ジュリアン・O、浸蝕。そして青の浸蝕 ...for Julian Onderdonk /a;...for oedipus rex #035
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください
#03//世界が、まさに/終わった、と。そんな/稀有な日だったかに/泣き叫んだなら//
腕を
傷み。ふと
走る。はっ
より高い強度で
にじむものだろう?
弾け、はっ
もたげ、ねじるかに、波紋。事実ねじり、ねじりあげて維持し…マニエリスム?と。それはただの、肉体の素直への嘲弄にすぎない。波紋は、実際にいま、
やや
筋肉は、でも
ほら。わたしたちは
と。傷んでいる。
懊悩じみた
なぶられるために
しめやかに。猶も、
おれは。
違和
あるのだろう?
息遣いを、…ここ
と、夢。家を、みずから棄てることになったあの
夢
ざわっ、ええ
夢。最初に
はばたくに似た
風。風?
取り乱しはじめたのは
夢
え?ざわっ
庸子だった。波紋。その、年末に15歳になる年のまなざし。だから事実上の14歳の8月。夏休みの日常としては、例になく早く起きた早朝、いまだこれみよがしにみずみずしい午前のひかりに
落下
ふまれたの、な
ことばはそして
まばたく。
不用意な
なに?
選ばれることなく
呼吸。
まばたきが
かかとに、いま
ノイズとしてのみ
気づかないほどの
落下
ふまれかけたの、な
ふれた。外気に
あさい、その自然さ。一階、見た。見晴らしの良すぎるリビングにささやきあう両親を。だから入口に、
目
巧妙に
波紋。雅孝は
これは
ひかりが。がっ
サッシュに向かって、
ええ
睫毛に。がっ
少年には
目
慎重に
背をむけた庸子の肩を抱いていた。やさしく、かついさめるかに。あえて、立ちどまりさえしなかった波紋の通過する耳に、庸子。その没頭のために息子の衣擦れと足音にさえ気づかないまま「…から、」ささやきを「ね?なんか、」聞かせた。「あの子がほんとにお父さん殺しちゃって、お母さん?だから、」ひびき。やわらかく、やや
膨張してゆく
つ
するどい高音領域に
喉のなかの
つぶだ
周囲に
大気たち
つ
孤立した、しかしいたましさのないひびきの
すぎさ、…ん?過ぎ去っ
柔和。
もう…た、
雅孝。
あられもな
彼は
歎きの…いっ。時は
横向きの顔のまなざしのすみ、すでにとおりすぎてゆく波紋を知っている。ひとりとふたり。近すぎもしない自然な距離。壁に仕切られた空間に、唐突に空虚に思えたまんなかあたりを抜けた
はっ
あ
はっ
波紋。雅孝はなにを、
夢。あの
踏め!花を
じぶんがいま
めくるめく
踏み散らせ!
なにもすべくして如何にじぶんが反応すべきか思いつかない。あいまいな、
焔を。あなたは
いっ。傷い。…い
茫然?と、
陥穽に
新鮮なうちに
いっ。かゆい。…い
あやうく、しかも
落ちたかの
食べたこと、…ね?
いっ。つらい。…い
失神したりは、しな
まどいのない
ある?
いまいまし、…ええ
ない、そんな
茫然に、だから惰性じみて微笑みつづけているにすぎな、…と。波紋。決してじぶんをは返り見ないひとりよがりな昂揚の
傷み。いま
いっ
庸子。その、
あなたは全身の
いいえ。わたしは
波紋に違和を感じさせた
細胞の息吹きに
なにも、あなたなど
庸子の
傷み。いま
知りはしな
孤立。不用意な
え?
な
孤独感。波紋が冷蔵庫をひらく寸前、ふと返り見れば庸子はすでに窓に背を向けて彼を見ていた。深刻な瞳孔。それに、しかし口もとは執拗で、鮮明すぎるほほ笑みを「夢の、」作って。「ね?夢の話し」やがて雅孝はささやいた。洗濯を、と。興奮の醒めたわらい声に、ひとり浴室の方に立ち去っていった庸子を見送ったあと「お母さん、…結構、あれでいて繊細だから」
ぼくらはいつでも
虚無だ!
きっ
「って、」
虚空にふれられるん、…
きょむて
いっ
「ね?」
だ!あまりにもたやすく
なに?
きっ
「なに?」島に赴任しただけの雅孝も、そして庸子も、たとえいかに馴れしたしんだとして言ってみればよそ者にすぎなかったから、土地の方言はあくまでも話せない。伝番?波紋もおなじく、両親とおなじ言語しか話せない。不自由はなかった。もともと稀有な、目立ってきわだつ容姿だった。ひとりだけちがうことばを使いつづけて、しかも人の眼はことさらな奇異をは「それ、」感じない。「さっきの話し?」
くさっ
花々は
「気にした?」
血なまぐさくない?
時に
「そもそもなに?…あれ」
くさっ
微光にさえも
「夢、」
血まみれじゃない?
稀に
「だれ?」夢の話をしていたのだと雅孝は語っ
夢?
ええ。わたしはいちども
だまれ、この
見たことが
不埒な
な
夢?
ええ。わたしはいちども
おしだまれ、この
れ、
見えたことが
屈辱的な
れ。れ、…え?
な
夢?
まして
ええ、
そう。わたしはいちども
なんて清潔な
おしえて。きみが
沈黙をもって、そう
見られたことが
わたしたちだろう?
ふれた世界を
あどけな…きみに
な
ええ
一瞬たりとも
息吹きを、その
だまれ。二度と
眠りなど
香りを、その
ひらくな!
しな
風景を
この口を?
な、…そう
死なないで!
たとえあきらかに
だまれ、この
る。落ちている、…その
辛辣な
あきらかな眠りに
けものども
る、瞬間にさえも
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