ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -250 //曼殊沙華を。ふと/踏みかけて、そこ/かかとの先。その//03
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
って、思わず、いうか、と。そこに楠は
あ。いま
ひそかに、顎
独り語散る。高明を
撥ねた。つぶやきが
顎でも
返り見、「なんか、あれじゃん?おれら。鎌倉、もう、いられんくね?」
「分かり合えんじゃん。最終的には」高明。「それ、」ささやき。「無理。…っぽくね?てか、自由が丘。あそこ、かくまってくれれないもん?」
「樹々?」と。たしかに鎌倉から、すくなくとも雪の下から失踪したとして、身を寄せられるのはさしあたり山田樹々の自由が丘くらいしかなかった。もっとも15歳の樹々は両親と同居にちがいない。知り合いのつてで、独り暮らしのだれか知り合いがひとりくらいいそうな気がした。
年上のやばい
恋だから
…いいの?
やり友とか?
清純なぼくらの
思わず、高明は
年上のまぶい
恋だから
ことさらやさしい
レズ友とか?
清潔な風が
声で、そして
年上のくさい
吹き抜けるかの
楠を見ていた。「行ったら、お前、…でも狭いじゃん。あくまで、あそこちっちゃい、こんなもんなん的な、そういう。…じゃん。町、そういう、…じゃん。会うよ。絶対。樹々と。それ、お前、平気なん?」
「莫迦」楠は目を細めた。その、不思議に大人びて見えた表情に、
いつか、わたしは
やや剥き出しで
いいんだ。もう
知っている、
無慈悲なまでに
やや繊細で
から、ゆるしあった、
と。高明は
美しいと知った
やや気が利かない
から。いいんだ、だから
思った。自分のまだ
世界を。いつか
ややもすれば無能
いいんだ。もう
知らない失恋という経験を、楠は樹々にもう、さきに知っている。「いいよ。おれは、」と、「…べつに」楠。「実際、べつにまだ、でも、可能性あんじゃん?嫌いになって別れてねぇじゃん。やり直したいとか?それ、おれ、違うけど。全然。でも、あんじゃん?もっかい。なんか、そういう、なくなくもなくね?」謂って楠は、そっと高明からその
さようなら
うしなわれた
眼を
消えます。ぼくは
影を踏め
逸らす。謂く、
風。と、風
だれ?壊し
さわがしいの。だっ、た
忘れない。なぜか
感じた。それ
ぶち壊し
こころは。ただ
きみが、あの夜
なんだった?それ
壊したの、は、だ
想えば、きみを。想えば
舌先に唐突に発かけた
わたしは感じて
猶も、悲劇の主人公でもあり得る可能性の存在など、信じようとはしないのだ、ぼくは
風。と、風
感じた。それ
風。と、風
感じた。それ
感じたままに
なにも、もはや
清冽な風を
傷みなど。もう
風そのままに
なにも、もはや
感じかけていて
風。と、風
感じた。それ
風。と、風
感じた。それ
猶も、すべては過程に他ならず、なにも解決または終焉を見たものなどなにも、と、ぼくは
風。と、風
だれ?壊し
なつかしい。の、だ
赦さない。なぜか
感じた。それ
ぶち壊し、ぶ
こころは。ただ
きみを、ぼくが
なんだった?な、な、…それ
壊したの
きみを想えば。きみを
ぼくだけが、むしろ
わたしは感じて
風。晴れた、風。湿った。湿り気。夏の?水葉。出た。外に。夏。9月になっていま、水葉。風景はあからさまな
ほら。まさに
夏を
手のひらに
さらしているかに思えた。マンション正面の駐車場へ、水葉。彼女が先導する位置にいた。雅秀が水葉の腰を、尻に手を廻すに近く、さわろうとした。椿はふと、
なぜ?いま
急激な
茫然とした。車。
世界は止めたの?
激怒。急速な
雅秀の。
進行を
忿怒
セルシオ。いきなり少年がその向こうに立ち上がり、…だれ?なにを思う間もなく疾走を、だから、お前。だれ?自分たち。まさに椿そのものに向かって、…だれだっけ?短刀を眼が確認したことを意識する間もなく、椿は
なぜ?いま
感じられる
静止を
引っつかんだ頸で
時は放棄したの?
すべて、たしかに
微動
水葉を
わたしをだけ、な
見ていられる
静止を
楯にした。切っ先が肉に刺さった感覚は椿にはない。お前、と。「兄ちゃんじゃん」英雄。その名をいまだ椿は思い出すことができなかった。あるいは、
え?
最初から
まじ?
まともに記憶さえしていなかったから。興奮はなかった。英雄にも。肉体だけが発熱していた。汗が燃え上がるしかも湿気た触感で英雄を四方から責めた。思っていた。たしかに椿を刺した、と。そのくせ、あやういほどに至近にちかづいた椿に
クッソ
罵声をあびせられ
苦悶はなかった。ふと
だ。だっせ
われに返った
鋼鉄人間かお前、と、
クッソ
鳥たちが見せた
あたまにひびいた自分の
だ。だっせ
空中の失神
声。そのクソだささを英雄は憎んだ。まばたいた。すでに側頭を椿は殴りつけていた。造作なかった。英雄はななめに倒れた。水葉ごと。刺さったままの短刀を英雄の両手が放さなかったから。あげるべき悲鳴をとばして水葉は、ひん剥いた眼の肉体を痙攣させていた。口蓋がかたく噛みあわされていた。ようやく英雄は激昂にふるえる全身を立ち上がらせ、もう、なにも。手が
死んだ?
だれも、わたしは
もう、なにも
殺した?
穢さなかった
つかんでいなかったことにもう、なにも
なにを?
わたしは、猶も
気づかない。笑った。椿は。冴えた意識と燃えあがった意識がせめぎあい、椿。責め立てた。椿。その、椿。視野を。
わめくかに
言った。「たりー。マジ、」
いじけたかに
わがままを云う「たりー、お前」口調で、「たりー、マジ」なにも。言葉は、その英雄。なにも。彼にはなにも。ただ、
全身で、やや。そこ
汗。まだ
違う、違うと
しめりけのあ、やや。
皮下に
こだましつづけ、あるいはその
感じる、やや。大気を
発熱するだけ
じぶんの声だけを声と英雄は識別する。椿はすこやかだった。あくまでも健康体だった。見えるものすべてクソだった。クソでさえなかった。だから英雄は深呼吸した。いちどだけ。椿。「ちげぇじゃん。お前。やるの違くね?カスなんかお前。死ね。まじ死んで」もはや、笑い声がもう椿の発話を壊しつづけた。見た。雅秀は飛び退き、そして立ったまま、そこ。ふと
て、て、てて
理由もない返り見のそこに、
て、て、てて
マンションの2階に顔を出した老婆を見止めた。…てめぇ、と。「見せもんじゃねぇぞ」叫ぶ。その
ありがとう
血?手の甲に
声が雅秀に
ひかりの渦が
だれの?
いきなりの忿怒を
わたしをつつむ
血?いつの間に
くれた。滾った。滾り、滾りきった。唾を老婆を向けて吐いた。逃げた。鈍重に、その老婆の上「なんっ、」半身が。「なにやってんの?」歎いた。そのとき、
たぎるよ
椿が。眼の前に
唾液が
立ったまま無抵抗の、しかも双渺に反抗をやめようとしない英雄を、右手のひらに叩きつづけながら、「おまえ、」と。「なにしくさってんの?お前、なにしくさ、」脱力。その左手が、それでも猶も自分の履いたスウェットの太もも。その生地をやさしく慰撫しつづけ、「たりー。…」脱力。「お前ら。まじクソたりー」…なりたくない。と。英雄はその
殺さなかった
知っ、歎き。を
無言の喉に
与えたのだ。あくまで
声。きみの
叫びつづけ、殺す、
傷みを、そこに
知っていっ。声
お前、殺す。または、なりたくない、前科もん、なりたくな、と。それら言葉。そこにそれら言葉。の、無数の繰り返しを。われに返る間もないまま唐突に雅秀。水葉。その耳もとに膝間づき、雅秀。あえて手もふれない
かぶれる?
そこに、救急車!と。呼べ!救急車!と。呼べ!そこに見えない、どこかにいるはずのひとの耳の可能性のすべてに雅秀はただわめき散らした。水葉は
澄んだ、もう
なぜ?
醒めた。意識。おなじく、
澄みきった、水を
まじ、唐突に
混濁。意識。水葉にはなにも
澄んで、もう
きみがいとしい
まだ、わからない。謂く、
水。清らかな
すみやかな、そして。その
なにを、いま
眼。舞う?
水。そこに
息吹き。そして
まなざしは
昏む?まさか
その波紋のように
すみやかな、そして。その
あえて、いま
全身で以てわたしは
澄み、ただ
ふるえるふるえの微細なふるえ、よ。
澄み切った
あたたかな、そして。その
わたしは唐突に
渇いていた
その波紋のように
息吹き。そして
襲われていたのだ
しかも、ただ
水。そこに
あたたかな、そして。その
覚醒感に。いわば
途方もなくみずみずしいほどの
水。清らかな
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