オイディプス王のための詩とフーガ;...for oedipus rex #001



   永遠を ;hymnus

   愛を、永遠に

   わかたれ得ない

   永遠を。ふたり


   誓いあっているべきものなのだから

   頭上にも。猶も

   ゆらぎあうのだ

   葉。あ、…葉々すら


ここは、あるいは沙漠ではないか? ;recitativo


   永遠を ;canon à 4

    ざ、と

   愛を、永遠に

    ざ、と。ざ、

     永遠を

   わかたれ得ない

      永遠?

    ざ、と

     愛を、永遠に

   永遠を。ふたり


   あえて?そう

      永遠を

    ええ。風さえ吹けば

     愛を、永遠に

   誓いあうべきものなのだから

      なに?永遠とは。な、

    永遠を

     愛に、永遠を

   ゆらぎあうだろう。…ね?

      なに?

    愛を、永遠を

     な、ん?永遠に

   葉。葉々すらも


   ん?


   沙漠に。仮構せよ ;contrapunctus à 4

      そう。すべての饒舌な口をふさげ

    仮構せよ

     赦せと?

   沙漠を。…に

    愛していたと

     わたし自身を

   沙漠に。樹木を

    われわれはたしかに

   に、…繁り


   繁茂しきっていた

    あっ。は、

   葉。あ、…葉々

    ば。だっ、

   葉。あ、…葉々

    は。あっ、ええ

   繁茂しきっているしかなっ


   に、…翳り

    われわれはたしかに

   沙漠に。砂を

    愛していた

     和解せよ、と?

   沙漠は。…に

      すべての破廉恥な口をひき裂け。そう、

    仮構せよ

     きみとさえ

   ふいに昏ませていたのだったとでも


   ん?


   歯。歯々すらも ;canon à 4

      永遠を

    風さえ吹けば、…ええ

     愛を、永遠に

   咬みつきあうだろう

      なに?永遠とは

    永遠を

     愛に、永遠を

   いたぶりあうべきものなのだから

      なに?…あっ

    愛を、永遠を

     な、…そう。永遠に

   あえて?そう


   永遠に。ふたり

      永遠?

    ざ、と。ざ、

     永遠を

   わかたれ得ない

    と。ざざっ

     永遠に、愛を

   愛を、永遠に

    ざ、と

   永遠を


夜は?いつ ;responsorium à 3

 いつ?

いつの間に

 ええ、

明けたのだろうか?

   ほふられた?かの

    蹴っ、ええ。蹴りあげて仕舞え!

   空はうつくし…ほふられた?

    ほら。つまさきに

   かに、われわれの

    砂を

   知れ。絶句をも、きみよ


夜は?やがて

 なぜ?

今夜も夜は

 ええ、…え?

明けるのだろうか?

   た!…え?叩きつけられた?かの

    踏みし、し、しめ

   空はうつく…叩きつけられた?

    ほら。かかとに

   かに、われわれの

    波のそのうちよせた尖端

   知れ。目舞いをも、きみよ


夜は?…血を

 傷を。おっ

あなたをさえ

 も。おっ、ええ

傷めただろうか?

   そうさ、叫ばれた音響であったかの

    見て!乾燥してゆく

   空はうつ、うっ…叫ばれた?

    ぬれた砂たちは

   かに、われわれの

    あれでさえひとつの滅びであろうか。…どう?

   知れ。哄笑をも、きみよ


夜は?いつ

 見て。…え?

どこに夜は

 いや。ええ、…や!

失せたのだろうか?

   あっ。だいなしにされていた?あつ!…かの

    け、…ええ。蹴散らして仕舞え!

   空はう、…だいなしにうっ。されうっ。た?うっ、

    ねぇ、ほら。飛沫たちはすべて

   かに、われわれの

    すべて、すべ。すべて飛散しつづけているものなのだか

   知れ。鬱をも、…深刻な


ここは、あるいは沙漠ではな ;recitativo


   永遠を ;canon à 4

   愛を、永遠に

   わかたれ得ない

   永遠を。愛は


   そこしれない、ほら

    永遠を

   悲しみをくれた、が

    愛を、永遠に

   永遠に。いま

    わかたれ得ない

   あなたを愛した


   海が、そう。見えますか?

    愛はそこしれない

     永遠を

   鮮烈な、…え?

    悲しみを

     永遠に愛を

   が、あくまで猶も

    永遠に。あなたをこの、いまにさえ

     わかたれ得な

   見えもしない


   焔を


   ええ

      放っておくよ

       な!

        な!

         な!

    愛した。まぎれもない

     返り見ないうちに

   ええ、そう

      返り見な

    ただ、赤裸々な

     海に。あなたが

   ええ

      あなたが海を

    ん?事実として

     放ってお

      な!

       な!

   ええ、…え?


   焔を


   見えもしない

    ええ

   が、あくまで猶も

    ええ、そう

   鮮烈な、…え?

    ええ

   海が、そう。見えますか?


   愛した。あなたを

      永遠を

    ええ

     愛。あなたは

   永遠に。いまも

      愛を、永遠に

    ええ、…え?

     聞いただろうか?

   が、…くれた。悲しみを

      わかたれ得ない

    ええ

     咆哮を。あれら

   ほら。そこしれない


   なっ


   愛は。永遠を

      愛?

    愛した。あなたを

     けものたちは

   わかたれ得ない

      愛?

    永遠に。いまも

     ななめに投げた

   永遠に、愛を

      愛?

    悲しみつづけて

     まなざしの先に

      おお!

       いっ

        おお!

   永遠を


   ええ、…え?

      そう。わたしはわたし

    愛は。永遠に

     息をひそめた

   ええ

      肉体。それが

    わかたれ得ない

     あげよう。網膜に

   ええ、そう

      見出し得た

    愛は。永遠を

     きみの、うるおった

   ええ


   永遠を

      名。この

    ええ

     網膜に、渇きを

   愛を、永遠に

      このまぎれもない僥倖にさえ

    ええ、…あっ

     いやしようのな

   わかたれ得ない

      むせ返りさえ、し

    ええ

     渇きをあげ、あっ!

   永遠を。愛は


   かつてなかっ、ほら

      ないのだ。だ

    永遠を

     よう、お。あげよう、お

   傷みを残し、…が

      だった、た。のだっ

    愛を、永遠に

     よ。あっ

   永遠に。いま

      あっ

    わかたれ得ない

     よう、お

   あなたを愛した


   そう。匂った?潮が

      あっ

    愛はかつてなかった

     永遠を

   圧倒的な現前

      あっ

    傷みを

     愛を、永遠に

   が、あくまで猶も

      あなたの頭髪を舐めてもいいかな?

    永遠に。きみをこの、きっ。いまにさえ

     わかたれ得な

   匂いもしない


   焔を


   ええ

      放ってお

       おお!

        お

         おお!

    愛した。まぎれもない

     ん?まばたきをなど

   ええ、そう

      まばたきをなど

    ただ、赤裸々な

     し、始めもし、ない間に

   ええ

      し、始めはし、ない間に

    事実として

     放っ

      な、

       な、

        な、

   ええ、…え?


   焔を


   匂いもしない

    ええ

   が、あくまで猶も

    ええ、そう

   圧倒的な現前

    ええ

   そう。匂った?潮が


   愛した。あなたを

      永遠を

    ええ

     愛。あなたは

   永遠に。いまも

      愛を、永遠に

    ええ、…え?

     気づいただろうか?

   が、…残し、傷みを

      わかたれ得ない

    ええ

     息吹きを。あれら

   ほら。かつてなかっ、


   かっ、


   愛は。永遠を

      愛?

    愛した。あなたを

     けものたちは

   わかたれ得ない

      愛?

    永遠に。いまも

     涙をこらえたん

   永遠に、愛を

      愛?

    傷みつづけて

     まなざし。そのまざしのその先に

   永遠を


   ええ、…え?

      そう。わたしはわたし

    愛は。永遠に

     唾液をすすっ

   ええ

      肉体。それが

    わかたれ得ない

     あげよう。爪と

   ええ、そう

      制圧し得た

    愛は。永遠を

     ゆびとの間の

   ええ


   永遠を

      事実。はっ、はっ、この

    ええ

     刃物の鋭利を

   愛を、永遠に

      めざましいばかりの僥倖にさえ

    ええ、…あっ

     尖端を。きみは

   わかたれ得な

      むせ返りさえ、し

    ええ

     いやされないでいて。いやさ、あっ

   永遠を。愛は


   果てさえ見え、…ら

      ないのだ。だ

    永遠を

     もう、お

   絶望にさえも似た、が

      だった、た。のだっ

    愛を、永遠に

     ね。…え?

   永遠に。いま

      あっ

    わかたれ得ない

     もう、お

   あなたを愛した


   ぬらしたのだ。飛沫

      あっ

    愛は、その果てさえ見せない

     永遠を

   無際限な、…え?

      あっ

    絶望にさえ似た懊悩を

     愛を、永遠に

   が、あくまで猶も

      味わってもいいかな?体液を、きみの

    永遠に。あなたをこの、いまにさえ

     も

      お、

       も。わっ

     わかたれ得な

   手ざわりもない


   焔を


   ええ

      放ってお

       お!

        お!

    愛した。まぎれもない

     さ。ささやきかけた

   ええ、そう

      さ

       さや、

        い。き、かけた

    ただ、赤裸々な

     ふさいで、くちびるを

   ええ

      くちびるをふさ

    事実として

     放って

      え、

       て!

        え、

   ええ、…え?


   焔を


   手ざわりもない

    ええ

   が、あくまで猶も

    ええ、そう

   無際限な、…え?

    ええ

   ぬらしたのだ。飛沫


   つ、


   うっ


   つ、


   愛した。あなたを

      永遠を

    ええ

     愛。あなたは

   永遠に。いまも

      愛を、永遠に

    ええ、…え?

     感じただろうか?

   が、…似た。絶望にさえ

      わっ!なに?わかたれ得ない

    ええ

     あしおとを。あれら

   ほら。果てさえ見えな、


   ら、


   愛は。永遠を

      愛?

    愛した。あなたを

     けものたちは

   そう。わかたれ得ない

      愛?

    永遠に。いまも

     やや不安を咬ん

   永遠に、愛を

      愛?

    絶望にさえ落ちてゆきかけ

     まなざしの先に

      おち、

       ち!

        お!

         ちお、

   永遠を


   ええ、…え?

      そう。わたしはわたし

    愛は。永遠に

     自滅してしまうのだろうね?

   ええ

      肉体。それが

    わかたれ得な

     あげよう。すべての

   ええ、そう

      獲得?…た

    愛は。永遠を

     表皮に、すべての

   ええ


   永遠を

      限界。この

    ええ

     毛孔。それらひとつひとつに

   愛を、永遠に

      圧倒的この僥倖にさ

    ええ、…あっ

     針を。刺して

   わかたれ得な

      むせ返りさえ、し

    ええ

     ふかく。刺してあげ

      おう、

       よ

        おう、

         よ

   永遠を。愛は


   実態さえない、ほら

      ないのだ。だ

    永遠を

     よう、お

   悔恨?…が

      だった、た。のだっ

    愛を、永遠に

     よ。あっ

   永遠に。いま

      あっ

    わかたれ得ない

     よう、お

   あなたを愛した


   あっ

   あ、

   あっ


   そう。波だちのむれたちの轟音を

      あっ

    愛は実態さえない

     永遠を

   はっ。吐き気がしそうだ

      あっ

    悔恨?…を

     愛を、あっ。永遠に

   が、あくまで猶も

      あなたの肌を咬んでもいいかい?

    永遠に。あなたをこの、いまにさえ

     わかたれ得な、

      な

   ひびきさえな


   焔を


   ええ

      放っ

       な!

        な!

         な!

    愛した。まぎれもな

     返り見ないように

   ええ、そう

      返り見な

       な!

        な!

         な!

    ただ、赤裸々な。あっ

     海に。あなたが

   ええ

      あなたが海を

    そんな、いわばそんっ。事実として

     放っておくよ

   ええ、…え?


   焔を

    え?

   焔を

    え?

   焔を

    え?

   え?


   ひびきさえない

    ええ

   が、あくまで猶も

    ええ、そう

   吐き気がしそう、おう、お、

    ええ

   そう。波だちのむれたちの轟音を


   愛した。あなたを

      永遠を

    ええ

     愛。あなたは

   永遠に。いまも

      愛を、永遠に

    ええ、…え?

     無視しただろうか?

   が、…悔恨?

      わかたれ得ない

    ええ

     臭気を。あれら

   ほら。実態さえな


   いい!

   いっ

   いっ。そう


   愛は。永遠を

      愛?

    愛した。あなたを

     けものたちは

   わかたれ得な

      愛?

    永遠に。いまも

     歓喜!そう、叫びかけていた

   永遠に、愛を

      愛?

    悔恨?…なぜ、

     まなざしの先に

   永遠を


   感じて


   ええ、…え?

      そう。わたしはわたし

    愛は。永遠に

     放棄した。呼吸を

   ええ

      肉体。それが

    わかたれ得ない

     けもたち。あれらすべては

   ええ、そう

      指示し得た

    愛は。永遠を

     だろう?…絶滅するべき

   ええ


   き、…べっ


   猶も、あなたは

      すべて、事象は

    滅び失せる野獣にも

     けもの

   夢のようにも

      せ、ぼくらのせつない

    ひとしい。絶滅してゆく

     けもの

   ただ、みずみずしいのだから

      自傷にすぎない

    けだものにもひと

     けもの。け、

   世界のすべては

      そう、

    としい、と

     そう

   嫉妬していた


2023.05.15. le-ma













Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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