが
赦しあおう
よ。よ!
ざわつ
出血を知るまでそこをさらに下におりた、だからさらされるためにはもっとお尻をつきださせるべき
好き?
体孔に…おまえ、
どう?
と。
わたしは家畜
ゆびを。「かわいい色しすぎじゃない?」抜き出してはその、ついたはずの匂いをじぶんの鼻になすりつけるかに
いいえ。ちがっ
まばたきを、ふと
いい?
嗅いでみせる。沙羅ゝ本人がむしろ、痙攣の喉に堪えつづけていた
沸騰。ほら
騒音
吐き気。必死に
わたしさえもが
ぼくらの皮膚の
吐瀉の上昇を飲み込み下し、
湧きあがるままに
騒音
下腹部を
沸騰。ほら
反響のな…なんら。いっ
わななかせ
やっ
つづける。昨日、
やっ
いつもことさらにやさしい真魚が「サーちゃん、」云った。その「お兄ちゃんたち、いま、元気かな?」
「お兄ちゃん?」と、
やっ
やっ
やっ
うすい口臭。匂いに敏感すぎる沙羅ゝを「あのふたり。あの、」いらだたたせなが「真那くん、」ら。「…と、真樹くん。ほら、
やっ
やっ
ええ。われわれはいつかすこやっ…かな
日本、いまコロナ大変じゃない?コロナになんかかかってないか」加齢臭?「な?」沙羅ゝ。しかも
衰弱してゆく
躊躇
それらは稀れに見る
口蓋の?
足もとの
かつ、そして
熱波。熱波で
もう
影を。いま
失笑。不用意な
あ。あ!
無理だよ、あなたは。…と。嘘のママは、いま、もう、なにをやっても。
ほら
高度に、あまりに
女の、もう
完璧な
わたしたち
賞味期限
品質の
ね?
もう、切れまくってるじゃない?「ね、」…微笑。「元気?」
「だいじょうぶじゃない?」
黙れ!この
「そ、…かな?」
「だって、お兄ちゃんたちずぼらじゃん。で、」
沈黙を、この
「だったら、」
「がさつじゃん?で、」
わたしからうばう
「い。でもさ」
「ぶこつじゃん?で、」
な。な、…え?
「いま日本って」
「きったないじゃん?で、」
黙れ!この
「なんか、すっごい」
「だから、」
思考停止を
「やばいんじゃな」
「だいじょぶ。だってエボラ出血熱でもお兄ちゃんたちには一晩程度の微熱だと思う」
わたしからうばう
「やばい」真魚は、「それって、さ」稀にみるほど「最強だね」こころから明るい笑い声を立てたじぶんを知った。そう、
歓喜を!
ええ。やや
と。
世界よ。いっせいに
なやましい、やや
もっともっと
極上の
流し目を。やや!
わたしたちは慥かに
雄たけびを、歓喜!
して、みても
しあわせになれるから。思わず、そんな根拠のないしかも実感しかない歓喜に背骨をなまあたたかくして仕舞いなが真那。…ら。と、真樹。その顛末を真魚は深雪にあくまで失踪と聞かされていた。それは、沙羅ゝも
知っていたよ
痛切であっ
舐めたよ
すでに知っている。さんざん
あなたの。妙に
あっ
たくみに
沙羅ゝを
気抜けした、驚愕の
切実であっ
気づかれないように
いたぶったあと、
嘆きの?悲痛の
あっ。もはや
鼻の頭を
思い出して深雪が
他人事。鮮明な
絶叫であっ
じぶんで、舌で
Lineの、めずらしく音声だけの通話に…心配するな。真魚を「おれが、」呼び出したのだから。「さ。捜索願いはもう出したし、それに、おれの方でも
な、
えっ…て
下のやつ、
な?
ねぇ!
走らせてるから。お前、この意味
な、
ねぇって!
…わかるだろ?」
な?
えっ
と、「お前のためだぜ?」…お前が、と。深雪。かれは返り見ざまに「これ、せんぶお前が」云ったものだ。直後。「やったんだからな」顔を腫らした沙羅ゝが、しかも、そこからの意味が不明な唐突な出血を、
裂けた
そう。わたしとは
…裂傷?まさか、
わたしは、すでに
自傷をとうとぶ
さらして足に、あんなちっちゃな、
全細胞を
矛盾していた
硬直しきれない
裂いた
事象であっ
みすぼらしいもので?すがり、赦しを乞い散らす前、だから死骸ふたつの発見直後。あの、くそ餓鬼どもとののしるのを常としたふたごの同時の
やめて。もう
壊れないで
ほら
損壊。
やめようよ
世界。この
満たしておこうよ
破綻。
もう、ね?
壊れやすい破片
よろこびで
破壊。
みんな、ね?
うしなわれないで
だって、それ以外
破滅。要するに
やめようよ
世界。この
できることなどなにも、なっ
死。松陰神社ちかくの
やめて。もう
うしなわれていた断片
ないか
自宅リビングでの片方の
らっ
痙攣。吹き出した泡まみの吐瀉。片方の、まだ腹部に出刃をさしたままの複数裂傷による失血死。見て、見た瞬間、「沙羅ゝ」
いちばんわたしを
「え?」
わたしを、ずっと
「お前だぞ。こいつら」
ほしがっていたのは
「なに言ってんの?」
あなたでしょ?
「お前が殺したんだぞ。お前」
ちがう?
「こいつら、勝手に」
いちばんわたしに
「人殺しだぞ。…いや」
わたしに、ずっと
「かっ。殺し合ったんじゃない?」
餓えていたのは
「人殺し以下の」
あなたでしょ?
「奪い合い?」
ちがう?
「魂殺しの極悪人だぞ。お前」
いちばんわたしで
「わたしの?」
わたしで、ずっと
「どうしてくれんだ?お前」
発情していたのは
「馬鹿じゃない?」
あなたでしょ?
「どうやってお前の」
ちがう?
「屑じゃない?こいつらただの」
だからわたしは
「罪、つぐなう気?」
口蓋を舐めた
「人間の恥でしょ?」とは、沙羅ゝのひきむすんだままのくちびるはひとことも発し得はしなかった。だから「お前こそ」その「百遍死ねよ」強烈な
あ、
ああ
んっ
殴打。息が
あ、
ああ
んっ
できない。猶も
あ、
ああ
んっ
殴打。巻き上がる、
あ、
ああ
んっ
髪さえも
あ、
ああ
んっ
じぶんで
あ、
ああ
んっ
じぶんの顔面を
あ、
ああ
んっ
撃ちのめす。
あ、
ああ
んっ
殴打。なぜか
あ、
ああ
んっ
こぶしは、あたるたびに大きくなっていく気が
あ、
ああ
んっ
する。殴打。
あ、
ああ
んっ
血?
あ、
ああ
んっ
殴打。
あ、
ああ
んっ
鼻水?
あ、
ああ
んっ
殴打。…と、
あ、
ああ
んっ
山村晶…ヒカル。彼は狡猾に腹部をしか殴らないのだった。顔はばれるから。まだ島にいた11歳。山村蕾という名の同級生が耳打ちにしたに違いない。登校中、とおりすがりに詰め襟学生服の晶に「お前の」沙羅ゝは殴られた。「その、」周囲「の?目つき、気に喰わんのじゃ」ともだちはふたり「舐めてるん?…タコ」沈黙。二年の晶がやんちゃで短気で有名なのは敷地をおなじくする小学校でも知れていた。晶が立ち去ったあと、駆け寄ってくれた背後のふたり、山辺真里菜と山岸香奈実。その「沙羅ちゃん、」ささやきが「ごめん、わたし」沙羅ゝにはひたすら「なにもできないよ」うれしかった。
おれは、あやうく
ふれて
のみならず、
咬んで仕舞っ
赤裸々に
くりかえされたさまざま
口蓋。その
赦して
肉体的
粘膜。あ!
無条件に
行為、
じぶんの血にさえ
歎いて
虐め?精神的
噎せかえっていたのに
わたしを
行為、
執拗な青空が
虐め?
あさましく、この
言葉。虐めとは、
双渺にだけは
なんですか?それらが
いとわしい、と
いわゆる虐めと気づいたのは不登校をはじめた小学6年、壬生夫婦なきあとの当座の後見人として島に住み込んでいた真那との2ヶ月だけの同居。真那と教師との三者面談に、上野真紀子先生。やさしい、またはやさしさをつくるのが上手なやさしい彼女が云ったひとことを、…どうも、聞いたときだった。…なんか、「ん、…」どうも、「なに?」
「まだ確定じゃないんですが、…うちのほうで、どうも虐めのような現象が、なんか、見えてる可能性が」
「それって、」
「…みたいな、」
「あんたたちの責任ですよね?」故意に、「言い逃れできる?」声を
信じられるか?いま
笑わせん
立てて笑い、「どうやって
おれは。まさに
な、な!
あんたら、責任
全身全霊で
どのつらさげて
取るの?」真那は
激怒していた
え。え!
会議室の机の足を蹴っ飛ばした。派手で、派手すぎる派手なノイズ。真紀子の悲鳴は肛門あたりに凍りつく。無声。真那は、まるで恫喝の楽器のようにふれるものすべてを鳴らし切るすべを熟知している。そう、沙羅ゝは
失禁?
いまさらに
いいえ。ただ一瞬の
知らされた。聚景荘の
失望
家主一家にさえ恫喝を、まるで挨拶のようにかさねてたのしんだ真那は、その賃貸借契約を打ち切られた。転校先の世田谷の小学校には初日だけ通った。中学は入学手続きだけをした。おまえの目つきが気に喰わねぇんだよ、と。ゆび。つめを粘膜にこすらせて仕舞って、あやうい無声の息を吐きながら沙羅ゝは、…そう「むかっ」云った。あの、「むかつくんだよ。お前」
いいんだ
過呼吸
穢い「天才だよな?」
ぼくたちは
発作。その
深雪までもが「人様、むかつかせてかついらつかせまくる」
わめいても
数秒前
沙羅ゝ。「超天才」
大声で
と、謂う
まばたきの「おま、」ない
叫んでも
鮮烈すぎた
直視。そう謂えば、
そうだ!
不可解な予感に
と。思い出す。いまは、ダナン市はロック・ダウン中だった、と。
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