ジュリアン・O、浸蝕。そして青の浸蝕 ...for Julian Onderdonk /a;...for oedipus rex #022
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください
どうしてぼくらは
傷つけあうのだろう?
言葉が、あるいは
鳥の爪、または
語れ
けものたちの牙に譬うべき
凶器、…と?ならば
ぼくらは。まなざしは
なにを?なにを?
死霊らよ、語れ。かつて
どうしてぼくらは
立ち止まりなど
どうしても?
見た?いちどでも
傷つけあうのだろう?
須臾にも、…いいえ。落下する
いまも?いまさら
両目が、ん?わたしの
言葉が、あるいは
なっ。花々は
猶も?すでに
双渺が、…ええ
鳥の爪、または
いちども目覚めるべきではなかっ…ええ。死霊らよ
けものたちの牙に譬うべき
永遠に。われわれは
無数の時、無数の
血を。ええ、流しはじめた
凶器、…と?ならば
つねに不穏な
場所、無数の
須臾を。永遠に、…そう
沈黙していれば
つまさ、さ、…え?きっ、を。やわらかく踏ん
永遠に
とめどもなく、もう
いいのだ。…ね?喉は
#01//もう。朝が/ここ。この、こ、…そう/わたしたちにさえも/朝だったのだ//
名前は?と。
なに?
織部真魚はかたわら、
え?
思えばはるかに、
あっ
だれにとってもふつりあいなほどに年下の男に
その
なにがいい?
突然、
声に。声を
どんな名前が
耳打ちする。
かさねてみようよ
わたしたちは
彼。
その
ほほ笑みは
好きかな?あるいは
名前。壬生
声に。声を
好きですか?
綺麗な、優雅な
波紋。だから彼はふと
かさねてみ
そう。赦されていて
または瀟洒な
意外そうな顔をして真魚を見たのだが、…名前?そう、波紋がささやき返しもしないうちにあわててひとり笑いをはじめた真魚を見て、波紋。そっと
はっ
まばたく。その
はっ
女。30歳を越えて、しかしどうしようもなくどこか少女じみた、…あどけなさ?…おさなさ?…若々しさ?ややなにかがものたりない、だからあるいは愚かしさ?
なに?
聞いた。波紋は、
はっ
耳の至近。さわいだ短い彼女の笑い声。極端に薄いフルート・グラスを乾杯に
ひびき
いっぱい、いっぱい
そっと、うちあわせたら例外的に
ふるえる?
未来のぼくらを
やわらかな
ふるえてる?
想像しようよ
ひびきが鳴って仕舞った、…と。いわば、
ひびき
とおく、とおくまで
そんな。真魚は「男の子、…」すでにじょうずにほほ笑んでいる。「ほしい?それとも波紋は」
「真魚は?」女の子?と、真魚がささやくべきだったことばは、ささやかれるまえから波紋にははっきり聞き取られていて、ふいの既視感。しかも無意味な。そうだ、と。思った。
そう、
そ
もう
真魚は、
そう、
そ
もう
いまさらに。たしかに、
そう、
そ
もう
感じていたのだった。真魚は。波紋。彼。いとしいひと。じぶんにとって、もうかたわらに存在しなければこの肺が呼吸をやめ、心臓が
愛を。どうしようもなく
愛を、
鼓動をやめて仕舞うにちがいない、
赤裸々な
そう。われわれは、この
なぜ?
愛を
ひと呼吸にも
と。どうしてあなたはわたしと、そして未生の、でもお腹にあきらかに鼓動をきざみはじめた赤ちゃんのそばにいてさえ猶も、いま、しずかに室内の空気をふるわす音楽に…バッハ。あえて、ハンマー式クラヴィーア。気を取られてさえいられるのだろう?その、不可解な、また
ざわがしく、そう
微笑。この
ひびっ
鮮明すぎる苛立たしさに
わたしはさわぐ
上質な笑みをだけ
ひ
真魚は、
感じた?
きみに、ええ。見てたん
ひびっ
じぶんにだけさわぎ、じぶんにも理解できない唐突な
ざわめき、そう
睫毛。その
ひっ
不快感に
わたしはざわめく
綺羅めき。繊細な
ひびっ
思わず、あられもなく動揺していた。もう、真魚は…名前は?知っ
やめて
知っ
なやませな
知っている。いま、あの唐突な言葉は、
名前は?…そう、あ!
ん。いいかな?
が、わたしたちは
こうやってしっかり
可愛い名前が?
あ!たくましい名前が?
稀薄な大気を
順を踏んで
いいかな?…え?
ん。名前は?…そう
飽和させている。が、
ささやかれてゆくべきだった。まず、性別。そのあとに名前。たわむれあうかに音声が、かさなってゆくささやきのかさなりあいのまま、だって、
ええ
希少な
え?
中性的名前を与える意志を持たない限り名前はすでに性別を持たされているのだから。波紋。
知ってる?この
はっ
なぜ、これを
ことさらにやさしい
テーマの見事さ
は。はっ
愛していたの?
微笑。ふいにさらされはじる真魚の
山なりの
はっ
こんなも…あなたは
虹彩の、とめどない恍惚のひろがりと昂揚の沈黙の熱気を、受胎発覚の直後。まだ、最後の排卵からかぞえても一か月。妊娠初期の不安定のせいと波紋は
情熱?
ええ
ゆびさきに
解した。それは
ふいうちの
そう。終わります
かすかな、だから
2007年、
痙攣のように
世界は。あした
ゆびさきに
3月。その
情熱?
わたしのまぶたに
傷み
午前7時半。ほんの1時間あとには春雨との約束。そのまえに、いま、せめてもようやくあさい仮眠につく前の波紋は、その不在のひとりの深夜を、
眠りは
ね、
真魚。落ちた
嘘のように
ね、
眠りの、あっ
不在。いまも
ね、
と
すでに
ね、
さえ謂わない間にすごして目を醒ましたばかりの彼女の、にぶい苦しみだけが醒めない微笑を猶も
そうだ!
ぼくたちは
そうだ!
ぼくた
だったん
ん?
しあわせだったのだ
そうだ!
われわれは
だったん
ふたりは
あっ
ね。…教えて
切実に
ええ、
しあわせだったのだ
あ、
ね?無意味に、…さ
われわれは
あ、あ、あ、
泣きそうになっ
ふたりは
ひそかに、さ
あれ?
…ある?
圧倒的に
ん?
しあわせだったのだ
ぼくはあなたから
そうだ!
こと、あ
われわれは
目を、そら
だったん
ある?…るる
ふたりは
そらし…空?
あっ
るって、おもわず
赤裸々に
あっ
しあわせだったのだ
空はわたしのためには存在しな
あ、
歌いだして仕舞っ
われわれは
な、はずだろう?
あ、
どう?
ふたりはあるいは
と。ひそかに
あ…やめて
ある?…ふと
絶望的なまでに
だからわれわれは
生きていられ、
れっ
だからわれわれは
空に。そう
ささやいていられ
あの、見あげられなかっ
れっ
だからわれわれは
れっ
光源の下に
しあわせですか?
ほほ笑みをさえも
え?
空に。そう
きみも。あるいは
かさねていら
しぃっ!
見放されたかに錯覚しなが
そう。なやましいくら
らっ
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