カミーユ・C、留保なき絶望とその絶望的なまでの強度 ...for Jean-Baptiste Camille Corot /b;...for oedipus rex #056



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



#06//叫びもなく、だから/当然、最後のことばをなど/じぶんの耳にも/残しはしない、で//

沙羅ゝは、去年の

   と、だから

      吸い込む。肺は

2月、真那と

   唐突に思えた

      湿気を、そこらに

真樹。あの

   朝の乾燥

      なぜか漲った

ふたりの無慚な死の直後、めずらしく言葉に覇気を、しかも完璧になくして仕舞った深雪に

   いや、基本

      だいじょうぶ?

         なんか、声

送り込まれた。

   ぜんぜん。わたしは

      だ。だっ!

         ごめん。おれ、いま

だから、

   じゃなくて、

      だいじょ

         聞いてらんな、…もう

追放?真那。

   あなたのほうが

      だいじょうぶ?

         ん?…と、

真樹。彼女たち、あるいは波紋の

   じゃない?

      だ。だっ!

         謂うか、それって

姉たち。自宅で襲われたのだった。ジム経営者たる深雪の不在時に。だれが?なぜ、

   ここですよ

警察は

   ぼくは

調べなかっ

   ここにいま

なかったのだろう?…少年を、

   ここですよ

沙羅ゝを。その

   え?

      ちょっ、…すみません

アリバイは

   だれ?

      いま。ぼく、いま

なし。自室に

   だれが?

      なにを言ってるのかわか

籠っていた、と。あまりにも清楚で飾りけのない部屋に引きこもり、ヘッドフォンで音楽を

   なんか、こういう

聞いていた、

   ウィスパー系の

と。ひとふたりの断末魔にさえ

   声、好きで。ぼく

気づかずに?

   叫びもなく、だから ;contrapunctus à 4

    なに?

   当然、最後のことばをなど

    いま、…な。わたしは

   じぶんの耳にも

    なにを見てるの?

   残しはしない、で


   ささやいたのだろう?その

      だから、あまりにも

    の、叫びの。の、ように

     消失。では、な

   網膜の、…その

      巧妙に、…だれ?

    の、悲鳴の。の、ように

     なくてひたすらに赤裸々でしかも

   うるおいにむこうに

      あるいは強靭な

    糾弾する、その

     深刻な。…ええ

   あなたは。ふと


   とりなすそうに

      腕で?…なにも

    の、声の。の、ように

     不在。では、

   とりなしあうように

      ひらかれたままの瞳孔は

    に、よう。のけぞるよう、に

     なくてひたすらに赤裸々でしかも

   わたしたちは、しかも

      訴えもしな

    いっ。引き攣るよう、ように

     深刻な

   声を、慎重に


   叫びもなく、だから

    なに、…な

   当然、慟哭のひびきをなどは

    な、

   じぶんの耳にも

    な。ええ、

   残されは、…しな


ささやきあうのは好きですか? ;recitativo


   な!


   無理。だって ;antiphona

    いたましい、と

   口蓋を、…ね?

    少年を、だから

   脱がされた自分の着衣で

    彼を見つめた

   押し込まれ、奧まで


   ひとびとの、…そう

    ふさがれていた、と

   目は

    そうなんでしょう?

   目は

    無理。だって

   目は、もう


   両手を、…ね?

    なにも見たくない、と

   脱がされた自分の着衣で

    そうとでも?だから

   縛られ、うしろ手で

    ささやいていたかに

   転がされていた、と


   ふるえた、と。そう

    そうなんでしょう?

   目は

    無理。だって

   目は

    頸を、すぐさまに

   目は、ひとびとの


   ひろいあげられたありふれた出刃で

    目は。あるいは

   刺され、骨まで

    乾ききった、彼の

   見えて仕舞うほどに、…と

    網膜に

   そうなんでしょう?


   どこ?…涙は

    無理。だって

   乾燥。完璧な、そう

    叫びを、…ね?

   あなたはいま容赦なく混乱している、と

    脱がされた自分の着衣で

   涙さえ不在を


   すべてだいないしにされて

    さらすしかない、そ…と

   見向かれた、と。その須臾に

    目は

   なにをあな…ん?たは思っ…どう?たのでしょう

    目は

   無理。…ね?だって


   目は、もう

    沈黙など。床に

   すばしっこい、やや

    まなざしが接近して来た、その

   ななめの…虹彩。滑走を

    風景には

   見せた一瞬に


   耳を澄ます ;canon à 4

   澄まし、澄ましあう

   あくまでも、あれら

   大気に、ふるえる


   塵の微動に聞き耳をたてるかに

    耳を、…いいえ。澄ます

   赤裸々な耳を

    澄まし、いっ。澄ましあう

   ひそかに

    あ。あくまでも、あれら

   すべての、しかも


   音響をことごとく拒絶している

    あ。聞き取られる得る

     耳を、…ええ。澄ま

   耳に

    あ。はずもない、かつて

     澄ま、そう。目を

   容赦ない

    あ。ひびいていたかもしれなかったはずの

     見ひら…いまだ。い、たままで

   耳に


   い、

      耳を、…え?澄ま

    音響を。ことごとく

     だれが?わた、いま

   い、

      澄ま、え?…し。巨大すぎる雨が

    耳に、かなしいくらいに

     いちばん見事に、わたし?

   い、

      舞い跳ねていますか?

    共感のない

     世界中で、いま

   い、


   耳を澄ます

      いまや

    見に、…い

     冷静をたもった生き物は

   澄まし、澄ましあう

      微動だに、せずに

    い、

     あえて

   あくまでも、あれら

      ゆびさきが

    い、

     深刻な眉間に

   大気に、かさなる


   ひかりのすとひじに聞き耳をた…なぜ?て、るかに

      くちびるを、…え?

    耳を、…いいえ。澄ます

     いっ

   陰湿な耳を

      押さえようと

    澄まし、いっ。澄ましあう

     い、

   ひそかに

      ええ、絶え間な

    あ。あくまでも、いっ。あれら

     い、

   すべての、しかも


   音響をことごとく拒否してい

      いっ

    あ。…る、聞き取られる得る

     耳を…ええ。澄ま

   耳に

      い、

    あ。余地などない、やがて

     澄ま、そう。くちびるを

   抜け目ない

      い、

    あ。ひびいていたかもしれなかったはずの

     しめら…いまだ。せ、た。ままで

   耳に


   い、

      耳を、…え?澄ま

    音響を。ことごとく

     だれが?わた、いま

   い、

      澄ま、え?燃えている雨が

    耳に…ええ、いっ。ここに

     いちばん見事に、わたし?

   い、

      飛び散っていますか?

    抜け目ない

     世界中で、こっ。いま

   い、


   耳を澄ます

      いまや

    見に、…い

     微熱をはなった生き物は

   澄まし、澄ましあう

      微動だに、あっ。せずに

    い、

     あえて

   あくまでも、あれら

      爪が

    い、

     辛辣なひたいに

   大気に、うばわれる


   虚空の消滅に聞き耳をたてるかに

      首筋を、…なぜ?

    耳を、…いいえ。澄ます

     いっ

   明朗な耳を

      搔き毟ろうと

    澄まし、いっ。澄ましあう

     い、

   ひそかに

      ええ、押さえがた

    あ。あくまでも、あれら

     い、

   すべての、しかも


   音響をことごとくこばん、ん、ん、

      いっ

    あ。聞き取られる得る

     耳を、…ええ。澄ま

   耳に

      い、

    あ。可能性もな…いつか

     澄ま、そう。息を

   共感のない

      い、

    あ。ひびいていたかもしれなかったはずの

     いまだ調えたままで

   耳に


   い、

      耳を、…え?澄ま

    音響を。ことごとく

     だれが?わた、いま

   い、

      澄ま、え?巨大すぎる雨が

    耳に、かなしいくらいに

     いちばん見事に、わたし?

   い、

      舞い跳ねていますか?

    共感のない

     世界中で、い

   い、


   耳を澄ま

    い、

     ん?

   まし、ま

    い

   あ









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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