散文と旋律の無い複数の音声のための12の幻想的なフーガ ...for oedipus rex /a;...for oedipus rex #068



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



#05//咀嚼?そう/わたしたちは、あるいは/咀嚼しあういきものなの/だ。…から、//

いつか、最後にまでしゃぶりついていた貪欲な蝶と、蛇と孔雀の雑種の尻を蹴飛ばしてやれば、逃げ去る最後の雄たけびを聞く。けもの。翼ある獅子と蛇尾のけものは、しかもまるできのうのことのように遠い、膝のたかさに。波紋はもはや血痕と骨でしか…残骸?ない。血痕をさえ…残存?花は、なんら感情のたかぶりもなくうめつくしてゆく。その、冴えた

   ね?

綺羅めきを以て。

   微風のなかに

   われわれは、あるいは

   ふいのかなしみに

   ほほ笑みをもらした


   そう、


   微風のなかに

      なっ

    まるで知性をさえなくしたかのように!

     うしなわれたものなど

   われわれは、あるいは

      なっ、なにも

    気絶したかに?わたしは

     なにも、なっ

   かすかな傷みに

      うばわれたものなど

    立ちつくしているが

     なっ

   見つめあおうとした


   そう、


   微風のなかに

   われわれは、あるいは

   ささやかな歓喜に

   息をひそめた


   そう、


いつか、

   そう!

最後にまでしゃぶりついていた貪欲な蝶と、

   あたたかい?

      轟音が、…ん。猶も

蛇と

   どう?大気は

      錯覚。聞こえていた、と

孔雀の雑種の

   花まみれの

      そんな、…ん。感覚

尻を

   空気は

      錯覚。なりひびいた、と

蹴飛ばしてやれば、逃げ去る最後の雄たけびのののしりを

   蝶よ

けもの。翼ある

   蛇よ

      蝶よ

獅子と蛇尾のけものは

   孔雀よ。それら

      蛇よ

         蝶よ

きのうのことのように耳に

   無視しがたかった

      孔雀よ。それら

         蛇よ

            蝶よ

聞き取った。やや、

   色彩

      雑種よ。あざやかな

         孔雀よ。それら

            ん?

               蝶よ

遠すぎはしない前方に。もはや波紋は血痕と骨でしかない。血痕をさえ、花はなんら感情のたかぶりもなく、ただすみやかにうめつくしてゆく。その、

   残響は?飛沫が

      ええ。このうえなく

みずからに

   体液。飛び散った

      辛辣な

冴えた

   ささやかな

      ええ。色彩

綺羅めきを

   咬んで。しかも

      野蛮に、かつ

         ええ。あざやかな

おっ

   やわらかに、…やや

      容赦なく

         ええ。あれら陽光

を、以て。

   咀嚼?そう ;contrapunctus à 4

    ららっ

   わたしたちは、あるいは

    らんっ

   咀嚼しあういきものなの

    ららっ

   だ。…か、


   ら

      綺羅めきであろうか?花々

    咀嚼?そう

     破滅?いや

   ら、

      その

    わたしたちは、あるいは

     いったい、…え?なにが

   ら。らっ

      実体は。その、あり得ない

    咀嚼しあういきものだか

     滅び得ただろう?

   あっ


   あなたは、ね?いいのだ、…ね

    ららっ

   わたしをも

    らんっ

   咀嚼して、…ね?さえ

    ららっ

   も。…ね?


   だね?

    と。唐突に

     らっ。赤裸々に!

   そう、


   ひかりを、ね? ;antiphona

    微風は

   きみは。その

    ええ、…どう?

   口蓋に。むしろ

    やがては、この

   飲み込んだがいい


   赤裸々なあなたを

    のだ

   風化させてゆくんだ

    よ。…そうでしょう?

   あるいは、ね?まさに

    もう。耐えられず

   想像以上の


   吐き出して仕舞いそうになるくらい

    迅速さを以て

   ひかりを、ね?

    すみやかに

   きみは。その

    いっ

   鼻孔に。むしろ


   いっ

    飲み込んだがいい

   いっ。…そう

    のだ

   微光は

    よ。…そうだろう?

   ええ、…どう?


   もう。…え?赦しきれずに

    やがては、この

   もだえ狂って仕舞いそうになるくらい

    無造作な、ね?あなたを

   ひかりを、あっ。ね?

    色褪せさせてゆくんだ

   きみは。その


   あるい、ね?あるいはまさに

    耳孔に。むしろ

   予測以上の

    飲み込んだが、あっ。いい

   鮮明さを以て

    のだ

   あざやかに


   よ。…そうでしょう?

    いっ

   もう。飲み込み得ずに

    いっ

   破裂して仕舞いそうになるくら

    いっ。…そう

   ひかりを、いっ。ね?


   微弱な

    きみは。その

   微細な

    瞳孔に。むしろ

   細菌たちが

    飲み込んだが、いっ

   みずみずしかった


   のだ、あっ

    制圧を、あっ。ふと

   よ。…そうだろう?

    え?あなたに

   ねぇ、


   あっ


   咀嚼?そう ;canon à 4

   わたしたちは、…ら。あるいは

   咀嚼しあういきもの。だか

   かっ。だか


   ら

    咀嚼?そう

     花びらが舞って

   ら、

    わたしたちは、…ら。あるいは

     ゆびさき。至近にすれ違っ

   ら。らっ

    咀嚼しあういきものだか

     ん?すれ違ってゆき

   あっ


   繊細なひびきで

    ら

     咀嚼?そう

   耳を、完璧に

    ら、

     わたしたちは、あるいは

   ふさいでみないか?

    ら。あっ

     咀嚼しあういきものだか

   それら、ら。なやましい


   音響で

      咀嚼?そう

    繊細なひびきで

     ら

   せつない、ええ。それら

      わたしたちは、ら。ら。あるいは

    たとえば、ささやきが発生しかける寸前に

     ら、

   無数のひびきで

      咀嚼しあういきものだか

    吸い込まれたブレス

     ら。あっ

   いたましい、…ね?


   わたしたちの咀嚼に

      ら

    それ、…らっ。だか

     繊細す…ら。ぎた、そう

   花びらが舞って

      ら、

    無数のひびきに、きみは

     明確なひびきで

   待っ。待って!ゆびさきに

      ら。あっ

    なやませ、わたしを

     耳は、あっ。完璧な

   すれ違ってゆき


   綺羅らを…らっ


   咀嚼?…あ!そう、

      繊細すぎ、…ら

    わたしたちの破廉恥に

     見せ、…ん?荒廃を見せた

   わたしたちは、…ら。あるいは

      ら。ほら

    花びらが舞って

     無数の、まっ。ひびきの無造作な散乱

   咀嚼しあういきもの。だか

      微光。らっ。花々に

    ゆびさきに、ね?

     に、ええ。いたましく…ね?

   かっ。だか


   ら

      せつない、ええ。それら

    咀嚼?そう

     花びらが舞っ

   ら、

      無数のひびきに

    わたしたちは、ら。あるいは

     ゆびさき。すれすれにこぼれお

   ら。らっ

      こころを傷めましたか?繊細なあなたは

    咀嚼しあういきものだか

     ん?こぼれ落ち…ら。て、ゆき

   あっ


   明確なひびきで

      花びらが、…あっ。微細な

    ら

     咀嚼?そう

   耳を、完璧に

      微動。舞い、ゆびさきに

    ら、

     わたしたちは、らら。あるいは

   埋めてみな…らっ。いか?

      ふと

    ら。あっ

     咀嚼しあういきものだか

   それら、あくまでもなつかしい


   音響で

      そっ。咀嚼?そう

    明確なひびきで

     ら

   冴えた、ええ。それら

      わたした、ら。ら。ちは、あるいは

    たとえば一瞬の懊悩に

     ら、

   無数の…え?ひびきで

      咀嚼しあういきものだか

    吐かれなかっ…ら。た、ブレス

     ら。あっ

   いたましい、…ね?


   わたしたちの咀嚼に

      ら

    それら、だか

     明確すぎた、…ら。そう

   花びらが舞って

      ら、

    無数のひびきに、きみは

     柔和な、柔和すぎた、柔和な!ひびきで

   待って!ゆびさきに

      ら。あっ

    ためらわせ、わたしを

     耳は、ええ。完璧な

   こぼれ落ち…ん?てゆき


   綺羅らを散ら、らっ


   咀嚼?…ららっ。そう 

      明確すぎ、…あっ

    わたしたちの過失に

     荒廃を見せ、え?見せた

   わたしたちは、…ら。あるいは

      ら。ほら

    花びらが舞って

     無数のひびきの赤裸々な動揺

   咀嚼しあっ。ええ、う。いきものだか

      微光。花々に

    らっ!ゆびさきに、ね?

     に、ええ。いたましく…ね?

   かっ。だか


   ら

      切実な、あっ。それら

    咀嚼?そう

     花びらが舞っ

   ら、

      無数のひびきに

    わたしたちは、…ら。あるいは

     ゆびさき。間近にひるがえっ

   ら。らっ

      あなたはこころを傷めましたか?

    咀嚼しあういきものだか

     ん?ひるがえってゆ

   あっ


   柔和なひびきで

      花びらが、…微弱な

    ら

     咀嚼?そう

   耳を、完璧に

      微動。舞い、ゆびさきに

    ら、

     わたしたちは、あるいは

   満たしてみないか?

      ふと

    ら。あっ

     咀嚼しあういきものだか

   それら、なま…らっ。ぬるい


   音響で

      咀嚼?そう

    柔和なひびきで

     ら

   切実な、ええ。それら

      わたしたちは、ら。ら。ら。あるいは

    たとえばあいまいな絶句に

     ら、

   無数のひびきで

      咀嚼しあういきものだか

    飲み込まれかけたブレス

     ら。あっ

   いたましい、…ね?


   わたしたちの咀嚼に

      ら

    それら、だか

     柔和すぎた、そう

   花びらが舞って

      ら、

    無数のひびきに、きみは

     俊敏なひびきで

   待って!待っ、ゆびさきに

      ら。あっ

    とまどわせ、わたしを

     耳は、完璧な

   ひるがえってゆき


   綺羅らを…え?


   咀嚼?そう

      柔和すぎ、…ええ

    わたしたちの錯乱に

     らっ。荒廃を見せた

   わたしたちは、…ら。あるいは

      ら。ほら

    花びらが舞っ

     無数の…待って!ひびきの無作為の反響

   咀嚼しあういきもの。だか

      微光。花々に

    ゆびさきに、ね?

     に、いっ。いたましく…ん?

   かっ。だか


   ら

      澄んだ、ええ。それら

    咀嚼?そう

     花びらが舞っ

   ら、…て

      無数のひびきに

    わたしたちは、ら。あるいは

     ゆびさき。すぐそばにわなな

   ら。らっ

      あなたはこころを、あっ。傷めましたか?

    咀嚼しあういきものだか

     ん?わなないてゆき

   あっ


   俊敏なひびきで

      そうだ!花びらが微妙な

    ら

     咀嚼?そう

   耳を、完璧に

      微動。舞い、ゆびさきに

    ら、

     わたしたちは、あるいは

   と、耐えがたい飽和。わっ!

      ふと

    ら。あっ

     咀嚼しあういきものだか

   ら。れら、なめらかに


   聞こえさえした音響で

      咀嚼?そう

    俊敏なひびきで

     ら

   澄んだ、ええ。それら

      わたしたちは、ら。ら。あるいは

    たとえば無意味な返り見に

     ら、

   無数のひびきで

      ええ。咀嚼しあういきものだか

    停滞を…らっ。見せた無敵の完成度を誇ったブレス

     ら。あっ

   いたましい、…ね?


   わたしたちの咀嚼に

      ら

    それら、だか

     俊敏すぎた、…ら。そう

   花びらが舞って

      ら、

    無数のひびきに、きみは

     繊細なひびきで

   待っ!待っ!ゆびさきに

      なに?…ら。あっ

    いらだたせ、わたしを

     耳は、完璧な

   わなないてゆき


   綺羅らを散らして









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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