詩的言語の技法、第４巻；八木重吉≪空とひかり≫を主題とする無旋律の音声のための変奏 -05

　　　きざみつけらた　；canon à 4；01

　　　空よ

　　　ひかりよ

　　　やや、繊細な

　　　こころのふるえを

　　　　きざみあっていた

　　　感じら、

　　　　空よ

　　　ら、

　　　　ひかりよ

　　　ら、

　　　れ

　　　ら、れ

　　　らら

　　　感じるがいい。そう、

　　　　ら、

　　　　　き、ざっ。ざっ。ざっ、

　　　きみこそわたしに

　　　　ら、…れ

　　　　　空よ

　　　かたわらに

　　　　感じら、

　　　　　ひかりよ

　　　すでに

　　　より添うのだから

　　　　き、いっ。いっ。…え？

　　　ふいうちの

　　　鬱に、まばたきあって

　　　　　　きざむのだろう？わたしを

　　　　あなたに、すべてを

　　　　　感じら、

　　　咬みあうのだから

　　　　　　空よ

　　　　感じさせたい。わたしの

　　　　　ら、

　　　くちびるを。その

　　　　　　ひかりよ

　　　　この、…ね？

　　　　　ら、…れ。ら、

　　　なまぬるいだけの

　　　あたたかみを知れ

　　　　　　ら。感じ

　　　　すべてを

　　　　　失神に、あなたを

　　　かがやきあうから

　　　　　　ら、

　　　　あなたはわたしを

　　　　　うしなって仕舞った。だから、ら

　　　空よ

　　　　　　ら、…れ

　　　　見棄てたんだもの

　　　　　赤裸々な

　　　ひかりよ…り。に、

　　　呼応して

　　　　そう、ね？

　　　この

　　　　ね？

　　　われわれも

　　　きざみ散らされた　；02

　　　　　　ね？

　　　　ひかりに

　　　　　悲しみをわたしは

　　　空よ

　　　　　　見たよ。…夢

　　　　空に、ぼくたちは

　　　　　どうすればいい？

　　　ひかりよ

　　　　　　あなたが

　　　　呼応していた

　　　　　ば、どうすれば

　　　やや、あくまでも凶暴な

　　　睫毛の微動を

　　　　　　口蓋を、ら

　　　　きざみ、…粉砕

　　　　　そっとわたしを抱きしめてください

　　　感じら、

　　　　　　ひら、ら

　　　　空よ

　　　　　咬みついてあげる

　　　ら、

　　　　　　い、て、いく

　　　　ひかりよ

　　　　　花？

　　　ら、…れ

　　　ひらけ！

　　　　ら

　　　け！らけ、

　　　そう。感じるがいい

　　　　　　ね？

　　　　ら、

　　　　　き、ざっ。ざっ。ざっ、

　　　言ったよね？きみに

　　　　　　見たよ。夢

　　　　ら、…れ

　　　　　空よ

　　　きみこそすべてと

　　　　　　ええ。あなたが

　　　　感じら、

　　　　　ひかりよ

　　　すでに

　　　より添うのだから

　　　　き、いっ。いっ。…え？

　　　ふいうちの

　　　疼痛に、返り見あって

　　　　　　きざまれたのだろう？わたしに

　　　　放棄したのだ

　　　　　感じら、

　　　ほほ笑むのだから

　　　　　　空よ

　　　　あ。われわれはついに

　　　　　ら、

　　　歯茎には、その

　　　　　　ひかりよ

　　　　肉体。その維持を

　　　　　ら、…れ

　　　うとましいだけの

　　　ら、れ

　　　らら

　　　れ

　　　鉄の味だけが

　　　　　　感じら、

　　　　火を放たれたのは

　　　　　失笑に、ふたりで

　　　すすられていて

　　　　　　ら、

　　　　肉体であっ

　　　　　傷つけあったね？あの

　　　空よ

　　　　　　ら、…ら

　　　　あっ

　　　　　かがやかしかった

　　　ひかりよ…り。に、

　　　呼応して

　　　　そう、ね？

　　　この

　　　　ね？

　　　われわれも

　　　ええ、

　　　きざみ込まれた　；03

　　　　　　ね？

　　　　ひかりに

　　　　　空をは見ずに。見ようともせずに

　　　空よ

　　　　　　見たよ。…夢

　　　　空に、ぼくたちは

　　　　　ねぇ、ど

　　　ひかりよ

　　　　　　あなたが

　　　　呼応していた

　　　　　どうすれば？

　　　やや、あるいは微弱すぎた

　　　歯のためらいを

　　　　　　ら。まぶたを、ら

　　　　きざみ込まれた

　　　　　そっとわた、…ん？を、抱きしめてください

　　　感じら、

　　　　　　ら。ひら

　　　　空よ

　　　　　舐めあげてあげる

　　　ら、

　　　　　　ら。いていく

　　　　ひかりよ

　　　　　鼻を

　　　ら、…れ

　　　ららっ

　　　そう。感じるがいい

　　　　　　ね？

　　　　ら。ららっ

　　　　　き、ざっ。ざっ。ざっ、

　　　きみだけがわたしに

　　　　　　見たよ。ゆ、

　　　　ら、…ららっ

　　　　　空よ

　　　癒しをくれたよね？

　　　　　　あっ。締めないで！ぼくを

　　　　感じら、

　　　　　ひかりよ

　　　すでに

　　　より添うのだから

　　　　き、いっ。いっ。…え？

　　　ふいうちの

　　　嘔吐。腹痛に、

　　　　　　きざんだのだろう？わたしが

　　　　あな、すべてを。あなたの

　　　　　感じら、

　　　顔をあげようよ

　　　　　　空よ

　　　　感じてさせたい。わたしの

　　　　　ら、

　　　わたしたちは、もっと

　　　　　　ひかりよ。りら、よ

　　　　この、ね？

　　　　　ら、…れ

　　　つよくなれるよ

　　　明日はかならず

　　　　　　感じら、

　　　　鼓膜に。いまも

　　　　　腹痛に、嘔吐

　　　すてきになるよね？

　　　　　　ら、

　　　　あたりさわりのない

　　　　　嗅ぎあうんだろ？いま

　　　空よ

　　　　　　ら、…れ

　　　　微動をきざす、…が

　　　　　この。いまいましい

　　　ひかりよ…か。り、に

　　　呼応して

　　　　そう、ね？

　　　この

　　　　ね？

　　　われわれも

　　　きざみ、…粉砕　；04

　　　　　　ね？

　　　　ひかりに

　　　　　吐瀉。しゃっ！その鮮明な臭気を

　　　空よ

　　　　　　見たよ。…夢

　　　　空に、ぼくたちは

　　　　　どうすれ、れ、ば。どうすれ、れ、ば。どう

　　　ひかりよ

　　　　　　あなたが

　　　　呼応していた

　　　　　どうす、ば。いいん

　　　やや、鮮烈な

　　　爪の顫動を

　　　　　　鼻孔を、ら

　　　　きざみ散らされた

　　　　　そっとわたしを抱きしめてください

　　　感じら、

　　　　　　ひら、ら

　　　　空よ

　　　　　咆哮！…して、あげ

　　　ら、

　　　　　　い、て、いく

　　　　ひかりよ

　　　　　鼓膜至近で

　　　ら、…れ

　　　れ

　　　　ら、れ

　　　らら

　　　　れ

　　　れれ

　　　　ら

　　　ん？

　　　そう。感じるが

　　　　　　ね？

　　　　ら、

　　　　　き、ざっ。ざっ。ざっ、

　　　いい。だれっけ？…きみ

　　　　　　見たよ。夢

　　　　ら、…え？

　　　　　空よ

　　　いつのきみだっけ？

　　　　　　あなたが、…ね？

　　　　感じら、

　　　　　ひかりらよ

　　　すでに

　　　より添うのだから

　　　　き、いっ。いっ。…え？

　　　ふいうちの

　　　失笑に、ふたりで

　　　　　　きざむのだろう？わたしさえ

　　　　破棄して仕舞っ

　　　　　感じら、

　　　抱きしめあうのだ

　　　　　　空よ

　　　　もはや、われわれはもはや

　　　　　ら、

　　　地を這った、あれら

　　　　　　ひかりよ。ひか、ひ

　　　　精神の確保を

　　　　　ら、…れ

　　　影をあやつっ

　　　つっ

　　　つっ

　　　つっ

　　　われわれを決して

　　　　　　感じら、

　　　　なすりつけられたのは

　　　　　疼痛に、返り見あっ

　　　信じてはいけない

　　　　　　ら、

　　　　精神であっ

　　　　　のけぞりかえっ

　　　空よ

　　　　　　ら、…れ

　　　　あっ

　　　　　えっ

　　　ひかりよ…ひか、え？

　　　ひかりさえもに

　　　呼応して

　　　　そう、ね？

　　　この

　　　　ね？

　　　われわ

　　　わ、

　　　　れも

　　　われわ

　　　きざみあっていた　；05

　　　　　　ね？

　　　　ひかりに

　　　　　えっ

　　　空よ

　　　　　　見たよ。…夢

　　　　空に、ぼくたちは

　　　　　ね、どうす。ね、どう。ね、ど

　　　ひかりよ

　　　　　　あなたが

　　　　ええ。呼応していた

　　　　　あっ

　　　やや、いたましすぎ

　　　あっ

　　　　た

　　　あっ

　　　この風景を

　　　　　　毛孔すべ、…おっ

　　　　きざみあっていた

　　　　　そっとわたしを抱きしめてくだ

　　　感じららら

　　　　　　あっ！

　　　　空よ

　　　　　剥ぐ？…い、で

　　　ら、

　　　　　　あっ！

　　　　ひかりよ

　　　　　ほしい？表皮を

　　　ら、…れ

　　　ら、

　　　そう。感じるが

　　　　　　ね？

　　　　ら、

　　　　　き、ざっ。ざっ。ざっ、

　　　いっ。きみこそわたしに

　　　　　　見、…ええ。夢を

　　　　ら、…あっ

　　　　　空よ

　　　かなしみを教えた

　　　　　　あっ！あなただけひとりで

　　　　感じら、

　　　　　ひかりよ

　　　すでに

　　　いっ

　　　より添うのだから

　　　　き、いっ。いっ。…え？

　　　ふいうちの

　　　おっ

　　　失神に、あなたを

　　　　　　きざ、…わたし？

　　　　そうだ。すべてをあなたに

　　　　　感じら、

　　　肱うちしたね？

　　　　　　空よ

　　　　ささげてあげたい

　　　　　ら、

　　　こめかみを。その

　　　　　　ひかりよ

　　　　この、ね？

　　　　　ら、…れ

　　　陥没と裂傷

　　　ら、

　　　　れ

　　　ら、

　　　　れら

　　　ら、

　　　　らら

　　　ら、

　　　　あっ

　　　ら、

　　　　らら

　　　ら、

　　　　れ、ら

　　　ら、

　　　　れ

　　　れ、

　　　染まればいいのだ

　　　　　　感じら、

　　　　荒廃した、…と。そう

　　　　　鬱に、まばたきあっ

　　　きみは、くれないに

　　　　　　ら、

　　　　あなたが知ったはずの

　　　　　あっ、そう

　　　空よ

　　　　　　ら、…だ！故にわれわれは完璧なうつくしさを以て飛翔しあ

　　　　ええ。って、たんだよね？この

　　　　　見つめあおうとしかけていさえも

　　　ひかりよ…に、

　　　世界で。この

　　　　ら、に。ひか

　　　世界に。この

　　　　り、に。いっ

　　　世界よ。この

　　　呼応して

　　　　そう、ね？

　　　この

　　　　ね？

　　　われわ

　　　わ、

　　　　れも

　　　わ、

　　　だから、空よ　；quatrain

　　　ひかりよ。空よ

　　　知れ。みずからの

　　　かがやかしさをも

2023.05.11. le-ma