カミーユ・C、留保なき絶望とその絶望的なまでの強度 ...for Jean-Baptiste Camille Corot /b;...for oedipus rex #050
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください
#02//なにも、そう/まだ、崩壊を。…まだ?/すこしも、そう/なにものも//
と、
はじめて
な、ざわめきの
夢。その
見た、または
ない、すこしも
夢。見て、…はじめて
はじめて見たかの
な、おそれ。または
いま
既視感以外に
おののきの
ようやく見ることができた
なにもない
な、…ええ
夢?目を
え?
覚まし、…または、なんども初めて見るかに見つづけたものだった
ええ
夢?波紋は、
死から
ん、…錯覚?
そう、これは
その。
やっと、だ。解放されたかの
ん、不道徳な
重力。やや
だから、醒めたばかりの
そんな
ん、…錯乱?
あっ。赤裸々すぎた、
重い肉体の停滞に身をまかせている。ベッドで。あの、詩人の
虚構だろう?
夢?
あれら、すべての
なぜ?
詩人たちの
詩人は、だから
実在は。…どう?
彼。だれよりもうつくしくうつくしい声を、うつくしさのかぎりに響かせるすべを知り過ぎた彼女は、かならずしも望みはしなかった生還ののち、やがて熱狂した男たちに喰いちぎられ、蹂躙される事実をは知らずに
詩人たちなら
だって、じぶんの
黄泉に
絶滅したよ
しゃぶったんでしょ?
くだったのだった。うしなった、
共食いしすぎて
こゆびをさえも
最愛の男の魂を…彼。もとめて。彼を、だからふたたび連れ戻すために。まるで、
救ってあげ
羽根をはやして
あっ。きみをだけ
舞いあがるかに足元に
救ってあ
見えたとおい青い空のむこうに落ちて、…どう?真魚。彼はいまだしずかな寝息を立てつづけている。生きている。まだ。気づかない。もう、波紋がひとりで勝手に目を
いまなら、きみを
ね?
陰惨な
醒まして
殺してあげら
ね?
さわやかさであった
仕舞っていたことを。
ね?…られら
はなやかな
落ち延びるかに
ね?…らっ
目舞い。ふと、
身を寄せた異国。ベトナム、ダナン市の海辺の中古の家屋のなかでも彼は、すこしも
熟睡
信じて!信じて!
狂気とは言い切れない
こころに
すこやかな
世界が!あした、
けっ…発熱。し、けっ
傷がないから。日本からの逃亡は結局は波紋自身のせいと謂えた。失踪。瓜生の、そして残された不正会計の厖大。もともと赤字しか生んでいなんかった事実を、いきなりの不在の直後の混乱にようやく波紋は
気づいた?
知った。
いま、あまやかな
知っていた。
異臭。…ね?
波紋は、
なに?
海外逃亡しなければならないわけではなかった事実をは。しかし、すでに厳島の父母も死に、もはや日本になど未練は綺麗になにもなかった。あいかわらず真魚は人前に出ることを厭う日常を、無造作に
身をかくす
どこですか?どこで
ひたすら
身を、なおも
す、かっ!ええ、
消費し、日本に於く
さらけだしたまま
安住の地は、わっ!
如何なる生産性も必然性も彼にはなかった。めずらしく真魚が気を利かせた。杉沢夕理という、小学校の同級生だったらしい女。彼女が、ベトナムに住んでいるから、と。ちょっと「もう、」
来たら?こっち
聞いてみようか?「おれたち、
あったかいよ。なんか
いられないよね?」
ね?ひとも
嫉妬。
水道水も
サイゴンの「日本には、」
朝の気温も
国際空港にまで「もう」
…わかる?
出迎えた、
きみの失敗
おれたち、まだ
地味な
そのせいで
見つめあっ
白すぎる肌の
ぼくらは
よ、あってる。…ね?
女。波紋に、
よね?
女の
どう?
女としての肉体的な品質に於いてくらぶべくもないことは明晰すぎる事実だった。しかし、彼女がいまを以てさえ真魚を特別な男として認知していたことは見て、すぐさまに波紋には
ふいうちの
叫びあう
光源。…ええ
知れた。真魚は、
と、
情熱も。もう、
きょうはたぶん
すれちがう
舌。そのつけ根に
ののしりあう
ね?無造作なくらいに
無縁の女にさえ
陰湿な
誠実も。もう
あきらかな
どうしようもない傷を
乾燥。…と、
傷めあう
晴天ですよね?
残す。事実、
どう?
春雨などむごたらしいほど夢中だった。
どうだ!
真魚に。男も、
どう?
女も、彼には深刻にだいないしにされざるを得ない。渡越から、もう9年もたった。2021年。9月。その、7月末からつづいたダナン市のCovid 19パンデミックに伴う都市封鎖。明日から隔離が緩和される、…実質的な解除。と、そんな情報は夕理紹介のグイン・ティ・シーという現地人から聞いた。要するに、彼女の10歳下の夫なのだが。ふと、
まだだよ
うしなわれたのだ
真魚。
きみの
そう。あの日
かたわらに、
最後の日々は
見あげ、絶句した
不在。…消失?
まだだよ
夕焼けも、いまは
彼の、すぐそばに
あっ
やめてよ
あっ
眠ってあるはずのその、肉体にあるべき体温が感じられていなかった気がし、
あっ
いいよ
あっ
波紋。…ふれなければ、所詮。そんなもの感じられなどしないのが当然だと知って
知っ
知っているのに。思わず波紋は息を
知っ
飲む。
なに?
叫びたくなる。…昏い。部屋は。隣接しすぎたここらあたりの年代ものの家屋の常識。室内はあまりに日照を
と、これは
どこどこどこ?
あまりにもやさしい
拒絶していすぎる。もうすぐ、
懊悩?
きみは、いま
すずしい昏みに
と。波紋。殺して仕舞いそうだよ。わたしは、と。沙羅ゝを。そう、あるいは波紋は叫びかけの声のない口蓋の開口につぶやいたじぶんの声を聞いた気がした。沙羅ゝ。ほんの7ヶ月前、…彼。まだ雪の降る可能性のある国土から、もうあきらかに夏をきざした国土に送りつけられた
らら、と
雪は。ゆっ
少年。だから、
さらら、と
降るのでしょう?
息子。あの眼が
るら、と
地の果てでさえも
怖かった。いつか、すべてを破壊して仕舞うにちがいない。沙羅ゝは。失敗だった。生んだこと自体、沙羅ゝ。
なぜだ!
彼を。
ぼくらは
渡越のとき、あえて
うつくしい
じぶんの
なぜだ!
育ての父母に託したことも。あの、なつかしいふたりの厳島での変死。室内は血まみれだった、と。2019年。3月。厳島在住の女が「あなた、」云った。「先生の、」…え?「娘さん?」寝室で、仰向けの庸子。無数の
なぜ、閉じないで
あふれていないの?
声を。こぼれだしそうな
刺し傷。そこから
目を。あなたは
なぜ、涙が
声を。騒音じみた
流血の
死ねたんですか?
わたしに、この
声を。かたくな
点々。
…ぜ?
階段の
な、
まんなかやや下、
…ぜ?
突き落とされたかのようなかたちで
虚構に過ぎない
なら、
詩人たち
雅孝。
死とは
もう死滅
ら、ならば
めった刺し。ふたりとも腕等に抵抗したための傷はなし。ふたりとも、死亡後にもさらに頸を絞められたらしい舌骨の骨折と皮膚痕があった。タオルのようなもので、と。これだけは後に、警察から聞いた。強盗に襲われた、と?不審は、あえてでもなんでも当時は感じなかった。沙羅ゝをだけ見逃して?しかも無傷で?押入れのなかに
こわか
できなくて
入って、
わか、こわかったん
なんにも、な
入り込んだまま声を
んっ。んたん
ん、ぼくな、
殺して
ん、ぼくな、
んっ。んたん
怯えていた、
なんにも、な
わか、こわかっ
と?11歳の
できなくて
たん、こ。わか
少年。しかも用意周到にそこに失禁の後を、またあまつさえ爪を咬み続けていた痕跡を、ひんまがったじぶんの両手十指すべての爪にまできっちりのこして。波紋は、真魚のいまだ、当然あたたかであるべき手を、…ひだり腕?さわり、確認する動作をも嫌がって、
知って
ただ、
知らせて
ながい息を
忘れさせて
吐き、
しかも
吸う。ひそめる。知っている。波紋は、
知らなくていいよ
雨あら
沙羅ゝはさらに
後頭部の形態は
ら、れと。そう
多くの
ぼくの!
後悔が、切実に
破壊を、だから当座は真魚と波紋とに加えるにちがいない。やがて孤独になった沙羅ゝは野放しに、
破壊せよ
爪
激怒を?たやすくは
ここで、
きみは、きみが
牙
見せびらかしは
どれだけの
嫌悪したすべてを
毒
しない冷淡
破壊を見せつけるのだろう?なら、と。もはやそれ以上彼が壊れて仕舞う前に自分が始末してやるべきではないか?波紋。彼女は、まるで
いっそ
崩壊?
はじめてその
うつくしい空が
いいえ
はじめての
そのうつくしさを
赦さな…ええ
思いつきに、はじめて
窮めるまえに
わたしは
戦慄して仕舞ったかに、ふと。四肢を
ふっ
固めた。その、
きのう、ぼくたちは
ふっ
知っている。早朝
絶滅したよ
ふ、ふっ
5時。まだ、沙羅ゝは
知ってる?
ふっ
眠りについている以外には
な、
あり得ない。
なにも、そう ;contrapunctus à 4
色彩。それら
そう
聞こえる?たとえば
まだ、だ。崩壊を…まだ?
目醒めに、ようやく
わたしたちもね?もう
壁のむこうの、翳りに羽搏く
そう。すこしも
色彩だったと知られはじめて
そう
蝶か、どう?蛾の
なにものも
崩壊を?
轟音。大気が
さらしなど、…見て
ひびわれるかの。その
朝の…みっ。ひかりを
不在。…見て、轟音の
だれかがかろうじて
生存していた
もう、目を
まだ
あるとは、それが
だれかがあきらかに
ひらききっ、きっ、ほら。…て
まだ?崩壊を
破綻などしていないと謂う
生存していた
おはようと、言おう
まだ
事実であろうか?
ええ。だれかが…え?慎重に
まばたきをした。その
生存していた
え?
息を、あえ…え?て
わたしさえもが
ええ、
ひそめもしない…ん?で
生存していた
ええ。猶も
かたむく、眸を
ふるわせつづける
蝶は、…なんっ。水を
あなたは、…どう?
交尾を?あるいは
明け方。あの
飲みかける挙動を見せていっ…それは。たしかに
眠りは、圧倒的に
翳りか、やさしい
空に、あっ。夜の
飢渇していて
休めましたか?…あなたを
陽だまりに、ん?蛾は
完全な崩壊の
ひかりの下では
なにも、そう
ひかっ
まだ、崩壊を。…ま
ひかった?
すこしも、あっ。そう
いっ
なにものも
あっ
0コメント