散文と旋律の無い複数の音声のための12の幻想的なフーガ ...for oedipus rex /a;...for oedipus rex #062



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



   それでも花は

   花。花々は、いまも

   猶も。花?…そう

   ふりそそぐしかないのだった


死霊らよ、


   ひそかに、…ら。背後で

   ゆびをみずからの

   影に隠し、…ええ

   わたしたちは


語れ。ひそかな、あるいは


   花は、それでも

      笑った?

    声。そのささやきを

     やめて。もう

   花は、いまも

      なぜ、こんな

    声を!

     ゆびを、そう。わたしの

   花は

      唐突な吹雪に

    声を!

     や、…しゃぶらないでください

   花々は、


轟音に過ぎないささやきに


   花は

      そう、花。花々の

    だれだ?そっと

     やめて。もう

   花は

      吹雪のような、…ね?

    漏ら…なぜ?し、て。いたのは

     わたしのゆびは

   花は

      失神。花々の

    耳に。ふさがれた

     や、…ええ。いくじをなくして仕舞っ

   花は


死霊らよ


#01//なんと、…そう/なんという/ええ。ね?やさしさだったろう?/そう、これら//

雪?やがて雪。雪のようにひかり。ひかりのように綺羅めき、降りそそぐしかなかった花々の乱舞のなかに、けもの。その翼ある、獅子の四つ足の下半身を立ち止まらせたけものはうつくしすぎた容姿をとりたてて驕るでもなく、と。彼女はまばたいていた。前足。そこに、爪がやわらかに喰いついた花々の集積。翳りのあいまいな複雑。その、すれすれのさきに、…なに?屍。波紋。彼の死屍は目を見ひらいたまま体温のかすかな残存をさえ冷やしてゆくばかりだった。息絶え、その瞬間には最後の声もなく、叫びも、希求も、感情の暴発、あるいはせめてもの吐息かため息のきざしさえも、…だからあのすみやかな唐突。色褪せるかにも滅びていった。彼は。まるで、最初からすでにこと切れていたかに。生誕し、息づいた事実さえもなくむしろあきらかに

   もう

死滅していたかに。

   ふいにあなたが

      と、わたしは。ふと

    不思議と、もう

     なんてこと!こんなにも

   あっ

      もたげられたままの腕の

    いきいきと、きみを

     大気がすがすがしいものだったなん

   あっ、…なが

      踏みそうに、…影を

    思い出せもしな

     な!

   涙を。鮮明に


   流したのだから

    な、

   らっ

    なぜでしょう?

   すべての樹木は

    わたしたちは、…ええ

   燃えあがったのだ


   …ね?


   あなたが無意味に

    雪?…ゆ

   流した涙が

    の、ように

     花?…あっ

   飛沫と散った

      雪?…の、よう

    花。花の

     の、ような

   そんな風景に


   わたしは惑う


   そんな幻像に

      雪?…の、よう

    雪。雪の

     花?…あっ

   飛沫と散った

    の、ように

     の、ような

   あいまいな一瞬が

    花?…あっ

   わたしの涙に


   …ね?


   燃えあがったのだ

    な、

   すべての樹木は

    愛しあったでしょう?

   らっ

    わたしたちは、…ええ

   共鳴したのだから


   涙に。鮮明な

      なっ、なった瞬間に。…影を

    不思議と、もう

     なんてこと!こんなにも

   あっ、…なが

      なぜ?やさしげな微笑を

    すこしも、きみを

     大気が清潔なものだったなん

   あっ

      と、わたしは。ふと

    思い出せはしな

     な!

   わたしたちのこの須臾に


やがて、

   ゆびさきに

      の、の、

雪。雪のように

   触感。…あっ

      の、よう

ひかり。ひかりのように

   風の

      の、…ん?

綺羅めき、降りそそぐしかなかっ

   ええ!

なかっ

   ええ、そう!

なかっ

   ええ!

なかった花々の乱舞のなかに、けもの。その翼ある、獅子の四つ足の下半身を立ち止まらせたけものはうつくしすぎた容姿をとりたてて驕るでもなく、または美貌の事実に

   風たちの

      好き?

         風たちの

気づき、知り、かつ

   触感。…あっ

      わらっ、ええ。わらっていてよ

         かっ

気に

   ゆびさきに

      好き?

         風たちの

懸けたと謂うふうさえもなくただ、

   あっ

      ええ!…そう

まばたいていた。

   わたしは猶も

      見えてる?その

         そっ

獅子。前足の

   俊敏なのだか

      いたたまれない

         そっ

爪の

   ら、

      まなざしで

         そっ

喰いついた花々の集積。…の、

   なに?

すれすれのさきに、

   ええ、…そっ

      赤裸々な光沢

         ええ、…あっ

屍。だから、波紋の死屍は目を見ひらいたままもう体温のかろうじての残存の残余をさえ冷やし醒ましてゆくばかりだったから。息絶え、その時に

   叫びも

      なぜでしょうね?

最後の声も

   希求も。その

      かんじら

なく。叫びも、

   爆発。だから

      られ

希求も、

   激情の、または

      れま、そう

感情の暴発、あるいは

   吐息。そう

      なふがされはしなかった涙の

せめてもの

   ため息の

      なに?

吐息か

   せめてもの

      微音。いわば

ため息の

   痕跡さえも

      風化した、すでに

きざしさえも

   なにも。…そう、

      痕跡の、あきらな

なく。ただ

   な

      の、ように

色褪せるかにも滅びていった。まるで、

   ええ!そう

最初から

   そう!ええ

すでにこと切れていたかに。生誕し、

   え?

息づく

   もう、いまは

      なおも容赦ない

         花々よ!

須臾さえもなく

   明け方でしょう?

      咆哮を

         消せ、色彩を。その

死滅していたかに。













Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

0コメント

  • 1000 / 1000